164 / 171
161話
しおりを挟む
心地よいような息が詰まるような時間が終わって、私は一人船と分離された馬車に入り込み、自室のドアを勢いよく開けるとベッドに飛び込んだ。
どの世界の神様も大体はやばいんだな。人間の倫理観が全く通用しない感覚が恐ろしくて堪らない。そんな感覚しか残らなかった。
「世界の運命…私に何を求めるの?」
ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめて震えを誤魔化そうとしてもやはり恐ろしさが体に染み付いてしまった。
これが神に謁見するということなのかと妙に納得してほんの僅かな会話がとても内容の濃いものに思えてしまった。
それにしても、神様の私へ向けた態度が少しおかしかった気がする。
じいちゃんと御殿様を差し置いて私だけに加奈「さん」と呼んだことがどうも引っかかる。
まるで私を目上とか地位の高いもの、それか穏やかで丁寧な言葉からして同等の存在と認識するあの態度…私は人間なのになぜ私に敬意を示したのだろう?
それに継承者?私がなにかの継承者になるの?
少し怖くなってきた…まるで私がこの先の未来で人間じゃない全く違う存在になるのではないかと思ってしまうのは自然な流れなのかもしれない。
もしもそうなってしまうのなら、今の幸せな日々はどうなってしまうのだろうか?
「すごく…怖いよ」
抱きしめたぬいぐるみに縋り付いて涙を浮かべるとするりと私の頬を撫でるなにかが当たった。
ひんやりとしてツルッとした硬い黒水晶の尾の先をくっつけるのは小さな体の仲間マオウだった。
この子は何時でも私と一緒にくっついて行動しようとする。
私が何かをする時、側に誰かがいる時もいない時も必ずこちらをじっと見つめてくるのだ。
まるで私の全てを観察するように
でも、今はどちらかというと私の心が沈んでいることが気になるみたいだ。
「マオウ…私は大丈夫、じゃないけど今はそっとして欲しいな。」
それでも構わずグリグリと頬に尾の先を押し付けて来る。
しまいには私の抱きしめていたぬいぐるみを叩いて離せと言っているような気がした。
ひとまず起き上がってぬいぐるみを離すと、自ら膝の上に乗ってこちらをじっと見つめてきた。
本当にマオウという生物は思考が全く読めない。
「君は何がしたいの…?」
「飼い主が不調だと使い魔も不調になるんだよ、常識だろ?」
声が聞こえて顔を上げると入口のドアにもたれかかってこちらを見つめるスカイブルーの瞳があった。
相変わらずうねる深緑色の長髪を雑に束ねているのを見ていると、いつもどうやってひとつ結びにしているのか疑問が浮かぶ。
「ナザンカ…なんでついてきたのよ?」
「…言葉もわからん環境で一人出歩くのはあまり好きじゃない。」
その時ようやく気がついた。そうか、極東の島国と別称で呼ばれるだけあって海に囲まれたこの国はナザンカ達大陸の人からすれば言葉が全く違って何を言っているのかわからないんだ。
あの時、神様と話していた時もナザンカからすれば私が言われていた事がなにかわからなかったんだ。
「…誰かから、私が神様に言われていた事について聞いた?」
「いや?皆して暗い顔していたからな。アザレアは少し言語を理解していたみたいでマアヤに詳細の確認をしていた内容を聞いただけだ。
カナがあの世界樹に目をつけられているとこは理解したが、継承者がなにかはカナにも理解できていないとはな…。」
そりゃあ怖いに決まってるといって私に歩み寄ったナザンカは椅子に座って足を組んだ。
勝手に乙女の部屋に入ってくるとは何事か。とも思ったが、ナザンカにそのつもりが無いことはわかっているので目を瞑ることにした。
それに、これは彼なりの慰めでもあることだってわかってる。
だから、今なら彼に自分の心の内を明かせそうな気がしたんだ。
「あの時、三振りの刀の持ち主の気持ちで神様の前に立ったと思っていたんだ。
なのに、じいちゃんと御殿様は眼中になくて私にしか視線を向けていないんだよ。特別感とか多幸感とか何も沸かなくて私はただの人間と見られていなかったと理解して泣きそうになった。
なにが継承者よ、なにが器よ!
