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おかしい…

最近リューコが私を無視している気がする

ニコやジェリーに聞いても何も知らないらしいし…他の科に聞いていても知らないと言われてしまった。

気になってリューコを観察していると最近生き生きとしているというか、小さな傷が増えたな

運動量を前よりも増やして何かを頑張っているみたいだし…

どうも最近私はリューコを意識しすぎているみたいだ。


「なぁジェリー…リューコの好物ってスイーツだよな?」

「えっ…?まぁそうですね

たしかその中でもいちごタルトが好きだとか言ってましたね」


なんだそれ初耳だぞ

まさか私の知らないことをジェリーが知っているなんて

母親としてもっとしっかり娘を見るべきだったか…反省しないと


「しかし気になるな…少し前からよく秋元司令官と一緒に施設内にあるキャンプ場に遊びに言っているんだ」


子供だから遊びに行くのは全然いいよ

それにキャンプ場で体を動かして楽しむわけだからさらにいいよ

だが……


「仕事終わっていざリューコの部屋に行けばもうとっくに寝てるんだ…

仕事帰りの親ってこんな気持ちなんだ…!」

「うわぁ…ポチさんが親になるのだって信じられないのに今のポチさん完全に母親の顔をしてる

信じられないことですねニコさん」


まるで珍しいものを見るかのような目で見てくるニコとジェリーをキッと睨み返して手元にあったコーヒーをがぶ飲みすると立ち上がった。

よし決めた

今から極秘の任務を開始しよう



「ちょっと出かけてくる

このことはリューコに内緒で…」

「ハイハイこっそりリュウのガキの様子を見に行くんスね

いってらっしゃい」


違うそうじゃない

………そう思っているのに、そう言いたいのになかなか口に出せないこの言葉

ここまでこないと気が付かない私も随分鈍くなった



「母親として、娘が心配なのは当然だろ?」

 

この世に普通はない

血の繋がった親子も繋がっていない親子も同じ「親子」なんだ

もし血の繋がっていない親子を普通でないと言う者がいればきっと…


血の繋がった親子を普通でないと言う者がいるのだろう


私はきっと血の繋がった親子がいてもそれを普通と見ることは出来ないかもしれない


私にだって血の繋がった親が

そうだ…それは過去の話だ

今は話すべきことではない

例え今、頭の中で子供の頃に体験した悪夢が蘇ったとしてもだ

あれは口にしてはいけないものだ

そんな昔話は私が死ぬその瞬間まで話すことの無い

今はただ笑って仲間と接して娘と接するんだ。


いや…どちらかと言うと娘を尾行すると行った方が正しいのか?


まあそんなのどうでもいいや
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