見た目幼女は精神年齢20歳

またたび

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5話

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森を抜けて道なりに進むと人工物が見えてきた


「あれがヘンリー王国といって通称貿易の国と言われていて色んな文化が混ざる国

お前を召喚したのは宗教国家トーマス帝国でわかりやすく言うなら聖なる国と言われてる気味悪い国だ」


説明ありがとうねツキカゲ

それにしてもあのヘンリー王国は必ず入国審査をするだろうな…。

嘘偽りなく質問に答えて入国料を払ってあの門をくぐろう。




…………で


なんでこうなった?

門番の兵士たちに囲まれて武器を向けられてるんだけど…


「おっ…お前らは一体何者なんだ!?」


旅人です


「国を滅ぼすんじゃないんだろうな!?」


そんな気一切ありません

入国審査をする際にツキカゲは従魔に入るかなと思いドラゴンの姿に戻ってもらおうと思いドラゴンになった瞬間兵士たちの顔が恐ろしいものをみている顔に変わった。

まあ最強種であるドラゴンを連れてたらそうなりますよね…しかも知能がある分厄介だ


「いい加減にしろ…俺様をそこら辺のモンスターと一緒にするな!

相手から危害を加えて来ない限りはなにもしない!」


しびれを切らしたツキカゲは威圧をかけながら兵士達にそう言うとどこからか「やめろお前達!」と低い声が聞こえた。

見た感じこの兵士達のリーダーだろう

すると兵長らしき人はこちらに近づいてきたと思えばいきなり謝ってきた。


「すまなかった!ドラゴンの強大すぎる力に怯えたいた

部下達にはちゃんと指導をする!手続きは私がしよう」


なるほどこの兵長はちゃんとしている人みたいだ

私達はなんとか入国審査を受けることができてツキカゲは私がしっかりと見ているから大丈夫だという所を見せた。

といっても暴れたらご飯はなしと言った瞬間一気に大人しくなったからまあ大丈夫だろうということになり無事入国することになったのだ。

でもさすがにドラゴンの姿のままだと移動しずらいので人間の姿になってもらったが……。

大きな門をくぐればそこはたくさんの種族が交易をしていた。 


「すごい…!色んなものがあるよ」

「まあ貿易の国だからな…ここでお前はどうするんだ?」


どうするか…とりあえず買いたいものが色々とあるけどまずは服だな

今の服はかなり浮いてるし、本来の5歳児の姿の服を持っていないからそれも買わないといけない。

とりあえず服屋に行かないとな



結局私の服は大人サイズと子供サイズ両方買うことになった

異世界に来る前はよくある7分袖のワンピースにハイウエストベルトつけてたやつだったけどアニオタにしてはおしゃれだと思って欲しい。

そして今買ったのは女性冒険者向けの服

身体のラインがはっきりわかるようなインナーの上にベストを着て、その上からパーカーを羽織った。

プリーツスカートと膝下までの革製ブーツを履いて

よくいる女性冒険者の完成だ


「あとは…このよくあるフード付きマントだね

はいツキカゲのマント!」


私のマントよりも大きいサイズのマントをツキカゲに渡すと驚かれた。

何故そんなことをするのかと


「ツキカゲ…あなた契約のときに言った言葉覚えてないの?」

私はあなたであなたは私……

なら私の分だけでなくあなたの分も買うという考えが生まれたのだ。


「私だけ服を買うのもずるいでしょ?」


そういえば彼は笑ってた


「ここまで俺様に親しげに話す人間は珍しいな!


お前と契約してよかった…」


最後の部分は聞き取れなかった…多分私に対する悪口だろうな。 


服を買ったら今度は武器だ


お金を払って服屋を出ると、丁度向かいにあった武器屋に吸い込まれるように入っていった。

中に入ると丁寧に飾られてる武器の数々に圧倒されて無意識に後退りしてしまう。


「姉ちゃん…そんな心持ちじゃあ武器は売れないなぁ」


カウンターにどっかりと座る店主は私をじっと見つめて低い声でそういった。 

確かに私は平和ボケした日本で生まれ育ってこんな武器を持つことなんてない

だけどこれからは持たなければならないのだ


そうだ、直感だけで武器をひとつひとつ見て選んでみよう。


そうすればなにかが変わるかもしれないから

高いものから安いものまで

近距離武器から遠距離武器全てを見た


そして本当に直感で決めた


「この子…まるでツキカゲみたい」

「…その錆びた様子からか?」


ボロボロの中古武器売り場のようなコーナーで見つけた1本の剣…長さからしてダガーだろうか?

これなら5歳児の姿でも使えるかもしれない。


「この位の錆なら何とかなるかもしれない…

おじさん、これにする」


ニヤリと笑い店主に言えば笑ってた


「姉ちゃん…それがなんなのか知ってるか?」


もちろん知ってるとも

ただの錆びたダガーなら私はこれを手に取らない…だから私はこれを手に取ったのだ。


「この錆は言ってしまえば幻のようなもの

ご丁寧に認識疎外の魔法までかけて…よっぽどそんじょそこらのやつに握らせたくなかったのね……」


なにを言ってるのかさっぱりだと顔で訴えてくる店主…あなたにはわからないのか


「このダガー…



本当は錆びてないよ」


私がそう言った瞬間ダガーが光った

この店にいる私とツキカゲと店主のおじさん全員がその光るダガーを見ていた。

そして頭の中に響く聞いた事のない声


____名前をつけろ…我にふさわしい名前を


そうか…この声の主に名前はないのか

なら私の記憶にある思い出から君に名前をつけてあげよう


私の世界では当たり前のように咲いていた桜

この異世界には1本も生えてない

ならあなたが桜になれ

桜になって春を伝えて欲しい


「あなたの名前は…春風ハルカゼ!」


光がおさまってやっと目を開けることが出来た

右手に握られたボロボロに錆びたダガーはどこへいったのか…そう思えてしまう程に美しいデザインのダガーがそこにあった。


「なるほど…意思のある武器インテリジェンスウェポンだったのか」

「しかもそれだけじゃないよ……」

意志を持ち始めたばかりのハルカゼはずっと主を探してたのだろう。

自分にふさわしい主が現れるまで…

そして私に出会って本当の姿を手に入れたのだろうな。


…………なんて言ってるけどこれ全部鑑定スキルを使って電子世界インターネットで調べた情報です!

店主が煽ってきたからツキカゲに聞かずに勝手に調べてこのダガーを選んだだけですはい。


「驚いた…まさか俺でも見分けられなかったとは……」


店主のおじさんも驚いてるわ

私はカウンターにそれを持っていき置くとこの子を買うといった。


「この子を買う…いくらだ?」

「いや……金はいらねぇから持っていけ」


かわりにそのダガーをよく見せてくれと頼まれてどうぞと見せてしまった。

一応ハルカゼは意志があるから君を渡していいかいいか確認取ればよかった。

しかし改めてハルカゼを見てみるとすごいものが生まれたな。


汚れのない真っ白な刃

その上に彫られた桜の花びら

握る黒い柄の部分には桜のストラップがついてる。

春を伝える桜の春風ハルカゼとよんでも恥じない武器だ


「これじゃあダガーというより短刀かしら?」

いや、あながちダガーでも間違ってない

短刀と違って反りすぎてるようにも見えるからこれはダガーだな


「しかし美しい…とんでもない武器が生まれたな

ありがとうな触らせてもらって…

そしてすまなかった!姉ちゃんを見誤ってた」


別に謝られてもこっちが困るだけなので下げてた頭を上げてもらって他にも防具を買いたいから要望を言った。


「あの、こういう防具が欲しいんですけど……」


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