140 / 171
137話
しおりを挟む
ツキカゲが魔力を節約するという名の幼児退行をしたので、ツキカゲの力は借りることが出来ない。
それは翌日も同じなのでクエストも自分達でできるやつを選ぶ
「やっぱり海に面した国だから漁業のお手伝いもクエストとしてあるのね。」
「ポーション作りに使える海藻あったら良いわね。例えばこのグラデーションのワカメは乾燥して粉末にすると水中で呼吸できるポーションの材料になる。」
ゲームでよくあるアイテム作れるあたりマアヤ相当凄いよ本当に
ここは冒険者ギルドの集会場で、冒険者はここでクエストを選んでチームアップをして行くのだ。
まあ大抵は一緒に旅をしてきた仲間と話し合って決めて皆で一つのクエストをこなすのだが。
今日は幼馴染ドラゴンズことツキカゲとカミツレとカリンはお留守番
アザレアは社会勉強がしたいのと冒険者になったからクエストを受けてみたいと言う理由でナザンカと一緒に来てくれた。
「マアヤとカミツレさんのポーション材料になるような素材をゲットできるようなクエストが良い気がする。」
「じゃあ漁師の仕事を手伝ってワカメを分けてもらうか、商業ギルドで購入するか、後は海岸線沿いの洞窟の魔物討伐をするかね。」
一番安全なのは商業ギルドで買うことだけど、もしかしたら漁師さんに分けてもらう方が質が良いかも知れない。
洞窟に行けばワカメ以外にもいい素材が手に入る可能性はある。
「調べたところによると、洞窟で気になる素材が群生しているってさ。どうする、カナ?」
「そんなの洞窟一択しか無いじゃん。」
ということで洞窟クエストに決定
私達二人でクエストを受けるのもいいが、流石にそれだと世間の目が気になる。
ここはカモフラージュが必要ね
「…ということでクエストに協力してよナザンカ」
「まるで俺たちがいないみたいに話を進めやがったな…。
にしても海岸線沿いの洞窟ってことは潮が引いてるタイミングで見に行けば良いんだろうな。」
確かにナザンカの言う通り、その洞窟はいつでも入り口が開いてるわけでは無いみたい。
潮の満ち干きによって姿を表したり隠したり、その分素材がたくさん保管されているような状態になるらしい。
だって取りに行くタイミングも見極めないといけないからね、地元の冒険者も結構真面目にクエストを受けるみたい。
「ここは地元の人に潮の満ち干きのタイミングと時間を聞いて準備してくるか。」
「灯りと縄と武器、後は食料も必要だな。」
クエストが決まってしまえば後はなにが必要かなど結構早くに決まるものである。
すぐに準備をして地元の人に洞窟の行ける時間帯を聞くなど忙しいのはほんの数時間である。
「やって来ましたよこの時が」
「言うて準備時間はたったの一時間」
一言多いわよマアヤ
せっかく潮が引いて洞窟に入れるようになったんだから気合い入れていかないとね、って時に全くこの子は…。
「どうでもいいから早く入るぞ、ここの洞窟はあと3時間で潮が満ちる。
そしたら行動範囲も狭くなる上に出口が塞がる。」
ナザンカの言う通り、この洞窟は潮の満ち干きで入口が現れるタイプで潮が引いている時間はたったの三時間
それまでにでないと出口は塞がるし次に潮が引くのは数日かかる。
やはり異世界を感じる…マアヤも違和感しかないと言っていた。
だいたい潮の満ち干きというのは一日に二回ずつあり月が潮を引き寄せてしまい満潮になるのだ。
この世界は月が2つあるから満ち干きの法則が少し乱れて満潮の時間が長い現象が起きたのだろう。
「星が1つあるかないかでここまで現象に違いが出るなんて思わなかった…この世界では干潮がレアって事なのね。」
なら早く入ろうよ
ズンズンと前に進んで中に入ると、後ろから1人で突き進むなと仲間に呆れられてしまった。
中は思ったよりも広く、潮が引いて水溜まりがいくつか出来ていた。
あとは水の滴る音が重なり反響して洞窟全体が歌っているようなそんな感じ。
そして目に入るのはたくさんの資源
「お前よくそんなズカズカと進めるよな…灯り一つもないってのに。」
急いでランプを持って追いかけてきたのはナザンカ、後ろではマアヤが棒読みで「そーだそーだ」と茶々入れしてアザレアはその様子に戸惑いを隠せずにいた。
灯り一つもないなんて言うが、私の目は暗闇でも太陽の下にいるみたいに明るく見えるから問題は無い。
これもツキカゲと契約したおかげという物だ。
「ツキカゲ様と契約をした恩恵ということですか。
暗黒竜の名前は伊達じゃないってことですね…!」
自信満々に覚えたての言葉を使うアザレアの目はキラキラと光っており私やマアヤに使い方は間違ってないかと確認していた。
クスクスと笑って大丈夫、間違ってないよと教えれば嬉しそうにしていた。
「…アザレアは、何故カナの世界の言葉を知りたがる?
