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40話
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「よし、一旦休憩にしましょうか」
攻撃を受け続けること約10分、ようやく攻撃の手を緩めてくれた。
「はあ、乗り切った……」
「というわけで飲みなさい。痛かったでしょう」
そう言って杏奈さんが渡してきたのは昨日作成したエリクサー入りオレンジジュース。先日杏奈さんが購入したジュースの中では珍しく当たりに部類する飲み物だ。恐らく、ギルドメンバーを一方的に攻撃してサンドバッグにしているということに多少の罪悪感を感じてくれたからだと思う。
「うん、ありがとう」
俺は有難くオレンジジュースを受け取り、飲んだ。
この間のコーヒーよりもエリクサーを多めに入れて作っているらしく、前回もあった疲労回復効果に加え、杏奈さんによってつけられた傷も癒えていた。
普通の回復ポーションと違って継続回復効果は無いものの、即効性があるのが非常に便利だ。
「飲んだわね。なら始めるわよ」
「もう!?」
ジュース飲んだだけだから3分も休憩していないんですが。
「休憩というのは疲れた体を休めるためにするもの。なら体が既に休まっている状態であればする必要は一切ない。ならさっさと次のセットに移るべきじゃない?」
「心は休憩できていないんですが!!もっと必要です!!」
確かに杏奈さんの言うことは間違ってはいない。しかし、休憩には心や脳を休めるという側面も実は存在するんですよ。
特に今回は凄く痛かったので痛みに応じた休憩時間は欲しいんですよ。
「大丈夫よ。全てが終わったらきっちりとケアしてあげるから」
しかし、当然杏奈さんは俺の主張を受け入れることはなく、空き缶を持ったままの俺に向かって攻撃を仕掛けてきた。
「ええ……」
なんとなく予想はしていたので、きっちりと一発目からガードさせてもらった。
それから、10分戦闘をしたらエリクサー入り飲料を1本飲むという流れを10回ほど繰り返した。
「私の攻撃力はどうかしら?」
「上がってはいると思う」
その結果、杏奈さんの攻撃力は少しずつ上がり続けていた。
「何よその歯切れの悪い回答は」
「だってこっちも防御力が上がってるから分かりにくいんだよ……」
流石に杏奈さんの攻撃威力が上がるペースの方が早いから違いはギリギリ分かるのだが、こちらの防御力が上がっているせいでそれまでとの比較ができない。
「ならスキルを取らなければ良いじゃない。私たちと違ってあなたは任意のタイミングで強くなることが可能なのだから」
「スキルを取らなきゃ痛いんだよ!取っても痛いけどさ!!」
サンドバッグになってはいるが、杏奈さんの攻撃を完全に受けきれているわけでは無いんだよ。
「痛いのが好きなわけじゃないのね」
「違うわ!!!」
寧ろ嫌いだよ!!!!
「まあ、今の間は好きになってもらわないと困るけれど。行くわよ」
それから大体10時間後、
「これで十分かしら」
「うん。これ以上はレベルを上げていった方が早いと思うよ。身体的にも、そしてお金的にも……」
「そうね。これ以上は無駄金ね」
俺たちは既に昨日作ったエリクサー入り飲料を二人合わせて200本近く消費していた。金額にして1億2000万くらいだろうか。
それをただの訓練の為に消費したという事実は、ごくごく一般的な小市民である俺をいとも簡単に失神させそうなものだが、流石に二度目だったので耐性がついていた。
「じゃあさっさとAランク試験に受かってさくっと金稼ぎに行きましょう」
そもそも今の俺たちなら1億円を稼ぐというのは不可能な話ではないからね。頑張ればいい話だよ。
「そうね、リベンジしてくるわ」
杏奈さんは翌日Aランク試験を再度受験し、見事に合格した。
ちなみに試験官の評価は、『手数が多いのに攻撃一発一発が非常に重く脅威だった。Aランクなり立ての人がこの攻撃を受けたら数秒と経たずに倒されてしまうのでは』とのこと。
本当に訓練した甲斐があった。それはもう本当に。
でももう似たような場面が出てきたとしても二度とやりたくないかな。杏奈さん、威力を上げてきているのに手数はずっと据え置きだったせいで最後らへんは殆ど拷問だったもの。
気絶しそうになった瞬間に気絶から強制的に目を覚まさせるような攻撃が飛んでくる環境は異常だよ。
1週間後、
「これで収支はプラスね」
「そうだね。じゃあそろそろAランクダンジョンに挑む?」
二人してAランク探索者になったので早速Aランクダンジョンで荒稼ぎ……ということはせず、その後はBランクダンジョンのボスを乱獲することで使ってしまったお金を回収した。
理由は単純で、俺たちの実力ではAランクダンジョンのボスを討伐できないと判断したからだ。
