上 下
24 / 101
3章 中年は街を手伝わない

第24話 なんかヤバイことに気が付いたかもしれないって話

しおりを挟む

お気に入り設定ありがとうございます。
誤字訂正、ご意見ご感想などもお待ちしております。
作者の励みになります。
これからもご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

-------------------------------------------------------------

朝起きて、朝食を食べ、部屋に引きこもってひたすら魔法の練習。
昼になって何となくお腹がすいたら昼ご飯を食べて、また部屋で引きこもってひたすら魔法の練習。
夜になって、魔力切れで寝る。

そんな生活をそれから約3か月くらい続けていた。

お金は多少の蓄えがあったから、特に生活に困ることもなく、ただひたすらに貯金を切り崩す生活。

そんなある日、いつものように魔法を練習していた。土魔法応用して、ハート形の石を作ってみたり、星形の石を作ったりして遊んでいた。

ふと、現代社会で生きていたころに小学校で習ったことを思い出す。

『すべての物質は原子でできており、、、、』

<確か水がH20って習ってたっけ。
 石はなんだったっけ?的な物思いにふけってしまった。
 石ってケイ素だったっけ?ん?鉄いけるんじゃね?>

ふとそんなことを思ってしまった。

土魔法で魔力から石ができるようになった。
石も原子でできた物質なのだから、鉄もできるのではないか。
そう思った私は、イメージで鉄を作り出すよう、少しづつ原子をより集めるようなそんなイメージで徐々にその密度を高めていった。

結果。。。鉄ができた。

よく見る金属光沢。が窓の外の太陽の光を少しだけ鈍く反射した。

<おぉおぉこれ鉄じゃない。多分鉄。ちょっと柔らかいけど。>

しかし、小指の第1関節ほどの鉄を作るのにもうヘロヘロである。

いつもなら夜、魔力切れでゆっくり落ちていくように眠っていた時の脱力感が体を包んでいたので、まだ朝なのにと思いながらギルドカードを眺めてみた。

  シュウイチ・サカイ
  役職:村人 Lv.20
  HP: 7/80  MP:  4/128  PW:53  SP:50  CL:16  HL:30  LC: 30
  特技:魔法(中)[火、水、雷、土]

<ん?なんか魔力増えてない。>

そう思って以前40台だったMPの上限値が知らぬ間に120台に上がっていた。

多分、毎日魔力切れまで粘って、ひたすら魔法を使っていたことで、魔法的な筋トレ=魔トレ的なものになっていたらしく、MP上限値が徐々に増えていた。

その結果、石を超えて鉄までできるようになっていた。

<まてよ。MPが増えて『鉄』ができるってことは、『銀』とか『金』もできるんじゃないか?>

いけない大人の誕生である。

それからは、MPが切れたらそのまま失神して爆睡。
起きてお腹がすけばたまにご飯を食べて、体がベト付けば、水魔法と火魔法で作り出したお湯を頭からシャワーのようにして浴びる。

そんな生活を半年ほど続けた。その頃には貯金が金貨80枚ほどまで減っていた。
もうそろそろこの世界に来て4年になる頃、私のMP上限は300を超えていた。
ただのバカである。引きこもりである。

そしてついに、小指の第1関節ほどの金を生成することに成功する。
MPの総量が増えることで、回復スピードも上がっていた。
大体8時間くらい爆睡すればMPは全快する。

石を作っていた時のように金の形を変えながら、金貨そっくりのモノを作り出す。
本物の金貨よりだいぶ純度が高いため、より輝いている。

やってしまった。偽造貨幣を作り出してしまった。

<土魔法おそるべし。というか現代化学が恐ろしい。>

正直、MP総量だけで言えば、ニテさんを超えてしまった。
それほどまでに鍛え上げたからできてしまった芸当なのかもしれないが、
この世界に来て4年。とうとう貨幣システムを無視できる存在になってしまった。

晩御飯を食べに行ったとき、その金貨を使ってみた。
普通に使えてしまった。
だって『金』だもん。
なんなら本物の金貨より『金』だもん。

ちょっとの罪悪感を感じたのもつかの間、大体1週間後くらいには、自分が作った金貨で買い物を普通にするようになっていた。

1日1枚、多いときで2枚の金貨を自己作成可能。
普通に過ごせば、大体金貨30枚で1年暮らせる。

あぁ、エンドレスです。私死ぬまでお金に困りません。

かといって、この世界の住人達に元素表の話をしてもなかなか理解してもらえないだろう。

現代社会で沢山の研究者が研究した結果。
私が小学生や中学生の時に習った元素表という体系になっていたわけで。
そのおかげで、私は異世界で何故か死ぬまでお金に困らないわけで。

『現代社会の先人達、本当にありがとう!!!』

というわけで、私は本当にいけないことができるようになってしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話

ラララキヲ
恋愛
 長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。  初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。  しかし寝室に居た妻は……  希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──  一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……── <【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました> ◇テンプレ浮気クソ男女。 ◇軽い触れ合い表現があるのでR15に ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾は察して下さい… ◇なろうにも上げてます。 ※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

(完結)私は家政婦だったのですか?(全5話)

青空一夏
恋愛
夫の母親を5年介護していた私に子供はいない。お義母様が亡くなってすぐに夫に告げられた言葉は「わたしには6歳になる子供がいるんだよ。だから離婚してくれ」だった。 ありがちなテーマをさくっと書きたくて、短いお話しにしてみました。 さくっと因果応報物語です。ショートショートの全5話。1話ごとの字数には偏りがあります。3話目が多分1番長いかも。 青空異世界のゆるふわ設定ご都合主義です。現代的表現や現代的感覚、現代的機器など出てくる場合あります。貴族がいるヨーロッパ風の社会ですが、作者独自の世界です。

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

あなたの子ですが、内緒で育てます

椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」  突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。  夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。  私は強くなることを決意する。 「この子は私が育てます!」  お腹にいる子供は王の子。  王の子だけが不思議な力を持つ。  私は育った子供を連れて王宮へ戻る。  ――そして、私を追い出したことを後悔してください。 ※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ ※他サイト様でも掲載しております。 ※hotランキング1位&エールありがとうございます!

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

処理中です...