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121話
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スヤスヤと規則的な呼吸をして眠る青年を膝に乗せているマアヤに私は聞いた。
「マアヤは怒ってないの?
この異世界で暮らす私達にとって今までの記憶はなくしてはならないかけがえのないものでしょ?
なのに一時期とはいえそいつに奪われたのよ」
私の疑問にマアヤは少し黙り込んだ
なぜ自分が膝枕をして寝かせている彼に対して怒りが湧いて出ないのか、その理由を思い出そうとしているのだ。
「怒っている…確かに一度奪われてしまった記憶を思い出した時、どうして大切な記憶を忘れてしまったんだと何度も思ったわ。でもなぜか怒りは湧かなかった。
それはきっと、記憶を失う前のフラットさんとの思い出がそうさせてくれないのよ。
私が孤立して辛かったときにフラットさんがいなかったら私は自分を保てなかった。」
私は彼女の発言を聞いて自分の考えを改めるべきなのではないかと思った。
マアヤが記憶を奪われてしまった時、なぜ怒っていたのか
それは唯一の異世界人という仲間意識を持った佐藤真彩という人格を、目の前で失ってしまった不安感を怒りと勘違いしてしまったんだと思う。
他人は当人の心情をすべて察したり理解するのはできない、だから私からみたマアヤとフラットの関係は憎しみ憎まれの二人
でもマアヤにとってはフラットは恩人なんだ
「…ごめん、知らなかったとはいえフラットさんにひどい仕打ちをしてしまった。」
「そうね…反省してるならその想いは伝わるわ」
まだ眠っているフラットさんは少しばかり緊張が解けたような柔らかい表情をしていた。
すると腕の中にいたマオウがジタバタと暴れて地面に飛び降りた。
「マオウ…?どうしたのよ」
鳴き声を発することのない少し不気味な仲間はマアヤに歩み寄ってじっとフラットさんを見つめた。
かと思えば私の方を見て尻尾を器用に使ってフラットさんを指した。
フラットさんがなんだろう…と思っていたら、急にジャンプしてフラットさんの腹部に飛び込んだ。
「グフッ⁉
一体何ですか…?」
何をするのかと思えばまさかの強制起床
フラットさんも突然の腹部にダイブされて何がなんだか理解できていないようだ。
にしてもマオウって重くはないけど勢いよく飛び込んだら中身が飛び出てもおかしくないでしょ。
「えっと…おはようございます、フラットさん」
「…よくまあ宿敵に対して呑気に挨拶が出来ますね。
やはり悪魔族は何を考えているのかわからない…」
だから私は悪魔族じゃないって
少し苛立ちを覚えてマオウに再度フラットさんのお腹に飛び込めと指示を出したら、首を傾げながら飛び込んだ。
「何なんですかこの魔物は…大した体のサイズでもないのに驚く程重いのですが?」
「嘘だ~マオウは羽のように軽いわよ?」
ヒョイッと軽々マオウを抱き上げるとフラットさんは目を丸くした。
そして今小さな声でデトロイトコング?と呟いたの聞こえてたからな。
「ふふ…まるでカナだけに許されているみたい。
私が抱っこしても米袋を持ち上げてるみたいに重たいもの。」
不思議なこともあるようだ
まあでも何かあったときに役立つ身体的特徴と捉えてあげよう。
「はあ…そろそろ、前に進むわよ……。」
フラフラと足元の覚束ないシロさんとツキカゲは互いに支え合って私達のもとに歩み寄ってきた。
やはり先程の儀式はとんでもない量の魔力を使うようで、更にはフラットさんの体の傷も修復したから余計にごっそり魔力を取られたのだろう。
「私からツキカゲに魔力を移すことはどう?」
「やめとけ、たしかにお前の魔力は底なしだが、俺様がまともに動けるまでもらったところでカナが動けなくなる。
そこにいる魔人の魂を器に入れるだけでこのザマだ、力を借りるならそこの魔人に借りろ。」
ということで俺様は寝るとか言いながら私の影に入り込んでしまったツキカゲ
こんなになるまで魔力を使って眠りにつくなんて初めてだから驚いた。
「私はもう少し魔力の回復効率の良い姿になるわ…回復まで丸一日いるから力は貸せないわ。」
ごめんなさいねと呟いてボフンッと煙をたてて辺りの視界が悪くなった。
ようやく煙が晴れた頃にはもうシロさんの姿は見えなくて一体何処に行ってしまったのだろうと当たりをキョロキョロ見渡した。
「こっちよこっち、視線を下げなさい。」
足元から聞こえる声にびっくりして即座に下を見ると、そこにいたのは鳥のような羽の生えた白い猫
猫特有の三角耳のそばに生えた黒い羊角は間違いなくシロさんのものであった。
「伝説のドラゴン…?」
「れっきとした伝説のドラゴンだろ、大量に蓄えられた魔力を圧縮させて小さな体に収めることで低級魔法が上級魔法並の威力になる。
こいつ時々この姿になって自分の血を希釈したMPポーション作ってるぞ」
わざわざ影から頭を出してシロさんの説明をするツキカゲは私と交わした約束と言うなの契約をしっかり守ろうとしたのだろう。
