17 / 87
17話
しおりを挟む
「お待たせ、杏奈ちゃん。そして……?」
「如月飛鳥です、よろしくお願いします」
「どうも、蓮見葉子です。『師走の先』の研究所でスキルの研究を行っています」
「挨拶は済んだようね。じゃあはすみちゃん、彼を強くする手伝いをしなさい」
「私が?この子を?杏奈ちゃんじゃなくて?」
「ええ。彼の育成という点においてあなたに肩を並べる者は居ないわ」
「どういうこと?」
「彼はレベルが上がらない代わりに、無制限にスキルを獲得できるのよ」
「え!?本当に!?!?!?!?」
「ええ。疑うのならスキルを確認する道具を一度使ってみなさい」
そして蓮見さんは慌ててスキルを調べてくれるらしい道具を持ってきて、俺の写真を撮った瞬間、その道具が爆発した。
「杏奈ちゃん、これ壊れたんだけど……」
「私を疑うのが悪いのよ」
杏奈さんはどうやら壊れる事が分かっていて調べさせたらしい。扱い酷くないかな。
「すいませんでした……」
えっと、ここ怒る所じゃないのかな。なんでそんなに申し訳なさそうなの。
「力関係どうなっているの……?」
これ確実にパワハラ案件な関係だよね。
「私が上で、はすみちゃんが下。これに何の問題が?」
堂々とパワハラしてます宣言しちゃったよこの人。
「問題しかないですが。立派なパワハラだよそれ」
「それもそうね。じゃあこれからはやめることにするわ」
と俺が指摘すると、やけにあっさりとパワハラをやめる宣言をした。
すると、
「やめて!やめないでください!お願いしますから!!!」
何故か蓮見さんが杏奈さんに縋りつき、そう懇願していた。
「えっと、どういうこと?」
「杏奈さんの声、見た目、話し方の全てが私の敬愛するイレーヌさんに似ているの!だから私ができればそういう対応をして欲しいってお願いしているの!」
「イレーヌ?」
何だそれ。聞き覚えが無いんだけど。
「神アニメ、異世界スキル探検家のメインヒロインです!」
「いや、本当に聞いたことが無いです」
そもそも俺がアニメにそこまで詳しくないのもあるけど、多分それはかなりマイナーだよね。
「え……神アニメなのに……」
俺がそう言うと、心底驚いた表情でこちらを見てきた。そんな目で見られても知らないものは知らないんですよ。
「知らなくて当然よ。5年前の特にネットで話題になることも無かったアニメだもの」
「それは知るわけが無いですね」
「なるほど、あの作品を知らないと。ではこちらをどうぞ!」
そう言ってどこからともなく取り出してきたのは例のアニメのDVDボックスだった。
「えっと……」
貸していただけるのは有難いけれど、当然家にそんな設備は存在しないので非常に対応に困る。
「そんなものはどうでも良いわ。さっさと本題に戻りなさい」
「はい……」
俺が持たされていたDVDボックスを杏奈さんが蓮見さんに押し戻した後、本題に戻ることに。
「なるほど、飛鳥君はレベルが上がらない代わりにスキルを無制限に獲得できるから、世界一スキルについて知識がある私にどうにかしてくれってことだね」
「ええ。よく分かったわね」
「天才だからね!」
露骨すぎる杏奈さんの煽りに気付かない蓮見さんは、褒められていたと錯覚し胸を張っていた。
「では始めなさい」
「オッケー!ちょっと待ってね!」
杏奈さんは部屋の奥からノートパソコンを引っ張り出してきてプロジェクターに接続した。
そして、部屋に大きくPCの画面が表示される。
そのPCの画面には、杏奈さんのコスプレ画像が表示されていた。
素早くそれを察知した杏奈さんは俺の目を塞ぎ、蓮見さんに画面を隠させた。
「見ていないわよね?」
「うん。一瞬しか」
「なるほど。なら忘却のスキルを最大まで取ってもらおうかしら」
「嫌ですけど!?!?」
忘却のスキルは、たまに存在するデメリットスキルで、物を忘れる速度が速くなるというものだ。
実質的に老化が加速するスキルを取るわけないでしょ。
「よし、見えるかな」
「はい」
そこに表示されていたのは、Exselの画面。
表示されるまでに時間がかかっている上、右側のスクロールバーのサイズがえげつないサイズになっていることから、その情報量の多さが伺える。
ぱっと見た所、スキルを獲得条件や効果範囲等の複数の条件で分類しており、更にそれを検索する機能も付いているようだ。
技男のサイトはスキルを知るという観点においては非常に優れていたが、効率良くスキルを獲得していかなければならない俺にとってはこちらの方が有用だと思われる。
「とりあえず、私が確認できているスキルはこれだけあります。大体100万個かな?」
「100万個?」
あまりにもデカすぎてピンとこない。
