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60話
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入国してから私は驚き目を丸くした
「これがダーウィン王国…!
本当に獣人が沢山いるなぁ」
右を見ても左を見ても獣人しかいない
時々人間かなと思ってよく見てみると、獣耳と尻尾を生やした人間寄りの獣人だった
他にもミノタウロスやケットシーがいたよ
これはあれか…もふもふパラダイスか?
「おいそこの人間の姉ちゃん!
コカトリスの串焼き食べていかないか?」
突然呼ばれた気がして振り向くとそこには焼き鳥屋を営んでいる鳥の獣人がいた
鳥の獣人が焼き鳥屋さんをやるって考え…恐ろしいな
「よく焼き鳥屋さんやろうと思いましたね…」
「別に獣人を食材にしてるわけじゃないし問題ねぇよ!
これは全部モンスターの肉でコカトリスの他にロックバードだったりクロウだったりな!」
そこら辺はしっかりとボーダーラインがあるらしい
よくわかんね
まあ観光も楽しむためにここはひとつこのコカトリスの串焼きでも食べるとしよう
「ではこのコカトリスの串焼きを一本ください」
「あいよ!
一本小銀貨二枚な」
安いな…私の世界の焼き鳥と同じ値段なのに大きさがこちらの方が何倍もあるぞ
これ一本でお腹いっぱいになりそう…
言われた通り小銀貨二枚を渡して早速タレのかかった串焼きを頬張ると口の中に肉汁が広がって美味い
この国には他にも面白そうなことがありそうだな
「(色々と見てやって経験してみよう…!
いや、その前に宿の確保だな)」
この国に入ってから少し歩いた所に宿はあった
「ここがツキカゲとの念話で話していた宿屋ね…」
入国してからどうやってツキカゲ達と合流しようか悩んでいたその時私は思い出した
そういえば契約していたから私とツキカゲの間だけなら念話出来るんだったよ…アホすぎて泣けるね
そしたら今私の目の前に建っている宿屋にいるらしい
宿屋の名前は「安らぎの場」
その名前の由来でもある回復作用のある薬草風呂が有名なのだそう
お風呂のある宿を選ぶとはツキカゲ…さては風呂好きになったな?
なんてことはいいんだよ
さっさと中に入ろうという気持ちになった私は宿の扉に手を伸ばしてゆっくりと開けた。
「こんにちは~」
「おや…?
もしかしてお客さんがカナちゃんかい?」
なんだこの女将さんと思われる気の強そうな獣耳奥様は?
小さな耳をピコピコと動かしているけどなんの獣人なのか…まあそれはいいや
それよりも今、この女将さんは私の名前を知っているようだ
もしかしてツキカゲが事前に伝えておいてくれたのか
「もしかして…私の仲間が事前に知らせてくれたのですか?」
「あぁそうさ!
あんたはツキカゲくんとマアヤちゃんの仲間なんだろ?」
うん正解
やっぱり知らせてくれていたのか…だったら話は早いな
すぐに中に入って扉を閉めると
カウンターにいる女将さんに近づいて行く
「今、ツキカゲと真彩さんは部屋にいたりしますか?」
「二人は今出かけてるよ!
夕方頃には到着するからそれまでここでゆっくりしていくのもいいさ
おっとそういえば自己紹介を忘れていたね
あたしはこの安らぎの場の女将をやってるカカリ
リスの獣人だからこんなにチビなのさ!」
なるほど…小さな耳と大きな尻尾が生えているのはリスの獣人だったからなのか
「改めまして、私の名前は山下加奈です
これでも二十歳なのでお酒は飲めます!」
どうもこの世界で大人の姿になっても若く見られてしまうのだ…日本人は童顔が多いから仕方ないけどそのせいでお酒が飲めなくなるから泣けてくるね
するとカカリさんは笑っていた
もしかして私が背伸びして大人ぶってると勘違いをしているのだろうか
「その言い方からしてまるでリスの獣人みたいな扱いをされたみたいじゃないか!
大丈夫だよ、お前さんを子供扱いしないからさ」
リスの獣人みたいな扱いって…まあ確かにリスといえば小さくてすばしっこいイメージだから実年齢よりも若く見られがちなのだろう
「実際あたしもよく実年齢よりも若く見られるからね」
うわぁ…そのエピソードめっちゃ気になる
だからといって女性に歳を聞くのは失礼だから我慢しよう
「お母さんおつかい行ってきたよ……
あっ…お客さんだこんにちは」
後ろから小さな声が聞こえてきて振り向くとそこにはちっちゃい女の子がいた
よく見るとその子もまたカカリさんと同じようにリスの耳と尻尾が生えてる
にしても気が弱そうな感じがする…まさにリスだ
「おかえりチョコ
このお客さんはツキカゲくんが話していたカナちゃんだよ」
そう聞いた瞬間半目をまん丸く開いて素早く私の元に走ってきた
あまりにも早くて油断していたけど…それよりも気になるのは何故私の顔を見て目を輝かせているのだろうか
「カナさん…!
ツキカゲさんから聞いた、ツキカゲさんよりも料理が上手…!」
さっきまであんなにのんびりとした感じだったのにスイッチが入ってる…
一体ツキカゲは彼女になにを教えたんだ?
そして彼女は何をどう聞いてこんなにも綺麗な瞳で見てくるんだ?
「えっと…もし時間があったら何かお菓子を作ろうか?」
すると言葉にはしてこなかったけど首が取れるのではないかと心配する程頷いている
その様子を見ていたカカリさんは笑ってるし
「チョコ、その辺にしなさい
カナちゃんは部屋どうする?」
そうだった私は宿の部屋を借りるためにここにいるんだった。
カカリさんに言われてようやく思い出した私は懐から財布を出して部屋を確保することにした。
「ツキカゲくんとマアヤちゃんは別々の部屋にしてるからあんたもそうするかい?」
「そうですね…では二人どちらかの隣の部屋があればそこでお願いします」
結果私の部屋は真彩さんの隣の部屋になりしかもそこは角部屋らしく、陽の光が良く当たるいい部屋みたい
「それじゃあ一泊食事付きで銀貨三枚ね」
相変わらず安いな…普通だったらもっとしてもおかしくないのに
まあそんなこと言って値段上げられたら困るので笑顔で銀貨三枚渡した。
「はい毎度
チョコ!お客さんを部屋まで案内しな!」
「…は~い」
緩い声で返事をしたチョコちゃんは部屋の鍵を片手に私の前に立って部屋まで案内してくれた。
階段を登って廊下を歩き、突き当たりの部屋の前で止まる
「ここがカナさんが泊まるお部屋
どの部屋も一人用の部屋だから広さは変わらない」
なんて言いながら鍵を開けて見えたその部屋はそれなりに整っていた。
明かりとなるロウソクもあるしテーブルと椅子がある
そしてシングルベッドを置いてもそれなりに広いと感じる
「ありがとうねチョコちゃん」
「ん…薬草湯は夕方頃からなら入れるよ
ちゃんと男と女で時間を分けるから気をつけて」
おお…薬草湯かいいね
今はまだ昼頃だからそれまで時間を潰すとしますか
「よし…これからお手軽に作れるお菓子を作るとしますかね!」
「……!お菓子!」
宿のお手伝いをしていて立派だなと思っていたけどやっぱりお菓子という言葉を前にすると子供だなと感じてしまう
可愛いな
「これがダーウィン王国…!
本当に獣人が沢山いるなぁ」
右を見ても左を見ても獣人しかいない
時々人間かなと思ってよく見てみると、獣耳と尻尾を生やした人間寄りの獣人だった
他にもミノタウロスやケットシーがいたよ
これはあれか…もふもふパラダイスか?
「おいそこの人間の姉ちゃん!
コカトリスの串焼き食べていかないか?」
突然呼ばれた気がして振り向くとそこには焼き鳥屋を営んでいる鳥の獣人がいた
鳥の獣人が焼き鳥屋さんをやるって考え…恐ろしいな
「よく焼き鳥屋さんやろうと思いましたね…」
「別に獣人を食材にしてるわけじゃないし問題ねぇよ!
これは全部モンスターの肉でコカトリスの他にロックバードだったりクロウだったりな!」
そこら辺はしっかりとボーダーラインがあるらしい
よくわかんね
まあ観光も楽しむためにここはひとつこのコカトリスの串焼きでも食べるとしよう
「ではこのコカトリスの串焼きを一本ください」
「あいよ!
一本小銀貨二枚な」
安いな…私の世界の焼き鳥と同じ値段なのに大きさがこちらの方が何倍もあるぞ
これ一本でお腹いっぱいになりそう…
言われた通り小銀貨二枚を渡して早速タレのかかった串焼きを頬張ると口の中に肉汁が広がって美味い
この国には他にも面白そうなことがありそうだな
「(色々と見てやって経験してみよう…!
いや、その前に宿の確保だな)」
この国に入ってから少し歩いた所に宿はあった
「ここがツキカゲとの念話で話していた宿屋ね…」
入国してからどうやってツキカゲ達と合流しようか悩んでいたその時私は思い出した
そういえば契約していたから私とツキカゲの間だけなら念話出来るんだったよ…アホすぎて泣けるね
そしたら今私の目の前に建っている宿屋にいるらしい
宿屋の名前は「安らぎの場」
その名前の由来でもある回復作用のある薬草風呂が有名なのだそう
お風呂のある宿を選ぶとはツキカゲ…さては風呂好きになったな?
なんてことはいいんだよ
さっさと中に入ろうという気持ちになった私は宿の扉に手を伸ばしてゆっくりと開けた。
「こんにちは~」
「おや…?
もしかしてお客さんがカナちゃんかい?」
なんだこの女将さんと思われる気の強そうな獣耳奥様は?
小さな耳をピコピコと動かしているけどなんの獣人なのか…まあそれはいいや
それよりも今、この女将さんは私の名前を知っているようだ
もしかしてツキカゲが事前に伝えておいてくれたのか
「もしかして…私の仲間が事前に知らせてくれたのですか?」
「あぁそうさ!
あんたはツキカゲくんとマアヤちゃんの仲間なんだろ?」
うん正解
やっぱり知らせてくれていたのか…だったら話は早いな
すぐに中に入って扉を閉めると
カウンターにいる女将さんに近づいて行く
「今、ツキカゲと真彩さんは部屋にいたりしますか?」
「二人は今出かけてるよ!
夕方頃には到着するからそれまでここでゆっくりしていくのもいいさ
おっとそういえば自己紹介を忘れていたね
あたしはこの安らぎの場の女将をやってるカカリ
リスの獣人だからこんなにチビなのさ!」
なるほど…小さな耳と大きな尻尾が生えているのはリスの獣人だったからなのか
「改めまして、私の名前は山下加奈です
これでも二十歳なのでお酒は飲めます!」
どうもこの世界で大人の姿になっても若く見られてしまうのだ…日本人は童顔が多いから仕方ないけどそのせいでお酒が飲めなくなるから泣けてくるね
するとカカリさんは笑っていた
もしかして私が背伸びして大人ぶってると勘違いをしているのだろうか
「その言い方からしてまるでリスの獣人みたいな扱いをされたみたいじゃないか!
大丈夫だよ、お前さんを子供扱いしないからさ」
リスの獣人みたいな扱いって…まあ確かにリスといえば小さくてすばしっこいイメージだから実年齢よりも若く見られがちなのだろう
「実際あたしもよく実年齢よりも若く見られるからね」
うわぁ…そのエピソードめっちゃ気になる
だからといって女性に歳を聞くのは失礼だから我慢しよう
「お母さんおつかい行ってきたよ……
あっ…お客さんだこんにちは」
後ろから小さな声が聞こえてきて振り向くとそこにはちっちゃい女の子がいた
よく見るとその子もまたカカリさんと同じようにリスの耳と尻尾が生えてる
にしても気が弱そうな感じがする…まさにリスだ
「おかえりチョコ
このお客さんはツキカゲくんが話していたカナちゃんだよ」
そう聞いた瞬間半目をまん丸く開いて素早く私の元に走ってきた
あまりにも早くて油断していたけど…それよりも気になるのは何故私の顔を見て目を輝かせているのだろうか
「カナさん…!
ツキカゲさんから聞いた、ツキカゲさんよりも料理が上手…!」
さっきまであんなにのんびりとした感じだったのにスイッチが入ってる…
一体ツキカゲは彼女になにを教えたんだ?
そして彼女は何をどう聞いてこんなにも綺麗な瞳で見てくるんだ?
「えっと…もし時間があったら何かお菓子を作ろうか?」
すると言葉にはしてこなかったけど首が取れるのではないかと心配する程頷いている
その様子を見ていたカカリさんは笑ってるし
「チョコ、その辺にしなさい
カナちゃんは部屋どうする?」
そうだった私は宿の部屋を借りるためにここにいるんだった。
カカリさんに言われてようやく思い出した私は懐から財布を出して部屋を確保することにした。
「ツキカゲくんとマアヤちゃんは別々の部屋にしてるからあんたもそうするかい?」
「そうですね…では二人どちらかの隣の部屋があればそこでお願いします」
結果私の部屋は真彩さんの隣の部屋になりしかもそこは角部屋らしく、陽の光が良く当たるいい部屋みたい
「それじゃあ一泊食事付きで銀貨三枚ね」
相変わらず安いな…普通だったらもっとしてもおかしくないのに
まあそんなこと言って値段上げられたら困るので笑顔で銀貨三枚渡した。
「はい毎度
チョコ!お客さんを部屋まで案内しな!」
「…は~い」
緩い声で返事をしたチョコちゃんは部屋の鍵を片手に私の前に立って部屋まで案内してくれた。
階段を登って廊下を歩き、突き当たりの部屋の前で止まる
「ここがカナさんが泊まるお部屋
どの部屋も一人用の部屋だから広さは変わらない」
なんて言いながら鍵を開けて見えたその部屋はそれなりに整っていた。
明かりとなるロウソクもあるしテーブルと椅子がある
そしてシングルベッドを置いてもそれなりに広いと感じる
「ありがとうねチョコちゃん」
「ん…薬草湯は夕方頃からなら入れるよ
ちゃんと男と女で時間を分けるから気をつけて」
おお…薬草湯かいいね
今はまだ昼頃だからそれまで時間を潰すとしますか
「よし…これからお手軽に作れるお菓子を作るとしますかね!」
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可愛いな
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