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160話
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春を告げる鳥が風と共にやって来た。
優しい青が広がる空に舞い散る薄桃色の花弁は偶然にも鳥の翼に絡まって更に空高くまで運ばれて行くのだろう。
「うーん!久しぶりに御神木の側まで来れたよ~!」
そう言ってこちらに寄って来たのは背中の翼をたたむ私の刀であった。
言葉にすると摩訶不思議な存在であるが、自分の意思を持つ武器というのは案外こういうものなのだろう。
いつも私に春のような温かい風を運んでくれるハルカゼは私にこんなお願いをしてきたのだ。
「枝垂れ桜の御神木に会いに行きたいって言い出すから何事かと思ったけど…」
「まぁ、カナの目的はこの世界樹を見るためだからな。ついでと思えば良いだろ?」
確かに、ツキカゲの言う通り私はこの世界樹と呼ばれている枝垂れ桜を見に来たのだ。
私がこの国来たのも、枝垂れ桜を見に来たのもとある人物が情報をくれたからというだけだ。
「トルマーさん…元気にしてるかな?」
「トルマー?それって確かトーマス帝国のギルドマスターじゃなかったか?
カナの口からその名が出るなんて意外だ。」
私の言葉に反応したのは付き添いで来てくれた仲間の一人ナザンカで私に話しかけてきた。
確かにそうだよね、トーマス帝国はギルドが四つに分かれているからそのうちの一つを取りまとめているトルマーさんの名前が出るのは珍しいことなのだろう。
「あれ?ナザンカってトーマス帝国出身だっけ?」
「いや違う。
元はとっくに滅んで他国の領土になった地が故郷だったがな…ガキの頃、俺に名前をくれた当時騎士団長だったジジイに拾われてからトーマス帝国の人間になっただけだ。
それに騎士団長として国内外の魔物被害を抑えるために各ギルドと交流があるからな。」
なるほど、確かにそれならトルマーさんと交流があってもおかしくはないな。
お互いに知っている人について離すのは少し嬉しくて話しが弾む。
でもまぁ…トルマーさんは英智の神様何だけどね。
本当に、どうして人間としてギルドマスターに扮しているのか理解できない。
「この御神木は天下統一を果たした歴代将軍が守り未来に繋げると決められている。
この世界に天皇陛下はいない、そのかわりに国の象徴として枝垂れ桜の御神木を神として崇めているのじゃよ。」
じいちゃんの説明ですぐに理解した。
流石は万物に神が宿ると考える日本人によく似た国と種族である。
ベースを作った人は絶対異世界転生した日本人だろ
ぼーっと立派な枝垂れ桜の御神木を眺めていると、いつの間にかハルカゼが御神木に触れて友達に話すような態度を取っていた。
「ねぇねぇ神様~!我また大和の国に帰ってきたよ~たったの五十年離れてただけなのにすごく懐かしいね~!」
あぁ…この世界の付喪神というのは神の上位とか下位を気にしないのか?
あってはならんだろ…うちのハルカゼが本当にすみません。
バッとじいちゃんと御殿様を見るが、特に気にしている様子も無いようだ。
「やはり…御神木が喜んでおる。」
「三振りが揃ったおかげじゃ。加奈ちゃんが春風を見つけてここまで一緒に来てくれたおかげじゃよ。」
二人のお爺達は冷静にご神木とハルカゼを見つめて笑っていたし、なんなら自分の刀を撫でて「君も行けば?」みたいな事を言っていたから私はこの国の常識がわからなくなってきた。
「この世界の付喪神はこんなに表に出るものなの?」
「そうじゃのぉ…魔法があるからこそ付喪神も現れて自然な世界なのじゃろう。
そういう意味ではこの世界は神々にとって生きやすい世なのかもしれぬ。」
神様にとって生きやすい世の中…か
いつの間にか人に姿を変えた二振りの刀は枝に腰掛けているハルカゼを呼んで地面に降ろしていた。
天真爛漫が良く似合う私の武器は兄弟刀の言うことはちゃんと従うんだ…すごいな、だから周りの者は皆困ったように笑う。
どんなことに対しても好奇心で前に進んで笑みを絶やさないあの子は間違いなく温かい春の風を運んでくれる名に相応しい刀である。