この異世界じゃあ意味が無いんじゃないか?」
それはナザンカからの納得せざるを得ない言葉
確かにこの世界で日本語を学んだところで役立つ点なんてないと思う。
強いて言えばこの世界にいる日本人に少しの安心を与えるだけ、それも低確率と言えるだろう。
でもアザレアはナザンカの言葉を肯定した後に自分の意見を言ったのだ。
「確かに、この世界で学ぶ事の意味は無いかもしれません。
でも手がかりになると思ったのです
亡くなった母が教えてくれた故郷について」
言っている意味がよく理解出来なかった
何故日本語を学ぶことが亡くなった母親の故郷の手がかりになると思ったのだろうか。
理解出来ないことを前提として話しているのならば、もっと説明が欲しい
アザレアは少し話しずらそうに、でも私達なら信じてくれるかもしれないと一筋の希望を求めるように口を開いた。
「私は…」
それは翌日も同じなのでクエストも自分達でできるやつを選ぶ
「やっぱり海に面した国だから漁業のお手伝いもクエストとしてあるのね。」
「ポーション作りに使える海藻あったら良いわね。例えばこのグラデーションのワカメは乾燥して粉末にすると水中で呼吸できるポーションの材料になる。」
ゲームでよくあるアイテム作れるあたりマアヤ相当凄いよ本当に
ここは冒険者ギルドの集会場で、冒険者はここでクエストを選んでチームアップをして行くのだ。
まあ大抵は一緒に旅をしてきた仲間と話し合って決めて皆で一つのクエストをこなすのだが。
今日は幼馴染ドラゴンズことツキカゲとカミツレとカリンはお留守番
アザレアは社会勉強がしたいのと冒険者になったからクエストを受けてみたいと言う理由でナザンカと一緒に来てくれた。
「マアヤとカミツレさんのポーション材料になるような素材をゲットできるようなクエストが良い気がする。」
「じゃあ漁師の仕事を手伝ってワカメを分けてもらうか、商業ギルドで購入するか、後は海岸線沿いの洞窟の魔物討伐をするかね。」
一番安全なのは商業ギルドで買うことだけど、もしかしたら漁師さんに分けてもらう方が質が良いかも知れない。
洞窟に行けばワカメ以外にもいい素材が手に入る可能性はある。
「調べたところによると、洞窟で気になる素材が群生しているってさ。どうする、カナ?」
「そんなの洞窟一択しか無いじゃん。」
ということで洞窟クエストに決定
私達二人でクエストを受けるのもいいが、流石にそれだと世間の目が気になる。
ここはカモフラージュが必要ね
「…ということでクエストに協力してよナザンカ」
「まるで俺たちがいないみたいに話を進めやがったな…。
にしても海岸線沿いの洞窟ってことは潮が引いてるタイミングで見に行けば良いんだろうな。」
確かにナザンカの言う通り、その洞窟はいつでも入り口が開いてるわけでは無いみたい。
潮の満ち干きによって姿を表したり隠したり、その分素材がたくさん保管されているような状態になるらしい。
だって取りに行くタイミングも見極めないといけないからね、地元の冒険者も結構真面目にクエストを受けるみたい。
「ここは地元の人に潮の満ち干きのタイミングと時間を聞いて準備してくるか。」
「灯りと縄と武器、後は食料も必要だな。」
クエストが決まってしまえば後はなにが必要かなど結構早くに決まるものである。
