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私の名前は山下加奈
どこにでもいる女子大生だ
平凡な名前と平凡な容姿…まぁ四年制大学に通わせてもらってるだけありがたいと思わないとね。
今日も奨学金を返すために夜遅くまでバイトをして帰る途中だ
疲れきって少しおぼつかない足取りで歩いていると近くの人とぶつかってしまった。
「あっ…ごめんなさい……!」
ただ謝ろうとしたその時だった
足元が突然光りなにかサークルのようなものが浮かんできて気味が悪い。
こんなの化学で証明できない
何が起きているのかさっぱりわからないまま段々と眩しくなる視界に目をそらそうとギュッと目を閉じてしまった。
そして私の意識はそこで途絶えた。
気がつけばそこは先程までいた日本ではない…それだけはわかる。
何故なら私の周りに知らない深くフードを被った人達が沢山いたからだ。
これはあれか?
異世界召喚ってやつか?
皆疲れきった顔をしてるが、反面喜んだ顔をしてる。
「ついにやった…!聖女様の召喚に成功したぞ!」
やはりか…聖女召喚の儀をやってるのか
こういうのって本当にあるんだな…そして私が聖女になるのか?
「さぁ…ゆっくりとは出来ませんがこちらで説明をするのでお手をどうぞ!」
私はずっと黙っていた
周りの人達が怖いからとかそんなんじゃなくて
私に差し伸べられた手なんてなかったからだ
一体どういうことだと横を見ればそこには私なんかよりも綺麗な女性がキョトンとした表情で差し伸べられた手をとっている様子があった。
なるほど…私は巻き込まれ召喚の被害者というものか。
「あっ…あの……」
ようやく勇気を振り絞って近くの人に声をかければ私の存在に気づいて睨みつけてきた。
「なんだお前…どこから入ってきた!」
いや…私巻き込まれたんですけど
私の話は全く聞かず、そのまま捕らえられて牢屋に入れられました……。
いやなんで!?
鉄格子をつかんで何故私を牢屋に入れたのかを聞けば、バカでかい声でうるさいと言われて剣先をつきつけられた。
「お前はどこから入ってきたかはわからんが侵入者だということは変わらない!」
いやだから私は巻き込まれた人なんですけど!
「まったく…餓鬼がどうやって城の中に侵入してきたのか
聖女様の横にお前がいるなんて許されないことなのだ!」
まあ失礼な…確かに日本人は幼く見られがちだけど餓鬼はないだろ私これでも20歳なんだぞ
頬を膨らませ私を牢屋に入れた城の兵士のような人が去るのを見て鉄格子から離れると近くの椅子に座って考えた。
これからどうしようか…
「…………おい餓鬼」
また餓鬼呼びですか…
私の心はまあまあ広いから素直に顔をあげればそこには誰もいない
どこから私を呼んでいるんだと思いキョロキョロと辺りを見回すとギョッとして腰を抜かしそうになった。
「なっ…えっ?ドラゴン!?」
まるで鉄が錆びたように汚れた鱗、そしてそれとは反するように輝く金色の瞳
一瞬作り物なのではないかと感じたが顔をこちらに向けてさらに近づいてきたのでちゃんと生きているのだとすぐにわかった。
そして同時にここが異世界なのだと改めて理解することにもなった。
「まだ餓鬼なのに俺様と同じ牢に入れられるとはな…なにをすればそうなるんだ?」
またこいつも私を餓鬼というのか
そろそろ私の怒りメーターもマックスになるぞ
「あのね…さっきから皆餓鬼と何回も言うけど私は……!?」
なにかがおかしいとようやく感じとった
私の手にしてはやけに小さい
それは足にも言える
服もよく見ればぶかぶかだし自分の肌とは思えないほどもちもち肌だ。
まるで自分が若返ったような……
私は近くにあった水の入った桶を自分の元にたぐり寄せ水面を覗いた
「なにこれ…これが私なの!?」
そこに映るのは私であって私じゃない
5歳の頃の私だったのだ
昔と同じような黒い艶のある長髪
黒く吸い込まれそうな潤む瞳
驚きでその場で気絶しそうだった。
「これが…私!?異世界召喚に巻き込まれた影響かな?」
ブツブツとあの時あった出来事を思い出して考えているとどこからかジャラジャラと音が聞こえてきた。
音のする方を見れば首に繋げられた鎖を引きずってドラゴンが近づいてきた
「お前…異世界召喚者か!?」
驚いた顔をしながら私を見つめるドラゴンがあまりにも近すぎて失神しそうになったがなんとか踏みとどまって意識を保つようにした。
「えっと、私は異世界召喚の義に巻き込まれた中身は20歳の日本人…です」
苦笑しながらそう説明すれば、ドラゴンは「そうか…」と呟いて1度顔を離して距離をとってくれた
「…ん?お前今なんと言った?」
「えっ?だから異世界召喚の義に巻き込まれた中身は20歳の日本人です」
その瞬間ドラゴンの中ではなにか計算がされてた
ぽくぽくぽくチーンと聞こえのではないかといった様子で笑いそうになるのを堪えるとドラゴンはまた私に顔を近づけて質問してきた……
いや、この様子からして詰問か
「ということはお前はもう既に成人しているということか!?」
あっそうか…今私の姿はちんちくりんな幼女だから驚くのも無理はないのか。
となると今まで私が餓鬼扱いされたのも納得がいく。
「まぁね…異世界召喚の影響かなんかでちっちゃくなったのかもしれない
それにしても…私はこれからどうなるのか…」
なにか知ってることはないかとドラゴンに聞けば、良くて奴隷堕ちで悪ければ死刑だと言われて震えが止まらなかった。
いやいやいや!大体私は異世界召喚に巻き込まれた人で城に侵入した餓鬼じゃないから!
というか私って異世界召喚されたんだよね?
そしたらなにかスキルでもあるんじゃないかな?
「ステータスオープンとか唱えたらなんか出てこないかな……」
そう…私は呟いただけだ。
「まさか本当にできるとは思ってなかった…」
目の前に現れたよくある半透明なスクリーンを凝視してそうつぶやくと
「召喚の義に巻き込まれたとはいえ異世界から来たのだからステータスくらいは見れて当然だ…」
なんてドラゴンに言われた
私がそんな知識持ってるわけないだろ!
確かに私はアニオタでよく異世界系の漫画とか読んでたけど作品ひとつひとつのルールとか違うからよくわかんないんだよ!
いやそれよりもこのステータスだ
HPやMPはどちらも2~3万はあると思う…なんだこれぶっ壊れてるのか?
そしてこちらはスキルか…
鑑定や無限収納など異世界小説とかでよくあるスキルや…
この電子世界と変装というスキルは一体?
「ねぇ…これって強いの?」
「うむ…そこら辺にいる人間よりかはステータスが遥かに高い」
顔をひきつらせながらそう説明するドラゴンの言葉が本当ならこんな所にいる必要はないな。
「よし…ここから逃げるか!
もちろんあなたも!」
「…はぁ!?」
突拍子のない私の発言に驚きを隠せないでいるドラゴンに向かってニカッと笑うと小さな手を差し伸べた。
「お前正気か…?」
正気じゃなかったらなんだというのか
それに私一人がここから逃げる訳では無い
今私の目の前にいるドラゴンも一緒だ
「大体…こんな気持ち悪いところで何年も暮らすなんて死んでもゴメンだわ!
なら私達ができる最善の方法でここから逃げましょう!」
そう言うとそこら辺にある石の欠片を拾うと自分の指に目掛けてそれを振り下ろした。
指先の痛みと同時に血が流れ泣きそになったが必死に耐えてそれをドラゴンに差し出した。
「お前…なにをしているのかわかってるのか?」
私の顔を睨みなんのつもりだと呟くドラゴン…それとは反して冷静に私はあなたに僅かな血を与えると言った。
「いや~さっき自分のステータスを確認した時に鑑定スキルがあることを知ってさ…
あなた…そこら辺のドラゴンとは比べ物にならないくらいめちゃくちゃ強いドラゴンなんでしょ?
しかも血を与えるとものすごい力を発揮するとか?」
ニヤリと笑い血を差し出す様子はまさに悪魔だと思う
それでも私は話を続けた
「私はこんな牢屋から抜け出したい…でもそんな力は持ってない
そこであなたの力を借りたいのよ
私の血を代償にね……」
沈黙が続いてどうしようかと考えたその時溜息をつくドラゴンが一頭
私の血を流した指に近づきボソリと呟いた
「後で…後悔するなよ」
ん?待って後悔ってなに!?
嫌な予感して指を引っ込めようとしてももう遅い
私の指を咥えて舌で転がしているのがはっきりわかる
なんというか…すごい絵面だな
血を流した幼女の指を丁寧に優しく舐めてるドラゴン
私にそんな趣味はないぞ!
ようやく血を舐めとったドラゴンはふぅ…と息を吐きカッと目を開いた
「えっ…!?ほんのちょっと血をあげただけなのに…!」
この威圧はなんだ
鑑定スキルを使ってステータスを見て2度見した
異常なまでに上がったHPとMP…他にも容姿が変わった
先程まで鉄が錆びたように茶色く汚れた鱗はどこへ行ったのかと思えてしまう黒く艶のある鱗へと生まれ変わった
ボロボロになっていた翼もすっかり綺麗に治ってる
「この力…流石は異世界から来た人間ということか」
しかもこのドラゴン…身体が大きいような気がする
さっきまでポニーサイズだったはずなのにその何倍もあるのは私の血のおかげなのか
「なるほど…これならお前を連れてここから出れるな」
今度はドラゴンが私に前足を差し伸べて来た
顎をクイッと動かしてる様子からして背中に乗れと言いたいのか
ならその言葉に甘えよう
「私の名前は山下加奈
この城を…いや国を出るまでよろしくね!」
どこにでもいる女子大生だ
平凡な名前と平凡な容姿…まぁ四年制大学に通わせてもらってるだけありがたいと思わないとね。
今日も奨学金を返すために夜遅くまでバイトをして帰る途中だ
疲れきって少しおぼつかない足取りで歩いていると近くの人とぶつかってしまった。
「あっ…ごめんなさい……!」
ただ謝ろうとしたその時だった
足元が突然光りなにかサークルのようなものが浮かんできて気味が悪い。
こんなの化学で証明できない
何が起きているのかさっぱりわからないまま段々と眩しくなる視界に目をそらそうとギュッと目を閉じてしまった。
そして私の意識はそこで途絶えた。
気がつけばそこは先程までいた日本ではない…それだけはわかる。
何故なら私の周りに知らない深くフードを被った人達が沢山いたからだ。
これはあれか?
異世界召喚ってやつか?
皆疲れきった顔をしてるが、反面喜んだ顔をしてる。
「ついにやった…!聖女様の召喚に成功したぞ!」
やはりか…聖女召喚の儀をやってるのか
こういうのって本当にあるんだな…そして私が聖女になるのか?
「さぁ…ゆっくりとは出来ませんがこちらで説明をするのでお手をどうぞ!」
私はずっと黙っていた
周りの人達が怖いからとかそんなんじゃなくて
私に差し伸べられた手なんてなかったからだ
一体どういうことだと横を見ればそこには私なんかよりも綺麗な女性がキョトンとした表情で差し伸べられた手をとっている様子があった。
なるほど…私は巻き込まれ召喚の被害者というものか。
「あっ…あの……」
ようやく勇気を振り絞って近くの人に声をかければ私の存在に気づいて睨みつけてきた。
「なんだお前…どこから入ってきた!」
いや…私巻き込まれたんですけど
私の話は全く聞かず、そのまま捕らえられて牢屋に入れられました……。
いやなんで!?
鉄格子をつかんで何故私を牢屋に入れたのかを聞けば、バカでかい声でうるさいと言われて剣先をつきつけられた。
「お前はどこから入ってきたかはわからんが侵入者だということは変わらない!」
いやだから私は巻き込まれた人なんですけど!
「まったく…餓鬼がどうやって城の中に侵入してきたのか
聖女様の横にお前がいるなんて許されないことなのだ!」
まあ失礼な…確かに日本人は幼く見られがちだけど餓鬼はないだろ私これでも20歳なんだぞ
頬を膨らませ私を牢屋に入れた城の兵士のような人が去るのを見て鉄格子から離れると近くの椅子に座って考えた。
これからどうしようか…
「…………おい餓鬼」
また餓鬼呼びですか…
私の心はまあまあ広いから素直に顔をあげればそこには誰もいない
どこから私を呼んでいるんだと思いキョロキョロと辺りを見回すとギョッとして腰を抜かしそうになった。
「なっ…えっ?ドラゴン!?」
まるで鉄が錆びたように汚れた鱗、そしてそれとは反するように輝く金色の瞳
一瞬作り物なのではないかと感じたが顔をこちらに向けてさらに近づいてきたのでちゃんと生きているのだとすぐにわかった。
そして同時にここが異世界なのだと改めて理解することにもなった。
「まだ餓鬼なのに俺様と同じ牢に入れられるとはな…なにをすればそうなるんだ?」
またこいつも私を餓鬼というのか
そろそろ私の怒りメーターもマックスになるぞ
「あのね…さっきから皆餓鬼と何回も言うけど私は……!?」
なにかがおかしいとようやく感じとった
私の手にしてはやけに小さい
それは足にも言える
服もよく見ればぶかぶかだし自分の肌とは思えないほどもちもち肌だ。
まるで自分が若返ったような……
私は近くにあった水の入った桶を自分の元にたぐり寄せ水面を覗いた
「なにこれ…これが私なの!?」
そこに映るのは私であって私じゃない
5歳の頃の私だったのだ
昔と同じような黒い艶のある長髪
黒く吸い込まれそうな潤む瞳
驚きでその場で気絶しそうだった。
「これが…私!?異世界召喚に巻き込まれた影響かな?」
ブツブツとあの時あった出来事を思い出して考えているとどこからかジャラジャラと音が聞こえてきた。
音のする方を見れば首に繋げられた鎖を引きずってドラゴンが近づいてきた
「お前…異世界召喚者か!?」
驚いた顔をしながら私を見つめるドラゴンがあまりにも近すぎて失神しそうになったがなんとか踏みとどまって意識を保つようにした。
「えっと、私は異世界召喚の義に巻き込まれた中身は20歳の日本人…です」
苦笑しながらそう説明すれば、ドラゴンは「そうか…」と呟いて1度顔を離して距離をとってくれた
「…ん?お前今なんと言った?」
「えっ?だから異世界召喚の義に巻き込まれた中身は20歳の日本人です」
その瞬間ドラゴンの中ではなにか計算がされてた
ぽくぽくぽくチーンと聞こえのではないかといった様子で笑いそうになるのを堪えるとドラゴンはまた私に顔を近づけて質問してきた……
いや、この様子からして詰問か
「ということはお前はもう既に成人しているということか!?」
あっそうか…今私の姿はちんちくりんな幼女だから驚くのも無理はないのか。
となると今まで私が餓鬼扱いされたのも納得がいく。
「まぁね…異世界召喚の影響かなんかでちっちゃくなったのかもしれない
それにしても…私はこれからどうなるのか…」
なにか知ってることはないかとドラゴンに聞けば、良くて奴隷堕ちで悪ければ死刑だと言われて震えが止まらなかった。
いやいやいや!大体私は異世界召喚に巻き込まれた人で城に侵入した餓鬼じゃないから!
というか私って異世界召喚されたんだよね?
そしたらなにかスキルでもあるんじゃないかな?
「ステータスオープンとか唱えたらなんか出てこないかな……」
そう…私は呟いただけだ。
「まさか本当にできるとは思ってなかった…」
目の前に現れたよくある半透明なスクリーンを凝視してそうつぶやくと
「召喚の義に巻き込まれたとはいえ異世界から来たのだからステータスくらいは見れて当然だ…」
なんてドラゴンに言われた
私がそんな知識持ってるわけないだろ!
確かに私はアニオタでよく異世界系の漫画とか読んでたけど作品ひとつひとつのルールとか違うからよくわかんないんだよ!
いやそれよりもこのステータスだ
HPやMPはどちらも2~3万はあると思う…なんだこれぶっ壊れてるのか?
そしてこちらはスキルか…
鑑定や無限収納など異世界小説とかでよくあるスキルや…
この電子世界と変装というスキルは一体?
「ねぇ…これって強いの?」
「うむ…そこら辺にいる人間よりかはステータスが遥かに高い」
顔をひきつらせながらそう説明するドラゴンの言葉が本当ならこんな所にいる必要はないな。
「よし…ここから逃げるか!
もちろんあなたも!」
「…はぁ!?」
突拍子のない私の発言に驚きを隠せないでいるドラゴンに向かってニカッと笑うと小さな手を差し伸べた。
「お前正気か…?」
正気じゃなかったらなんだというのか
それに私一人がここから逃げる訳では無い
今私の目の前にいるドラゴンも一緒だ
「大体…こんな気持ち悪いところで何年も暮らすなんて死んでもゴメンだわ!
なら私達ができる最善の方法でここから逃げましょう!」
そう言うとそこら辺にある石の欠片を拾うと自分の指に目掛けてそれを振り下ろした。
指先の痛みと同時に血が流れ泣きそになったが必死に耐えてそれをドラゴンに差し出した。
「お前…なにをしているのかわかってるのか?」
私の顔を睨みなんのつもりだと呟くドラゴン…それとは反して冷静に私はあなたに僅かな血を与えると言った。
「いや~さっき自分のステータスを確認した時に鑑定スキルがあることを知ってさ…
あなた…そこら辺のドラゴンとは比べ物にならないくらいめちゃくちゃ強いドラゴンなんでしょ?
しかも血を与えるとものすごい力を発揮するとか?」
ニヤリと笑い血を差し出す様子はまさに悪魔だと思う
それでも私は話を続けた
「私はこんな牢屋から抜け出したい…でもそんな力は持ってない
そこであなたの力を借りたいのよ
私の血を代償にね……」
沈黙が続いてどうしようかと考えたその時溜息をつくドラゴンが一頭
私の血を流した指に近づきボソリと呟いた
「後で…後悔するなよ」
ん?待って後悔ってなに!?
嫌な予感して指を引っ込めようとしてももう遅い
私の指を咥えて舌で転がしているのがはっきりわかる
なんというか…すごい絵面だな
血を流した幼女の指を丁寧に優しく舐めてるドラゴン
私にそんな趣味はないぞ!
ようやく血を舐めとったドラゴンはふぅ…と息を吐きカッと目を開いた
「えっ…!?ほんのちょっと血をあげただけなのに…!」
この威圧はなんだ
鑑定スキルを使ってステータスを見て2度見した
異常なまでに上がったHPとMP…他にも容姿が変わった
先程まで鉄が錆びたように茶色く汚れた鱗はどこへ行ったのかと思えてしまう黒く艶のある鱗へと生まれ変わった
ボロボロになっていた翼もすっかり綺麗に治ってる
「この力…流石は異世界から来た人間ということか」
しかもこのドラゴン…身体が大きいような気がする
さっきまでポニーサイズだったはずなのにその何倍もあるのは私の血のおかげなのか
「なるほど…これならお前を連れてここから出れるな」
今度はドラゴンが私に前足を差し伸べて来た
顎をクイッと動かしてる様子からして背中に乗れと言いたいのか
ならその言葉に甘えよう
「私の名前は山下加奈
この城を…いや国を出るまでよろしくね!」
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