「よし、じゃあ我に合わせろよ~」
「何を言うか…吾輩に合わせろ」
「鬼、鳥…何でもいいから仕事しろ。」
ふと意識を三振りに戻すと何かを始めた。一体何をするかは分からないが明らかに魔力とは違うエネルギーを枝垂れ桜の御神木に集めていた。
段々と不思議な力を集めて、集めて、集めて…
大きな光がひとりでに動き回り桜の枝が伸びて絡み付く。
不思議な光景だ…あの光を掴む桜の枝の異様さに目を見張るとそれは次第に光を吸収して仄かな灯りを残して人の形を残していった。
「ふむ…ようやく三振り揃いこの場に集まりましたか。お待ちしていましたよ、私の可愛い刀達。
そして、三振りが愛した持ち主達よ」
背筋がピンと伸びて神々しく美しい女性に目が釘付けになった。
それは上質な十二単に身を包み、長い黒髪は清流の流れを思い浮かべるほど艶があり自身の頬が桃色に染まったのがわかる。
とても重厚感のある高貴なはずなのにふわりと舞う桜の花びらのような軽やかさを感じる矛盾こそが正しい理であると理解してしまう。
「さあ、近うよれ。私にその顔をよく見せておくれ。」
桜の匂いがよりいっそう強くなり桜の花びらと共に風が私の背中を押した。
それは私だけじゃなくてじいちゃんと御殿様もそうであった。三振りの刀を所持するのはこの場に三人しかいないのだから。
覚束ない足で前に進みじいちゃんの隣に立つと、太い枝に腰掛けていた御方はふわりと飛び降りた。
ギョッとして手を前に差し出してしまったけど、地面すれすれで足は浮かんだまま手招きをしてきたのだ。
なんだろう…不思議な感覚のせいで頭の整理が追いつかないけどこの枝垂れ桜を依り代にする神様…だよね?
つい伸ばした手をさっと引いて再び歩み寄るとニッコリと笑みを浮かべていた。
「私についてお伝えしましょう。
今から何百年と前にこの大地に命を授かり、この国を見守り続けた枝垂れ桜を依代としてきた者…皆が神と呼ぶ私の名は
彼岸咲耶姫
この時をどれほど待ち望んでいたことか…大和の国を統べる豊臣秀吉、世界を越える加護を授かりし山下勝蔵。
そして、世界の運命を背負った山下加奈さん」
それはさも当たり前のように口から放たれた言の葉で更に頭が混乱した。
それに返答したのは言われた本人ではなくじいちゃんだった。
「お言葉ですが、私の孫が世界の運命を背負うとは一体どういう事で…?」
じいちゃんの丁寧な言葉つかいにクスクスと笑い「そんなに固くならなくても良い。」と言って口元に添えていた何十にも重なった袖をすっと降ろした。
そうだよ、どうして私なんかが世界を背負わなければならないんだ?
私に世界最強になれとでも言うのか、この眼の前にいる神様、彼岸咲耶姫は
理由がわからなくてじっと見つめていたけど、やはり美しさで頭がクラクラしてきて半歩後ろに下がった。
すっと肩を掴んで支えてくれたのはハルカゼで心配そうに見つめていたけど、すぐに神様の方を見つめて口を開いた。
「主様~加奈はまだそこまでの器じゃない。
時間が足りない中で急成長を遂げたから頭が追いついてない。」
ハルカゼにしては真剣な口調であった。
どうやら私を守ろうとしてくれているらしい。持ち主を守る武器の付喪神らしい発言だ。
すると彼岸咲耶姫はじっと私を見つめて頷いた。ハルカゼの言葉に納得しているらしい。
「まだ境地に達してはいません…おかしい、継承者としての器にあと一歩足りない。
先代の者は何をしているのか、それとも何かを躊躇っているのか。」
理由のわからない発言だ。私が継承者?器?
ふとそんな疑問を口にしようとしたが、ハルカゼがそれを止めた。
言うなってことなのね…発言こそが禁忌ならばやめておこう
すると桜をふわりと舞い踊らせて私の目の前まで近寄ってきた彼岸咲耶姫はそっと私の頬に手を添えた。
近くで見ると更に美しくて、桜の香りでお腹いっぱい胸いっぱいだ。
「この先の未来、より良い結末にたどり着けますように。
トーマス・アルバ・エジソンもそう願っています。
忘れないで
貴女を想い続けて何度も苦しい思いをした者がいることを」
一体、なんのことを言っているのだろう。
トルマーさん…エジソンさんがそんな事を言っていたの?会っているの?