まるで、私があの神様にとって都合の良い道具みたいじゃない!
その後に私の為に何度も苦しい想いをしている人がいるって…まるで私のせいだから責任取れみたいな…!」
こんな解釈はしたくないが、私に運命を背負わせるために継承者とか名も知らない見当もつかない誰かが苦労してるからそれを知っておけとか言われても、わからないものはわからないの。
「疑問は尽きないばかりよ…私にどうしろと?何になれと?
今の私じゃないなにかに変わらなきゃいけないと言われているみたいで怖いのよ…っ!」
まっすぐナザンカの顔が見えなくて俯いた。その先にはマオウがいるのに、私の目から止めどなくあふれる大粒の涙がこぼれ落ちて水色の小さな獣の顔を濡らした。
止めたいのに涙が止まらなくて乱暴に目元を腕で擦ると深い溜め息が聞こえた。
「本当に…もう少しアザレアの勉強に付き合えばよかった。
俺には翻訳スキルもないし、それ以前に騎士として学んだのは必要最低限の常識と剣術で何もない。過去も自慢げに話せる内容なんてなにもない。
お前が神に何を言われたかはわからなかった。
でもよ、何年経っても俺はお前がくれた勇気と時間は掛け替えのないもので決して忘れたくない。
わかるか?俺はカナに感謝してるんだよ。
そんなカナが悩んでいるならどうにかしてやりたいのは自然と思い浮かぶんだ。」
どうして、こんな時に限って私の欲しい言葉をくれるのだろう。
「言っておくが、お前は自分が変わったと言っても俺達にとってはカナであることに変わりないからな。
力の無駄遣いはするし、人に迷惑はかけるけどなんやかんやで良い結果で済むから腑に落ちない。
でもそれで良いかって納得しちまうんだよ」
どうしてそんなにもナザンカの言葉に安心してしまうのだろう。
「だから、今回もお前の我儘を貫き通せよ。
何を言っているのか理解できないって。自分の運命を誰かが決めるのは気に入らないってな。」
そんなの無理難題だよ。だってあの時の威圧と恐怖に私は負けてしまったんだから。
でもナザンカが言ってくれるのなら頑張れる気がする。何度だって挑戦する根性はあるんだから。
両頬を勢いよく手で挟むと痛みで気が引き締まった。
「危うく本当の私を見失うところだった…。」
そうよ、過去の自分みたいにうじうじして同じ場所で濁って変わりやしないなんてごめんだ。
今の私は、異世界召喚に巻き込まれて幼女になっちゃった山下加奈だ。
料理が得意で他人の問題事に首を突っ込んでその場をかき乱して自分の我儘とあり得ない力で勝利を掴むのが私だ。
「本当に…ナザンカに話してよかったわ。」
「そーかい」
お互いに気軽に話ができる仲で、時々喧嘩をして悪ふざけも一緒にしたりして。
正しい子供時代を取り戻している感覚がしたのはナザンカと一緒だからだろうな。
だからきっと
「えっ…?」
「…なにぼーっとしてんだ?」
きっとこれは気の所為だ、ナザンカに重ねては行けない幻想だ。
その優しい笑みがどんなにあの子に似ていたとしても
ぶんぶんと首を横に振ってマオウを抱き上げると笑い飛ばした。
「小腹が減ったからおやつにしようか!今日はおはぎなんてどう?」
「どう?って言われてもな…それがどんな料理か知らん。」
そんなの今から知れば良い。知ることは悪いことはまず無いから。
知らないものを知った先で自分が何を思うかが大事なんだから。
気に入ってくれるといいな、ね?
