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5話
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「はい撮影です。3,2,1どうぞ!」
「私はmagic starsのリーダー。星野アリス。今回は勉強に悩む高校生に、この天才高校生が勉強を教えてやろうではないか!私の手にかかれば、成績向上し、我に次ぐ世界二位の頭脳を手にすることも容易であろう!」
私達は最初の自己紹介動画を取った後、個人の動画撮影に移った。
それぞれの魅力を活かした動画を作るということもあるが、個人個人で撮影をした方が動画数を稼ぎやすく、その分収益化まで素早く到達できるというのが大きな理由だ。
ただし、不仲説等が流れると今後のアイドル活動に支障が出かねないため、何本かに1回は3人で動画を取るようにしている。
それを数週間ほど続けた。
最初は当然鳴かず飛ばずだったが、最初のライブを見てくれていた人が拡散してくれたおかげで、徐々に再生数が増えていった。
そのため、チャンネル開設をしてから2週間ほどで収益化を出来るようになった。
これである程度金がある程度手に入る、と思いきや。
「まだまだ再生数が足りないみたいだね。この程度の登録者だと一人を賄うのが精一杯のようだ」
大原ジョンソンは少し残念そうに言う。チャンネルとしては成功だし、人気をある程度獲得できたのは事実。けれど、ライブをして十分な収益が見込めるかとなると微妙だし、広告収入で得られる利益も会社としてやっていくには不十分。
このまま続けていくには不安のある状況だった。
「とは言ってもこのままやりきるしかないよね?そもそも会社って言っても所属グループは私達しかいないんだから、失敗したところでこの事務所が無くなるだけでしょ?」
私達の中にあった悪い空気を秋が断ち切ってくれた。
正直な所、私としては事務所が潰れようが人気を獲得し多数の信者を稼ぐことが出来れば問題ない。
けれど、私の為にやってきてくれた二人を見捨てるのは嫌だ。情が湧いたのもあるけれど、後に最強になる私が仲間を見落とすなんてありえない。最強は全てを手にするのよ。
「まだ足りないとは言っても、少しずつ伸びていることだしいずれ解決するわよ」
私は秋の言葉を後押しするように話す。
「確かに諦めるのにはまだ早い」
「それもそうだね!このまま頑張ろう!」
とそんなことを話していると、スマホから通知が鳴った。
音的にTmitterかな?
最近人気になってきたおかげもあり、いいねやリプライなどを貰う機会が増えた。
後で返せばいいんだから、今は放っておきましょう。
そう思ってポケットに入れなおすと、再度スマホが鳴る。鳴りやまない。
何事かと思いスマホを見ると、通知の嵐だった。
「ちょっと待って」
そう言ってスマホを見た。
どうやらこの間投稿した動画に対するコメントが原因のようだ。
もしやと思いOurTubeを見てみると、最初にソロで取った動画である私がただ勉強を教える動画の再生回数が異常に伸びていた。
「ちょっと見て」
私はその画面を皆に見せた。
「何が起こっているの」
「凄いねこれ」
「これなら何とかなりそうじゃないですか?社長」
この短時間でその動画の再生数が50万回を突破し、登録者数が以前の十倍以上に跳ね上がっていた。
「これは一体誰が……」
そう思い、皆で調べたところとある名前が。
「神結チャンネルだ!」
凜が珍しく大きなリアクションをした。
神結チャンネル。それは現在中高生の間で大人気な、神結という男性が運営するチャンネル。Tictocというサイトで人気な曲の振り付けのコツや、映える写真の取り方など、人気なコンテンツの上手なやり方を教えることに定評がある。
クラスの人たちがそれを参考に動画を取っているのをよく見かける、学生である私にとっては身近なチャンネルだ。
そんな神結という男が、私の出していた動画を動画内にて紹介していたのだ。
「もしかしてこの人って……」
私はとあることを思い出した。
「どうしたの?」
「この間のライブで最前列に居た人じゃないかしら。全体的に好評だったけれど、特にこの人が楽しんでいたのを覚えているわ」
客をいちいち全員確認するわけじゃないけれど、この人が居たかどうか位は顔を見れば分かるわ。
「よく覚えてるね」
翼は凄いと感じているけれど、それくらいじゃないと魔法使いやっていけないよ?
