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149話
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この船は誰もが自信を持って異常だと言えるだろう。
外見は一般的な船、操縦する時は風と魔力を使った少し珍しい最新型。
操縦士は見た目は顔立ちの整った普通の人間
…ここまでは良いのだ
唯一、船の内部へ続く出入り口は操縦室の直ぐ側にある階段。
降りた先に広がるのはどう見たって船の形大きさに合わない広い屋敷のロビー。
フカフカのソファーとサイドテーブルを独り占めして茶を飲んでいるのは清らかな水のような髪が特徴の絶世の美女。
あれは私がネットショッピングで買ったモヒートティーだ。
「かれこれ800年は生きているけどこのように快適な船旅は初めてだ。」
「さいですか…」
茶を飲んでちゃっかり私の部屋から漫画を持ち出して読んでる辺りこのドラゴンも俗世に興味があるようだな。
しかも王道恋愛マンガを読むとかこの人の感性って意外と純粋よりなのだろうか?
「あの…そろそろ食料補給の島に到着するので漫画しまいましょう。」
「あら、もう着くのね。」
パタンと本を閉じて私に漫画を返すと一人外へと続く階段を登っていった。
本当にあれが伝説のドラゴンが一柱、海王竜なのだろうか?ただの清楚とセクシーがコラボしてるお姉さんにしか見えない。
はぁ…とため息をついて頭を掻くと、部屋から出てきたカリンが私にあのドラゴンはどこかに行ったのかと確認してきた。
「海王竜は昔からよくわからん奴と思ったが、カナに出会った途端にあれだ。」
私は昔の海王竜がわからないから変化がわからないんだよな。
でもあの人のお陰で海の魔物とかに遭遇してないかもしれない。
やっぱり海の王なだけあって他の魔物は手とか足を出してこないんだろうな。
ピンヒールの音を鳴らして立ち去った彼女の偉大さには驚かされる。
そんな彼女だが、未だになんて呼べばよいのかなどは決まってない。
なんなら本当の名前はあるけど教えたくないそうだ。
「人間の姿では顔だけで食っていけそうな程に美人なんだけどな…。」
「ドラゴンは容姿よりも力が重要視されるからな。
水のドラゴンの頂点に立つに相応しい力を代償に触角だけで戦えるほどには強いが見た目は悪いよな。」
それはツキカゲの言葉、カリンもそれには同意しているらしい。
おいおい乙女に見た目が悪いとか言うんじゃないぞ、一生嫌われるぞ。
〈そろそろ中間地点の島に到着する。カナは食料の確認、マアヤはポーションの材料をそれぞれ在庫確認をしてくれ。〉
この船はカミツレさんの魔改造の手が行き届いている。
操縦室から聞こえたのはナザンカで、船内に声が届くように特殊な管が張り巡らされている。
「了解、ツキカゲは海王竜さんの見張りでカリンは私について来て記録をお願い。」
「わかった。」
カリンは素直に頷いてくれた。だってそれが彼の仕事だから。
しかしツキカゲは不機嫌そうな顔をしてもっとマシは仕事はないのかと呟いていた。
良いからさっさと行きなさいとツキカゲに言って真っ直ぐ食料庫に向かった。
頭の中では確かあの食材が無くて調味料はこれだけ残ってると考えて実際に食料庫で答え合わせをするのだ。
私は基本的に作り置きはシないタイプだ。
置いておくと誰かが勝手に食べてしまい、食事の場に出す時になくなって困ったことがあるから。
大抵の犯人はツキカゲ、それがスイーツやデザートだった場合はカミツレさんである。この姉弟は碌な事をしない。
「うーん…やっぱり果物は早く消費しないといけないからすぐになくなってしまうわね。」
「着いた島で果物が採れたら良いが…柑橘系があれば尚良いな。」
確かに果物が採れるのなら柑橘系が一番良いな。
穀物はまだ20kgずつ残ってるけど、米だけはあと5kgしか無い。
やっぱり米の消費がはやいな…コロンブスの港町で食中毒にならない刺身用の生魚を鑑定スキルで厳選して買ったんだよな。
私とツキカゲとマアヤが進んで寿司とか海鮮丼とか刺し身を食べていたらその魅力が伝染して全員が米ガチ勢になった。
特に丼物は米が料理を美味しく引き立てるから更に米が進む進む。
アザレアは牛丼が大好物だからな…フードバトルみたいに「おかわりください」とニッコニコの笑顔でおねだりしてくるから。これを拒む程私は馬鹿じゃない。
とにかく米が足りない…どうしようか。
「極東の島国まで米が足りるかな…?」
「最悪お前の召喚術でどうにかするしか無いな。
それか別の穀物で上手い料理を作ってそっちを食べさせるしか無い。」
カリンも記録して管理する者の自覚がちゃんとあるようで、紙に書いて計画的に食料の消費をしなければいけないと結論づけた。
「安かったから買った、乾燥したとうもろこしが大量にあるんだが…どうにか出来ないか?」
「んな無茶な事言わんでくれよ。」
確かにマアヤとカリンが商業ギルドでたくさん買ってきたやつだとしても乾燥したとうもろこしで何が作れるんだよ。
乾燥したとうもろこしって私の世界では何時部の国や地域で主食として食べられていた気がする。
それこそトルティーヤとか…あれは本気出さないと作れない。インターネットで調べながらやればワンチャンいけるかもしれないが。
「そういえばこの袋に入ってるとうもろこしってどれも皮が硬いわね。
こっちは色がカラフルだし、こっちは結構見覚えのあるやつね。」
これもしかしてマアヤわかってて買ったのか?私にたった一つの要望があるから買ったのか?
だとしたらまじでナイスな買い物だわ
ニッコリと笑って皮の硬いとうもろこしの袋を抱きしめると私はカリンにこう伝えた。
「今日はしょっぱいおやつを作ってあげる!」
「お、おう…できればとうもろこしで飯を作って欲しいのだが。」
それは追々ね、今は時間的におやつでも許されるでしょ?
ということで私はとうもろこしの袋を抱きしめたままキッチンに向かった。
こういうのは早く行動しないと気持ちが乗らないのだ。
材料はこのとうもろこしと油、これに味付けとしてバターと砂糖を入れたり、塩を使ったりなど様々だ。
まずはとうもろこしの豆の部分を取り出す作業から。
これがまあ面倒くさい、だがそれで良い
それにしてもこれ硬いわね…手が痛くなる。
豆を全て取り出したら次はフライパンをコンロの上に乗せて火をつけます。
料理は基本的に中火の場合がほとんど。今回も中火で熱してそこに油を流し入れます。
「フライパンを熱したらそこにとうもろこしの豆を投入。すぐに蓋をして軽く揺する。」
蓋をして揺することで焦がさないようにする。確かにあれが焦げてるのはあまり見たことが無いかも。
あっでも焦げは甘い味付けにしたら良さげかもしれないな。
その時だった
パンッ!
フライパンの中から破裂音が聞こえた。
これよこれ、これが聞きたかったの
どうやら私の予想は当たっているみたいで無数の破裂音がフライパンの中で響きわたり、透明な蓋の向こう側では金色の豆達は真っ白になっていく。
「な…なんか変な音がなったんだが⁉」
「カリン、キッチンで暴れない騒がない。」
このキッチンでは私がマスターであり命令は絶対なのだ。
火や刃物が置いてあるキッチンは危険なので暴れるなと皆に言ってある。
でもまあフライパンの中から急に破裂音が聞こえたら誰だってビビるよな。
「火を止めて音が止んだら蓋を開けるんだけど…そろそろいいかな?」
音が止んだので慎重に蓋を開けてみるとまあびっくり。
先程の何倍にも膨れ上がったとうもろこし達がこんにちはしていた。フライパンから溢れんばかりとはまさにこの事。
「カナ…これは一体?」
「ふふふ…このとうもろこし、マアヤが買ったでしょ?とうもろこしを使った料理の代表格、その名も
ポップコーンよ!」
外見は一般的な船、操縦する時は風と魔力を使った少し珍しい最新型。
操縦士は見た目は顔立ちの整った普通の人間
…ここまでは良いのだ
唯一、船の内部へ続く出入り口は操縦室の直ぐ側にある階段。
降りた先に広がるのはどう見たって船の形大きさに合わない広い屋敷のロビー。
フカフカのソファーとサイドテーブルを独り占めして茶を飲んでいるのは清らかな水のような髪が特徴の絶世の美女。
あれは私がネットショッピングで買ったモヒートティーだ。
「かれこれ800年は生きているけどこのように快適な船旅は初めてだ。」
「さいですか…」
茶を飲んでちゃっかり私の部屋から漫画を持ち出して読んでる辺りこのドラゴンも俗世に興味があるようだな。
しかも王道恋愛マンガを読むとかこの人の感性って意外と純粋よりなのだろうか?
「あの…そろそろ食料補給の島に到着するので漫画しまいましょう。」
「あら、もう着くのね。」
パタンと本を閉じて私に漫画を返すと一人外へと続く階段を登っていった。
本当にあれが伝説のドラゴンが一柱、海王竜なのだろうか?ただの清楚とセクシーがコラボしてるお姉さんにしか見えない。
はぁ…とため息をついて頭を掻くと、部屋から出てきたカリンが私にあのドラゴンはどこかに行ったのかと確認してきた。
「海王竜は昔からよくわからん奴と思ったが、カナに出会った途端にあれだ。」
私は昔の海王竜がわからないから変化がわからないんだよな。
でもあの人のお陰で海の魔物とかに遭遇してないかもしれない。
やっぱり海の王なだけあって他の魔物は手とか足を出してこないんだろうな。
ピンヒールの音を鳴らして立ち去った彼女の偉大さには驚かされる。
そんな彼女だが、未だになんて呼べばよいのかなどは決まってない。
なんなら本当の名前はあるけど教えたくないそうだ。
「人間の姿では顔だけで食っていけそうな程に美人なんだけどな…。」
「ドラゴンは容姿よりも力が重要視されるからな。
水のドラゴンの頂点に立つに相応しい力を代償に触角だけで戦えるほどには強いが見た目は悪いよな。」
それはツキカゲの言葉、カリンもそれには同意しているらしい。
おいおい乙女に見た目が悪いとか言うんじゃないぞ、一生嫌われるぞ。
〈そろそろ中間地点の島に到着する。カナは食料の確認、マアヤはポーションの材料をそれぞれ在庫確認をしてくれ。〉
この船はカミツレさんの魔改造の手が行き届いている。
操縦室から聞こえたのはナザンカで、船内に声が届くように特殊な管が張り巡らされている。
「了解、ツキカゲは海王竜さんの見張りでカリンは私について来て記録をお願い。」
「わかった。」
カリンは素直に頷いてくれた。だってそれが彼の仕事だから。
しかしツキカゲは不機嫌そうな顔をしてもっとマシは仕事はないのかと呟いていた。
良いからさっさと行きなさいとツキカゲに言って真っ直ぐ食料庫に向かった。
頭の中では確かあの食材が無くて調味料はこれだけ残ってると考えて実際に食料庫で答え合わせをするのだ。
私は基本的に作り置きはシないタイプだ。
置いておくと誰かが勝手に食べてしまい、食事の場に出す時になくなって困ったことがあるから。
大抵の犯人はツキカゲ、それがスイーツやデザートだった場合はカミツレさんである。この姉弟は碌な事をしない。
「うーん…やっぱり果物は早く消費しないといけないからすぐになくなってしまうわね。」
「着いた島で果物が採れたら良いが…柑橘系があれば尚良いな。」
確かに果物が採れるのなら柑橘系が一番良いな。
穀物はまだ20kgずつ残ってるけど、米だけはあと5kgしか無い。
やっぱり米の消費がはやいな…コロンブスの港町で食中毒にならない刺身用の生魚を鑑定スキルで厳選して買ったんだよな。
私とツキカゲとマアヤが進んで寿司とか海鮮丼とか刺し身を食べていたらその魅力が伝染して全員が米ガチ勢になった。
特に丼物は米が料理を美味しく引き立てるから更に米が進む進む。
アザレアは牛丼が大好物だからな…フードバトルみたいに「おかわりください」とニッコニコの笑顔でおねだりしてくるから。これを拒む程私は馬鹿じゃない。
とにかく米が足りない…どうしようか。
「極東の島国まで米が足りるかな…?」
「最悪お前の召喚術でどうにかするしか無いな。
それか別の穀物で上手い料理を作ってそっちを食べさせるしか無い。」
カリンも記録して管理する者の自覚がちゃんとあるようで、紙に書いて計画的に食料の消費をしなければいけないと結論づけた。
「安かったから買った、乾燥したとうもろこしが大量にあるんだが…どうにか出来ないか?」
「んな無茶な事言わんでくれよ。」
確かにマアヤとカリンが商業ギルドでたくさん買ってきたやつだとしても乾燥したとうもろこしで何が作れるんだよ。
乾燥したとうもろこしって私の世界では何時部の国や地域で主食として食べられていた気がする。
それこそトルティーヤとか…あれは本気出さないと作れない。インターネットで調べながらやればワンチャンいけるかもしれないが。
「そういえばこの袋に入ってるとうもろこしってどれも皮が硬いわね。
こっちは色がカラフルだし、こっちは結構見覚えのあるやつね。」
これもしかしてマアヤわかってて買ったのか?私にたった一つの要望があるから買ったのか?
だとしたらまじでナイスな買い物だわ
ニッコリと笑って皮の硬いとうもろこしの袋を抱きしめると私はカリンにこう伝えた。
「今日はしょっぱいおやつを作ってあげる!」
「お、おう…できればとうもろこしで飯を作って欲しいのだが。」
それは追々ね、今は時間的におやつでも許されるでしょ?
ということで私はとうもろこしの袋を抱きしめたままキッチンに向かった。
こういうのは早く行動しないと気持ちが乗らないのだ。
材料はこのとうもろこしと油、これに味付けとしてバターと砂糖を入れたり、塩を使ったりなど様々だ。
まずはとうもろこしの豆の部分を取り出す作業から。
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それにしてもこれ硬いわね…手が痛くなる。
豆を全て取り出したら次はフライパンをコンロの上に乗せて火をつけます。
料理は基本的に中火の場合がほとんど。今回も中火で熱してそこに油を流し入れます。
「フライパンを熱したらそこにとうもろこしの豆を投入。すぐに蓋をして軽く揺する。」
蓋をして揺することで焦がさないようにする。確かにあれが焦げてるのはあまり見たことが無いかも。
あっでも焦げは甘い味付けにしたら良さげかもしれないな。
その時だった
パンッ!
フライパンの中から破裂音が聞こえた。
これよこれ、これが聞きたかったの
どうやら私の予想は当たっているみたいで無数の破裂音がフライパンの中で響きわたり、透明な蓋の向こう側では金色の豆達は真っ白になっていく。
「な…なんか変な音がなったんだが⁉」
「カリン、キッチンで暴れない騒がない。」
このキッチンでは私がマスターであり命令は絶対なのだ。
火や刃物が置いてあるキッチンは危険なので暴れるなと皆に言ってある。
でもまあフライパンの中から急に破裂音が聞こえたら誰だってビビるよな。
「火を止めて音が止んだら蓋を開けるんだけど…そろそろいいかな?」
音が止んだので慎重に蓋を開けてみるとまあびっくり。
先程の何倍にも膨れ上がったとうもろこし達がこんにちはしていた。フライパンから溢れんばかりとはまさにこの事。
「カナ…これは一体?」
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ポップコーンよ!」
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