再び沼に潜り込むような音を立てて姿を消した彼にお休みと呟いて皆に動けるか聞いた。
マアヤとマオウは街の人達の足止めを、フラットさんと私は塔に向かってもう一度アザレアさんに会って来なきゃ。
あの塔の周りには厄介なやつが一人いるけど、どうやって説得をしよう。
森の中を駆け抜けながら隣で浮遊をしながら並走するフラットさんに意見を聞くか。
「ねえ!どうして悪魔族は現れて人間たちに忌み嫌われているの?」
「大昔、トーマス帝国が召喚した聖女召喚時に黒目黒髪の男とか言う聖女とは正反対の異界の民が呼ばれたからだ。
我ら帝国の人間はそいつに失敗の印を押して帝国から追い出した…それが失敗だったんだ。
復讐の炎に燃やしたそいつはトーマス帝国を崩壊の手前まで追い詰めてきてしまいには悪魔の中の悪魔、魔王になって君臨したからだ。」
それって自業自得じゃん…そう呟いたら黙れ小娘と言われた。
まだ話は続いているらしく、深く行きを吸って口を開いた。
「このことをきっかけに我らは黒目黒髪は悪魔族の象徴であり、我らの恐れるべきものと後世に伝えた。
トーマス帝国から追い出せば悪魔族の勢力を増やすため、見つけ次第始末するのが法律にもなった。」
全てはあの悲劇を起こさないため…そう伝えられてきた今を生きるトーマス帝国の民、それはフラットさんも入るのではないか。
というか悪魔族が異世界から召喚された人間の成れの果てだというのなら、つまりは私と同じ日本人の可能性もあるぞ。
「その魔王の名前ってわかる?」
「そういった記録書は私のような王宮魔術師ですら読むのは禁止されていた。だから知らん」
なんてことだ…人種はともかく私と同じ世界から来た人物であることしかわからなかった。
でも、私にも悪魔族になる可能性はあるのかな
多量の魔力と闇属性の魔法、ならない要素が見つからない。
「私は隣に悪魔族がいると言おう事実が怖い。
でもマアヤ様が信頼している仲間であるのなら、少しは君のことを認めなければならない。」
つまり何が言いたいかというと、今回だけは協力してやるというものだ。
それはありがたいね
ニッコリと笑ってありがとうクソ魔法野郎といえば、どういたしましてクソ悪魔と返された。
そんなことをしているうちにたどり着いた高くそびえる一本の塔
相変わらず毒の花に囲まれていて美しくて不気味である。
「毒花ばかり…我が兄の趣味を理解するのに後百年は掛かりそうだな。」
そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。
はぁとため息を付いてこれを登ると言えば狂気の沙汰と返答が来た。
時間もないから背中からドラゴンの羽を生やして飛んでいこうとしたその時だった。
ガキンッ!!!
目にも留まらぬ速さで振るわれた剣を咄嗟に愛刀ハルカゼで受け止めると、ふわりと前髪が舞ってわずかに視界が広がった。
その先にいる人物は深緑の長髪が揺れる知り合いで、私に対してとても冷たい目をしていた。
「ナザンカ…!」
「よくまあノコノコと戻ってこれたな。
今度こそ仕留める、悪魔族!」
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この異世界で暮らす私達にとって今までの記憶はなくしてはならないかけがえのないものでしょ?
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マアヤが記憶を奪われてしまった時、なぜ怒っていたのか
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他人は当人の心情をすべて察したり理解するのはできない、だから私からみたマアヤとフラットの関係は憎しみ憎まれの二人
でもマアヤにとってはフラットは恩人なんだ
「…ごめん、知らなかったとはいえフラットさんにひどい仕打ちをしてしまった。」
「そうね…反省してるならその想いは伝わるわ」
まだ眠っているフラットさんは少しばかり緊張が解けたような柔らかい表情をしていた。
すると腕の中にいたマオウがジタバタと暴れて地面に飛び降りた。
「マオウ…?どうしたのよ」
鳴き声を発することのない少し不気味な仲間はマアヤに歩み寄ってじっとフラットさんを見つめた。
かと思えば私の方を見て尻尾を器用に使ってフラットさんを指した。
フラットさんがなんだろう…と思っていたら、急にジャンプしてフラットさんの腹部に飛び込んだ。
「グフッ⁉
一体何ですか…?」
何をするのかと思えばまさかの強制起床
フラットさんも突然の腹部にダイブされて何がなんだか理解できていないようだ。
にしてもマオウって重くはないけど勢いよく飛び込んだら中身が飛び出てもおかしくないでしょ。
「えっと…おはようございます、フラットさん」
「…よくまあ宿敵に対して呑気に挨拶が出来ますね。
やはり悪魔族は何を考えているのかわからない…」
だから私は悪魔族じゃないって
少し苛立ちを覚えてマオウに再度フラットさんのお腹に飛び込めと指示を出したら、首を傾げながら飛び込んだ。
「何なんですかこの魔物は…大した体のサイズでもないのに驚く程重いのですが?」
「嘘だ~マオウは羽のように軽いわよ?」
ヒョイッと軽々マオウを抱き上げるとフラットさんは目を丸くした。
そして今小さな声でデトロイトコング?と呟いたの聞こえてたからな。
「ふふ…まるでカナだけに許されているみたい。
私が抱っこしても米袋を持ち上げてるみたいに重たいもの。」
不思議なこともあるようだ
まあでも何かあったときに役立つ身体的特徴と捉えてあげよう。
「はあ…そろそろ、前に進むわよ……。」
フラフラと足元の覚束ないシロさんとツキカゲは互いに支え合って私達のもとに歩み寄ってきた。
やはり先程の儀式はとんでもない量の魔力を使うようで、更にはフラットさんの体の傷も修復したから余計にごっそり魔力を取られたのだろう。
「私からツキカゲに魔力を移すことはどう?」
「やめとけ、たしかにお前の魔力は底なしだが、俺様がまともに動けるまでもらったところでカナが動けなくなる。
そこにいる魔人の魂を器に入れるだけでこのザマだ、力を借りるならそこの魔人に借りろ。」
ということで俺様は寝るとか言いながら私の影に入り込んでしまったツキカゲ
こんなになるまで魔力を使って眠りにつくなんて初めてだから驚いた。
「私はもう少し魔力の回復効率の良い姿になるわ…回復まで丸一日いるから力は貸せないわ。」
ごめんなさいねと呟いてボフンッと煙をたてて辺りの視界が悪くなった。
ようやく煙が晴れた頃にはもうシロさんの姿は見えなくて一体何処に行ってしまったのだろうと当たりをキョロキョロ見渡した。
「こっちよこっち、視線を下げなさい。」
足元から聞こえる声にびっくりして即座に下を見ると、そこにいたのは鳥のような羽の生えた白い猫
猫特有の三角耳のそばに生えた黒い羊角は間違いなくシロさんのものであった。
「伝説のドラゴン…?」
「れっきとした伝説のドラゴンだろ、大量に蓄えられた魔力を圧縮させて小さな体に収めることで低級魔法が上級魔法並の威力になる。
こいつ時々この姿になって自分の血を希釈したMPポーション作ってるぞ」
わざわざ影から頭を出してシロさんの説明をするツキカゲは私と交わした約束と言うなの契約をしっかり守ろうとしたのだろう。
再び沼に潜り込むような音を立てて姿を消した彼にお休みと呟いて皆に動けるか聞いた。
マアヤとマオウは街の人達の足止めを、フラットさんと私は塔に向かってもう一度アザレアさんに会って来なきゃ。
あの塔の周りには厄介なやつが一人いるけど、どうやって説得をしよう。
森の中を駆け抜けながら隣で浮遊をしながら並走するフラットさんに意見を聞くか。
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「大昔、トーマス帝国が召喚した聖女召喚時に黒目黒髪の男とか言う聖女とは正反対の異界の民が呼ばれたからだ。
我ら帝国の人間はそいつに失敗の印を押して帝国から追い出した…それが失敗だったんだ。
復讐の炎に燃やしたそいつはトーマス帝国を崩壊の手前まで追い詰めてきてしまいには悪魔の中の悪魔、魔王になって君臨したからだ。」
それって自業自得じゃん…そう呟いたら黙れ小娘と言われた。
まだ話は続いているらしく、深く行きを吸って口を開いた。
「このことをきっかけに我らは黒目黒髪は悪魔族の象徴であり、我らの恐れるべきものと後世に伝えた。
トーマス帝国から追い出せば悪魔族の勢力を増やすため、見つけ次第始末するのが法律にもなった。」
全てはあの悲劇を起こさないため…そう伝えられてきた今を生きるトーマス帝国の民、それはフラットさんも入るのではないか。
というか悪魔族が異世界から召喚された人間の成れの果てだというのなら、つまりは私と同じ日本人の可能性もあるぞ。
「その魔王の名前ってわかる?」
「そういった記録書は私のような王宮魔術師ですら読むのは禁止されていた。だから知らん」
なんてことだ…人種はともかく私と同じ世界から来た人物であることしかわからなかった。
でも、私にも悪魔族になる可能性はあるのかな
多量の魔力と闇属性の魔法、ならない要素が見つからない。
「私は隣に悪魔族がいると言おう事実が怖い。
でもマアヤ様が信頼している仲間であるのなら、少しは君のことを認めなければならない。」
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そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。
はぁとため息を付いてこれを登ると言えば狂気の沙汰と返答が来た。
時間もないから背中からドラゴンの羽を生やして飛んでいこうとしたその時だった。
ガキンッ!!!
目にも留まらぬ速さで振るわれた剣を咄嗟に愛刀ハルカゼで受け止めると、ふわりと前髪が舞ってわずかに視界が広がった。
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