見た目幼女は精神年齢20歳

またたび

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閑話「マオウの観察日記」

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マオウ

それは我が旅仲間の中で最も謎に包まれた魔物である。

一見ツルツルに見えるが一応短い毛で覆われている子犬サイズの魔物

水色の体に反して真っ赤な宝石が額に輝くカーバンクル…らしい。

今回のために調べたのだが、カーバンクルはもっと長毛で愛らしいビー玉のような瞳で犬っぽい見た目らしい。

それに反してマオウはどうだろうか

額の赤い宝石以外はカーバンクルと呼ぶには違いすぎるのだ。


もしかしたら新種なのでは…?と思いマオウの観察日記をすることにした。


マオウの特徴と言えば

・体が水色

・表情が読み取れない

・足の造形がぞうさん

・耳が羽みたい

・しっぽがおかしい



まあ体は水色で敵に見つかりやすいだろうね…だからカーバンクルの楽園を目指して一緒に来てもらってる。

次に表情なのだが…マオウは目がアホっぽいため感情を読み取るのが難しいのだ。

足の形は象みたいに円柱なのに羽のような長い耳なのか訳分からん

更ににおかしいのは尻尾だろうか

紐のようにほっそい尻尾の先には黒い水晶体を囲うようについてる金のリングがあるのだが、重力を無視して浮かんでるの何なんだ。

この尻尾のおかしい点はそこだけでなく、引っ張ると掃除機のコードのように伸びるのだ。

だいたい10メートル程まで伸びて伸び切ると根元に赤いテープが巻かれた部位が出てくるのだ。

余計に有線コードを連想させる


ここまで来てわかったことはひとつ



「マオウって…何者なの?」


これは観察日記をつけるにはハードルが高いのでないかと思う。

しかし、まだ行動を記録してなかったなと思いながら今度は細かい動きをメモすることにした。


どうやらマオウは歩くのが苦手らしい

歩くこともあるが、大抵は抱っこされるか頭の上に乗っかるかのどちらかだ。

そして羽のような長い耳が鬱陶しいみたいだ。

前足で後ろに払ってはズルズルと落ちるからイライラしてしっぽを地面に叩きつける。

歩く時は耳を後ろに回してリボンとかで優しく束ねると少しだけ機嫌が良くなる。

あとはよく食べる、エネルギー補給を最も必要とする種族…というわけでもなさそうだけどツキカゲ並に食べる。

あとは魔法のエネルギーを尻尾の水晶に吸収させる習性がある。どうやらこの水晶は魔石の一種みたい。

余計にこいつがカーバンクルなのか分からなくなってきた。

もうこれはカーバンクルじゃない、マオウという種族で良いのではないか?

今後もまた観察日記をつける必要がありそうだ。


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