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チートが与えられる対象が間違っていた結果
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俺は野球の観戦に来ていた。別に野球に詳しいとか好きだからということではなく、単に俺の学校の野球部が勝ち上がってしまったからだ。
なんだかんだで勝ち上がったらしく今見ている試合に勝てば甲子園に出場が確定するらしい。
だから校長が全校あげて応援しようということになって今ここにいる。
正直野球が好きでもなんでもないため暑さにうんざりしながら早く終わらないかなあと試合を見ていた。
そんな時、うちの4番がボールにクリーンヒットしてホームランの弾道を描いていた。
これはホームランだと盛り上がっている中、そのボールがぼんやりとしていた俺の頭に当たった。
そして俺は意識を失った。
何分たったのかは分からないが、目が覚めた後知らない所にいた。頭にボールが当たった記憶だけは鮮明にあったので医務室か何かだと思ったが、少し様子が違った。
医務室に居る人達が全員日本人ではないのだ。それだけだったら良いのだが、何人か鎧をつけているのだ。明らかにおかしいことは自分でもわかる。
とはいえボールに当たったところを処置してくれた人達に感謝を述べた。そして去ろうとしたら少し来てもらいたいところがあると引き止められた。
そして俺は王族らしき人に会わされて、金銭の援助は勿論するから魔王を倒すのを手伝ってくれと言われた。
薄々感じていたがここは異世界のようだった。
とりあえず俺はお金を貰いひとまず装備を整えた後戦いに慣れるために森に向かった。
その最中、ポケットの中にボールが入っていることに気付いた。
恐らく俺が当たってしまったボールなのだろう。今ここにいるということは俺を死に至らしめた悪魔のボールである。
いくら生き返ったとはいえそんなボールと共にいるのは嫌だった。だから俺は森の中にボールを全力で投げた。
すると正面にあった木に当たり、木が弾け飛んだ。衝撃の光景にドン引きしている中、当然のようにボールが俺の手元に戻って来た。
何が起こったんだと同じように木に投げまくってみたところ、全て同じ反応だった。
これを見た俺はこのボールを使えば楽に戦えると思い、手放すことはやめることにした。
実際にその後もとても有用だった。そこら辺の武器ならともかく国宝級に指定されていた武器などよりも威力が高く扱いやすかったのだ。
恐らくこれ以外の武器を使う選択肢なんてないレベルである。
かつて自分の命を奪った悪魔のボールが異世界にて俺の活動を全面的に補助している。皮肉なものだ。
なんだかんだで勝ち上がったらしく今見ている試合に勝てば甲子園に出場が確定するらしい。
だから校長が全校あげて応援しようということになって今ここにいる。
正直野球が好きでもなんでもないため暑さにうんざりしながら早く終わらないかなあと試合を見ていた。
そんな時、うちの4番がボールにクリーンヒットしてホームランの弾道を描いていた。
これはホームランだと盛り上がっている中、そのボールがぼんやりとしていた俺の頭に当たった。
そして俺は意識を失った。
何分たったのかは分からないが、目が覚めた後知らない所にいた。頭にボールが当たった記憶だけは鮮明にあったので医務室か何かだと思ったが、少し様子が違った。
医務室に居る人達が全員日本人ではないのだ。それだけだったら良いのだが、何人か鎧をつけているのだ。明らかにおかしいことは自分でもわかる。
とはいえボールに当たったところを処置してくれた人達に感謝を述べた。そして去ろうとしたら少し来てもらいたいところがあると引き止められた。
そして俺は王族らしき人に会わされて、金銭の援助は勿論するから魔王を倒すのを手伝ってくれと言われた。
薄々感じていたがここは異世界のようだった。
とりあえず俺はお金を貰いひとまず装備を整えた後戦いに慣れるために森に向かった。
その最中、ポケットの中にボールが入っていることに気付いた。
恐らく俺が当たってしまったボールなのだろう。今ここにいるということは俺を死に至らしめた悪魔のボールである。
いくら生き返ったとはいえそんなボールと共にいるのは嫌だった。だから俺は森の中にボールを全力で投げた。
すると正面にあった木に当たり、木が弾け飛んだ。衝撃の光景にドン引きしている中、当然のようにボールが俺の手元に戻って来た。
何が起こったんだと同じように木に投げまくってみたところ、全て同じ反応だった。
これを見た俺はこのボールを使えば楽に戦えると思い、手放すことはやめることにした。
実際にその後もとても有用だった。そこら辺の武器ならともかく国宝級に指定されていた武器などよりも威力が高く扱いやすかったのだ。
恐らくこれ以外の武器を使う選択肢なんてないレベルである。
かつて自分の命を奪った悪魔のボールが異世界にて俺の活動を全面的に補助している。皮肉なものだ。
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