「普通よ」
「流石、あの授業をやっただけはある」
凜はあの動画を見てからというもの、私の事を天才だと褒めはやしてくれるようになった。どうやらあの授業で苦手だった場所が解決したらしい。
かと言ってその教科が苦手じゃなくなったかと言えばそういうわけでは無いが、本人にとっては凄い出来事だったのだろう。
「とりあえず、神結って人のお陰で人気が出始めたようだね」
大原さんは次の話に進めようと話し出す。
「予定していた通り、ライブでの映像を投稿しましょう」
森川さんは、パソコンを取り出してライブの動画であろうものを投稿し始めた。
「ついでに貯め撮りしていたみんなの動画も上げてみようか」
「はい」
森川さんは大原さんの指示通りに作業を始めた。
「とりあえず僕達は動画を作ろうか。ネタは準備してあるから、その中から良さそうなのを選んで」
「「「はい」」」
私たちは、一日かけて複数の動画を撮影した。
結果的に例の動画は150万再生に届き、チャンネルの登録者は3万人、SNSのフォロワーも1万人近くまで到達した。
3万人って見てる側からしたら大したことは無いけれど、全員が集まれば武道館が埋まる位なのよね。
私に対して好意的なリプライを送ってくる人たちを見てニコニコしながら就寝した。
翌日、教室に入るとクラスメイト達が私の所に集まってきて、
「星野さん、凄いね!」
「アイドルになったんだ!」
「ライブがあったら行かせて」
「アイドルってどんな感じなの?」
等色々話しかけてきた。流石の影響力ね。
「はいはい並んで並んで。ウチのアイドルはそんなに安くありませんよお」
どう対応しようかと考えていると、秋が仕切っていた。マネージャーさながらの動きで、あっという間に私の前に列が出来た。
「握手会とかじゃないんだけど……」
クラスメイトに対してアイドルみたいな行動をする気はさらさらないのよ。
そんな私の気持ちはいざ知らず、皆アイドルになった私にアイドルを求めてくる。
「はーい授業始めるぞー」
丁度良く担任が教室にやってきたので皆自分の席に戻り、プチイベントは終わった。
その後も休み時間の度にクラスメイトが私にアイドルについて聞いてきたので、正直疲れてしまった。教祖になるって本当に大変なのね。
当時教祖をやっていた人たちもこれに近い状況に陥っていたことを考えると、ちょっと尊敬するわ。
「私はmagic starsのリーダー。星野アリス。今回は勉強に悩む高校生に、この天才高校生が勉強を教えてやろうではないか!私の手にかかれば、成績向上し、我に次ぐ世界二位の頭脳を手にすることも容易であろう!」
私達は最初の自己紹介動画を取った後、個人の動画撮影に移った。
それぞれの魅力を活かした動画を作るということもあるが、個人個人で撮影をした方が動画数を稼ぎやすく、その分収益化まで素早く到達できるというのが大きな理由だ。
ただし、不仲説等が流れると今後のアイドル活動に支障が出かねないため、何本かに1回は3人で動画を取るようにしている。
それを数週間ほど続けた。
最初は当然鳴かず飛ばずだったが、最初のライブを見てくれていた人が拡散してくれたおかげで、徐々に再生数が増えていった。
そのため、チャンネル開設をしてから2週間ほどで収益化を出来るようになった。
これである程度金がある程度手に入る、と思いきや。
「まだまだ再生数が足りないみたいだね。この程度の登録者だと一人を賄うのが精一杯のようだ」
大原ジョンソンは少し残念そうに言う。チャンネルとしては成功だし、人気をある程度獲得できたのは事実。けれど、ライブをして十分な収益が見込めるかとなると微妙だし、広告収入で得られる利益も会社としてやっていくには不十分。
このまま続けていくには不安のある状況だった。
「とは言ってもこのままやりきるしかないよね?そもそも会社って言っても所属グループは私達しかいないんだから、失敗したところでこの事務所が無くなるだけでしょ?」
私達の中にあった悪い空気を秋が断ち切ってくれた。
正直な所、私としては事務所が潰れようが人気を獲得し多数の信者を稼ぐことが出来れば問題ない。
けれど、私の為にやってきてくれた二人を見捨てるのは嫌だ。情が湧いたのもあるけれど、後に最強になる私が仲間を見落とすなんてありえない。最強は全てを手にするのよ。
「まだ足りないとは言っても、少しずつ伸びていることだしいずれ解決するわよ」
私は秋の言葉を後押しするように話す。
「確かに諦めるのにはまだ早い」
「それもそうだね!このまま頑張ろう!」
とそんなことを話していると、スマホから通知が鳴った。
音的にTmitterかな?
最近人気になってきたおかげもあり、いいねやリプライなどを貰う機会が増えた。
後で返せばいいんだから、今は放っておきましょう。
そう思ってポケットに入れなおすと、再度スマホが鳴る。鳴りやまない。
何事かと思いスマホを見ると、通知の嵐だった。
「ちょっと待って」
そう言ってスマホを見た。
どうやらこの間投稿した動画に対するコメントが原因のようだ。
もしやと思いOurTubeを見てみると、最初にソロで取った動画である私がただ勉強を教える動画の再生回数が異常に伸びていた。
「ちょっと見て」
私はその画面を皆に見せた。
「何が起こっているの」
「凄いねこれ」
「これなら何とかなりそうじゃないですか?社長」
この短時間でその動画の再生数が50万回を突破し、登録者数が以前の十倍以上に跳ね上がっていた。
「これは一体誰が……」
そう思い、皆で調べたところとある名前が。
「神結チャンネルだ!」
凜が珍しく大きなリアクションをした。
神結チャンネル。それは現在中高生の間で大人気な、神結という男性が運営するチャンネル。Tictocというサイトで人気な曲の振り付けのコツや、映える写真の取り方など、人気なコンテンツの上手なやり方を教えることに定評がある。
クラスの人たちがそれを参考に動画を取っているのをよく見かける、学生である私にとっては身近なチャンネルだ。
そんな神結という男が、私の出していた動画を動画内にて紹介していたのだ。
「もしかしてこの人って……」
私はとあることを思い出した。
「どうしたの?」
「この間のライブで最前列に居た人じゃないかしら。全体的に好評だったけれど、特にこの人が楽しんでいたのを覚えているわ」
客をいちいち全員確認するわけじゃないけれど、この人が居たかどうか位は顔を見れば分かるわ。
「よく覚えてるね」
翼は凄いと感じているけれど、それくらいじゃないと魔法使いやっていけないよ?
「普通よ」
「流石、あの授業をやっただけはある」
凜はあの動画を見てからというもの、私の事を天才だと褒めはやしてくれるようになった。どうやらあの授業で苦手だった場所が解決したらしい。
かと言ってその教科が苦手じゃなくなったかと言えばそういうわけでは無いが、本人にとっては凄い出来事だったのだろう。
「とりあえず、神結って人のお陰で人気が出始めたようだね」
大原さんは次の話に進めようと話し出す。
「予定していた通り、ライブでの映像を投稿しましょう」
森川さんは、パソコンを取り出してライブの動画であろうものを投稿し始めた。
「ついでに貯め撮りしていたみんなの動画も上げてみようか」
「はい」
森川さんは大原さんの指示通りに作業を始めた。
「とりあえず僕達は動画を作ろうか。ネタは準備してあるから、その中から良さそうなのを選んで」
「「「はい」」」
私たちは、一日かけて複数の動画を撮影した。
結果的に例の動画は150万再生に届き、チャンネルの登録者は3万人、SNSのフォロワーも1万人近くまで到達した。
3万人って見てる側からしたら大したことは無いけれど、全員が集まれば武道館が埋まる位なのよね。
私に対して好意的なリプライを送ってくる人たちを見てニコニコしながら就寝した。
翌日、教室に入るとクラスメイト達が私の所に集まってきて、
「星野さん、凄いね!」
「アイドルになったんだ!」
「ライブがあったら行かせて」
「アイドルってどんな感じなの?」
等色々話しかけてきた。流石の影響力ね。
「はいはい並んで並んで。ウチのアイドルはそんなに安くありませんよお」
どう対応しようかと考えていると、秋が仕切っていた。マネージャーさながらの動きで、あっという間に私の前に列が出来た。
「握手会とかじゃないんだけど……」
クラスメイトに対してアイドルみたいな行動をする気はさらさらないのよ。
そんな私の気持ちはいざ知らず、皆アイドルになった私にアイドルを求めてくる。
「はーい授業始めるぞー」
丁度良く担任が教室にやってきたので皆自分の席に戻り、プチイベントは終わった。
その後も休み時間の度にクラスメイトが私にアイドルについて聞いてきたので、正直疲れてしまった。教祖になるって本当に大変なのね。
当時教祖をやっていた人たちもこれに近い状況に陥っていたことを考えると、ちょっと尊敬するわ。
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