上 下
36 / 70
第2章 タカギ争乱

第36話 とりあえず長旅の準備をする件

しおりを挟む

閲覧いただきありがとうございます。
誤字訂正、ご意見ご感想などもお待ちしております。
お気に入り設定など、作者の励みになります。

これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

-------------------------------------------------------------

朝起きて、リビングに行くと、
キッチンに流し台やコンロ台のようなものができていた。

材質はちょうど外にある土を焼き固めて作った素焼きの中空ブロック
水を使うところには釉薬を塗ったのか陶磁器のようなシンクができている。

同じくバスタブやトイレも陶器製。
昨日仮で間仕切りした壁もすべて素焼きの壁に代わっていた。

「一晩でかなり進んだね。魔力大丈夫?」

『はい。ヤスト様。あと2時間ほど休憩を挟めば、
 再度室内作業に戻れます。』

「マナヒールしようか?」

『いえ、ヤスト様には本日行っていただきたい作業がございます。』

「なにをすればいい?」

『はい。先日の変異種のアダマンチウムスライムを沢山討伐していただき、
 それによって得られる体液で室内および外装をコーティングしたいと
 考えております。』

「なるほど、じゃあ俺はひたすら、スライムを倒してくるね。」

『あっヤスト様お待ちください。訓練室の補強を一旦させていただきます。
 今回は魔石を用いた亜空間ですが、お時間にして2時間ほどしか持ちません。
 その後、徐々にその空間は狭くなり消滅するため、
 その間に素材の採取をお願いいたします。』

「了解。じゃあ、訓練室の亜空間作成をお願いいたします。」

『はい。ヤスト様。』

そこで一旦自分のステータスを確認した。

レベル:310

HP:3466/3466
MP:3252/3252
状態:健康

体力:388
腕力:352
脚力:311
知力:412
 運: 77

まぁまだ起きたばかりなので全回復状態でした。
マリさんと一緒に訓練室に向かい先日の素材を手に取る。

[はぐれアダマンスライムの素材を入手しました。魔物作成を行いますか?(消費MP 1000)]

「はぐれアダマンスライムか~MPは1000。よしやるか!」

マリさんが俺にもマナリジェネをかけてくれた。

「ありがとう。」

それから俺は1時間ほどはぐれアダマンスライムを倒し続けた。

「何とかギリギリMPが足りたな。途中でMPが切れそうになってヒヤヒヤしたなぁ」

レベル:352

HP:3841/6640
MP: 210/7436
状態:健康

体力:806
腕力:701
脚力:683
知力:632
 運:114

おお、1時間で40以上もレベルが上がっている。
とりあえず次のグラトニーアダマンスライムは
最初の作成にMPが1600いるようなので
少し休憩しなければどうにもならない。

一旦訓練室を出ると、マリさんがせっせと土を整形し、
間仕切り用の素焼きを作り出していた。

「とりあえず、100匹以上は狩ったよ。
 アダマンチウムスライムの体液は樽で3つ分くらい取れた。」

『ヤスト様お疲れ様です。それではそのアダマンチウムを
 この馬車の外装にまんべんなく振りかけていただけると助かります。』

マリさんは一度ブロックつくりの手を止め、
俺と一緒に外装にアダマンチウムコーティングを施していった。
30分ほどで外装の車輪との接合部も含め綺麗にコーティングされた。
車輪は一度取り外してあるので、シャフトや車輪のフレームもすべて
アダマンチウムコーティング済みだ。

「これ、残りはどうしようか?」

『あっはい。残りは訓練室を内部からコーティングいただければ、
 先ほどのように亜空間を使わずに魔物と戦うことができます。』

「あっなるほど、今の訓練室の壁と床じゃ、魔物と戦ったら壊れちゃうもんね。
 それで亜空間だったのか~。」

『あっはい。私の説明が足らず誠に申し訳ありません、』

「良し、じゃあ素材が固まってしまう前にコーティングしておこう!」

マリさんと訓練室に向かい一度亜空間を消してもらう。

その後、訓練室の壁も床も天井もドアも、
すべてをアダマンチウムでコーティングしていった。

とりあえず訓練室のコーティングは厚さ10cmほどに分厚くしておいた。
入り口から入ると少し床が上がっていて天井が低く感じるが、
めったなことでは壊れない部屋が完成した。
訓練室入り口の引き戸が思った以上に重くなっていてかなりやらかしてしまった。

一度昼食を取り、リビングでMPが回復するのを待っていたが、
寝たほうが回復が早いだろうという事で一旦お昼寝をした。

『ヤスト様、おはようございます。すべての部屋の間仕切りが完了しました。』

ちゃっかり3時間ほど昼寝をしたころにはMPが半分ほど回復していた。

「あっマリさんお疲れ様。MP大丈夫?俺は半分くらい回復したから
 1000くらいだったら上げれるよ。」

『ありがとうございます。私は500ほどいただけたら作業の継続が可能です。
 つきましては、ヤスト様に討伐いただきたい魔物の種類と数を書き出しておきました。』

「おおそれは助かる。見せて。」

その紙に書かれた魔物はほとんどが今までに討伐したことのある魔物だったので
問題なく作成できるものだった。

「作成できないのはこのトレントってやつくらいかな。」

『はい。トレントの素材は、タカギにていただいてきておりますので
 それをもとに作成をお願いします。それとこの件をご使用ください。』

マリさんがひと振りの刀のようなものを渡してくれた。
刃はアダマンチウムでできており、何やら模様が彫り込まれている。

『トレントの討伐方法は、グラトニースライム同様、
 その魔物の核となる魔石を破壊すれば倒せます。』

倒し方を聞いてから一緒に外に出て討伐を行うことになった。
といっても倒すのは俺。マリさんは実はそれほどその体の強度がなく。
ほとんど戦闘に向いていないため、解体役をやってもらう事とした。

[エルダートレントの素材を入手しました。魔物作成を行いますか?(消費MP 300)]

「エルダートレント300。行くぞ!」

俺エルダートレントを作成する。
目の前に高さ3mほどの木の魔物が現れた。

『中心よりやや下。ちょうど口の奥当たりに魔石があります!』

マリさんが魔力でスキャンして魔石の位置を教えてくれる。

俺はその指示があった場所を横一文字に断つ。
マリさんに解体してもらっている間に俺は次の個体を作成し、
同じように討伐する。

レベルが上がったのと、この刀がすごい切れ味なので、
ハッキリ言って魔物が相手にならない。

マリさんを見ていると解体というより製材作業を行っているような
感じだった。

一応素材なしで作成できる状態まで作成と討伐を繰り返し、
解体は諸々マリさんに任せた。必要な分以外はその場に捨てていくので
問題ない。

トレントからとれた魔石を魔石合成でいくつかくっつけて大きくする。
魔石合成の魔法陣に使う魔力は俺の方が余力があったので、
やり方を教えてもらい、何とか合成できた。

その他に取れた木材を使ってマリさんがマリオネットの躯体を作成してくれている。

先ほどのトレント討伐は、食器やテーブルの為に木材が必要なのもあったが、
実は、この箱を運転してもらうマリオネットを作成するための材料を集めていたのだ。

もちろんミサカさんのように外装をきちんと人間らしくしようとすれば、
本当は他にも素材が必要なのだが。パペット的な人形であれば、
トレント素材だけで作成することができる。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

異世界で生きていく。

モネ
ファンタジー
目が覚めたら異世界。 素敵な女神様と出会い、魔力があったから選ばれた主人公。 魔法と調合スキルを使って成長していく。 小さな可愛い生き物と旅をしながら新しい世界で生きていく。 旅の中で出会う人々、訪れる土地で色々な経験をしていく。 3/8申し訳ありません。 章の編集をしました。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

みんなで転生〜チートな従魔と普通の私でほのぼの異世界生活〜

ノデミチ
ファンタジー
西門 愛衣楽、19歳。花の短大生。 年明けの誕生日も近いのに、未だ就活中。 そんな彼女の癒しは3匹のペット達。 シベリアンハスキーのコロ。 カナリアのカナ。 キバラガメのキィ。 犬と小鳥は、元は父のペットだったけど、母が出て行ってから父は変わってしまった…。 ペットの世話もせず、それどころか働く意欲も失い酒に溺れて…。 挙句に無理心中しようとして家に火を付けて焼け死んで。 アイラもペット達も焼け死んでしまう。 それを不憫に思った異世界の神が、自らの世界へ招き入れる。せっかくだからとペット達も一緒に。 何故かペット達がチートな力を持って…。 アイラは只の幼女になって…。 そんな彼女達のほのぼの異世界生活。 テイマー物 第3弾。 カクヨムでも公開中。

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

神々の仲間入りしました。

ラキレスト
ファンタジー
 日本の一般家庭に生まれ平凡に暮らしていた神田えいみ。これからも普通に平凡に暮らしていくと思っていたが、突然巻き込まれたトラブルによって世界は一変する。そこから始まる物語。 「私の娘として生まれ変わりませんか?」 「………、はいぃ!?」 女神の娘になり、兄弟姉妹達、周りの神達に溺愛されながら一人前の神になるべく学び、成長していく。 (ご都合主義展開が多々あります……それでも良ければ読んで下さい) カクヨム様、小説家になろう様にも投稿しています。

処理中です...