見た目幼女は精神年齢20歳

またたび

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154話

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この無人島にあるものは豊かな自然

スギの森があり、そこそこの広さがあるのに存在する生物の中に人間レベルに知能を持った住民はいなかった。

まるで無人島をはじめから開拓するゲームを連想させるから少しワクワクしている。

水の確保はひとまずマアヤ達による浄水装置で供給してるけどそれではエルフ達が私達に依存する形となってしまう。


『水ね…せめて島の中心部辺りに湧き水があれば良いのだけど。』

「マオウが畑向きの豊かな土を見つけたってことは地中にある湧き水を吸っている可能性がある。」


確かに、マアヤの意見は最もだ。

水を探るなら海王竜さんがぴったりかもしれない。


『海王竜さん、この島に湧き水はあると思いますか?』

「水?この島の奥深くに水で削れた空洞があるみたいね。

水はあらゆる記憶を写し取り記録するもの。離れた位置から水の記憶を覗くなんて造作もないわ。」


飲水作りに飽きてしまった彼女は私の部屋に籠もって漫画を読んでいた。しかしいい情報を得ることが出来たので上等だ。

ならば一番近い湧き水ポイントを教えてもらおうと思い、この無人島の地図を広げた。

素直に差し出したペンを受け取りサラサラと不定形の円を書き足した。

なるほど、マオウが見つけた土の範囲の中心地にあるな。

畑を作る範囲をしっかりと固めてから井戸を作る方が良いし、更にいうと何箇所か井戸を作っていざ一箇所井戸が使えなくても大丈夫なようにしよう。


「俺様が地中の影を通して空洞を探った。水源まで掘れば勝手に湧き出るだろ。」


ツキカゲの言う通り、これならきっとうまくいくはず。

船から引っ張り出すのはネットショッピングのセールで買ったスコップ…を、カミツレさんが見つけて魔改造したもの。

スッと地面に突き刺せば豆腐のように深く突き刺さるとんでもない道具である。


「大体このあたりよね?なら早速…!」


頭の位置まで持ち手を上げて勢いよく差し込む

その瞬間、私の体はガクンと下に落ちる感覚がしてバランスを崩した。

一体何が起きたのかは分からないが、良く考えてみれば力を入れすぎたのだ。


「なにをしてるんだ…お前のパワーでそのスコップを使えば間違いなく地割れが起きるだろ。」


頭上から聞こえるツキカゲの声に現状を理解して頭を抱えた。

そう言えば私、幼女の姿でも岩を殴れば亀裂を起こして粉々に砕けるパワーを持っていたわ。

そりゃあそんなやつが地面を豆腐みたいに扱えるスコップを使えば半径10メートルのクレーターを起こすだろう。

これは力加減が難しいところだ…でもコツは掴んだ。

エッサホイサと下に下にと掘り進めて気づけば大分下まで来たようだ。

ここでそろそろ来てもらわないと困る。

そろそろおいでよ、命の湧き水


「ほっ…!なんか感覚がおかしい。」


それどころか地面の感覚がおかしい。このじんわりと踏み心地がおかしくなる泥のような感じ…間違いなく水が湧き出ている。

咄嗟にその場から足を離して壁を蹴り真後ろの壁に飛び移るを繰り返して上を目指した。

まるで長年愛されてきたアクションゲームの主人公みたいに。


『うん、水が出たよ。

しかもすごい勢いで…!』


おそらく今まで閉じ込められてきた海水とは違う純粋な水がようやく今になって解放されて吹き出しているようだ。

あの海王竜さんもいい仕事をするよ…ダイレクトに教えてくれるなんてさ。

水が出たら後は補強作業と自然の力でろ過をするシステムを作ろう。

石を削ったレンガで作られた軸とそれを守るように木の柱と屋根の下に滑車を設置。その後に水を掬い取る木の桶をロープでしっかりと固定すれば井戸の完成である。

昔の形式での井戸しか作れないのでこればっかりは メンテナンスや技術レベルを考えるとどうしても目の前にある古い形の井戸しか選択肢がなかった。

少し怖いのはこの井戸に毒なんて入れられたら村が全滅する可能性はあるな。

そんなことは無いように対策をしていかないと。

まあ、それよりも先にやるべきことは井戸の増設と村の開拓のための整地作業だ。


「仮説住宅は船が代わりになるとは言え、トイレとかは優先して作ったほうが良いわね。」


この世界のトイレは意外なことに衛生的で、構造としては簡易的なもの。

便器の下には深めの穴があり、中にはスライムという異世界のようで最も有効的な使われ方をしている。

これはエルフ達でも作れそうなので場所を指定して作ってもらった。


「畑と作物を守るための防護柵は同時並行で行きましょう。」


今のエルフ族が出来るのは労働力の提供なのでこれを使わない手はない。

建築物を作るチーム、畑を作るチーム、建材や資源を採取して加工するチームは多めに人数を割り振った方が良さそうだ。


「今日中に何処まで行けるかしら。」


なんて考えながら作業する手は止めない。策の設置のために杭を地面に打ち込んで縄で木材同士を縛って繋げる。

ある程度村の原型というより範囲がわかってきたような気がする。

設定図と実物を交互に見ては僅かなズレを確認して修正を繰り返す。

物を作るって大雑把に説明するならそういう事だよな。

そんな事を繰り返して早3日、人がいるから開拓スピードがまあ早い。

気づけば広い畑も種を植えてあとは育つのを待つだけになったし、建物も増えたのでそちらに住居を移しているエルフが増えた。


「カナ様、森の食糧採取隊が戻りました。」

「カナ様~こっち手伝ってください~!」

「カナ様!」

「カナ様。」

「カナ、海王竜が眷属を島の近辺に集めだしたのだが…」


沢山の人がまず私に報告してくるから頭が痛くなる。

ひとつずつ的確な指示を出すのも面倒くさくなったので雑に全てを対応して、海王竜には眷属にお帰りいただくようにお願いした。


「もう…なぜ眷属をここらに?生態ピラミッドを壊すつもりですか?」

「ピラミ…?私の子供達を連れてきたのはカナの傍に置くためよ。

集めて選別してカナに着けておく。そうすれば何時でも私を呼べるから。」


海王竜によると、主である海王竜とその眷属は魂が繋がっているのでお互いに呼べば召喚されて来るのだ。

そうして子供達と呼ばれた眷属達は意外な事に魚以外にいるようだ。


「…我が主よ、このような人間に我ら眷属を着けるとはどういった風の吹き回しで?」


間違いない…あれはどう見たって人魚だ。

上半身はしっとりとした肌だが内なる筋肉が盛り上がっているがっしり体型の男性、でも下半身を見れば宝石のようにキラキラと輝く魚の鱗で覆われて、先には薄いベールのような鰭がある。

それにしても顔がいいな…瞳は海王竜と同じ深い青色の瞳はじっと私を見つめて指までさしてきた。

でも彼の発言には私も同意するわ。なぜ眷属を着けようだなんて思ったのだろうか。


「そう警戒しなくても良いわよマーマン・ベタ。カナにちょっかいを掛けなければ死なないから。」


私そんなに凶暴な性格してるか?

マーマン・ベタと呼ばれた人魚は私を警戒しながらも海王竜さんの言葉を信じているようだ。

それにしても、海王竜さんは眷属がいっぱいいるのね。この広い異世界は地球同様、陸よりも海の面積のほうが広いのかしら。

だとしたら多くの眷属を持って海の均衡を維持させるのも納得である。

ここにいる海王竜さんの眷属は皆強いのか…やはりお帰り願いたい。


「後はそうね…ブライドフィッシュの遺体があれば魔力を注げば復活させることができるわ。

あの子の遺体に残った僅かな魔力すらなにかに遮断されて喚び出せないのよ。」


なにか知ってたりしない?みたいに横目でこちらを見てきたので、私はつい目を泳がせてしまった。

言えねぇ…マアヤが素材としてアイテムボックスに保管しているなんて口が裂けても言えない。


「あ…私が保管してます。薬の材料になるのだはないかと思いまして。」


言っちゃったよ…私が内心焦っていたのにマアヤが言っちゃったよ。私の瞬間的な苦労返してよ。

それに海王竜さんも一切怒ることなく「あらそうなの」とか言ってるしなんなの?


「やっぱり伝説のドラゴンの思考は読めないわ…。」

「大丈夫だ、俺もわからない。」


私の味方はナザンカだけだったのか。今からでも平和条約組めるよやったね。


「あとお前の思考も読めないからあいつらと同類だな。」


前言撤回、貴様も敵だナザンカ

そんなくだらない茶番劇を繰り返していたら、マアヤがアイテムボックスからブライドフィッシュを取り出して返していた。

やはりぐったりとして動かないよな…なんて考えていたら海王竜さんが真っ白な魚の体をペタペタと触って魔力を込めていた。

眷属というのは便利な体をしているんだなと思った。

カミツレさんの馬の眷属も然り、魔力を入れたり全部消費すると仮死状態になったり他にも様々な利点があるのだろうか?


「ツキカゲ。貴方にも眷属はいるの?」

「まあいるにはいる。だが普段は影にしまっているから見ないだけだ。

それに、常に魔力を注ぎ続けるのも面倒だし定期的に注いで活動しているんだ。こいつも注がれた魔力を節約するために出来るだけ動かないし、俺がカナの影に潜む時も一緒にいたぞ。」


ツキカゲの眷属は影から影に移動するものなのか。しかも己の体を一切地上に出すことなく移動出来るなんてすごいな。

チラリとツキカゲの足元を見て、いつかは姿を表してくれるのかなって想像しながらニッコリと笑った。


その時が来た。「よし。」という言葉と共に一匹の白く美しい魚の体が修復されて命が動き出すのを見つめて足を一歩後ろに下げた。

何故このようなことをするのか、私あの魚を仕留めた張本人なのだから復讐されるのを視野に入れてるから。

相手を攻撃するのは自分も攻撃される覚悟を持ってするものだ。でもやられる気はサラサラない。

だから構えてやられないようにするのだ。

相棒と呼べる小さな刀の鞘を左手で撫でると風が私を守るように後ろから前へと髪を撫で返した。

ピクリと真っ白な尾鰭が揺れ動き真っ赤な瞳がギョロッと私を見たような気がする。

カラーリングはアザレアに似てるのに全く可愛くないのが恐ろしさを感じるから人間の脳は見た目の六割で対象物を判断すると言われるんだ。

ピチピチと体を動かしたのを確認すると、海王竜さんは海にブライドフィッシュを放り投げて私に手招きをした。


「大丈夫よ、私の命令には忠実だから。」

「そ、そうなのですね。」


私にはそれしか言えなかった。

海王竜さんだからその言葉には説得力がある。でもこの場で海王竜さんが眷属の味方したら死ぬ自信しかない。

内心ガタガタと震えていたが、海面から顔を出した白い魚はじっと私を見つめて海から飛び出した。

ちょっと待て、魚が私に向かって飛び込んでくるとかどんなホラーだ?


「ひぃっ⁉」


咄嗟に受け止めてしまったが手が滑って掴みにくいしエラを使って体全体で呼吸をするからまじで恐怖を感じる。

なのに隣に立っていた海王竜さんは笑顔で嬉しそうだと言い出した。何処が⁉


「うちの子は貴方が相当気に入ったのね。海は我らの領域、でも明らかに不利な状況下で勝利したカナに感服したみたい。」


眷属をつけるならこの子が一番ぴったりかもねなんて言ってブライドフィッシュの頭部を撫でると、腕の中の魚が光り輝いた。

なんてこったい、この光は既視感があるぞ。


「あ…はぁ?」


腕の中のそれに困惑するのも当然だろう。だって私が先程まで抱えていたのは白い巨大な魚だ。

光って収まったと思えばそこにいたのは白いドレスと黒い髪、真っ赤な瞳の花嫁


「海王竜さん…これって」

「言語機能を付与するために人の形にしてみたの。今まで言葉を理解することは出来てもこの子が言葉を使うことは出来なかったから。」


ワー伝説のドラゴンってスゴイナー

言語機能を付与することが人の形にする意味はあるのだろうか…まあ生活面ではありがたいっちゃあありがたい。


「魔力を消費すればこの姿になるけれど、普段は魚の姿で過ごさせていただきますわ。

ワタクシ、ブライドフィッシュですの。」


うん、この癖の強さはこの魚の本来の人格から生み出されたものなのだろう。

頭が痛くなるのはいつものこととして、この子の水槽を用意してあげないとだな。


「カミツレさん、新しく大きな水槽の部屋って作れる?」

「まあ空間を捻じ曲げる余裕はあるから部屋の一つくらいは作れるわよ。」


出来るんかい。というか空間を捻じ曲げる余裕ってなんだろう?

いい加減お姫様だっこを止めにしなければ。

抱き上げたままの花嫁をゆっくりと立たせて手を離すとやはりというか、大きくふらついて転びそうになっていた。


「ちなみにだけど今回眷属に人の形を与えたのは初めてだから人の動作とか常識とかを教えると良いわよ。」

「先に言ってくださいよ…!」


慌てて体を支えたらポッと頬を赤く染めているんだけど、照れてるよねこれ?

再度抱え直そうかとも考えたがまた倒れたら面倒だから肩だけ支えてあげた。


「人の形になれるのはわかりましたが、これ魔力消費するんですよね?

だったら無理しなくてもいいから魚の姿に戻してください。

あと、この子の食べ物とか特性とか。」

「あらあら…歓迎する気なのね。」


そりゃあ私達についていきたいっていっているのならそれを断るわけにもいかないし。

私は私を認めてくれた花嫁に一つ問うことにした。


「海王竜さんはあんなこと言ってるけど、貴方自信はどうしたいの?

私を尊敬してくれるのは嬉しいけど、それら全部は海王竜さんから聞いた言葉に過ぎないの。


貴方の思いは、貴方の口から言葉として聞きたいな。」


せっかく主から思いを伝える言葉をもらったんだからさ。たくさんおしゃべりしても良いんじゃない?

そんな私の考えを受けて、花嫁は目をパチクリとさせて俯いた。

今まで考えてこなかった事なのだろうな。だってそんなの生存競争が激しい海の中では必要のないもの、真っ先に削ぎ落とすものだったのだから。

海王竜さんの眷属として海を住処にしていた魚で少しは余裕を持って生活してただろうけど。

まあ、人の形を得ることで心も豊かになってるかはわからないけど…。


「ワタクシは…ずっと海で生きてきて強くなるために喰らって喰らって喰らい続けて。あの日も貴方を喰らって強くなろうとしていたんです。

なのにあの日は貴方に喰われてしまった!これほどに胸が高鳴ったのは初めてですわ!」


頬を高調させて饒舌な様子の彼女は私に言い寄るように顔を近づけて私の手を包み込むように掴んだ。

この子、意外と押しが強いな⁉

小柄な体型でグイグイ近寄り私の戦う姿をペラペラと語る姿はまさにオタクのそれで既視感すらある。


「ワタクシ、貴方に着いて行きたい!そして何故貴方が強いのか知りたいのです!」

「アッハイ…」


もう何も言えないよ。こんなに押しの強い女の子初めてだよ…と思ったけど好きなものに忠実な女の子は大体こんな感じだよな。

まあ私も女だけど

キラキラと目を輝かせている乙女の姿はなんとも可愛らしくてこれが恐ろしい姿の魚とは思えない。

でも、私の意向だけでこの旅に花嫁の姿をした魚を仲間入りさせるわけには行かないんだよね。

チラリと野次馬になっていたツキカゲ達を見ると、ため息をつきながらも別に構わないといった様子だった。


「まあ役に立てばそれで良い。」

「素材として鱗を提供してくれたらそれでいい。」

「働かざる者食うべからずですね!ちゃんとお当番を守れば良いですよ。」


カリンもマアヤもアザレアも別に良いよみたいな感じだし大丈夫だろう。

なんともまあ不思議な出会いと仲間入りしたのは花嫁姿の殺人魚ことブライドフィッシュ

海王竜さんに聞いたところによると彼女にもちゃんと名前があるらしい。


「ブライドフィッシュは私がつけた種族名のようなもの。この子の名前は前からあるのよ。」

「ブライドフィッシュのノイヴァですわ。」


ふわりとひろがる純白のスカートを軽くつまみ上品に挨拶をする姿におぉ…と拍手をした。

それにしてもノイヴァとは、素敵な名前を持っているようで。すごくしっくりくるんだよね。

そんなこんなで、まさかの仲間入りをしたブライドフィッシュことノイヴァ。

これからの旅には魚の姿で同行するらしい。やはり魔力消費が激しいのかすぐに海に飛び込んで、何かあれば海辺に来てくれと言った。

他の眷属達はというと…


「我らは…一体何を見せられていたのだろう。」


同じ眷属が一度倒された敵の強さに感服してそばに着くとか言っているし、それを受け入れている私達の異常性に戸惑っていた。

うん、その気持ちは良くわかる。

でもまあ良く言うじゃん?


終わりよければ全て良しって…しかしこの物語はまだ続く。

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