「まあ大半が探索者に必要な身体能力に関係ないスキルだけどね。研究とか、読書とかね。それを省くと現状は大体10万位に落ち着くのかな」
「それでも結構な数ですね」
「この世の全ての事象にスキルは存在するって言われているからね。これでも全然足りていないと思うよ」
「凄いですね」
「だからこそスキルってのは面白いんだよ。スキルを研究することで世界を知る事が出来るんだから」
「世界、ですか」
スキルを獲得しに来た筈なのになんだか壮大な話になってきた。
「そう、世界。だから、もし飛鳥君がここにある全てのスキルを獲得した時、世界そのものになれると思うよ」
「世界そのもの、ですか?」
「うん。まあ、どう考えても人間の寿命じゃ足りないんだけどね。10万時間必要なスキルとかがざらにあるし。だから勿体ないけど、君には回数で取得できるスキルだけを集中的に獲得してもらうことになるかな。よっと」
蓮見さんがパソコンを操作すると、項目が50分の1位になった。それでも2万くらいはあるんだけども。
「で、飛鳥君は今何を強化したいのかな。H?A?B?C?D?S?」
「?」
恐らくこのアルファベットは能力値を表しているのだろうけど、全くピンとこない。
「ポカモンのステータスの略称で言われてもピンとくるわけないでしょ。皆がはすみちゃんみたいにゲーム廃人だったわけではないのよ」
「あら、そうなの」
「そうよ。飛鳥が困っているじゃない」
「ごめんごめん、さっきのを日本語に直すと体力、攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力、素早さのことだよ」
「ああ、そういうことでしたか。なら……」
「素早さでお願い」
ゴブリンジェネラルと戦った時の反省から、防御力を上げようかと思ったのだけど、杏奈さんがそれを遮ってきた。
「防御力じゃないんですか?」
「攻撃を与えられる前に当てた方が楽じゃない。動体視力もスキルで補正を掛けられるからコントロールできなくなることは無いわけだし」
「確かに」
圧倒的なスピードを自身で制御できるのなら確かに有用かもしれない。
「話し合いも終わったみたいだね。じゃあ素早さを上げる方針で行こう」
そこから蓮見さんはSでソートを掛け、その中から20個位ピックアップしていた。
「じゃあ行きますか」
「如月飛鳥です、よろしくお願いします」
「どうも、蓮見葉子です。『師走の先』の研究所でスキルの研究を行っています」
「挨拶は済んだようね。じゃあはすみちゃん、彼を強くする手伝いをしなさい」
「私が?この子を?杏奈ちゃんじゃなくて?」
「ええ。彼の育成という点においてあなたに肩を並べる者は居ないわ」
「どういうこと?」
「彼はレベルが上がらない代わりに、無制限にスキルを獲得できるのよ」
「え!?本当に!?!?!?!?」
「ええ。疑うのならスキルを確認する道具を一度使ってみなさい」
そして蓮見さんは慌ててスキルを調べてくれるらしい道具を持ってきて、俺の写真を撮った瞬間、その道具が爆発した。
「杏奈ちゃん、これ壊れたんだけど……」
「私を疑うのが悪いのよ」
杏奈さんはどうやら壊れる事が分かっていて調べさせたらしい。扱い酷くないかな。
「すいませんでした……」
えっと、ここ怒る所じゃないのかな。なんでそんなに申し訳なさそうなの。
「力関係どうなっているの……?」
これ確実にパワハラ案件な関係だよね。
「私が上で、はすみちゃんが下。これに何の問題が?」
堂々とパワハラしてます宣言しちゃったよこの人。
「問題しかないですが。立派なパワハラだよそれ」
「それもそうね。じゃあこれからはやめることにするわ」
と俺が指摘すると、やけにあっさりとパワハラをやめる宣言をした。
すると、
「やめて!やめないでください!お願いしますから!!!」
何故か蓮見さんが杏奈さんに縋りつき、そう懇願していた。
「えっと、どういうこと?」
「杏奈さんの声、見た目、話し方の全てが私の敬愛するイレーヌさんに似ているの!だから私ができればそういう対応をして欲しいってお願いしているの!」
「イレーヌ?」
何だそれ。聞き覚えが無いんだけど。
「神アニメ、異世界スキル探検家のメインヒロインです!」
「いや、本当に聞いたことが無いです」
そもそも俺がアニメにそこまで詳しくないのもあるけど、多分それはかなりマイナーだよね。
「え……神アニメなのに……」
俺がそう言うと、心底驚いた表情でこちらを見てきた。そんな目で見られても知らないものは知らないんですよ。
「知らなくて当然よ。5年前の特にネットで話題になることも無かったアニメだもの」
「それは知るわけが無いですね」
「なるほど、あの作品を知らないと。ではこちらをどうぞ!」
