9 / 36
9話
しおりを挟む
そして20時間後、
「やっと着いたな!」
「そうだな」
俺たちはようやく俺の家に到着した。
「さあさあ早く行こうではないか」
涼は大量の段ボールを同時に運びながら、器用に俺の背中を押してくる。
何故こいつは20時間運転し続けたのにこんなに元気なんだよ……
「ただいま!」
「もう我が家の面だよ」
「だって私の家じゃないか」
俺は気にすることをやめた。
ひとまずリビングに涼の荷物を置いてもらった後、涼の部屋を作るべく余っていた部屋を一つ片付けた。
「配信部屋じゃなかったのか?」
その余っていた部屋は、俺の配信に使っていた部屋だった。
「別にもう配信することは殆ど無いだろうしな」
今はゲーマーとしての配信では無く、ダンジョン攻略をネットに上げている冒険者だからな。
「なら良いが」
それに、この部屋が一番片付けるのが楽だという理由もある。
機材以外を部屋に置いていなかったため、荷物が一番少なかったのだ。
正直そんなことより俺は早く休みたかった。
俺は別の部屋から布団を持ってきて涼の部屋に置いた。残るは段ボール箱の整理だが、女性の荷物を一緒に開けるのは罪悪感があるからと涼に丸投げし、涼に寝ることを伝え即座に就寝した。
朝起きると、良い香りが寝室まで漂ってきていた。
リビングに行くと、
「おはよう、AIM君」
「おはよう、ご飯作ってくれたのか」
わざわざエプロンを着た涼がキッチンに立ち、朝食を作ってくれていた。
「勿論。最初に家事はするって言ったからね」
並べられている朝食は非常にバランスの取れた栄養のある食事だった。
「完璧な食事だ」
「AIM君はエイムの安定の為に体を鍛えているって話は聞いているからね。食事にも気を遣っているんじゃないかい?」
冒険者になってからは話していないはずだが。
「本当に俺の事を調べたんだな」
冒険者とは関係ない、プロゲーマー時代までとは思っていなかった。
「ああ。配信を見ているうちに君自身にも興味を持ったからな」
そう言ってもらえると配信者としては非常にありがたい話だ。
「周人と呼んでくれ」
「それは君の本名かい?」
「ああ、俺の本名は玉森周人だ。ここまでプライベートな関係なんでな。ハンドルネームで呼ばれるほうが何かと不自然というか」
そもそも涼は配信者でもネット上で知り合った関係でもないしな。
「ならそうさせてもらうとしようかな。周人君」
「ああ、よろしく」
そんな会話をしているうちに朝食が全て出来上がったようで、共に朝食を食べた。
プロ並みでは無いが、少なくとも俺が作るよりは遥かに美味しく満足度のある食事だった。
「ごちそうさま。非常に美味しかった」
「周人君が満足したのなら良かった」
涼は優しく微笑んだ。
「どうしたんだい?」
「何でもない」
その表情を見て夫婦になったらこんな感じなんだろうななんて絶対に考えていない。
その後、俺はリンネと会いD級ダンジョンがあるという武蔵小山に向かった。
その撮影前、
「新しくブーメランを手に入れたので最初は紹介から入っていいか?」
「良いよ。僕も正直楽しみだし」
「なら挨拶してダンジョンの説明をした後にする」
「分かった。配信始めるね」
リンネはカメラの電源を入れ、配信を開始した。
いつも通りに俺たちの挨拶をした後、ダンジョンの説明に移った。
「ここは武蔵小山ダンジョン。ネットで見た情報では、人間が住んでいた場所がモチーフらしい。そして敵もそれに合わせて人型の敵が出てくる。ということはだよ、FPSプロゲーマーとして何千何万を超える人を殺してきた僕たちの本領発揮と言えるんじゃないかな!」
「そうだな。地形もFPSに出てきそうな場所だ。リンネの作戦を存分に発揮してもらおう」
「一応リンネもだよ?人の倒し方は心得てるよね?」
「俺は生き物の弱点を狙うだけだからいつも通りだ」
「まあいいや。でAIM、何か視聴者の皆に紹介したいものがあるんだって?」
「ああ。一部の人たちは知っているかもしれないが、昨日おとといと俺は新しいブーメランを買うために北海道に行ってきた。そこで買ってきたブーメランを最初に紹介しようと思う」
俺はマジックバッグからブーメランを数個取り出す。
「まずはこれ。普通のブーメランとさして見た目は変わらないが、ホーングリズリーの素材でできているから非常に丈夫だ」
