見た目幼女は精神年齢20歳

またたび

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61話

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さてと…何を作りますかね

カカリさんから厨房を使う許可を貰ってきたはいいけど作るお菓子を考えていなかった。


「お菓子…何作るの?」


隣でワクワクしているオーラが出ているチョコちゃんの方を向いて私はふふっと笑った

今日は何を作るか…それはもう決まっている


「これから作るのは私の故郷の皆が好きと答えるで有名なプリンです!」


プリン…そう言ってもどうやらピンと来てないみたいでチョコちゃんは首を傾げている

そりゃあそうだよ

まずこの世界にプリンがあるのかすらわからん

とりあえずインベントリから材料と調理器具をつくるとしますかね


材料は卵と牛乳と砂糖…って国や地域によってはこれらって貴重な食材だったりする?

ちらりとチョコちゃんの方を見てどんな顔をしているか確認をする

どうやら砂糖だと認識してどんな甘いお菓子になるか楽しみと言っていた。

良かった…この国で砂糖は普通の調味料として扱われているみたい

では気を取り直して


「まずはプリンになくてはならないカラメルソースを作りましょう」

「おー!」


わお…チョコちゃん手伝う気満々

お姉ちゃん泣いちゃいそうだよ


なんて茶番はこの辺にしてさっさとつくるとしますかね

まずは小鍋に砂糖と水を入れて火をつける

どうやらここの厨房は火の調節ができる最新式らしい

すごいなこの宿

なんて言ってないで中火で薄いカラメル色になるまで焦がす

すごいよなカラメルソースを作った人って

砂糖が焦げていると認識しておきながらそれは美味しいものだと言えるなんて…


「カナさん焦げちゃう!」

「ん?大丈夫だよ、コレがちょうどいいんだ」


チョコちゃんに言われて小鍋に視線を移すとちょうど薄いカラメル色ができてる

あとは余熱でさらに焦がす

そしたら次に少しずつお湯を入れて混ぜる

お湯の温度が下がると固まってしまうから手早く作業するのがポイント

そしたらこれを専用の器に均等に注ぐ


「カラメルソースはこれで完成!

次はプリンを作るわよ」

「うん!」


次に使うのは卵と砂糖と牛乳だ

牛乳はあらかじめ小鍋に注ぎ、温めてバニラエッセンスを入れるらしいが今回は入れなくていいだろう

香りをつけるかつけないかだからね

そして卵は泡立てないように割ってほぐす…これはチョコちゃんにやってもらおう


「そうそう

そしたら砂糖を加えてしっかりと全体をまぜあわせる」

「泡立てないように…!

どうかな?」


さすがチョコちゃん上手だな

さらに温めた牛乳を少しずつ加えてこれまた泡立てないように慎重にまぜあわせる


「難しい…けど楽しいね!」

「…!

そうだね」


きっと私に妹がいたらこんな感じなんだろうな…

私は一人っ子だからそんな羨ましい気持ちが心のどこかにあったんだ

小さい頃は両親に弟妹が欲しいなんて言ってた時があったしな…

いや、もう戻ることの出来ないの世界の話は止めよう


チョコちゃんのおかげでプリン液が出来た

そしたらそれをこし器でこしながら先程カラメルソースを注いだ器に均等に注ぐ

良かった、泡はないな

あとはどうやって蒸し焼くかね…

フライパンでもできるしオーブンでもできる…

よし、オーブンで蒸し焼いてしまおう


天板に湯を張って150度の予熱したオーブンにプリン達を入れる

これで20分目安で蒸し焼く


「じゃあ出来るまで遊びに行ってもいいよ

私は荷物整理をするから」

「うん!

お菓子作り楽しかった!

ありがとうカナさん!」


子供らしい笑みを浮かべたチョコちゃんは裏口から出て庭でお花摘みを始めていた。

いやぁ癒されたわ


「さてと…せっかくだから卵を使った焼き菓子をもうひと品作るとしますかね!」


そうだな…卵を使った焼き菓子といえばあれかな?


「ふふっ…きっと喜んでくれるだろうな」


その時はにやにやと笑みを浮かべて作ってたけど、後になって気持ち悪いなと思った私だった。










思えばもう日は傾いていた

プリンは綺麗に出来上がっていたし、その後に作った卵の焼き菓子であるボーロも上手くできた。

綺麗に盛りつけをして特別にホイップクリームとフルーツをトッピングしていると足音が聞こえてきた。

この様子からしてチョコちゃんだな?

20分プリンを焼いてから冷やす時間が必要だったから魔法で少しずつ冷やしていたんだけど、結局夕方になってしまった。

きっとプリンはまだなのかと聞きに来たのだろうな






「チョコっ!!

……って誰だお前!?」


こっちのセリフだよ…お前誰だよ

慌ただしい様子で厨房に駆け込んできたのはチョコちゃんではなくまた別のリスの獣人だった。

小柄だけど見た感じ大人だろう

チョコちゃんより大人っぽく見えてカカリさんよりも若く見える


「えっと…私はこの宿に泊めさせてもらうカナです」

「カナ…?あぁツキカゲが言ってたあとからこの国に来る仲間か…

ってそんなこと言ってる場合じゃないんだ!

あんた、チョコを見なかったか!?」


おぉ…一応私のことは知っているみたいだ

それにしてもさっきからチョコちゃんチョコちゃんうるさいこの人はなんなんだ。

まさかチョコちゃんがいなくなったとかそんなことないよな


………ないよね?




「チョコがどこにもいないんだ!

きっと誘拐されたんだ!」

「………あ?」

    
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