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第3章 世界巡り
第64話 素材のご利用は計画的にって件
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朝が来て、今日はさすがに1日お休みしようと決めた。
というか昨日、ミハルさんとの夜伽でかなり張り切りすぎてしまった。
昨日の素材狩りといい、夜伽といい、はっきり言って欲望に身を任せるとかなり夢中になってしまう。
とりあえず落ち着こうとゆっくりお風呂に入る。
落ち着いて昨日のことを振り返るとはっきり言って確かにやりすぎた、
あまりにもハイテンションになりすぎて、とうとうやってしまった。
そう、エンシャントドラゴンの作成。10体討伐。
アダマンチウムドロイドのあまりの強さに「行けちゃうのでは?」と思い、
ついつい作成してしまった。
「我を召喚したのはお前か?」
と話しかけてきたエンシャントドラゴン。理性もあり何よりもめちゃくちゃ強かった。
そのうろこはあらゆる攻撃魔法を跳ね返し、その爪と牙はアダマンチウムドロイドの体をも切り裂いた。
何物にも断ち切られないと思っていた最強戦力の防御力の上を超えてきたのである。
しかし、アダマンチウムドロイド10体の連携はすさまじく、
1体目は辛くも勝利といった感じだったが、2体目、3体目と倒すごとにみな倒すコツのようなものをつかみ始めた。
10体目を討伐するころにはその戦闘時間は5分を切っていた。
マリさんが
「ヤスト様、エンシャントドラゴンの素材は血肉はエリクサーの材料となり、
牙や爪は伝説の武器となり、その鱗は伝説の防具となります。
この素材ははっきり申し上げて市中に卸すことはお勧めしません。」
と忠言が届くほど。
エリクサーと言えば、あらゆる病気、ケガをたちどころに直すといわれる伝説の秘薬らしい。
その製造方法もかなり古い文献に唯一残っている程度だった。
爪や牙はその加工が難しく、爪は牙で、牙は爪で削る以外に加工方法が皆無とのこと、
その鱗も非常に強度が高く、アダマンチウムの武器か、エンシャントドラゴン自身の爪と牙以外ではそもそも加工すらできないようだ。
爪は1体に8本、牙は1体に付き20本、鱗は50枚程度回収できる。
血肉に関しても1体でエリクサー3本分。それが10体分。
ハッキリ言って伝説素材のインフレである。
折角なので、致命傷を与えたエンシャントドラゴンのとどめを俺がさすとものすごい勢いでレベルが上がった。
グラトニーアダマンスライム以上の経験値が取得できた。
10体分の素材は全てハウスに持ってきてもらい、ただいま訓練室でパペさん、スパさんモクさんで解体中。
パペさんにはその後、武器と防具を作ってもらうようにお願いしている。
俺、マリさん、パペさん、スパさん、モクさんにはそれぞれにエンシャントドラゴンの牙で武器をパペさんに作ってもらう。
スパさんとモクさんが鱗をを加工して防具をつくり、マリさんにはエリクサーをお願いした。
俺は朝食でも食べようとダイニングに向かう。
「ヤスト様おはようございます。」
「やあマリさんおはよう。」
「既に朝食の準備は完了しております。こちらをどうぞ。」
そこにはベーコンエッグ的な料理とパン、ミルクを持ってきてくれた。
「ありがとう。」
俺は何気なくいつものように朝食を始めた。
ベーコンエッグのベーコンの部分を一口食べてかなり驚いた。
「超ウマイ!なんだかいつものベーコンと違うねこれは何?」
「エンシャントドラゴンに肉にございます。」
「ああ、ってえーーーーー。エンシャントドラゴンってこんなにおいしいの?」
「過去に食したとの記述を見つけましたので、ヤスト様にこそよろしいかと思い、料理させていただきました。
「すごくおいしいよありがとう。」
「はい。エンシャントドラゴンの肉を食す効果はそれだけではございません。
HPやMPの全回復はもちろん。新たなスキルが手に入るという内容の記述もありましたが
いかがでしたか?」
「えっ?新たなスキル?」
久しぶりに「能力値確認」を行ってみた。最近はリングがいるからHPやMPの確認は視覚情報に変化してくれているので
わざわざ能力値確認をするまでもなかったからだ。
名 前:スメラギ=ヤスト (17歳)
種 族:人類(第4世代)
職 業:学生
レベル:661
HP:10570/10570
MP:11492/11502
状態:健康
体力:862
腕力:834
脚力:719
知力:810
運:141
[ユニークスキル]
[魔物作成]、[魔物使役]
[パッシブスキル]
身体強化、魔力回復(特大)
[コモンスキル]
投擲、刀技
おぉ~久しぶりに見たけどなんかいっぱいスキル増えてる気がする!
しかもユニークスキルの魔物使役ってのが増えている!
使役ってことは魔物を仲間にできるってことになる。
「この身体強化と魔力回復(特大)は現在私がヤスト様にかけているリジェネと魔力操作の結果です。」
リングさんが念話で解説してくれる。なるほど、リングさんいつもありがとう。
というか俺の視覚情報を通じてリングさんがマリさんに共有してくれたようだ。
「ヤスト様は現在魔物作成で魔物を作成できます。その魔物を使役することができれば一大軍勢を作ることが可能です。
また、魔物の中には人間が持っていないような特殊スキルを持つものもおりますので非常に有力であると思います。」
「エンシャントドラゴンのお肉ってまだ余ってるの?もっと食べたらもっとスキルが手に入るとか?」
ちょっと期待を込めてマリさんに聞いてみた。
マリさんはおもむろに肉の塊を取り出し、ステーキのように焼いてくれた。
これぞエンシャントドラゴンステーキだ!
もの凄くいい焼き加減で絶妙においしい!
ついつい現実逃避しそうになるが我に返りスキルを確認すると特に増えてなかった。
マリさんの話では多分ドラゴン系上位種の肉を食べた際に、なんらか覚醒的なものが起き、
肉体に眠っていたスキルが目覚めるのかもしれないという感じだった。
どうやら俺は覚醒したらしい。
「これをタカギのみんなに食べてもらったらどうなるだろう?」
「タカギにお住いの皆様の基礎能力は上がりますが、そもそもエンシャントドラゴン討伐自体が
伝説級の事ですので、スキルを複数持つ人間が多数存在すれば結果的にヤスト様の能力が世間に喧伝される可能性が高くなります。」
「えっ?」
「現在、世界には各属性のドラゴン素材を使用した武器や防具などは国宝級の扱いを受けております。
そこからドラゴン種を復活させることができてしまうヤスト様の能力は、国家規模の保護対象となることはまちがいありません。」
「つまり監禁される?」
「はい。まぁ今のタカギの戦力であれば王都自体を壊滅させることも可能ですので、脱出は不可能ではありません。」
おいおい、とうとうマリさんから王都壊滅とかでちゃったよ。だめだよそんなの。
うん。折角だけどみんなに食べてもらうのはなしで。マリさんが王都を壊滅させちゃいます。
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