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第1章 初めての町(タカギ)

第8話 料理人のサルサという人と仲良くなった件

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俺は料理人のサルサさんからの伝言で夕食後も食堂に残っていた。

ユリはお風呂に行くからといって、夕食後足早に食堂を出ていった。

しばらくして、ぽつぽつと他の人は食堂から出ていき、
子供たちもそれぞれの母親たちと一緒に部屋に戻っていった。

『おう待たせたな。それじゃあ打ち合わせに行くか。』

食堂の裏からサルサさんが出てきて俺を案内してくれた。

場所は、昼にマイコ先生と勉強したあの生活指導室っぽい部屋だった。

『おうサルサ!こっちこっち。』

斥候部隊の隊長であるカザンさんが、
早速サルサさんと俺に気づいて招き入れてくれた。

『それじゃあ初めてのヤスト君もいるのでそれぞれ自己紹介でもしようか。』

カザンさんがその場を仕切ってくれているが、
初めてあうオジサンが3人いた。

『俺はカザン。斥候部隊の隊長だ。まぁ一度挨拶済みだが、
 一応、ヤスト君は斥候部隊から始めるみたいだから、
 これからもよろしくな。』

『俺はサルサだ。まぁさっき自己紹介した通り料理人だ。
 なんか食べたいものがあれば遠慮なく言えよ。』

『わしはブライアント。一応物資保管庫で管理を担当しとる。
 この町の男性では最年長の63歳じゃ。
 若い男の子が来てくれて本当に助かるわい。
 できればこのままタカギに残ってくれると嬉しいの~』

『俺は初めましてだな。俺はユキマサ、狩猟部隊の隊長をしている。
 早くレベルを上げて狩猟部隊にくてくれると助かる。
 よろしくな。』

『最後は私か。私は魔道部隊の隊長をやっている、ミサカだ。
 よろしく頼む。』

みんなが丁寧にあいさつをしてくれた。

「はっ初めまして、斥候部隊に入ります、スメラギ ヤスト 17歳です。
 よろしくお願いします。」

皆が一堂に俺を見て優しく頷いてくれた。

『それじゃあまぁ今日の男会議だが、
 ヤスト君はもう人間学は教えてもらったんだよな?』

「はい。今日、マイコさんから教えていただきました。」

『よしよし、じゃあとりあえず、
 今日の男会議の議題なんだが、
 まぁ単純に言うと今後の君の役割と、
 夜伽のローテーションについてがメインになる
 というわけだ。』

「よとぎ?」

『ほっほっ、まぁおなごの皆さんのお相手をする順番などじゃな。』

「あっなるほど。」

『みんな何か意見はあるか?』

『私は、ヤスト君のユニークスキルの [ 魔物作成 ]の発動条件を
 調べてほしいと先生から仰せつかっているが、
 それは夜伽とは切り離して考えてもいいのだろうか?』

『ああ、つまり生まれてくる子が魔物になる可能性はあるか?ってことか?
 俺はいつも狩りで魔物を狩っているが、人間から生まれた魔物は見たことないな。』

『私も聞いたことはないですね。
 食材になる魔物はほとんど魔物からしか生まれませんし。』

『まぁ、シズネにも分からんのじゃろうから、
 そこは危惧してもしょうがないんじゃないかえ?』

『まぁ確かにそうですね。
 私としても非常に興味があるスキルなので、
 ぜひ夜伽との相互関係も知りたいです。』

俺は大人たちが真剣に話している横で、
まだチェリーですとは言えず、ただ立ちつくすことしかできない。

『まぁそういうわけだから、
 とりあえず、ヤスト君のパートナー候補を決めていこう。
 ヤスト君は若いから、多分女性側から断ってくることはないと思う。』

カザンさんからの衝撃発言を受けて、2枚の紙を差し出された。

そこには男性陣の名前と日付が書いてあり、3日に1度女性の名前が書いてあった。
もう1枚には、この町に住む全員の名前と年齢。
妊娠可能な16歳以上の女性の横にはパートナーとなっている男性の名前が入っていたりした。

『わしゃ、基本的に何もしてやれんから、
 まぁコツくらいなら教えてやれるぞい。』

『ブライアントさん、それ俺に教えてくれよ。
 なんてったってブライアントさんは男子比率2.0で
 この国でもまれにみる男の子を生ませるコツを知ってる人だからな。
 おれなんて平均の0.5にすら届いてないんで、
 ほとんど女の子なんだよな~。』

『ユキマサは野性的過ぎるんじゃよ。
 もっとこう優しさをもってだな・・・』

63歳のおじいちゃんがどうやったら女性が喜んでくれるかを
切々とユキマサさんに語っていた。
ほんとに俺はこの場にいていいのかを分からずただ、
机の上の紙を見ていた。

<あれ?ユリにはパートナーがいないのか?空欄になってる。>

『とりあえず、空欄の子でヤストがパートナーにしたい子が居たら
 この紙に書き出してくれ。』

見たところ16歳以上40歳以下の女性で20人ほどのパートナー欄が空欄である。

「あの~ユリ以外はほとんど面識のない方なので、
 何を基準に選んでいいかよくわかりません。」

とりあえず、名前だけを見て決めろと言われても何も分からない。

『ああそういえばお前を救出したのはユリだったな。
 じゃあとりあえずユリは決定として、
 あとは俺たちが決めてもいいか?』

「はぁ、お願いします。」

何でも、俺はリカントなので今夜か明日から夜伽が開始できるらしい。
今のこの世界では女性達の方がそういった不満が多いらしく、
男性陣としてはかなり体力的につらいらしい。

そこに来て10代の若いリカントが来たというわけで、
実は今日の昼くらいから女性陣がソワソワしていたらしい。
俺は全く気付かなかった。

しばらく先輩男性陣があーでもないこーでもないと話していたが、
基本、体力的に若いから大丈夫だろうと、10人の女性をパートナー候補として
ピックアップしてくれた。
これから、それを女性陣に打診し、OKがでたら晴れてパートナーになり
シフトが組まれるらしい。
女性にも周期があるらしく、それらも踏まえて、日程は女性陣が決めるらしい。

正直細かい事は分からなかったので先輩たちにお願いして
とりあえず、流されやすい性格のまま行こうと思った。
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