そう言ってどこからともなく取り出してきたのは例のアニメのDVDボックスだった。
「えっと……」
貸していただけるのは有難いけれど、当然家にそんな設備は存在しないので非常に対応に困る。
「そんなものはどうでも良いわ。さっさと本題に戻りなさい」
「はい……」
俺が持たされていたDVDボックスを杏奈さんが蓮見さんに押し戻した後、本題に戻ることに。
「なるほど、飛鳥君はレベルが上がらない代わりにスキルを無制限に獲得できるから、世界一スキルについて知識がある私にどうにかしてくれってことだね」
「ええ。よく分かったわね」
「天才だからね!」
露骨すぎる杏奈さんの煽りに気付かない蓮見さんは、褒められていたと錯覚し胸を張っていた。
「では始めなさい」
「オッケー!ちょっと待ってね!」
杏奈さんは部屋の奥からノートパソコンを引っ張り出してきてプロジェクターに接続した。
そして、部屋に大きくPCの画面が表示される。
そのPCの画面には、杏奈さんのコスプレ画像が表示されていた。
素早くそれを察知した杏奈さんは俺の目を塞ぎ、蓮見さんに画面を隠させた。
「見ていないわよね?」
「うん。一瞬しか」
「なるほど。なら忘却のスキルを最大まで取ってもらおうかしら」
「嫌ですけど!?!?」
忘却のスキルは、たまに存在するデメリットスキルで、物を忘れる速度が速くなるというものだ。
実質的に老化が加速するスキルを取るわけないでしょ。
「よし、見えるかな」
「はい」
そこに表示されていたのは、Exselの画面。
表示されるまでに時間がかかっている上、右側のスクロールバーのサイズがえげつないサイズになっていることから、その情報量の多さが伺える。
ぱっと見た所、スキルを獲得条件や効果範囲等の複数の条件で分類しており、更にそれを検索する機能も付いているようだ。
技男のサイトはスキルを知るという観点においては非常に優れていたが、効率良くスキルを獲得していかなければならない俺にとってはこちらの方が有用だと思われる。
「とりあえず、私が確認できているスキルはこれだけあります。大体100万個かな?」
「100万個?」
あまりにもデカすぎてピンとこない。
「まあ大半が探索者に必要な身体能力に関係ないスキルだけどね。研究とか、読書とかね。それを省くと現状は大体10万位に落ち着くのかな」
「それでも結構な数ですね」
「この世の全ての事象にスキルは存在するって言われているからね。これでも全然足りていないと思うよ」
「凄いですね」
「だからこそスキルってのは面白いんだよ。スキルを研究することで世界を知る事が出来るんだから」
「世界、ですか」
スキルを獲得しに来た筈なのになんだか壮大な話になってきた。
「そう、世界。だから、もし飛鳥君がここにある全てのスキルを獲得した時、世界そのものになれると思うよ」
「世界そのもの、ですか?」
「うん。まあ、どう考えても人間の寿命じゃ足りないんだけどね。10万時間必要なスキルとかがざらにあるし。だから勿体ないけど、君には回数で取得できるスキルだけを集中的に獲得してもらうことになるかな。よっと」
蓮見さんがパソコンを操作すると、項目が50分の1位になった。それでも2万くらいはあるんだけども。
「で、飛鳥君は今何を強化したいのかな。H?A?B?C?D?S?」
「?」
恐らくこのアルファベットは能力値を表しているのだろうけど、全くピンとこない。
「ポカモンのステータスの略称で言われてもピンとくるわけないでしょ。皆がはすみちゃんみたいにゲーム廃人だったわけではないのよ」
「あら、そうなの」
「そうよ。飛鳥が困っているじゃない」
「ごめんごめん、さっきのを日本語に直すと体力、攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力、素早さのことだよ」
「ああ、そういうことでしたか。なら……」
「素早さでお願い」
ゴブリンジェネラルと戦った時の反省から、防御力を上げようかと思ったのだけど、杏奈さんがそれを遮ってきた。
「防御力じゃないんですか?」
「攻撃を与えられる前に当てた方が楽じゃない。動体視力もスキルで補正を掛けられるからコントロールできなくなることは無いわけだし」
「確かに」
圧倒的なスピードを自身で制御できるのなら確かに有用かもしれない。
「話し合いも終わったみたいだね。じゃあ素早さを上げる方針で行こう」
そこから蓮見さんはSでソートを掛け、その中から20個位ピックアップしていた。
「じゃあ行きますか」
55
お気に入りに追加
335
あなたにおすすめの小説

『希望の実』拾い食いから始まる逆転ダンジョン生活!