「触ってみても良い?結構固いし重いね。これならサウザントトレントの枝も折れそう」
「そうだな。これは単純な火力増強として仕入れた。そして次」
「これかなり薄いね」
「そうだな。ここは映るか?」
ブーメランの片面をリンネに見せた後カメラに向ける。
「もしかして打撃じゃなくて切断武器ってこと?」
「ああ。敵によってはこれで体を切り落とせるだろう。さらに矢と同じように毒を塗ることも可能だ」
「これは戦術の幅が広がりそうだ。面白いね」
「そして最後だが……」
俺は出す気は無かったが、後々文句を言われそうだったので渋々出した。
「何これ?」
当然リンネは困惑している。
「作者曰く、ブーメランを3次元にしてみたかったそうだ」
出したのは、ブーメランを90度に二つくっつけた例の物。一応実用性を持たせるためか先程の物と同様に切断向きの作りだった。
「使うの?」
「使いたくは無いが、使えと五月蠅いのでな。どこかで使わないといけない」
もし使わなかったら帰ってきたときに散々文句を言われるだろう。
「AIMも中々だけどその職人さんも結構変わった人なんだね」
「俺は真っ当だ。まあ、アイツが変わっていることは否めない。ブーメラン専門の職人をやっているくらいだからな」
「世界も広いね」
「そうだな。紹介も終わったことだからさっさと狩りに行くか」
俺たちは気を引き締めてD級ダンジョンで腕試しを始める。
第一層は様々なゾンビが跋扈している荒廃した都市のようなエリア。
「まるでバイオ何とかみたいだね」
周りを見渡すと、結構な数のゾンビが街をうろついていた。しかし10m程の距離まで近づいても俺たちに気付く様子は無い。
「神経とか諸々が腐っているから五感が鈍いのかもね」
「そうだな」
遠距離攻撃を得意とする俺としては非常に楽な敵だが、油断せずに対応する。
「まずはAIMがブーメランで攻撃して見て。反応が見たい」
「分かった」
俺はホーングリズリーのブーメランを取り出し、ゾンビに向かって投げる。
それは寸分の狂いも無く頭に命中し、鈍い音と共に頭を吹き飛ばした。
そしてブーメランは真っすぐ戻ってきて、キャッチをっ!
「大丈夫?」
「大丈夫だ。怪我とかは無い。思っていたよりも重くて驚いただけだ」
何も考えずにキャッチを試みたが威力がかなり高かった。キャッチする位置が腹の前だったので大事には至らなかったが、頭付近だったら大分危険だった。
ゾンビの頭蓋を吹き飛ばした時点で分かるべきだったが、それはそうだよな。
「なら良かった」
「にしてもそんなに強くないな」
正直この間のトレントたちの方が圧倒的に強かった気がする。
「そうだね。でもD級指定されているってことは何かからくりがあるかもしれない。まあ遠距離で戦う僕たちにはあまり関係なさそうだね。今度は僕もやってみるよ」
リンネはライトマシンガンを構え、ゾンビの近くへ走っていった。
けたたましい銃声と共にゾンビの体は順々に蜂の巣にされていった。
様子を見ているとリンネが周囲の敵をすべて狩りつくしそうな勢いだったので俺も狩りを始める。
リンネの斜線にブーメランが入ると不味いので二人から離れた敵を狙う。当たった敵の頭蓋が綺麗に吹き飛ばされていく様は非常に心地いいな。今までのブーメランであれば頭蓋を砕くのが限界だったからな。
遠距離高火力武器はこうでなくては。
そしてキャッチにも成功。先程の反省を生かした結果だ。威力が高いと言ってもあくまで戻ってくるブーメラン。分かっていれば大したことはない。
リンネの方も終わったのでこちらへ戻ってきた。
「楽勝だったね」
「そうだな」
お互いに一切の接近を許さなかったため非常に楽な戦闘だった。
「じゃあ素材を剥ぎ取りに行こうか」
「素材とかあるのか?」
倒したのはあくまで腐った死体。肉は食えないし骨も骨で大して使い道も無さそうだが。
「ゾンビの体にはないけど、身に着けているものがあるじゃん」
「なるほど」
ゾンビから得られる素材は、どうやら人間の所持品らしい。
「お、財布じゃん。中身も結構入っているよ」
「こっちは指輪だな。結婚指輪みたいで刻印が入っているから値段はつかなさそうだが」
かなり人に近いので火事場泥棒のような感じがして多少罪悪感を覚えるが、こいつらはあくまでもモンスターだものな。
そんな感じで死体あさりに勤しんでいると、何か物音が聞こえてきた。
「何だ?」
「まさか足音か?」
「やっと着いたな!」
