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107話
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ギルドの受付嬢から報酬金を受け取り宿に向かっていると、ナザンカから声をかけられた。
というかまだ隣にいたのかと呟けば失礼にも程があるとか言われた。
「もし窓から見える景色だけがすべての人がいたとして、自由を求めてほしいときはなんて声をかければ良いんだ?」
何だその訳のわからん質問は
意味がわからなすぎて首を傾げていると、やっぱり答えなくても良いと言われてようやく考えた。
彼の発言からして建物の中に引きこもる自由を求めようとしない人にどんな声をかければ良いのかわからないのだろう。
私なら…その人に対する興味によるだろう
「ナザンカはその人に興味があるの?」
「まあ…あるといえばあるんだろうな。
今まで意識したことがなかった、興味の有無だって最近になって自覚するようになってきたんだからな。」
なら話は早い
私なら興味を持った対象と一緒にいたいことを伝えるだろうな
「もしあなたが外に出したいのなら外の感想を言えばいいのよ。
旅の思い出とか最近気に入ってるお店の事とか、要するに自慢話ね。
その人が外に出てみたくなるような自慢話を耳にタコが出来るほどに話してやれば良いんじゃない?」
そういえばナザンカはなるほどとか言って少し考えていた。
どうしよう…この言葉を鵜呑みにして本当に実行したら
それってただの変人だから行動に移すのって結構難しいぞ。
「ありがとうなカーニャ…いやカナ
あいつが外に興味を持つように話の話題を考えてみるわ。」
まじかよすげえなこのわかめ
先程よりも明るい表情になった彼はじゃあなと言って闇の中に消えていった。
あいつ見た目はわかめのくせして有言実行する奴だったのかよ
消えた彼はともかく、私はこれから夕食を作らなきゃならないんだよ。もう億劫だよ。
何を作ろうか色々考えているといつの間にか宿についたみたい。
おかえりなさいという宿屋の旦那は私に笑いかけて仲間が待っているよと教えてくれるんだ。
「今から夕食を作りたいのでキッチンお借りしますね。」
「君か!うまい飯を作ってくれるリーダーって呼ばれていたのは」
一体誰が私の呼び名を飯がうまいリーダーにしたんだ。
容易に想像できる白髪の美少女のテヘペロ顔に苛立ちを覚えてしまうのは仕方がない。
借りたキッチンのテーブルに広げた食材を見て何を作ろうか考えていたらマアヤがやってきた。
「お手伝いしてもいいかしら?」
「マアヤの優しさが心に染みる…」
ぜひ彼女の手を借りたいと言ってサラダ作りをお願いして材料を渡した。
今日は簡単なスープとサラダを作って魚を焼いてアイテムボックスからパンを出すとしよう。
後はリンゴの大量消費を考えないとだな
いくらナザンカと分け合ったとしてもそれでもかなりの量が私の手元にあるのだ。
「リンゴのジャム作って大量消費するか」
「リンゴ…って確かこの世界ではアプレの実って呼ばれてるんだよね?」
リンゴという言葉に反応してサラダを作る手を止めたマアヤはこちらを見た。
老夫婦から聞いた興味深い話
アプレの実というのは東にあるシキの国で生まれたリンゴが世界に広まった時に少しずつ名前が変化していって今のアプレの実という名前が定着したそうだ。
「じゃあシロさんとツキカゲを呼ぶか」
「その必要はないわよ」
なぜならもう既にいたからですね流石はシロさんだ。
いやいや怖いよ匂いでここまで来たな
もはや伝説のドラゴンの威厳なんてものはなく、いるのは私の料理に取り憑かれた美少女と絶賛喧嘩中のイケメンである。
ふわりと香るいい匂いにつられてやってきた姉弟にカトラリーの準備をお願いして魚を焼いた。
メインは出来立ての温かい方が美味しいからな、いつも最後に調理するのだ。
多分この魚は鱈だと思う、だって白身魚だったし匂い的にも鱈だ。
こういった魚はムニエルにしたらだいたい美味しくなるとか言うから……しらんけど。
「はい簡単おいしいバター醤油ムニエルの完成」
横から早く食わせろと騒いでいるシロさんの声が耳に刺さって痛い。
なんで静かにしないといけない夜にぎゃあぎゃあ騒げるのかな…近所迷惑とか考えないのかしら。
という疑問もとある言葉で解決する
コイツは伝説のドラゴン、何でも許されるのが現実なのだ。
しかし私はそんな横暴許したくはない
「静かにしないと食後のデザート抜きにしますよ」
私が一言告げれば静かになるのを見ると本当にツキカゲと姉弟なんだなと思う。
全てのメニューが出揃って皆が手を合わせて食事を始める風景を見ているとその瞬間だけ私が知っている世界になる。
「やっぱりカナの作る料理は不思議と力が漲るわね。
そうだ…今日この街を回って得た情報があるのよ」
シロさんの発言にピタリとフォークを持つ手を止めると視線だけをそちらに向けた。
情報は価値あるもの、金を払うほどに重要なものでもあるから聞くだけ聞いたほうが良さそうだ。
「最近噂になっている妙な出来事で、領主がこの街に帰ってきた時に雇っていた護衛が誰も寄り付くことのない塔に毎日通っているみたいなの。」
それを聞いて私は顔を顰めてシロさんの話に耳を傾けるどころか顔を彼女に向けていた。
私は今日の昼間にあった出来事を思い出していた。
確かこの街の領主さんを護衛してここまで来た奴が私の知り合いにいたような。
「ナザンカ…」
「誰よその男?」
なんかマアヤが何処で覚えたのかわからん語弊を生む言葉覚えてるんだけど。
しかしナザンカをどうやって説明するかな、適当に腐れ縁と答えておいた。
というかまだ隣にいたのかと呟けば失礼にも程があるとか言われた。
「もし窓から見える景色だけがすべての人がいたとして、自由を求めてほしいときはなんて声をかければ良いんだ?」
何だその訳のわからん質問は
意味がわからなすぎて首を傾げていると、やっぱり答えなくても良いと言われてようやく考えた。
彼の発言からして建物の中に引きこもる自由を求めようとしない人にどんな声をかければ良いのかわからないのだろう。
私なら…その人に対する興味によるだろう
「ナザンカはその人に興味があるの?」
「まあ…あるといえばあるんだろうな。
今まで意識したことがなかった、興味の有無だって最近になって自覚するようになってきたんだからな。」
なら話は早い
私なら興味を持った対象と一緒にいたいことを伝えるだろうな
「もしあなたが外に出したいのなら外の感想を言えばいいのよ。
旅の思い出とか最近気に入ってるお店の事とか、要するに自慢話ね。
その人が外に出てみたくなるような自慢話を耳にタコが出来るほどに話してやれば良いんじゃない?」
そういえばナザンカはなるほどとか言って少し考えていた。
どうしよう…この言葉を鵜呑みにして本当に実行したら
それってただの変人だから行動に移すのって結構難しいぞ。
「ありがとうなカーニャ…いやカナ
あいつが外に興味を持つように話の話題を考えてみるわ。」
まじかよすげえなこのわかめ
先程よりも明るい表情になった彼はじゃあなと言って闇の中に消えていった。
あいつ見た目はわかめのくせして有言実行する奴だったのかよ
消えた彼はともかく、私はこれから夕食を作らなきゃならないんだよ。もう億劫だよ。
何を作ろうか色々考えているといつの間にか宿についたみたい。
おかえりなさいという宿屋の旦那は私に笑いかけて仲間が待っているよと教えてくれるんだ。
「今から夕食を作りたいのでキッチンお借りしますね。」
「君か!うまい飯を作ってくれるリーダーって呼ばれていたのは」
一体誰が私の呼び名を飯がうまいリーダーにしたんだ。
容易に想像できる白髪の美少女のテヘペロ顔に苛立ちを覚えてしまうのは仕方がない。
借りたキッチンのテーブルに広げた食材を見て何を作ろうか考えていたらマアヤがやってきた。
「お手伝いしてもいいかしら?」
「マアヤの優しさが心に染みる…」
ぜひ彼女の手を借りたいと言ってサラダ作りをお願いして材料を渡した。
今日は簡単なスープとサラダを作って魚を焼いてアイテムボックスからパンを出すとしよう。
後はリンゴの大量消費を考えないとだな
いくらナザンカと分け合ったとしてもそれでもかなりの量が私の手元にあるのだ。
「リンゴのジャム作って大量消費するか」
「リンゴ…って確かこの世界ではアプレの実って呼ばれてるんだよね?」
リンゴという言葉に反応してサラダを作る手を止めたマアヤはこちらを見た。
老夫婦から聞いた興味深い話
アプレの実というのは東にあるシキの国で生まれたリンゴが世界に広まった時に少しずつ名前が変化していって今のアプレの実という名前が定着したそうだ。
「じゃあシロさんとツキカゲを呼ぶか」
「その必要はないわよ」
なぜならもう既にいたからですね流石はシロさんだ。
いやいや怖いよ匂いでここまで来たな
もはや伝説のドラゴンの威厳なんてものはなく、いるのは私の料理に取り憑かれた美少女と絶賛喧嘩中のイケメンである。
ふわりと香るいい匂いにつられてやってきた姉弟にカトラリーの準備をお願いして魚を焼いた。
メインは出来立ての温かい方が美味しいからな、いつも最後に調理するのだ。
多分この魚は鱈だと思う、だって白身魚だったし匂い的にも鱈だ。
こういった魚はムニエルにしたらだいたい美味しくなるとか言うから……しらんけど。
「はい簡単おいしいバター醤油ムニエルの完成」
横から早く食わせろと騒いでいるシロさんの声が耳に刺さって痛い。
なんで静かにしないといけない夜にぎゃあぎゃあ騒げるのかな…近所迷惑とか考えないのかしら。
という疑問もとある言葉で解決する
コイツは伝説のドラゴン、何でも許されるのが現実なのだ。
しかし私はそんな横暴許したくはない
「静かにしないと食後のデザート抜きにしますよ」
私が一言告げれば静かになるのを見ると本当にツキカゲと姉弟なんだなと思う。
全てのメニューが出揃って皆が手を合わせて食事を始める風景を見ているとその瞬間だけ私が知っている世界になる。
「やっぱりカナの作る料理は不思議と力が漲るわね。
そうだ…今日この街を回って得た情報があるのよ」
シロさんの発言にピタリとフォークを持つ手を止めると視線だけをそちらに向けた。
情報は価値あるもの、金を払うほどに重要なものでもあるから聞くだけ聞いたほうが良さそうだ。
「最近噂になっている妙な出来事で、領主がこの街に帰ってきた時に雇っていた護衛が誰も寄り付くことのない塔に毎日通っているみたいなの。」
それを聞いて私は顔を顰めてシロさんの話に耳を傾けるどころか顔を彼女に向けていた。
私は今日の昼間にあった出来事を思い出していた。
確かこの街の領主さんを護衛してここまで来た奴が私の知り合いにいたような。
「ナザンカ…」
「誰よその男?」
なんかマアヤが何処で覚えたのかわからん語弊を生む言葉覚えてるんだけど。
しかしナザンカをどうやって説明するかな、適当に腐れ縁と答えておいた。
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