何かをしないと出られない部屋

僧侶A

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何かをしないと出られない部屋

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目を覚ますとよく分からない場所にいた。

周りを見渡すと扉があり、その上に『――をしないと出られない部屋』と書いてあった。

俺は察してしまった。これはSNSとかで度々見かけるアレの一種だと。

条件のところがかすれていて読めない為何をすれば良いのか分からないがやるしかない。

そう思い周りを見ると1つのスマホが置いてあった。

ここから出るためのヒントがあればと思いスマホを起動した。

するとスマホには配信サイトと小説投稿サイトとソシャゲのアプリが入っていた。

これらのうちの何かをやりさえすれば出られるのだと考えた俺は全てを試すことにした。

まずは配信から。スマホしかないため生放送しか出来ないとふんだ俺は助けてくれと生放送を行った。

そうやって30分くらい生放送をしたが何も起こらなかった。

一応下手なりにアカペラも投稿してみたがただ黒歴史になるだけだった。

そして次に俺は小説を投稿することにした。自分の考えた妄想をひとまず文字にして投稿した。とても難しく、小説家の凄さを思い知った。

しかし何も起こらない。

俺は運が悪いなと思いつつも最後の選択肢であるソシャゲを起動した。

俺は初めて見るソシャゲに戸惑いつつも上手いことプレイしてストーリーをどんどんとクリアしていった。

聞いたことはあったがやったことのないゲームだったため不安だったが、蓋を開けてみると楽しかった。

この部屋から出るという目的すら忘れ没頭していた。

そんなこんなでストーリーをある程度進めたところで本来の目的を思い出した。

俺はこの部屋から出ないといけなかったのだ。

結局ストーリーを進めても何も起こらなかった。他に何かしらの条件があるのかもと配信サイトと小説投稿サイトをもう一度開いてみた。

すると、感想がそれぞれ届いていた。頑張れ! という応援や面白かったという褒め言葉などがあった。

そんな喜びに浸りつつも、とりあえず部屋から出ないとと思った俺は模索した。

しかし色々試したが何も起こらなかった。

もうどうにもならないと扉を壊した方が早いと考えた俺は扉にタックルした。

すると普通に開いた。

開けて部屋を出た先には看板が立てられてあり、『脱出お疲れ様でした。ちなみにこの部屋の脱出条件は何かすること。つまり部屋に入った時点で脱出条件は満たしていました』と書いてあった。

俺は今まで何をやっていたんだとショックを受けた。
とりあえずドアを開けてみることが先だったはずだろうと。

〇〇しないと出られない部屋の先入観に騙されてしまった。
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