おはぎはあの子の大好物だった。私を救ってくれたヒーローは今の私を作ってくれた。
とても良い思い出、しかしそれと同時に
思い出したくない記憶が絡まって涙が出てしまうのだ。
どの世界の神様も大体はやばいんだな。人間の倫理観が全く通用しない感覚が恐ろしくて堪らない。そんな感覚しか残らなかった。
「世界の運命…私に何を求めるの?」
ぎゅっとぬいぐるみを抱きしめて震えを誤魔化そうとしてもやはり恐ろしさが体に染み付いてしまった。
これが神に謁見するということなのかと妙に納得してほんの僅かな会話がとても内容の濃いものに思えてしまった。
それにしても、神様の私へ向けた態度が少しおかしかった気がする。
じいちゃんと御殿様を差し置いて私だけに加奈「さん」と呼んだことがどうも引っかかる。
まるで私を目上とか地位の高いもの、それか穏やかで丁寧な言葉からして同等の存在と認識するあの態度…私は人間なのになぜ私に敬意を示したのだろう?
それに継承者?私がなにかの継承者になるの?
少し怖くなってきた…まるで私がこの先の未来で人間じゃない全く違う存在になるのではないかと思ってしまうのは自然な流れなのかもしれない。
もしもそうなってしまうのなら、今の幸せな日々はどうなってしまうのだろうか?
「すごく…怖いよ」
抱きしめたぬいぐるみに縋り付いて涙を浮かべるとするりと私の頬を撫でるなにかが当たった。
ひんやりとしてツルッとした硬い黒水晶の尾の先をくっつけるのは小さな体の仲間マオウだった。
この子は何時でも私と一緒にくっついて行動しようとする。
私が何かをする時、側に誰かがいる時もいない時も必ずこちらをじっと見つめてくるのだ。
まるで私の全てを観察するように
でも、今はどちらかというと私の心が沈んでいることが気になるみたいだ。
「マオウ…私は大丈夫、じゃないけど今はそっとして欲しいな。」
それでも構わずグリグリと頬に尾の先を押し付けて来る。
しまいには私の抱きしめていたぬいぐるみを叩いて離せと言っているような気がした。
ひとまず起き上がってぬいぐるみを離すと、自ら膝の上に乗ってこちらをじっと見つめてきた。
本当にマオウという生物は思考が全く読めない。
「君は何がしたいの…?」
「飼い主が不調だと使い魔も不調になるんだよ、常識だろ?」
声が聞こえて顔を上げると入口のドアにもたれかかってこちらを見つめるスカイブルーの瞳があった。
相変わらずうねる深緑色の長髪を雑に束ねているのを見ていると、いつもどうやってひとつ結びにしているのか疑問が浮かぶ。
「ナザンカ…なんでついてきたのよ?」
「…言葉もわからん環境で一人出歩くのはあまり好きじゃない。」
その時ようやく気がついた。そうか、極東の島国と別称で呼ばれるだけあって海に囲まれたこの国はナザンカ達大陸の人からすれば言葉が全く違って何を言っているのかわからないんだ。
あの時、神様と話していた時もナザンカからすれば私が言われていた事がなにかわからなかったんだ。
「…誰かから、私が神様に言われていた事について聞いた?」
「いや?皆して暗い顔していたからな。アザレアは少し言語を理解していたみたいでマアヤに詳細の確認をしていた内容を聞いただけだ。
カナがあの世界樹に目をつけられているとこは理解したが、継承者がなにかはカナにも理解できていないとはな…。」
そりゃあ怖いに決まってるといって私に歩み寄ったナザンカは椅子に座って足を組んだ。
勝手に乙女の部屋に入ってくるとは何事か。とも思ったが、ナザンカにそのつもりが無いことはわかっているので目を瞑ることにした。
それに、これは彼なりの慰めでもあることだってわかってる。
だから、今なら彼に自分の心の内を明かせそうな気がしたんだ。
「あの時、三振りの刀の持ち主の気持ちで神様の前に立ったと思っていたんだ。
なのに、じいちゃんと御殿様は眼中になくて私にしか視線を向けていないんだよ。特別感とか多幸感とか何も沸かなくて私はただの人間と見られていなかったと理解して泣きそうになった。
なにが継承者よ、なにが器よ!