「そうだな」
俺たちはようやく俺の家に到着した。
「さあさあ早く行こうではないか」
涼は大量の段ボールを同時に運びながら、器用に俺の背中を押してくる。
何故こいつは20時間運転し続けたのにこんなに元気なんだよ……
「ただいま!」
「もう我が家の面だよ」
「だって私の家じゃないか」
俺は気にすることをやめた。
ひとまずリビングに涼の荷物を置いてもらった後、涼の部屋を作るべく余っていた部屋を一つ片付けた。
「配信部屋じゃなかったのか?」
その余っていた部屋は、俺の配信に使っていた部屋だった。
「別にもう配信することは殆ど無いだろうしな」
今はゲーマーとしての配信では無く、ダンジョン攻略をネットに上げている冒険者だからな。
「なら良いが」
それに、この部屋が一番片付けるのが楽だという理由もある。
機材以外を部屋に置いていなかったため、荷物が一番少なかったのだ。
正直そんなことより俺は早く休みたかった。
俺は別の部屋から布団を持ってきて涼の部屋に置いた。残るは段ボール箱の整理だが、女性の荷物を一緒に開けるのは罪悪感があるからと涼に丸投げし、涼に寝ることを伝え即座に就寝した。
朝起きると、良い香りが寝室まで漂ってきていた。
リビングに行くと、
「おはよう、AIM君」
「おはよう、ご飯作ってくれたのか」
わざわざエプロンを着た涼がキッチンに立ち、朝食を作ってくれていた。
「勿論。最初に家事はするって言ったからね」
並べられている朝食は非常にバランスの取れた栄養のある食事だった。
「完璧な食事だ」
「AIM君はエイムの安定の為に体を鍛えているって話は聞いているからね。食事にも気を遣っているんじゃないかい?」
冒険者になってからは話していないはずだが。
「本当に俺の事を調べたんだな」
冒険者とは関係ない、プロゲーマー時代までとは思っていなかった。
「ああ。配信を見ているうちに君自身にも興味を持ったからな」
そう言ってもらえると配信者としては非常にありがたい話だ。
「周人と呼んでくれ」
「それは君の本名かい?」
「ああ、俺の本名は玉森周人だ。ここまでプライベートな関係なんでな。ハンドルネームで呼ばれるほうが何かと不自然というか」
そもそも涼は配信者でもネット上で知り合った関係でもないしな。
「ならそうさせてもらうとしようかな。周人君」
「ああ、よろしく」
そんな会話をしているうちに朝食が全て出来上がったようで、共に朝食を食べた。
プロ並みでは無いが、少なくとも俺が作るよりは遥かに美味しく満足度のある食事だった。
「ごちそうさま。非常に美味しかった」
「周人君が満足したのなら良かった」
涼は優しく微笑んだ。
「どうしたんだい?」
「何でもない」
その表情を見て夫婦になったらこんな感じなんだろうななんて絶対に考えていない。
その後、俺はリンネと会いD級ダンジョンがあるという武蔵小山に向かった。
その撮影前、
「新しくブーメランを手に入れたので最初は紹介から入っていいか?」
「良いよ。僕も正直楽しみだし」
「なら挨拶してダンジョンの説明をした後にする」
「分かった。配信始めるね」
リンネはカメラの電源を入れ、配信を開始した。
いつも通りに俺たちの挨拶をした後、ダンジョンの説明に移った。
「ここは武蔵小山ダンジョン。ネットで見た情報では、人間が住んでいた場所がモチーフらしい。そして敵もそれに合わせて人型の敵が出てくる。ということはだよ、FPSプロゲーマーとして何千何万を超える人を殺してきた僕たちの本領発揮と言えるんじゃないかな!」
「そうだな。地形もFPSに出てきそうな場所だ。リンネの作戦を存分に発揮してもらおう」
「一応リンネもだよ?人の倒し方は心得てるよね?」
「俺は生き物の弱点を狙うだけだからいつも通りだ」
「まあいいや。でAIM、何か視聴者の皆に紹介したいものがあるんだって?」
「ああ。一部の人たちは知っているかもしれないが、昨日おとといと俺は新しいブーメランを買うために北海道に行ってきた。そこで買ってきたブーメランを最初に紹介しようと思う」
俺はマジックバッグからブーメランを数個取り出す。
「まずはこれ。普通のブーメランとさして見た目は変わらないが、ホーングリズリーの素材でできているから非常に丈夫だ」
「触ってみても良い?結構固いし重いね。これならサウザントトレントの枝も折れそう」
「そうだな。これは単純な火力増強として仕入れた。そして次」
「これかなり薄いね」
「そうだな。ここは映るか?」
ブーメランの片面をリンネに見せた後カメラに向ける。
「もしかして打撃じゃなくて切断武器ってこと?」
「ああ。敵によってはこれで体を切り落とせるだろう。さらに矢と同じように毒を塗ることも可能だ」
「これは戦術の幅が広がりそうだ。面白いね」
「そして最後だが……」
俺は出す気は無かったが、後々文句を言われそうだったので渋々出した。
「何これ?」
当然リンネは困惑している。
「作者曰く、ブーメランを3次元にしてみたかったそうだ」
出したのは、ブーメランを90度に二つくっつけた例の物。一応実用性を持たせるためか先程の物と同様に切断向きの作りだった。
「使うの?」
「使いたくは無いが、使えと五月蠅いのでな。どこかで使わないといけない」
もし使わなかったら帰ってきたときに散々文句を言われるだろう。
「AIMも中々だけどその職人さんも結構変わった人なんだね」
「俺は真っ当だ。まあ、アイツが変わっていることは否めない。ブーメラン専門の職人をやっているくらいだからな」
「世界も広いね」
「そうだな。紹介も終わったことだからさっさと狩りに行くか」
俺たちは気を引き締めてD級ダンジョンで腕試しを始める。
第一層は様々なゾンビが跋扈している荒廃した都市のようなエリア。
「まるでバイオ何とかみたいだね」
周りを見渡すと、結構な数のゾンビが街をうろついていた。しかし10m程の距離まで近づいても俺たちに気付く様子は無い。
「神経とか諸々が腐っているから五感が鈍いのかもね」
「そうだな」
遠距離攻撃を得意とする俺としては非常に楽な敵だが、油断せずに対応する。
「まずはAIMがブーメランで攻撃して見て。反応が見たい」
「分かった」
俺はホーングリズリーのブーメランを取り出し、ゾンビに向かって投げる。
それは寸分の狂いも無く頭に命中し、鈍い音と共に頭を吹き飛ばした。
そしてブーメランは真っすぐ戻ってきて、キャッチをっ!
「大丈夫?」
「大丈夫だ。怪我とかは無い。思っていたよりも重くて驚いただけだ」
何も考えずにキャッチを試みたが威力がかなり高かった。キャッチする位置が腹の前だったので大事には至らなかったが、頭付近だったら大分危険だった。
ゾンビの頭蓋を吹き飛ばした時点で分かるべきだったが、それはそうだよな。
「なら良かった」
「にしてもそんなに強くないな」
正直この間のトレントたちの方が圧倒的に強かった気がする。
「そうだね。でもD級指定されているってことは何かからくりがあるかもしれない。まあ遠距離で戦う僕たちにはあまり関係なさそうだね。今度は僕もやってみるよ」
リンネはライトマシンガンを構え、ゾンビの近くへ走っていった。
けたたましい銃声と共にゾンビの体は順々に蜂の巣にされていった。
様子を見ているとリンネが周囲の敵をすべて狩りつくしそうな勢いだったので俺も狩りを始める。
リンネの斜線にブーメランが入ると不味いので二人から離れた敵を狙う。当たった敵の頭蓋が綺麗に吹き飛ばされていく様は非常に心地いいな。今までのブーメランであれば頭蓋を砕くのが限界だったからな。
遠距離高火力武器はこうでなくては。
そしてキャッチにも成功。先程の反省を生かした結果だ。威力が高いと言ってもあくまで戻ってくるブーメラン。分かっていれば大したことはない。
リンネの方も終わったのでこちらへ戻ってきた。
「楽勝だったね」
「そうだな」
お互いに一切の接近を許さなかったため非常に楽な戦闘だった。
「じゃあ素材を剥ぎ取りに行こうか」
「素材とかあるのか?」
倒したのはあくまで腐った死体。肉は食えないし骨も骨で大して使い道も無さそうだが。
「ゾンビの体にはないけど、身に着けているものがあるじゃん」
「なるほど」
ゾンビから得られる素材は、どうやら人間の所持品らしい。
「お、財布じゃん。中身も結構入っているよ」
「こっちは指輪だな。結婚指輪みたいで刻印が入っているから値段はつかなさそうだが」
かなり人に近いので火事場泥棒のような感じがして多少罪悪感を覚えるが、こいつらはあくまでもモンスターだものな。
そんな感じで死体あさりに勤しんでいると、何か物音が聞こえてきた。
「何だ?」
「まさか足音か?」
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる