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学校、それは私にとっての多くの刺激
座学も実技科目も私一人ではできないことばかりで環境を変えるだけで多くの変化に気づくことができた。
「アカリちゃん!お昼休みになったらクラスの皆でドッジボールをしない?」
「ドッジボール...やりたい。」
普段は私だけ身体強化ありのドッジボール大会に参加はしてたけど周りは全員大人で盛り上がってはいたけどなんというか若さが少し足りなかった。
それに毎回私だけ身体強化をするというのも力のコントロールをする良い機会だけど人間のように非力な状態で遊んでみたかったんだ。
私は本日最もテンションの上がった状態で皆でグラウンドに向かった。
「審判は俺がやるね~。
ルールは単純、当たったらアウトな男女混合のドッジボール。
コツは特にない、とにかく避けて敵陣にいる相手にボールをぶつけられたらオッケ!」
なるほど、ボールは一つで行うのか
義獣人隊の基地ではボールは三つ使ってたからあらゆる方向を警戒する必要があった。これも訓練の一環だと思って容赦なくやれとか言われた。
でもここではガチでやる必要性はないみたい。
学校に行く前に皆に言われた「とにかく楽しめ」という言葉は今この状況がぴったりなのかもしれない。
そうだ、私のチームはどっちだ?
赤対白といったチーム分けはされたけど、どっちがどっちなのかわからない。
「やった~!アカリちゃんと同じ赤チーム!」
「足引っ張んなよ久本。」
良かった、まだ馴染みのあるミキちゃんと同じチームみたいだ。
どうやら彼女は運動が苦手みたいでいつも初手で狙われて外野行きになるそうだ。
あれだ...戦場にたったら真っ先にやられるタイプだ。
「ミキちゃん、大丈夫なんとかなる。」
「だと良いんだけど...。」
試合開始のホイッスルと同時にボールは相手チームの内野に回った。
これはあれか...先に弱いやつから落とすやつだな。
どういうわけか私のチームには運動についてあまり自身のない生徒が多いとミキちゃんは言ってた。
これは先生...測ったな?
ちらりと有栖川先生を見れば何故か義獣人隊のみに使われるハンドサインを送ってきた。
なぜ知っているんだよあの合図を...。
「(負けたくないなら勝て...後で問い詰めてやる。)」
誰にも気づかれないように小さく舌打ちを鳴らして飛んでくるボールに向かって走ると、真正面からまだ勢いの残るボールを受け止めた。
ふむ、この程度の威力を意識して投げれば良いのか。
これなら楽勝だな
「フン...ッ!」
それっぽい声を出してボールを投げれば先程飛んできたときより少し威力のある状態で返せば、相手にとって一番の戦力であろう男子生徒を外野送りにしてやった。
「うわぁ...アカリちゃんすごい!あの勇利くんが反応できてなかったよ!」
「彼、そんなに強いの?」
私には誰が強いのかなんてどんぐりの背比べにしか感じ取れない。
人間は皆弱いからな
「勇利くんはこの学校で一番スポーツのできる人なんだよ!
前にボールを投げたときの速度を測ったことがあるんだけどなんと時速150km毎秒だったんだから!」
それって別にミキちゃんが自慢気に説明しなくてもいいよね?
でも情報提供はありがたいよ、わかったことは参考にしてはいけない生徒のボールを受け止めてそれより少し早く強く投げてしまったことだろうか。
ここからは大人しくしているか
「ごめんミキちゃん、張り切りすぎて腕痛めた。
だからしばらく物投げられない。」
「嘘!?アカリちゃん大丈夫?」
全然大丈夫。何なら嘘ついたことによる心の痛みの方が半端ない。
軽く胸に手を当てて心配ないよと伝えると、彼女は眉を八の形にしながらも笑った。
とりあえず嘘ついたからには回避に専念しないとね、集中して今の設定を意識するんだ。
私は右手負傷した女子生徒...この自己暗示は効果があるのか不安になってきたぞ。
次々と襲いかかるボールの数は明らかに私に集中していた。もう私を仕留めようと必死みたい。
残った左手で上手くボールを受け止めて唯一の戦力である男子にパスすればあとはその繰り返し。
人間のように避けろ、ハイジャンプしてうっかり20メートルジャンプするとか馬鹿なことはしないように慎重に。
「はい試合終了~勝者は赤チーム。」
耳を刺すかのような勢いで鳴り響くホイッスルの音に耳を塞ぐと急にミキちゃんに抱きつかれた。
「やったぁ勝ったんだよ私達!
勇利くんにが入ってるチームに勝てたんだ!」
今日がはじめましてだというのに頬ずりしてくる程にフレンドリーなミキちゃんに困惑しながらも周りを見ると、どんどん私の周りに人が集まってきて更に困惑した。
「アカリちゃん強いね!勇利くんも強いのにびっくりしちゃった。」
急に名前も知らない生徒がやってきたから一瞬顔を顰めそうになった。
「そういえばまだ自己紹介してなかったね。
私は山崎 芽衣、お好きな呼び方でどうぞ~。」
ニッコリと笑って人当たりの良さそうなこの感じは私には少しばかり強い優しさだな。まあでもいい人には変わりないから仲良くするのも吉だな。
「よろしく、めいちゃん。」
今日だけで三人も友だちができた...といっても良いのだろうか?
よく話しかけてくれるミキちゃんに呆れたようにミキちゃんをみる希ちゃんとめいちゃん。
とても仲が良くて私が入る好きなんてないほどだ。
うらやましいな
無意識にそんな感情が生まれてはそんなことを考えてはだめだと抑えて無理やり飲み込むんだ。
「ねえアカリちゃん、保健室に行こうよ!腕を痛めたままだと後に何が起きるかわからないよ。」
心配そうにこちらを見つめているミキちゃんの話を聞いて顔を顰める希ちゃんとめいちゃんはミキちゃんに問い詰めていた。
そこは私じゃないんだ...まあ問い詰められると少し困るからありがたいけど。
三人は腕を痛めたという私の設定を真に受けて私を保健室に連れてこうとしていたからどうしようかと考えた。
ここで保健室に言ってなんてことのないきれいな肌のみが見えていたらなんて反応するか...。
「なんだ五十嵐怪我したのか?」
「先生!私達がアカリちゃんを保健室に案内します!」
救いの手になるのかわからない有栖川先生の登場により私は内心バクバクだった。
ちらりとこちらを向いてじっとこちらを見てくる先生。少し試すか。
三人に見られないように、先生には見えるように片手でハンドサインを送ると、目を丸くしてニヤリと笑った。
「いや、三人は先に教室に戻って次の授業に出なさい。職員室に戻るついでに五十嵐を保健室に連れて行くから。」
「うーん...心配だけどまあ先生にそう言われると返せないんだよね。」
「やっぱり罪な男だね先生!」
あ、やっぱり有栖川先生ってキャーキャー言われるタイプの人だったんだ。
三人と別れて横に並んで保健室に向かっていると、人気のない裏庭を通っているのは意図的なのだろうか。
「さてと...ここなら話もできるでしょ。
なにか聞きたいんじゃあないの?」
急に歩くスピードをゆっくりにしたかと思えば私の方を聞いてきた。
聞きたいことはあるさ。まずはなぜ義獣人隊に入らないと教えられないハンドサインを学校の先生が知っているんだ。
大体、なぜこの人が義獣人について知っているのかも気になるし頭が混乱しそうだ。
しかし逆に冷静になってみよう。なぜ義獣人を知っているか、そしてそれこそがハンドサインを使ってきた理由になるのではないのか?
「先生は...義獣人なの?」
座学も実技科目も私一人ではできないことばかりで環境を変えるだけで多くの変化に気づくことができた。
「アカリちゃん!お昼休みになったらクラスの皆でドッジボールをしない?」
「ドッジボール...やりたい。」
普段は私だけ身体強化ありのドッジボール大会に参加はしてたけど周りは全員大人で盛り上がってはいたけどなんというか若さが少し足りなかった。
それに毎回私だけ身体強化をするというのも力のコントロールをする良い機会だけど人間のように非力な状態で遊んでみたかったんだ。
私は本日最もテンションの上がった状態で皆でグラウンドに向かった。
「審判は俺がやるね~。
ルールは単純、当たったらアウトな男女混合のドッジボール。
コツは特にない、とにかく避けて敵陣にいる相手にボールをぶつけられたらオッケ!」
なるほど、ボールは一つで行うのか
義獣人隊の基地ではボールは三つ使ってたからあらゆる方向を警戒する必要があった。これも訓練の一環だと思って容赦なくやれとか言われた。
でもここではガチでやる必要性はないみたい。
学校に行く前に皆に言われた「とにかく楽しめ」という言葉は今この状況がぴったりなのかもしれない。
そうだ、私のチームはどっちだ?
赤対白といったチーム分けはされたけど、どっちがどっちなのかわからない。
「やった~!アカリちゃんと同じ赤チーム!」
「足引っ張んなよ久本。」
良かった、まだ馴染みのあるミキちゃんと同じチームみたいだ。
どうやら彼女は運動が苦手みたいでいつも初手で狙われて外野行きになるそうだ。
あれだ...戦場にたったら真っ先にやられるタイプだ。
「ミキちゃん、大丈夫なんとかなる。」
「だと良いんだけど...。」
試合開始のホイッスルと同時にボールは相手チームの内野に回った。
これはあれか...先に弱いやつから落とすやつだな。
どういうわけか私のチームには運動についてあまり自身のない生徒が多いとミキちゃんは言ってた。
これは先生...測ったな?
ちらりと有栖川先生を見れば何故か義獣人隊のみに使われるハンドサインを送ってきた。
なぜ知っているんだよあの合図を...。
「(負けたくないなら勝て...後で問い詰めてやる。)」
誰にも気づかれないように小さく舌打ちを鳴らして飛んでくるボールに向かって走ると、真正面からまだ勢いの残るボールを受け止めた。
ふむ、この程度の威力を意識して投げれば良いのか。
これなら楽勝だな
「フン...ッ!」
それっぽい声を出してボールを投げれば先程飛んできたときより少し威力のある状態で返せば、相手にとって一番の戦力であろう男子生徒を外野送りにしてやった。
「うわぁ...アカリちゃんすごい!あの勇利くんが反応できてなかったよ!」
「彼、そんなに強いの?」
私には誰が強いのかなんてどんぐりの背比べにしか感じ取れない。
人間は皆弱いからな
「勇利くんはこの学校で一番スポーツのできる人なんだよ!
前にボールを投げたときの速度を測ったことがあるんだけどなんと時速150km毎秒だったんだから!」
それって別にミキちゃんが自慢気に説明しなくてもいいよね?
でも情報提供はありがたいよ、わかったことは参考にしてはいけない生徒のボールを受け止めてそれより少し早く強く投げてしまったことだろうか。
ここからは大人しくしているか
「ごめんミキちゃん、張り切りすぎて腕痛めた。
だからしばらく物投げられない。」
「嘘!?アカリちゃん大丈夫?」
全然大丈夫。何なら嘘ついたことによる心の痛みの方が半端ない。
軽く胸に手を当てて心配ないよと伝えると、彼女は眉を八の形にしながらも笑った。
とりあえず嘘ついたからには回避に専念しないとね、集中して今の設定を意識するんだ。
私は右手負傷した女子生徒...この自己暗示は効果があるのか不安になってきたぞ。
次々と襲いかかるボールの数は明らかに私に集中していた。もう私を仕留めようと必死みたい。
残った左手で上手くボールを受け止めて唯一の戦力である男子にパスすればあとはその繰り返し。
人間のように避けろ、ハイジャンプしてうっかり20メートルジャンプするとか馬鹿なことはしないように慎重に。
「はい試合終了~勝者は赤チーム。」
耳を刺すかのような勢いで鳴り響くホイッスルの音に耳を塞ぐと急にミキちゃんに抱きつかれた。
「やったぁ勝ったんだよ私達!
勇利くんにが入ってるチームに勝てたんだ!」
今日がはじめましてだというのに頬ずりしてくる程にフレンドリーなミキちゃんに困惑しながらも周りを見ると、どんどん私の周りに人が集まってきて更に困惑した。
「アカリちゃん強いね!勇利くんも強いのにびっくりしちゃった。」
急に名前も知らない生徒がやってきたから一瞬顔を顰めそうになった。
「そういえばまだ自己紹介してなかったね。
私は山崎 芽衣、お好きな呼び方でどうぞ~。」
ニッコリと笑って人当たりの良さそうなこの感じは私には少しばかり強い優しさだな。まあでもいい人には変わりないから仲良くするのも吉だな。
「よろしく、めいちゃん。」
今日だけで三人も友だちができた...といっても良いのだろうか?
よく話しかけてくれるミキちゃんに呆れたようにミキちゃんをみる希ちゃんとめいちゃん。
とても仲が良くて私が入る好きなんてないほどだ。
うらやましいな
無意識にそんな感情が生まれてはそんなことを考えてはだめだと抑えて無理やり飲み込むんだ。
「ねえアカリちゃん、保健室に行こうよ!腕を痛めたままだと後に何が起きるかわからないよ。」
心配そうにこちらを見つめているミキちゃんの話を聞いて顔を顰める希ちゃんとめいちゃんはミキちゃんに問い詰めていた。
そこは私じゃないんだ...まあ問い詰められると少し困るからありがたいけど。
三人は腕を痛めたという私の設定を真に受けて私を保健室に連れてこうとしていたからどうしようかと考えた。
ここで保健室に言ってなんてことのないきれいな肌のみが見えていたらなんて反応するか...。
「なんだ五十嵐怪我したのか?」
「先生!私達がアカリちゃんを保健室に案内します!」
救いの手になるのかわからない有栖川先生の登場により私は内心バクバクだった。
ちらりとこちらを向いてじっとこちらを見てくる先生。少し試すか。
三人に見られないように、先生には見えるように片手でハンドサインを送ると、目を丸くしてニヤリと笑った。
「いや、三人は先に教室に戻って次の授業に出なさい。職員室に戻るついでに五十嵐を保健室に連れて行くから。」
「うーん...心配だけどまあ先生にそう言われると返せないんだよね。」
「やっぱり罪な男だね先生!」
あ、やっぱり有栖川先生ってキャーキャー言われるタイプの人だったんだ。
三人と別れて横に並んで保健室に向かっていると、人気のない裏庭を通っているのは意図的なのだろうか。
「さてと...ここなら話もできるでしょ。
なにか聞きたいんじゃあないの?」
急に歩くスピードをゆっくりにしたかと思えば私の方を聞いてきた。
聞きたいことはあるさ。まずはなぜ義獣人隊に入らないと教えられないハンドサインを学校の先生が知っているんだ。
大体、なぜこの人が義獣人について知っているのかも気になるし頭が混乱しそうだ。
しかし逆に冷静になってみよう。なぜ義獣人を知っているか、そしてそれこそがハンドサインを使ってきた理由になるのではないのか?
「先生は...義獣人なの?」
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