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8話
しおりを挟む今私の目の前にいるギルマスはかなり危ない発言をしていた。
簡単に言えば幼女の姿を見せろって言ってるんでしょ?
やだ怖い
表情からしてガチ引きしてますというのがわかったのかツキカゲが私を抱き寄せてギルマス睨んでたよ。
「すまない…訂正するなら本当の姿を確認しておきたいのだ
もしかしたら君が僕を気絶させた少女かもしれないからね」
足を組み直してこちらを睨みながらそう言うと少し恐ろしく感じた。
その様子からして彼は私が竜の威圧を使っていたところを見ていたことになる…もう逃げ場は無いに等しいな。
私はため息をついて諦めるとスキルを解くことにした。
「元の姿に戻ると同時にインベントリにある服にチェンジ…!」
光に包まれて文字通り身体が縮んでいくのがわかって不思議な感覚になった
光がおさまり試しに自分の手を見ればちゃんと小さくなってるのが確認できた
服もインベントリにセットしておいた服に変わってたからブカブカな服着た幼女という可愛らしい姿にならなくてよかった。
「これがスキルを解除した姿です…ご覧の通り原因不明の呪いにかかって小さくなってしまったんです」
まあ呪いにかかってしまったというのは私の仮説であって呪いでは無い可能性だってあるからな…これ以上は黙っていよう。
「やっぱり君か…
君を追いかけて探せば見つけたのは小さな少女で僕でも気絶する程の威圧を放ってきた…
化け物かと思ったが本当は大人ならば納得出来る」
よかった
ひとつ誤解が解けたみたいで安心した……
「…なわけないだろ!なんだあの威圧は!?
大人でもあんな威圧出せるわけないだろ!」
ほっとしたのも束の間ものすごい気迫で私のスキルについてツッコミをいれてきた
そんなにやばかったのかあの竜の威圧
「あれはスキルのひとつです!このツキカゲというやつと契約して得たスキルです!」
「まあ共有スキルというものだな
契約することによって俺様とカナのスキルが共有されてカナの持ってたスキルが俺様も使えるようになるシステムだな」
説明ありがとうツキカゲ
私とツキカゲの説明によりギルマスは少し考える素振りを見せるとだんだんと青ざめた表情をした。
「…ということはそのツキカゲという名前の君はドラゴンということ?」
なにをどうしたらそんな解釈になるのか…それもちゃんとツキカゲが教えてくれた。
「竜の威圧は上位種・下位種関係なく全てのドラゴンが使えるスキルで言ってしまえばドラゴンの血を体に流した種族全員が使えるスキルだ
俺様はその中でも上位種に入っているから威圧以外にもブレスに飛行にetc…」
わおツキカゲって色々使えるのね…それは私にもいえると
説明を聞いてたらギルマスが私とツキカゲを驚きの目でみてた。
「とんでもない新人が現れた…高いHPやMPだけでなく上位のスキルまで持ってるとは
それ程の力を持つと勘違いするバカがたまにいるからな…良い奴になってくれ」
最後のギルマスの言葉は心に響くものがあった。
____良い奴になれ
チート気味な力を持つからこそ気をつけなければならないな
「わかりました…必ず良い奴になります、ギルドマスター!」
「ロキシーでいい…君達の力が利用されないためにも我ら冒険者ギルド職員は全力でサポートしよう」
万遍の笑みで言うと座っていたソファから立ち上がりギルマスの部屋を出た。
「普通にいい人だったね!
今度差し入れとして紅茶にあうお菓子でも作ってみようかな」
ギルマスのロキシーさんの部屋を出た私達はそのまま受付カウンターで指定された薬草の数を揃えて買い取って貰ってた。
「はい!
ではナオセ草5本1束が5束あるので小銀貨5枚
ドクトレ草5本1束が3束で小銀貨3と銅貨6枚
シビレトレ草5本1束が4束で小銀貨5枚と銅貨2枚
合計で銀貨1枚、小銀貨3枚、銅貨8枚になります!」
えっと確かこれを日本円にすると合計金額が1380円になる…
まあ薬草採取でこれだけ貰えればいいや
「ありがとうございます!あっそうだ…
倒したモンスターの買い取りはここでしてくれますか?」
ツキカゲの狩ったモンスターを解体していらない所は売って食べれる部分は欲しい。
さっきからツキカゲからのご飯食べたいオーラがすごいのだ
「モンスターの解体・買い取りはこのギルドの中庭にある倉庫で受け付けていますので案内しますね!」
おお有難い
そういえばさっきから同じ受付嬢さんが案内とかしてくれてるけど名前知らない
多分私よりも年下だよな
「あの…名前を聞いてもいいですか?」
興味本位でそう聞けば彼女はにっこりと笑って
「ケイミー17歳です!」
と答えてくれた
というか17歳だったんだ…なんか悲しくなってきた。
受付嬢ケイミーとギルド内を歩くこと1分
中庭の隅にある大きな倉庫に彼はいた
「こちらがモンスターの解体・買い取りの担当となってるリベルさんです!」
「こっ…この方は……!」
私の中で雷が走った
ガタイのいい身体
見上げる程に高い身長
そしてぴょこぴょこと動く耳と尻尾
「熊の…獣人…?」
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