もし叶うなら、私の尽きることのない疑問を満たしておくれ
私は我儘なんだ
「ふふ…やはり素質はありますね。
誰よりも自分と他者に利益のある幸せを求める我儘な加奈。貴女は継承者になるに相応しいわ。」
やはり私には貴方の言葉の本質がわかりません。そう言いたいのに口が動かない。
まるで私に世界の運命を背負う事から逃げるてはならぬ。そんなことをしたら許さないと言っているような気がして、唯一口から出した言葉は
「…はい。」
肯定の一言のみだった。
優しい青が広がる空に舞い散る薄桃色の花弁は偶然にも鳥の翼に絡まって更に空高くまで運ばれて行くのだろう。
「うーん!久しぶりに御神木の側まで来れたよ~!」
そう言ってこちらに寄って来たのは背中の翼をたたむ私の刀であった。
言葉にすると摩訶不思議な存在であるが、自分の意思を持つ武器というのは案外こういうものなのだろう。
いつも私に春のような温かい風を運んでくれるハルカゼは私にこんなお願いをしてきたのだ。
「枝垂れ桜の御神木に会いに行きたいって言い出すから何事かと思ったけど…」
「まぁ、カナの目的はこの世界樹を見るためだからな。ついでと思えば良いだろ?」
確かに、ツキカゲの言う通り私はこの世界樹と呼ばれている枝垂れ桜を見に来たのだ。
私がこの国来たのも、枝垂れ桜を見に来たのもとある人物が情報をくれたからというだけだ。
「トルマーさん…元気にしてるかな?」
「トルマー?それって確かトーマス帝国のギルドマスターじゃなかったか?
カナの口からその名が出るなんて意外だ。」
私の言葉に反応したのは付き添いで来てくれた仲間の一人ナザンカで私に話しかけてきた。
確かにそうだよね、トーマス帝国はギルドが四つに分かれているからそのうちの一つを取りまとめているトルマーさんの名前が出るのは珍しいことなのだろう。
「あれ?ナザンカってトーマス帝国出身だっけ?」
「いや違う。
元はとっくに滅んで他国の領土になった地が故郷だったがな…ガキの頃、俺に名前をくれた当時騎士団長だったジジイに拾われてからトーマス帝国の人間になっただけだ。
それに騎士団長として国内外の魔物被害を抑えるために各ギルドと交流があるからな。」
なるほど、確かにそれならトルマーさんと交流があってもおかしくはないな。
お互いに知っている人について離すのは少し嬉しくて話しが弾む。
でもまぁ…トルマーさんは英智の神様何だけどね。
本当に、どうして人間としてギルドマスターに扮しているのか理解できない。
「この御神木は天下統一を果たした歴代将軍が守り未来に繋げると決められている。
この世界に天皇陛下はいない、そのかわりに国の象徴として枝垂れ桜の御神木を神として崇めているのじゃよ。」
じいちゃんの説明ですぐに理解した。
流石は万物に神が宿ると考える日本人によく似た国と種族である。
ベースを作った人は絶対異世界転生した日本人だろ
ぼーっと立派な枝垂れ桜の御神木を眺めていると、いつの間にかハルカゼが御神木に触れて友達に話すような態度を取っていた。
「ねぇねぇ神様~!我また大和の国に帰ってきたよ~たったの五十年離れてただけなのにすごく懐かしいね~!」
あぁ…この世界の付喪神というのは神の上位とか下位を気にしないのか?
あってはならんだろ…うちのハルカゼが本当にすみません。
バッとじいちゃんと御殿様を見るが、特に気にしている様子も無いようだ。
「やはり…御神木が喜んでおる。」
「三振りが揃ったおかげじゃ。加奈ちゃんが春風を見つけてここまで一緒に来てくれたおかげじゃよ。」
二人のお爺達は冷静にご神木とハルカゼを見つめて笑っていたし、なんなら自分の刀を撫でて「君も行けば?」みたいな事を言っていたから私はこの国の常識がわからなくなってきた。
「この世界の付喪神はこんなに表に出るものなの?」
「そうじゃのぉ…魔法があるからこそ付喪神も現れて自然な世界なのじゃろう。
そういう意味ではこの世界は神々にとって生きやすい世なのかもしれぬ。」
神様にとって生きやすい世の中…か
いつの間にか人に姿を変えた二振りの刀は枝に腰掛けているハルカゼを呼んで地面に降ろしていた。
天真爛漫が良く似合う私の武器は兄弟刀の言うことはちゃんと従うんだ…すごいな、だから周りの者は皆困ったように笑う。
どんなことに対しても好奇心で前に進んで笑みを絶やさないあの子は間違いなく温かい春の風を運んでくれる名に相応しい刀である。
「よし、じゃあ我に合わせろよ~」
「何を言うか…吾輩に合わせろ」
「鬼、鳥…何でもいいから仕事しろ。」
ふと意識を三振りに戻すと何かを始めた。一体何をするかは分からないが明らかに魔力とは違うエネルギーを枝垂れ桜の御神木に集めていた。
段々と不思議な力を集めて、集めて、集めて…
大きな光がひとりでに動き回り桜の枝が伸びて絡み付く。
不思議な光景だ…あの光を掴む桜の枝の異様さに目を見張るとそれは次第に光を吸収して仄かな灯りを残して人の形を残していった。
「ふむ…ようやく三振り揃いこの場に集まりましたか。お待ちしていましたよ、私の可愛い刀達。
そして、三振りが愛した持ち主達よ」
背筋がピンと伸びて神々しく美しい女性に目が釘付けになった。
それは上質な十二単に身を包み、長い黒髪は清流の流れを思い浮かべるほど艶があり自身の頬が桃色に染まったのがわかる。
とても重厚感のある高貴なはずなのにふわりと舞う桜の花びらのような軽やかさを感じる矛盾こそが正しい理であると理解してしまう。
「さあ、近うよれ。私にその顔をよく見せておくれ。」
桜の匂いがよりいっそう強くなり桜の花びらと共に風が私の背中を押した。
それは私だけじゃなくてじいちゃんと御殿様もそうであった。三振りの刀を所持するのはこの場に三人しかいないのだから。
覚束ない足で前に進みじいちゃんの隣に立つと、太い枝に腰掛けていた御方はふわりと飛び降りた。
ギョッとして手を前に差し出してしまったけど、地面すれすれで足は浮かんだまま手招きをしてきたのだ。
なんだろう…不思議な感覚のせいで頭の整理が追いつかないけどこの枝垂れ桜を依り代にする神様…だよね?
つい伸ばした手をさっと引いて再び歩み寄るとニッコリと笑みを浮かべていた。
「私についてお伝えしましょう。
今から何百年と前にこの大地に命を授かり、この国を見守り続けた枝垂れ桜を依代としてきた者…皆が神と呼ぶ私の名は
彼岸咲耶姫
この時をどれほど待ち望んでいたことか…大和の国を統べる豊臣秀吉、世界を越える加護を授かりし山下勝蔵。
そして、世界の運命を背負った山下加奈さん」
それはさも当たり前のように口から放たれた言の葉で更に頭が混乱した。
それに返答したのは言われた本人ではなくじいちゃんだった。
「お言葉ですが、私の孫が世界の運命を背負うとは一体どういう事で…?」
じいちゃんの丁寧な言葉つかいにクスクスと笑い「そんなに固くならなくても良い。」と言って口元に添えていた何十にも重なった袖をすっと降ろした。
そうだよ、どうして私なんかが世界を背負わなければならないんだ?
私に世界最強になれとでも言うのか、この眼の前にいる神様、彼岸咲耶姫は
理由がわからなくてじっと見つめていたけど、やはり美しさで頭がクラクラしてきて半歩後ろに下がった。
すっと肩を掴んで支えてくれたのはハルカゼで心配そうに見つめていたけど、すぐに神様の方を見つめて口を開いた。
「主様~加奈はまだそこまでの器じゃない。
時間が足りない中で急成長を遂げたから頭が追いついてない。」
ハルカゼにしては真剣な口調であった。
どうやら私を守ろうとしてくれているらしい。持ち主を守る武器の付喪神らしい発言だ。
すると彼岸咲耶姫はじっと私を見つめて頷いた。ハルカゼの言葉に納得しているらしい。
「まだ境地に達してはいません…おかしい、継承者としての器にあと一歩足りない。
先代の者は何をしているのか、それとも何かを躊躇っているのか。」
理由のわからない発言だ。私が継承者?器?
ふとそんな疑問を口にしようとしたが、ハルカゼがそれを止めた。
言うなってことなのね…発言こそが禁忌ならばやめておこう
すると桜をふわりと舞い踊らせて私の目の前まで近寄ってきた彼岸咲耶姫はそっと私の頬に手を添えた。
近くで見ると更に美しくて、桜の香りでお腹いっぱい胸いっぱいだ。
「この先の未来、より良い結末にたどり着けますように。
トーマス・アルバ・エジソンもそう願っています。
忘れないで
貴女を想い続けて何度も苦しい思いをした者がいることを」
一体、なんのことを言っているのだろう。
トルマーさん…エジソンさんがそんな事を言っていたの?会っているの?
もし叶うなら、私の尽きることのない疑問を満たしておくれ
私は我儘なんだ
「ふふ…やはり素質はありますね。
誰よりも自分と他者に利益のある幸せを求める我儘な加奈。貴女は継承者になるに相応しいわ。」
やはり私には貴方の言葉の本質がわかりません。そう言いたいのに口が動かない。
まるで私に世界の運命を背負う事から逃げるてはならぬ。そんなことをしたら許さないと言っているような気がして、唯一口から出した言葉は
「…はい。」
肯定の一言のみだった。
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