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4話
しおりを挟むツキカゲの待つ森に戻れば一言目が無事を確認する言葉だった。
とりあえず無事だということを証明すると先程までの出来事を全部話した
旅商人がオークに奇襲にあってたことやそれを全部倒して感謝されたことを
……結局魔法は身体強化と回復魔法しか使わなかったこと
私だけ話してつまらないかなと思ったがツキカゲは全部聞いてくれた。
すると…
ぐぅ~…という音が鳴ってお腹を抑えるとククッと笑うドラゴンが一頭
「……しょうがないでしょ!この世界に来てなんも食べてないしそろそろ日が暮れるし!」
頬を膨らませて怒れば悪いと言って大きな指で私の頭を優しく撫でた。
怒りも収まってどうしようかと考えた……その結果私はあることを思い出した。
「そういえばこの電子世界っていうスキルはなんだろう?」
ステータスに表示されたその文字を指さしてそのまま触れてみるとステータスとは別に1枚のスクリーンが表示された。
それは私がこの世界に来る前にお世話になったインターネットそのままで驚いた。
私のパソコンのネットの画面そのまんまだ
……ということはあれもいけるのか?
「ネットショップ運営の欄もある……ということはご飯が買えるかな?」
興味本位でタッチをすれば商品の写真と値段が書かれており、さらに驚いた。
まさかこの世界でもネットを使うとは思わなかった
このネットショップのシステム的には…
あらかじめインベントリにお金を入れておいてネットショッピングをする
そして買いたい商品をポチッと押せばお金が引き落とされてインベントリにその商品が追加されるらしい。
「錬金術みたいだな…」
ツキカゲはそういうけど…どちらかと言うとこれは召喚術の方が正しいかもしれない
まあ百聞は一見にしかずだ、早速やってみよう。
まずはツキカゲからもらった金貨100枚をインベントリにしまえばこれで買い物ができる。
まずはおにぎりとお茶をポチッと押して…
するとインベントリに購入したおにぎりとお茶が追加されたという通知が表示された。
確認すれば間違いなくおにぎりとお茶だ
「うーん…!もう二度と食べれないと思ったよおにぎりちゃん!」
そしてこの時点で思ったことを言ってもいいだろうか
これ…食べ物以外にも買えるのかな?
また興味本位で検索をかけて探してみると食べ物以外にも色々あった。
「わお…まさかテントがあるとは思わなかった」
さすがはネットショップ…なんでもあるな
とりあえずツキカゲの分のおにぎりとお茶を買ってインベントリから出すと私はツキカゲにあるお願いをした
「ツキカゲ…もし可能なら人間の姿になってくれない?」
明らかに嫌な顔をした…そんなに人間が嫌なのか?
「出来なくはないが人間になる理由を聞かないとそんなことをしない!」
と言い出したのでちゃんと説明することに
人間の姿の方がゆっくりと一緒に食事ができるし寝ることができるからだ。
「なるほど…まあカナは小さいから寝ぼけて簡単に潰してしまいそうだからな」
確かにそれもあるな
やっと理解したツキカゲは魔法で人間の姿になった
それは黒髪と金色の瞳のイケメンで王宮の騎士のような格好をしていた。
王宮の騎士といっても私を牢に入れた城の騎士とは違う服だ。
どちらかと言うと軍艦服…アニオタの血が騒ぐな
「さてと…一緒にご飯食べようか!」
はいといっておにぎりとペットボトルに入ったお茶を渡すとめちゃくちゃおにぎりを睨んでる
「この黒いのはなんだ…?そしてガラスのような硬さのないこの容器に入った液体は一体…?」
私は笑いを堪えながらおにぎりとお茶の説明をした
「おにぎりのこの黒いのは海苔といって毒ではないから安心して
そしてこのペットボトルの蓋はこうやって開けて…飲んでみればいいよ」
ペットボトルのキャップを開けてそれを渡すと素直に飲んだ
なんか…お茶が一気に無くなったよ。
余程気に入ったんだな
そして勇気を振り絞っておにぎりにかぶりつくと目をキラキラと輝かせてそれも一気に平らげた。
「なんだこれは…!?このお茶は俺様の知ってるお茶じゃない!
そしてこのおにぎりは見た目に反して美味い!」
よかった気に入ってくれたわ
安心して私も食べようとおにぎりにかぶりつこうとしたその時……視線を感じる
ツキカゲが羨ましそうに私のおにぎりを見ているのだ
「おにぎり…追加で買う?」
「……頼む」
その後おにぎりを買うついでにキャンプセットも買って夜はテントの中で過ごすことに
結論からしてこの電子世界というスキルは最高のスキルということがわかった
次の日の朝…目覚めた私はいつの間にか幼女の姿に戻っていた。
どうやら気が緩んで魔力の操作が上手くいかずに幼女に戻ったみたいだ。
魔力操作もこれからの課題だなと感じながらテントを片付けると人間の姿のまま待機しているやつがいる
「ちょっとツキカゲさんよ…まさか朝食を待ってるなんて馬鹿な理由でそこに座ってるんじゃ……」
「早く飯にしよう!おにぎりでいいぞ!」
このやろう…
「ふっ……ざけんなぁぁぁ!!」
20歳の姿になってからの身体強化で全身を使って右ストレートをくらわせた。
その日から私はツキカゲにある言葉を教えた
働かざる者食うべからずと
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