別にAランクダンジョンに出てくるボス以外のモンスターを倒しても十分なお金にはなるのだが、Bランクダンジョンボスを倒して得る収益の方が10倍以上良いので、現在急いでお金を工面しないといけなかった俺たちはそっちを選んだ。
強さ的にもAランクダンジョンの道中よりもBランクダンジョンのボスの方が強いからレベル上げとかの効率も良いらしいしね。
というわけで金を取り返したので明日からAランクダンジョンに行くのかなと思っていたのだけれど、
「明日はダンジョンに行かないわよ」
と家に帰ったタイミングで告げられた。
「あれ、なんかあったっけ?」
明日は土曜日で一般的には休日とされている日だが、俺たちのギルドに土日は関係ない。
なんなら土日はC級以上のダンジョンが全体的に空いていがちなので平日よりも積極的に活動していたりする。
だから明日はダンジョンに是が非でも挑むと思っていたので意外だった。
「私には何もないわ。あなたにそろそろ行かなければならない所がありそうだから休日を取ることにしたのよ」
「行かなければならない所……?」
「お金、貯金しているんでしょ?」
「あれ、知ってたの?」
通帳は割と厳重に保管しているので、杏奈さんは貯金残高を知りようが無い気がするんだけど。
「知っていた、というよりはあなたが食品以外の品を購入している様子を見た事が無いのだからそう考えるのが妥当よ」
「確かに購入してないかも……」
今思い返せばこの家に来てから食品以外で自発的に何かを購入した記憶は無いなあ……
「その様子だと目的があって貯金しているのは事実だけど、何も買っていないのは無意識のようね」
「うん。あんまりお金の使いどころが見当たらなくて」
「まあ、明日は一気に使うでしょう?」
「そうだね。折角だから使えるだけ使おうと思うよ」
「そうしてお金の使い方を学びなさい」
「ありがとう、杏奈さん」
というわけで明日行く場所に事前に連絡を入れた。
「準備は出来たわね。なら行くわよ」
「本当にありがとうね」
「構わないわ」
翌日、俺たちは杏奈さんの運転で目的地へと向かった。
攻撃を受け続けること約10分、ようやく攻撃の手を緩めてくれた。
「はあ、乗り切った……」
「というわけで飲みなさい。痛かったでしょう」
そう言って杏奈さんが渡してきたのは昨日作成したエリクサー入りオレンジジュース。先日杏奈さんが購入したジュースの中では珍しく当たりに部類する飲み物だ。恐らく、ギルドメンバーを一方的に攻撃してサンドバッグにしているということに多少の罪悪感を感じてくれたからだと思う。
「うん、ありがとう」
俺は有難くオレンジジュースを受け取り、飲んだ。
この間のコーヒーよりもエリクサーを多めに入れて作っているらしく、前回もあった疲労回復効果に加え、杏奈さんによってつけられた傷も癒えていた。
普通の回復ポーションと違って継続回復効果は無いものの、即効性があるのが非常に便利だ。
「飲んだわね。なら始めるわよ」
「もう!?」
ジュース飲んだだけだから3分も休憩していないんですが。
「休憩というのは疲れた体を休めるためにするもの。なら体が既に休まっている状態であればする必要は一切ない。ならさっさと次のセットに移るべきじゃない?」
「心は休憩できていないんですが!!もっと必要です!!」
確かに杏奈さんの言うことは間違ってはいない。しかし、休憩には心や脳を休めるという側面も実は存在するんですよ。
特に今回は凄く痛かったので痛みに応じた休憩時間は欲しいんですよ。
「大丈夫よ。全てが終わったらきっちりとケアしてあげるから」
しかし、当然杏奈さんは俺の主張を受け入れることはなく、空き缶を持ったままの俺に向かって攻撃を仕掛けてきた。
「ええ……」
なんとなく予想はしていたので、きっちりと一発目からガードさせてもらった。
それから、10分戦闘をしたらエリクサー入り飲料を1本飲むという流れを10回ほど繰り返した。
「私の攻撃力はどうかしら?」
「上がってはいると思う」
その結果、杏奈さんの攻撃力は少しずつ上がり続けていた。
「何よその歯切れの悪い回答は」
「だってこっちも防御力が上がってるから分かりにくいんだよ……」
流石に杏奈さんの攻撃威力が上がるペースの方が早いから違いはギリギリ分かるのだが、こちらの防御力が上がっているせいでそれまでとの比較ができない。
「ならスキルを取らなければ良いじゃない。私たちと違ってあなたは任意のタイミングで強くなることが可能なのだから」
「スキルを取らなきゃ痛いんだよ!取っても痛いけどさ!!」
サンドバッグになってはいるが、杏奈さんの攻撃を完全に受けきれているわけでは無いんだよ。
「痛いのが好きなわけじゃないのね」
「違うわ!!!」
寧ろ嫌いだよ!!!!
「まあ、今の間は好きになってもらわないと困るけれど。行くわよ」
それから大体10時間後、
「これで十分かしら」
「うん。これ以上はレベルを上げていった方が早いと思うよ。身体的にも、そしてお金的にも……」
「そうね。これ以上は無駄金ね」
俺たちは既に昨日作ったエリクサー入り飲料を二人合わせて200本近く消費していた。金額にして1億2000万くらいだろうか。
それをただの訓練の為に消費したという事実は、ごくごく一般的な小市民である俺をいとも簡単に失神させそうなものだが、流石に二度目だったので耐性がついていた。
「じゃあさっさとAランク試験に受かってさくっと金稼ぎに行きましょう」
そもそも今の俺たちなら1億円を稼ぐというのは不可能な話ではないからね。頑張ればいい話だよ。
「そうね、リベンジしてくるわ」
杏奈さんは翌日Aランク試験を再度受験し、見事に合格した。
ちなみに試験官の評価は、『手数が多いのに攻撃一発一発が非常に重く脅威だった。Aランクなり立ての人がこの攻撃を受けたら数秒と経たずに倒されてしまうのでは』とのこと。
本当に訓練した甲斐があった。それはもう本当に。
でももう似たような場面が出てきたとしても二度とやりたくないかな。杏奈さん、威力を上げてきているのに手数はずっと据え置きだったせいで最後らへんは殆ど拷問だったもの。
気絶しそうになった瞬間に気絶から強制的に目を覚まさせるような攻撃が飛んでくる環境は異常だよ。
1週間後、
「これで収支はプラスね」
「そうだね。じゃあそろそろAランクダンジョンに挑む?」
二人してAランク探索者になったので早速Aランクダンジョンで荒稼ぎ……ということはせず、その後はBランクダンジョンのボスを乱獲することで使ってしまったお金を回収した。
理由は単純で、俺たちの実力ではAランクダンジョンのボスを討伐できないと判断したからだ。
別にAランクダンジョンに出てくるボス以外のモンスターを倒しても十分なお金にはなるのだが、Bランクダンジョンボスを倒して得る収益の方が10倍以上良いので、現在急いでお金を工面しないといけなかった俺たちはそっちを選んだ。
強さ的にもAランクダンジョンの道中よりもBランクダンジョンのボスの方が強いからレベル上げとかの効率も良いらしいしね。
というわけで金を取り返したので明日からAランクダンジョンに行くのかなと思っていたのだけれど、
「明日はダンジョンに行かないわよ」
と家に帰ったタイミングで告げられた。
「あれ、なんかあったっけ?」
明日は土曜日で一般的には休日とされている日だが、俺たちのギルドに土日は関係ない。
なんなら土日はC級以上のダンジョンが全体的に空いていがちなので平日よりも積極的に活動していたりする。
だから明日はダンジョンに是が非でも挑むと思っていたので意外だった。
「私には何もないわ。あなたにそろそろ行かなければならない所がありそうだから休日を取ることにしたのよ」
「行かなければならない所……?」
「お金、貯金しているんでしょ?」
「あれ、知ってたの?」
通帳は割と厳重に保管しているので、杏奈さんは貯金残高を知りようが無い気がするんだけど。
「知っていた、というよりはあなたが食品以外の品を購入している様子を見た事が無いのだからそう考えるのが妥当よ」
「確かに購入してないかも……」
今思い返せばこの家に来てから食品以外で自発的に何かを購入した記憶は無いなあ……
「その様子だと目的があって貯金しているのは事実だけど、何も買っていないのは無意識のようね」
「うん。あんまりお金の使いどころが見当たらなくて」
「まあ、明日は一気に使うでしょう?」
「そうだね。折角だから使えるだけ使おうと思うよ」
「そうしてお金の使い方を学びなさい」
「ありがとう、杏奈さん」
というわけで明日行く場所に事前に連絡を入れた。
「準備は出来たわね。なら行くわよ」
「本当にありがとうね」
「構わないわ」
翌日、俺たちは杏奈さんの運転で目的地へと向かった。
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