IXA
ファンタジー
30年ほど前、地球に突如として現れたダンジョン。
無限に湧く資源、そしてレベルアップの圧倒的な恩恵に目をつけた人類は、日々ダンジョンの研究へ傾倒していた。
一方特にそれは関係なく、生きる金に困った私、結城フォリアはバイトをするため、最低限の体力を手に入れようとダンジョンへ乗り込んだ。
甘い考えで潜ったダンジョン、しかし笑顔で寄ってきた者達による裏切り、体のいい使い捨てが私を待っていた。
しかし深い絶望の果てに、私は最強のユニークスキルである《スキル累乗》を獲得する--
これは金も境遇も、何もかもが最底辺だった少女が泥臭く苦しみながらダンジョンを探索し、知恵とスキルを駆使し、地べたを這いずり回って頂点へと登り、世界の真実を紐解く話
複数箇所での保存のため、カクヨム様とハーメルン様でも投稿しています

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~
島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!!
神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!?
これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。

異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~
小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ)
そこは、剣と魔法の世界だった。
2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。
新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・
気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

職業・遊び人となったら追放されたけれど、追放先で覚醒し無双しちゃいました!
よっしぃ
ファンタジー
この物語は、通常1つの職業を選定する所を、一つ目で遊び人を選定してしまい何とか別の職業を、と思い3つとも遊び人を選定してしまったデルクが、成長して無双する話。
10歳を過ぎると皆教会へ赴き、自身の職業を選定してもらうが、デルク・コーネインはここでまさかの遊び人になってしまう。最高3つの職業を選べるが、その分成長速度が遅くなるも、2つ目を選定。
ここでも前代未聞の遊び人。止められるも3度目の正直で挑むも結果は遊び人。
同年代の連中は皆良い職業を選定してもらい、どんどん成長していく。
皆に馬鹿にされ、蔑まれ、馬鹿にされ、それでも何とかレベル上げを行うデルク。
こんな中2年ほど経って、12歳になった頃、1歳年下の11歳の1人の少女セシル・ヴァウテルスと出会う。凄い職業を得たが、成長が遅すぎると見捨てられた彼女。そんな2人がダンジョンで出会い、脱出不可能といわれているダンジョン下層からの脱出を、2人で成長していく事で不可能を可能にしていく。
そんな中2人を馬鹿にし、死地に追い込んだ同年代の連中や年上の冒険者は、中層への攻略を急ぐあまり、成長速度の遅い上位職を得たデルクの幼馴染の2人をダンジョンの大穴に突き落とし排除してしまう。
しかし奇跡的にもデルクはこの2人の命を救う事ができ、セシルを含めた4人で辛うじてダンジョンを脱出。
その後自分達をこんな所に追い込んだ連中と対峙する事になるが、ダンジョン下層で成長した4人にかなう冒険者はおらず、自らの愚かな行為に自滅してしまう。
そして、成長した遊び人の職業、実は成長すればどんな職業へもジョブチェンジできる最高の職業でした!
更に未だかつて同じ職業を3つ引いた人物がいなかったために、その結果がどうなるかわかっていなかった事もあり、その結果がとんでもない事になる。
これはのちに伝説となる4人を中心とする成長物語。
ダンジョン脱出までは辛抱の連続ですが、その後はざまぁな展開が待っています。

外れスキル?だが最強だ ~不人気な土属性でも地球の知識で無双する~
海道一人
ファンタジー
俺は地球という異世界に転移し、六年後に元の世界へと戻ってきた。
地球は魔法が使えないかわりに科学という知識が発展していた。
俺が元の世界に戻ってきた時に身につけた特殊スキルはよりにもよって一番不人気の土属性だった。
だけど悔しくはない。
何故なら地球にいた六年間の間に身につけた知識がある。
そしてあらゆる物質を操れる土属性こそが最強だと知っているからだ。
ひょんなことから小さな村を襲ってきた山賊を土属性の力と地球の知識で討伐した俺はフィルド王国の調査隊長をしているアマーリアという女騎士と知り合うことになった。
アマーリアの協力もあってフィルド王国の首都ゴルドで暮らせるようになった俺は王国の陰で蠢く陰謀に巻き込まれていく。
フィルド王国を守るための俺の戦いが始まろうとしていた。
※この小説は小説家になろうとカクヨムにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる