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148話
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カミツレさんの言葉に耳を疑った。
目の前にいるでっかい魔物が伝説のドラゴン?
妙な触角を六本生やしてしかもうねうねさせたり、陸上生物とは違った目の構造、そしてツキカゲとは比べ物にならない巨体には魚の鱗がびっしりと生えている。
「フム…見たトコロ闇ノ玉座ヲ守ル我ガ同胞ノ契約者ダナ。
人間ジャナイカ、寿命が短イ」
人間じゃだめなのかよ。
それに私に襲いかかって海に引きずり込むって賢者殺されたことに対する敵討ちなのか?
まじで目の前のでっかいドラゴンの言動も思考も読めない。
「それで?母なる海を守る為に深海に潜むあなたがどうしてこんなところに?」
「ソナタハ光ノ玉座ヲ守ル者…光ト闇ノ姉弟ガ人間ニ肩入レカ?
ソコノ人間ハ我ガ賢者ヲ倒シタ、強イ奴ダ
ドンナ奴カ見ニ来タ」
だからって私を海に引きずり込むなよ私は水中で呼吸できないんだぞ。
もしかして海に入っても呼吸が出来ると思ったのか?
すると目の前のドラゴンは首を傾げて私に指をさした。
「オカシイ
賢者ノ記憶ヲ覗イタ時、ソコノ人間ハ海デ呼吸が出来テイタ。」
あの時はポーションを飲んでいたからね。
腹に緩く巻き付いていた触角を手に掴んで巨体に近づくと、手を伸ばした。
「ごめんなさい、あなたの触角を刀で切っちゃったから返します。」
全員が息を呑んだ。そりゃあ力量が不明確なドラゴンに近づいたんだから何が起こるかわからない。
早く離れろとか言ってきそうなのをぐっと堪えて待機しているのか。と言うか今マアヤの声が聞こえたぞ。
素材?お前持ち主の真ん前で素材にする気満々だったのかよ。肝が据わり過ぎてるなんてレベルじゃないぞ
対して切られた触角を返されたドラゴンは無言のままだった。
じっと私と触角を見つめて何を考えているのかわからない目をギョロギョロと動かして小さな声…のつもりなのだろうが「ナルホド」と呟いた。
「ヨク考エレバ人間ハ水ノ中デ息ガ出来ナイ。
折角我ガ眷属ヲ倒シタ者ノ顔ヲ見タイト思ッテモ、海中ニ引キ込ンデ殺シテシマエバ意味ガナイ。」
頭のおかしいやつかと思ったけど、ある程度の常識を持ち合わせていたよ。
うちのドラゴン達は飯の為に狂うのと、バカと天才が紙一重になってるのと、ブルジョワな服を着て生意気なクソガキムーブをかましているののとかいたから、目の前の常識から一番離れたドラゴンがまともに見える。
「…ソノ触角ハ後ロノ小娘に渡セバ良イ。
我ガ眷属ヲ倒シタ褒美ダ」
その眷属はマアヤがポーションの素材用で保管してるんだけどね。
しかし、褒美がマアヤに言ってしまえば不公平というものではないか?
もっとこう…あるだろ?
ひとまずはありがとうございますと感謝の気持ちを示してお辞儀をすると、ふとこんなことを思いついた。
「あなたの事を、なんと呼べば良いですか?」
これには後ろの人間組はぎょっとした。
急いで私に駆け寄り肩を掴んだのはマアヤですごい勢いで前後に振ってきた。
「おバカ!この世界で容易に名前関連の話はするなってツキカゲから教わらなかったの?」
いや教わったというか基本的に魔物達が名前を持つことの重要性は人間と少し違う。
言ってしまえば名を貰えば与えた者に従い続けなければならないから。
人間同士とか種族同士ならその縛りも緩くはなるけど異種族同士、特に魔力の差が大きい変わってくるものがある。
私の場合はツキカゲが完全復活してないタイミングで同じくらいの魔力だったから対等という形で名を与えて契約できた。
マアヤとカミツレさんが契約した時も魔力の量が同じくらいだったので対等な関係として結べたらしい。
そんな感じで接してきたので名前の重要性がいまいちピンときていないのが現状である。
「名前と言うよりも…海王竜なんて呼ぶのは堅苦しいし長ったらしいから逆に普段はなんて呼ばれているのか気になったのよね。」
「多分皆が恐れ慄く伝説のドラゴンだから寄ってくる生物がいないのでは…?」
アザレアの言葉はヒントであり答えであった。
確かに深海の奥深くに暮らしていてこの海の誰よりも強い伝説のドラゴンだから近づく生き物がいない。だからなんて呼ばれているのかわからないのだ。
「…ククッ
アッハハハハハハハっ!!」
突然、空が割れるんじゃないかってレベルの大音量で爆笑するドラゴンがいた。
まさか笑われるとは思わなかったけど、今の爆音でうちのナザンカとアザレアが気絶した。
私も鼓膜が持っていかれるんじゃないかと思った。本当にうるさいな
「ナンダコノ面白イ人間ハ!カレコレ800年程生キテ来タガ誰モ我ヲ関ワロウトハシナカッタ!」
めっちゃ笑ってるんですけど…というかこのドラゴン800年は生きてるんだねすごい長生きだね。
頭が痛くなる程の笑い声は段々と小さくなって落ち着いてきたのか静かになった。
「気ニ入ッタ!ソコノ闇ノクソガキト契約シテイナケレバ我ガ契約ヲシテ水ノ王座ニツイテイタダロウナ!」
もう何がなんだかわからないんだけどこのドラゴン
するとため息をついて呆れた顔を浮かべるツキカゲは腕を組んで海王竜を呼んだ。
「カナは闇の王座につく人間だ。お前のような深海で暮らす奴とは環境が違うのだからお前が合わせろ。」
偉そうな奴だな私の相棒は
でも私は水の中で呼吸が出来ないから交流するならあちらが私達に合わせてもらわないといけない。
後はこのまま話していても旅にならない
「私、極東の島国に向かっているんです。方向的にはあなたの真後ろで…。」
「つまり邪魔だからそこどけ」
なんでそんなにクソ生意気な態度をとるかな黒トカゲ!
年齢も500程違うのによくまあでかい態度とれるよ…お姉さん見習いなさいよ!
あの馬鹿と天才が紙一重のカミツレさんでも丁寧な言葉を使ってたじゃない。
おバカ!とツキカゲの頭をひっぱたきもう少し頼み方を正しなさいと説教していると目の前にいたはずの巨体ドラゴンの影が消えた。
先程まで船全体を覆うような大きな影だったのにそれが一瞬にして消えるのだから当然そちらに意識が行った。
「フフフ…300年程しか生きていない小童にいちいち目くじらを立てるなんて器の狭い愚か者の真似をするわけがないだろう?」
美しい声だった
聞くだけで腰が砕けて昇天しそうな声
そして声の主をみて理解した
潤いのあるしっとり弾力のありそうな白くて日焼けを知らない肌、流れる清らかな水のような髪の毛は一本の太い三つ編みにしていた。
身に纏う衣服は白いノースリーブシャツに後ろ部分がヒレのようになっているマーメイドスカート
豊満な胸を隠すように先が6つに分かれたマントを羽織ってとても品のある女性が甲板の先に立っていた。
「海は広いが我にとっては全て住まい。
極東の島国と周辺諸島は我が眷属の縄張り。地図がなくとも道案内は造作もない。」
…ん?
急に現れた女性が勝手に話しを勧めているけどなにこれ?
状況の整理が追いつかない私を放ってくるりと方向転換をした絶世の美女は船の進行方向と同じ方角を指さしてこういった。
「ここであったのも縁と言うものなのだろう?
ならば伝説のドラゴンが一柱、海王竜が極東の島国まで案内してやろう!」
…はい?
目の前にいるでっかい魔物が伝説のドラゴン?
妙な触角を六本生やしてしかもうねうねさせたり、陸上生物とは違った目の構造、そしてツキカゲとは比べ物にならない巨体には魚の鱗がびっしりと生えている。
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「それで?母なる海を守る為に深海に潜むあなたがどうしてこんなところに?」
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だからって私を海に引きずり込むなよ私は水中で呼吸できないんだぞ。
もしかして海に入っても呼吸が出来ると思ったのか?
すると目の前のドラゴンは首を傾げて私に指をさした。
「オカシイ
賢者ノ記憶ヲ覗イタ時、ソコノ人間ハ海デ呼吸が出来テイタ。」
あの時はポーションを飲んでいたからね。
腹に緩く巻き付いていた触角を手に掴んで巨体に近づくと、手を伸ばした。
「ごめんなさい、あなたの触角を刀で切っちゃったから返します。」
全員が息を呑んだ。そりゃあ力量が不明確なドラゴンに近づいたんだから何が起こるかわからない。
早く離れろとか言ってきそうなのをぐっと堪えて待機しているのか。と言うか今マアヤの声が聞こえたぞ。
素材?お前持ち主の真ん前で素材にする気満々だったのかよ。肝が据わり過ぎてるなんてレベルじゃないぞ
対して切られた触角を返されたドラゴンは無言のままだった。
じっと私と触角を見つめて何を考えているのかわからない目をギョロギョロと動かして小さな声…のつもりなのだろうが「ナルホド」と呟いた。
「ヨク考エレバ人間ハ水ノ中デ息ガ出来ナイ。
折角我ガ眷属ヲ倒シタ者ノ顔ヲ見タイト思ッテモ、海中ニ引キ込ンデ殺シテシマエバ意味ガナイ。」
頭のおかしいやつかと思ったけど、ある程度の常識を持ち合わせていたよ。
うちのドラゴン達は飯の為に狂うのと、バカと天才が紙一重になってるのと、ブルジョワな服を着て生意気なクソガキムーブをかましているののとかいたから、目の前の常識から一番離れたドラゴンがまともに見える。
「…ソノ触角ハ後ロノ小娘に渡セバ良イ。
我ガ眷属ヲ倒シタ褒美ダ」
その眷属はマアヤがポーションの素材用で保管してるんだけどね。
しかし、褒美がマアヤに言ってしまえば不公平というものではないか?