まるで、私があの神様にとって都合の良い道具みたいじゃない!
その後に私の為に何度も苦しい想いをしている人がいるって…まるで私のせいだから責任取れみたいな…!」
こんな解釈はしたくないが、私に運命を背負わせるために継承者とか名も知らない見当もつかない誰かが苦労してるからそれを知っておけとか言われても、わからないものはわからないの。
「疑問は尽きないばかりよ…私にどうしろと?何になれと?
今の私じゃないなにかに変わらなきゃいけないと言われているみたいで怖いのよ…っ!」
まっすぐナザンカの顔が見えなくて俯いた。その先にはマオウがいるのに、私の目から止めどなくあふれる大粒の涙がこぼれ落ちて水色の小さな獣の顔を濡らした。
止めたいのに涙が止まらなくて乱暴に目元を腕で擦ると深い溜め息が聞こえた。
「本当に…もう少しアザレアの勉強に付き合えばよかった。
俺には翻訳スキルもないし、それ以前に騎士として学んだのは必要最低限の常識と剣術で何もない。過去も自慢げに話せる内容なんてなにもない。
お前が神に何を言われたかはわからなかった。
でもよ、何年経っても俺はお前がくれた勇気と時間は掛け替えのないもので決して忘れたくない。
わかるか?俺はカナに感謝してるんだよ。
そんなカナが悩んでいるならどうにかしてやりたいのは自然と思い浮かぶんだ。」
どうして、こんな時に限って私の欲しい言葉をくれるのだろう。
「言っておくが、お前は自分が変わったと言っても俺達にとってはカナであることに変わりないからな。
力の無駄遣いはするし、人に迷惑はかけるけどなんやかんやで良い結果で済むから腑に落ちない。
でもそれで良いかって納得しちまうんだよ」
どうしてそんなにもナザンカの言葉に安心してしまうのだろう。
「だから、今回もお前の我儘を貫き通せよ。
何を言っているのか理解できないって。自分の運命を誰かが決めるのは気に入らないってな。」
そんなの無理難題だよ。だってあの時の威圧と恐怖に私は負けてしまったんだから。
でもナザンカが言ってくれるのなら頑張れる気がする。何度だって挑戦する根性はあるんだから。
両頬を勢いよく手で挟むと痛みで気が引き締まった。
「危うく本当の私を見失うところだった…。」
そうよ、過去の自分みたいにうじうじして同じ場所で濁って変わりやしないなんてごめんだ。
今の私は、異世界召喚に巻き込まれて幼女になっちゃった山下加奈だ。
料理が得意で他人の問題事に首を突っ込んでその場をかき乱して自分の我儘とあり得ない力で勝利を掴むのが私だ。
「本当に…ナザンカに話してよかったわ。」
「そーかい」
お互いに気軽に話ができる仲で、時々喧嘩をして悪ふざけも一緒にしたりして。
正しい子供時代を取り戻している感覚がしたのはナザンカと一緒だからだろうな。
だからきっと
「えっ…?」
「…なにぼーっとしてんだ?」
きっとこれは気の所為だ、ナザンカに重ねては行けない幻想だ。
その優しい笑みがどんなにあの子に似ていたとしても
ぶんぶんと首を横に振ってマオウを抱き上げると笑い飛ばした。
「小腹が減ったからおやつにしようか!今日はおはぎなんてどう?」
「どう?って言われてもな…それがどんな料理か知らん。」
そんなの今から知れば良い。知ることは悪いことはまず無いから。
知らないものを知った先で自分が何を思うかが大事なんだから。
気に入ってくれるといいな、ね?
おはぎはあの子の大好物だった。私を救ってくれたヒーローは今の私を作ってくれた。
とても良い思い出、しかしそれと同時に
思い出したくない記憶が絡まって涙が出てしまうのだ。
36
お気に入りに追加
689
あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる