見た目幼女は精神年齢20歳

またたび

文字の大きさ
上 下
13 / 171

11話

しおりを挟む


冒険者になってからもう2週間位経ったのだろうか

この異世界転生にもなれてきて生活も大分安定してきた。


「リベルさんに解体してもらったお肉はまだあるし、その時に買い取ってもらった肉以外の素材のおかげでお財布も潤ってる」


最近だとゴブリン討伐クエストも頼まれるようになってさらに強くなってきている。

というかツキカゲと契約してスキルを共有しているおかげで経験値稼ぎがとても楽な気がする。

その証拠にレベルの上がりようがすごい

レベル1だったか弱い私が今はレベル18だ


どのくらいすごいかと言うと、私と同じEランクになったばかりの冒険者は平均レベル10

普通に頑張ってレベルあげた結果人よりもちょっとだけ強くなった。


だからといって調子に乗るのはよろしくない

ロキシーさんに言われた「良い奴になれ」という言葉を忘れないようにこうやって毎日真面目に生きている。

そして今日もまた……


「ようこそ冒険者ギルドへ!今日はどのような要件で?」


相変わらずなケイミーにクエスト内容の書かれた紙を渡すといつも通り「了解しました」と言ってクエストの依頼者を呼んでくれた。


クエスト内容は迷子探し

依頼者は迷子…というより行方不明になった少女の親御さん

行方不明になってから1晩経ってるからなのか親御さんの顔色は白を通り越して青くなってる。

私は全力を尽くしますとだけ言ってギルドを出ると早速行方不明になった少女を探すことにした。

行方不明になった少女の名前はボンノちゃん

個人情報を覗く形になってしまうが鑑定スキルと気配察知スキルで確認するしかないな…

それにしても……だ


「おかしいとは思わない?行方不明者はひとりじゃないのよ…

これ…ケイミーに頼んでリスト化してもらった最近行方不明になった子供の名前と人数なんだけど」

そう言って隣で歩くツキカゲに書類を渡すと眉間にシワを寄せた。

それもそのはずだ…


「多すぎやしないか…この1週間のうちに20人もの子供達が行方不明になったんだろ?

しかも人間だけでなく様々な種族の子供だ」



______明らかにこれ誘拐だろ



そう言って彼が指さしたのは、行方不明になった子供達の種族の欄

人間だけでなく、獣人や魔人など悪く言えば人間よりも利用価値のある種族だ。

まあ考えられるのは子供を奴隷として働かせるつもりなのだろう

完璧にこの国の違法行為であり処罰を受けるべき奴らだ

こんなの許されるわけが無い。


「よし…じゃあ作戦を立てましょう!」


作戦を立てるのならば部屋に戻った方がいいなと思い来た道を戻りギルド敷地内にある宿に向かった



 

「……ということで現状を整理するわよ」


部屋に戻ってテーブルの上に行方不明者リストとこの国の地図を広げた

毎回行方不明になるのは子供達であり子供を簡単に捕らえることができるのは悪い大人だけだ

そして居場所がわからないのならば…

私が囮になってツキカゲに居場所をつきとめてもらって全員捕まえるしかない。


「まずは私が幼女の姿に戻って裏路地に入る

そしたらわざと拐われて場所を突き止めるからそれまでツキカゲは動かないでね

前に教えてくれた私とツキカゲとの間なら念話スキルが出来るからそれを待っててね」

「……なんて危険な作戦を立てるんだお前は」


溜息をつきながら私を睨んでくるその様子は誰から見ても怒っている

確かに危険な作戦かもしれないけどそれで1人でも多くの子供達が助かるのなら喜んで囮になってやるという精神だ。


「ツキカゲ、こうやっている時間に子供達は辛い目にあってるの…。

今こうやってグダグダしてるのだって時間の無駄!」

「だからといって俺様の気持ちを無視するのかよ!」


ツキカゲの言葉は突き刺さるものがある…だけど人助けに犠牲は付き物だということを知って欲しい。


「後で聞くから今は我慢して…!」


はっきりとそう言って肩を掴む手を払い幼女の姿に戻るとハルカゼをインベントリにしまい丸腰の状態で部屋を出た。









ギルドを出て裏路地に来てみたはいいのだが…


「(まさかこんな簡単に作戦通り捕まるとは思わかなった…)」


ヒョイっと軽々と持ち上げられ乱暴に袋に入れられると薄暗い部屋に閉じ込められた。


とりあえず今出来ることを確認しよう


この薄暗い部屋にいるのは行方不明者のリストとピッタリ同じ人数の子供達

気配察知スキルを使えばドアの前には見張りが1人

ステータススクリーンに映し出される地図を見ればここが国の西側…つまり貧困地区にあたる所だ。

とりあえずツキカゲには念話で居場所を教えてスクリーンを閉じると子供達の安否確認をした。


「あなたも連れてこられたのね…私はボンノ」


1番はじめに話しかけて優しく接してくれたのは探していた少女ボンノちゃん本人だった。

私は幼さを演じて怯えながらも出来るだけ優しい小さな声でこういった


「私はカナ…あなた達をここから逃がすために来たの」


さあ…クエスト開始だ
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

余命1年の侯爵夫人

悠木矢彩
恋愛
余命を宣告されたその日に、主人に離婚を言い渡されました

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...