すぐに準備をして地元の人に洞窟の行ける時間帯を聞くなど忙しいのはほんの数時間である。
「やって来ましたよこの時が」
「言うて準備時間はたったの一時間」
一言多いわよマアヤ
せっかく潮が引いて洞窟に入れるようになったんだから気合い入れていかないとね、って時に全くこの子は…。
「どうでもいいから早く入るぞ、ここの洞窟はあと3時間で潮が満ちる。
そしたら行動範囲も狭くなる上に出口が塞がる。」
ナザンカの言う通り、この洞窟は潮の満ち干きで入口が現れるタイプで潮が引いている時間はたったの三時間
それまでにでないと出口は塞がるし次に潮が引くのは数日かかる。
やはり異世界を感じる…マアヤも違和感しかないと言っていた。
だいたい潮の満ち干きというのは一日に二回ずつあり月が潮を引き寄せてしまい満潮になるのだ。
この世界は月が2つあるから満ち干きの法則が少し乱れて満潮の時間が長い現象が起きたのだろう。
「星が1つあるかないかでここまで現象に違いが出るなんて思わなかった…この世界では干潮がレアって事なのね。」
なら早く入ろうよ
ズンズンと前に進んで中に入ると、後ろから1人で突き進むなと仲間に呆れられてしまった。
中は思ったよりも広く、潮が引いて水溜まりがいくつか出来ていた。
あとは水の滴る音が重なり反響して洞窟全体が歌っているようなそんな感じ。
そして目に入るのはたくさんの資源
「お前よくそんなズカズカと進めるよな…灯り一つもないってのに。」
急いでランプを持って追いかけてきたのはナザンカ、後ろではマアヤが棒読みで「そーだそーだ」と茶々入れしてアザレアはその様子に戸惑いを隠せずにいた。
灯り一つもないなんて言うが、私の目は暗闇でも太陽の下にいるみたいに明るく見えるから問題は無い。
これもツキカゲと契約したおかげという物だ。
「ツキカゲ様と契約をした恩恵ということですか。
暗黒竜の名前は伊達じゃないってことですね…!」
自信満々に覚えたての言葉を使うアザレアの目はキラキラと光っており私やマアヤに使い方は間違ってないかと確認していた。
クスクスと笑って大丈夫、間違ってないよと教えれば嬉しそうにしていた。
「…アザレアは、何故カナの世界の言葉を知りたがる?
この異世界じゃあ意味が無いんじゃないか?」
それはナザンカからの納得せざるを得ない言葉
確かにこの世界で日本語を学んだところで役立つ点なんてないと思う。
強いて言えばこの世界にいる日本人に少しの安心を与えるだけ、それも低確率と言えるだろう。
でもアザレアはナザンカの言葉を肯定した後に自分の意見を言ったのだ。
「確かに、この世界で学ぶ事の意味は無いかもしれません。
でも手がかりになると思ったのです
亡くなった母が教えてくれた故郷について」
言っている意味がよく理解出来なかった
何故日本語を学ぶことが亡くなった母親の故郷の手がかりになると思ったのだろうか。
理解出来ないことを前提として話しているのならば、もっと説明が欲しい
アザレアは少し話しずらそうに、でも私達なら信じてくれるかもしれないと一筋の希望を求めるように口を開いた。
「私は…」
0
お気に入りに追加
689
あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる