見た目幼女は精神年齢20歳

またたび

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21話

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昼食を済ませ一息ついた私たちは再び目的の地を目指した。

緑の生い茂る木々から身を隠しながらこちらの様子を見てくるモンスター達からは怯えているように感じられた。


「やっぱりツキカゲみたいに強いやつのオーラってモンスターからしたら本能的に関わりたくない感じがするのかな?」


気配察知のスキルを使っているからわかるのだがどのモンスターも私達から避けるために半径100メートル以上離れている。

これならモンスターに襲われる心配はないけど…少し物足りない感じがするのも事実だ。

モンスターに避けられること数時間……

日が傾きこれ以上は進めないと判断した私達は近くの洞窟で野宿することにした。


「ツキカゲ~明日の朝食は頑張るから今夜はネットで買ったパンでいい?」


何時間も歩き続けて疲れが声からしてわかってしまうようなだらけ具合だ。


「まあ…パンを買うと言ってるがそれも美味いから許す

後で結界張るからな」


ツキカゲはため息をついて私を抱き上げるとそのまま洞窟の中に入った。

洞窟に入った瞬間私もツキカゲも同じような反応をして奥を警戒した。

これは…いるな

モンスターとは違う弱い気配がして今度は私がため息をついた。

そしてその気配はどんどんスピードを上げて私達に近づいてくるのもわかった。

いくらツキカゲが結界を張るために魔力を魔法に変換しようとしているが、あの程度で結界を張るのはどうかと思えてしまう。

せっかくあちら側から来ているわけだし、私も体を動かしてみたい

そんな考えを行動に移そうとツキカゲの腕からすり抜け着地すると大人の姿になりハルカゼを装備した。


「おい…勝手に移動されたら結界張れないだろ」

「大丈夫、ちょっと大人しくしてもらうだけだから…」


彼の張る結界よりも前に出て魔力を練り魔法にに変換すると私の周りで風が吹き荒れた。

それをハルカゼの刀身に纏わせると構えの姿勢をとった。


近づく気配まであと5秒


4

3

2

1


「春風乱舞!!」


刀身に纏わせた風を操るようにハルカゼを振り下ろすとそれは斬撃となり気配に向かって飛ばされた。

そこまで強力にしたつもりはない…ないのになんだあの威力は?

土埃が舞い周りの岩壁からポロポロと欠片が落ちているこの状況はなんだ?

いや、それよりも気になるのは私が飛ばした斬撃をくらったけど奴らは死んでないだろうか?

急に怖くなって警戒しながら近づくとそこにいたのは予想通り…4人組の新人冒険者だった。

その真新しい装備を身につけあどけない感じを見せる様子はまさに新人らしい

2ヶ月前の私もこんな感じだったが、深紅の竜と戦い大怪我をしたからこそさらに強くなった。

要は心持ちの問題だよ


「…いやいやそれよりも傷の手当をしないと!」


ようやく彼らの状態の悪さに気づきツキカゲを呼ぶと私はキャンプセットをインベントリから出して4人を寝かせるためにわざわざ寝袋を買い足した。

そもそも寝袋を買い足すなんて聞いたこともないが…。

あとは傷をしっかり治すために泥などの汚れを拭き取り治癒魔法をかけると傷はなくなった。

あとは食事をとってもらいたいが…気持ちよさそうに寝てるし起きてからでも問題ないか


とりあえずお腹が空いたので彼らの様子を見ながらもツキカゲと一緒に軽く夕食を済ませて焚き火の番をしてその日は終わってしまった。










翌日…幼女の姿で少しだけ眠り朝食作りをするために大人の姿になると私はインベントリから材料を取り出していた。

ちなみに昨晩の冒険者達はまだ眠ってる

危機感ないなんてレベルではないと思うのだが…

溜息をつきながらも材料を切って鍋に入れると魔法で出した水を注ぎ火にかけた。

今日のメニューはポトフと焚き火で焼いたパンに目玉焼きだ。


さすがに他の冒険者もいるのでいつも使っている折りたたみ式のテーブルと椅子は使わずに皿に盛り付けたものを膝に乗せて食べることにした。


「約束通りちゃんとした朝ごはんを作ったのだな

俺様はワショクが良かったのだが…」


ツキカゲの最近のマイブームは和食…特にお刺身が気に入ったらしく、私がネット通販で生魚を買っていると決まって刺身用の魚を注文しろとうるさいくらいだ。

だいたい和食って作るのに手間がかかる時があるから大変なんだよね

だからツキカゲにレシピとか教えてるんだけど私みたいに美味しく出来なくて悩んでいるらしい

おっと話が逸れてしまったか


「じゃあできるだけ今日は和食を作ってあげるから先にこれ食べちゃいましょ」


手を合わせ食事をすること、命をいただくことに感謝をしながら「いただきます」と言った。

まず初めにポトフを食べようとしたその時………





グゥ~……





洞窟に響くその音は私やツキカゲからは聞こえなかった。

となると彼らしかいない

首だけをそちらに向けてみれば案の定

料理のいい匂いにつられてヨダレを垂らしてこちらをじっと見つめる4人組の冒険者がいた。
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