もっとこう…あるだろ?
ひとまずはありがとうございますと感謝の気持ちを示してお辞儀をすると、ふとこんなことを思いついた。
「あなたの事を、なんと呼べば良いですか?」
これには後ろの人間組はぎょっとした。
急いで私に駆け寄り肩を掴んだのはマアヤですごい勢いで前後に振ってきた。
「おバカ!この世界で容易に名前関連の話はするなってツキカゲから教わらなかったの?」
いや教わったというか基本的に魔物達が名前を持つことの重要性は人間と少し違う。
言ってしまえば名を貰えば与えた者に従い続けなければならないから。
人間同士とか種族同士ならその縛りも緩くはなるけど異種族同士、特に魔力の差が大きい変わってくるものがある。
私の場合はツキカゲが完全復活してないタイミングで同じくらいの魔力だったから対等という形で名を与えて契約できた。
マアヤとカミツレさんが契約した時も魔力の量が同じくらいだったので対等な関係として結べたらしい。
そんな感じで接してきたので名前の重要性がいまいちピンときていないのが現状である。
「名前と言うよりも…海王竜なんて呼ぶのは堅苦しいし長ったらしいから逆に普段はなんて呼ばれているのか気になったのよね。」
「多分皆が恐れ慄く伝説のドラゴンだから寄ってくる生物がいないのでは…?」
アザレアの言葉はヒントであり答えであった。
確かに深海の奥深くに暮らしていてこの海の誰よりも強い伝説のドラゴンだから近づく生き物がいない。だからなんて呼ばれているのかわからないのだ。
「…ククッ
アッハハハハハハハっ!!」
突然、空が割れるんじゃないかってレベルの大音量で爆笑するドラゴンがいた。
まさか笑われるとは思わなかったけど、今の爆音でうちのナザンカとアザレアが気絶した。
私も鼓膜が持っていかれるんじゃないかと思った。本当にうるさいな
「ナンダコノ面白イ人間ハ!カレコレ800年程生キテ来タガ誰モ我ヲ関ワロウトハシナカッタ!」
めっちゃ笑ってるんですけど…というかこのドラゴン800年は生きてるんだねすごい長生きだね。
頭が痛くなる程の笑い声は段々と小さくなって落ち着いてきたのか静かになった。
「気ニ入ッタ!ソコノ闇ノクソガキト契約シテイナケレバ我ガ契約ヲシテ水ノ王座ニツイテイタダロウナ!」
もう何がなんだかわからないんだけどこのドラゴン
するとため息をついて呆れた顔を浮かべるツキカゲは腕を組んで海王竜を呼んだ。
「カナは闇の王座につく人間だ。お前のような深海で暮らす奴とは環境が違うのだからお前が合わせろ。」
偉そうな奴だな私の相棒は
でも私は水の中で呼吸が出来ないから交流するならあちらが私達に合わせてもらわないといけない。
後はこのまま話していても旅にならない
「私、極東の島国に向かっているんです。方向的にはあなたの真後ろで…。」
「つまり邪魔だからそこどけ」
なんでそんなにクソ生意気な態度をとるかな黒トカゲ!
年齢も500程違うのによくまあでかい態度とれるよ…お姉さん見習いなさいよ!
あの馬鹿と天才が紙一重のカミツレさんでも丁寧な言葉を使ってたじゃない。
おバカ!とツキカゲの頭をひっぱたきもう少し頼み方を正しなさいと説教していると目の前にいたはずの巨体ドラゴンの影が消えた。
先程まで船全体を覆うような大きな影だったのにそれが一瞬にして消えるのだから当然そちらに意識が行った。
「フフフ…300年程しか生きていない小童にいちいち目くじらを立てるなんて器の狭い愚か者の真似をするわけがないだろう?」
美しい声だった
聞くだけで腰が砕けて昇天しそうな声
そして声の主をみて理解した
潤いのあるしっとり弾力のありそうな白くて日焼けを知らない肌、流れる清らかな水のような髪の毛は一本の太い三つ編みにしていた。
身に纏う衣服は白いノースリーブシャツに後ろ部分がヒレのようになっているマーメイドスカート
豊満な胸を隠すように先が6つに分かれたマントを羽織ってとても品のある女性が甲板の先に立っていた。
「海は広いが我にとっては全て住まい。
極東の島国と周辺諸島は我が眷属の縄張り。地図がなくとも道案内は造作もない。」
…ん?
急に現れた女性が勝手に話しを勧めているけどなにこれ?
状況の整理が追いつかない私を放ってくるりと方向転換をした絶世の美女は船の進行方向と同じ方角を指さしてこういった。
「ここであったのも縁と言うものなのだろう?
ならば伝説のドラゴンが一柱、海王竜が極東の島国まで案内してやろう!」
…はい?
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