見た目幼女は精神年齢20歳

またたび

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2話

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牢屋を簡単に壊してそこから出るとドラゴンは強烈な魔法で道をつくった。


ひえ…1発の息吹ブレスで壁何枚壊れた?


軽く…いやかなり引きながらドラゴンの背中に隠れている。

本当に私の髪の色がドラゴンの鱗と同じ色でよかったよ…カモフラージュできて周りからは全然気づかれてない。

するとドラゴンはとある部屋に入ってピタリと動きを止めた。

なにか思い入れのある場所でも見つけたのだろうか

そう思い背中の影から覗いてぎょっとした


なにこのドラゴン王の間で立ち止まってんの!?


おいおい私を牢に入れた兵士もビビりながら王族守ってるじゃん!

やめてあげてこんなところで止まってないで早く逃げようよ


「…貴様らよくも俺様を牢に入れてくれたなぁ!

どうせ俺様を下位種のドラゴンだと思ったのだろう…今ここでお前らを消し去ることもできるが…!」


やめてあげて!王様ビビってるじゃん!


「申し訳ない!まさかあの伝説のドラゴン暗黒竜オプスキュリテドラゴンとは知らず…

お詫びの品は用意する!だから命だけは…!」


おいこの王様なんて言った?

伝説のドラゴン!?

あんなポニーみたいに小さかった子が伝説のドラゴンだったの?

知らなかったわ……

そしてこの王様も本当に知らなかったみたいだ

お詫びの品…なら私がこれから生きるためのお金をいくらかくれたら別にいいや


「ねぇドラゴン……」


彼の耳元で小声で欲しいものを言うとドラゴンはわかったと言って代弁してくれた。


「金だ……金貨100枚あればいい」


金貨100枚がどのくらいの額かはわからないけど王様は「えっそれだけでいいの?」みたいな顔をしてる。


ドラゴンはさっさとしろみたいな威圧をかけて金貨100枚が入った袋を受け取るとそれをどこかにしまって天井に向けて息吹ブレスを放って穴を開けた。

このドラゴンは一体何回放ったら気が済むのか…

ドラゴンは翼を広げて去り際に


「お前達も愚かだな…異世界召喚者を牢に入れるとは……。」


と言って空を飛んだ

おい待て私のことを言うんじゃない!

心な中でアホと叫びながらドラゴンが地面に降りるのを待つと彼は私に言ってきた。


「お前はこれからどう生きる…?」


それは聞く必要もないだろう


「私は人間であなたはドラゴンよ?寿命も何もかもが違う

そんな私達が共に行動するのは難しいと思うわ…。」


本音を言えばドラゴンは大きな声で笑った

なんでそんなに笑うのか聞けば、いきなり地面に降りて私の顔に自身の顔を近づけてニヤリと笑った。


「俺様に血を与えといて離れるなんて許さないからな…!

せいぜい十数年は共にいさせてもらうぞ…

カナ!」


まさか私の名前を覚えていてくれたとは…

いやそれよりもこのドラゴンなんて言った?


「十数年?何を一体……」


するとドラゴンは目を見開いて驚いたと思えば怒った


「貴様…まさか安易な気持ちで俺様と契約したんじゃないだろうな…?」


なんでこのドラゴン怒ってるの?

契約なんてした覚えはないぞ!

………いやもしかして


「鑑定の時にあなたの本来の力を引き出す方法で血を与えるって書いてあったけど……

契約ってあのこと!?」


今更なんだという顔をして呆れてるドラゴンと絶望してる私

待ってこのドラゴン驚き要素てんこ盛りだな!


ポニーサイズだと思ってたドラゴンがまさかのビッグサイズでしかも伝説のドラゴンときた。

血を与えるのは契約も込だったのか……


なるほどだからあの時後悔するなよと言ってたのか

出来ればもっと詳しく教えて欲しかった…。

ここはうだうだ言ってないで決意を固めるのもありだな


「よし決めた…あなたと契約はします!その代わりにあなたにはこの世界のナビゲーターになってほしいの!」


ナビゲーターというワードに首を傾げる彼にわかりやすく説明するなら


「この世界についていっぱい教えて欲しいってこと!

それが私と契約するにあたっての条件かしらね」


といえば納得して私を地面に降ろして正式に契約をすることに


「我はお前の血となり肉となる…代償としてお前は我の血となり肉となれ

これからどんなことがあろうと我はお前の味方となろう」


これが契約…

つまりは私はあなた、あなたは私となるのか


「わかったわ…これからどんなことがあろうとあなたも私の味方でいて

山下加奈からの約束」


「よし…この契約は成立した」


私と彼の足元に魔法陣が展開されその光が私達を包んだ

これで正式な契約は完了

私はこのドラゴンから離れられない…それは彼も一緒だ。


「あっ…そういえば私、あなたの名前を知らないまま契約しちゃった…」


今更感のある発言に自分でも溜息をつきそうになると「はははっ!」と笑い声が聞こえて自然に下がっていた顔を上げると笑っていたのはドラゴンだということがわかった。


「お前…俺様に名前があると思ったのか?

暗黒竜オプスキュリテドラゴンは種族名にすぎん

俺様自身に名前はないんだよ…契約するのもこれがはじめてだからな!」


なんと契約するのははじめてなのかよこのドラゴン

この際だし私が名前を考えるのもありだな

私にネーミングセンスというのはないがないよりマシだろう。


「うーん…光沢のある黒い鱗と金色の瞳……」

まるで真っ黒な夜空に浮かぶ星と金色の月のようなこのドラゴンの名前は…どうしようか

月…はいれたいよな月明かりに照らされてうまれた影のように真っ黒な……


月影ツキカゲ……なんて名前はどうかな?」

「ツキカゲ……意味はあるのか?」

見た目そのまんまだけど意味は一応あると説明すれば納得して喜んでくれた。


「俺様はこのツキカゲという名前を使っていく…死んで魂だけになってもな!」


嬉しいことを言ってくれるなこのドラゴン…いや


は!
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