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鷹華のご奉仕 終
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天より降り立った鷹華が、春日に向けて騎兵銃から熱量弾を放つ!
「にゃにいぃ!?」
しかし、熱量弾は春日を庇い、その眼前に出た鸚鵡が発する粒子パルスにより無効化される。
「び、びっくりしたにゃ……そう言えば報告で警護ドローンの他に給仕型アンドロイドが一体だけ配備されているとは聞いていたにゃ…」
鸚鵡に守られる春日は、背中からオペラグラス型のサーチマシンを展開。それで鷹華を検分する。
「ふむ、オーダーメイドの給仕型か…多目的機能の一つとして一応の戦闘が可能。かなり手を加えられているが、一般給仕より多少出力が優れている程度だにゃ…ならば無問題。者共!かかれ!!!」
号令と共に、鸚鵡の大群は一斉に鷹華へと襲い掛かる!
軍用アンドロイドと給仕型はフレームからして違う。
給仕型では構造上で搭載不可能な高出力ドライブを軍用アンドロイドは通常搭載しているのだ。
鸚鵡の群体はその出力を用いた、人体では認識不能な速度で鷹華を取り囲むと、自動小銃を一斉掃射する!
それにより鷹華は一瞬でスクラップになる!……訳がない。
「『給仕の嗜み』…参の段『完全解放』!」
コンマにすら満たぬ刹那で、解放される、鷹華が秘める全ての潜在能力。
あらゆる制限を解除された彼女の知覚は、給仕型アンドロイドの枠を超えて、電子空間の中枢にまで広がる。
その光速化した思考回路により時が停止した様な空間が生まれ、その中で鷹華は最適行動を導き出し、そして実行する。
鷹華はスカートから二丁の自動拳銃を取り出すと、踊る様に自身を取り囲む銃弾の嵐へ向けて銃撃を繰り返す。
肉眼で観測すれば、その駆動は、鷹華が幾人にも分裂したように見えるだろう。
事態を把握しきれない春日は驚きの声を発する。
「にゃ、にゃんにゃんだ!?一体これは!?」
鷹華の銃撃により、弾頭同士は重なる。
そして、ビリヤードの様に弾かれて、周囲の銃弾へ連鎖していく。
結果として、鷹華へ撃ちこまれた、銃弾の雨は総て彼女の僅か数cmを掠めて消えた。
「にゃあ!?」
事が終わり、漸く全てを理解した春日は驚愕する。
(偶然…!?いいえ、違うわね。だけど、こんな事が可能なの…?いくら演算能力に優れたAIであろうと…!?」
「さて、春日様…。主様のご学友であろうと許しませんよ」
「にゃん!?…な、何をしているにゃ!者共!早く始末しにゃさいにゃ!」
しかし、鸚鵡は鷹華の周囲を取り囲んだ状態で、身体が凍結したように停止……
「ど、どうしたにゃ…?」
慌てた春日の呼びかけにすら答えない。
慌てる春日に鷹華は冷淡な声をかける。
「無駄ですよ。鸚鵡らをハッキングしてプログラムを支配しましたので……」
「馬鹿にゃ!?軍事AIをハッキングなんて映画や小説の政界の話でしょ!!」
「……これが現実です。春日様」
「……き、貴様は何者?」
「お答えしましょう。『夏目家給仕長』兼『日本軍統括AI』の鷹華と申します。短い間ですがお見知りおきください」
「にゃ…鷹華ぁ!?ほ、本物…?な、夏目ぇ!何を考えているにゃ!こんな怪物AIを勝手に秘匿して、しかも給仕って……実は馬鹿にゃのか?」
「失敬にゃ…確かに、かつて鷹華は大暴走して、地球連合の一個師団を国土と大陸の一部ごと吹き飛ばし壊滅させたことがあるが、それは昔の話だ。今の彼女は立派な淑女にゃ」
「はい♪主様のおかげで鷹華は正気を取り戻しました。故に前回の失敗を反省して今度は平和的に地球連合共を蹂躙して見せます!具体的には地球の周回軌道上にある人工衛星を乗っ取り、連合軍の本部へ墜とします♪連合軍のネットに寄生している私の電子頭脳もただでは済まないでしょうが、彼奴らを道連れならプラマイゼロです!」
「ぼ、暴走してるじゃないか!?これの何処が淑女にゃ!」
「にゃにゃにゃ!今のは冗談さ…そうだろう鷹華♪」
「冗談…?まぁ雑談は、此処までです。春日様…御覚悟を」
鷹華はスカートから攻性ウイルス『マタタビX』を取り出すと春日へ撃ちこむ。
「ま、待て……ぐにゃぁぁ!!猫の本能に飲まれる!!ねこになるにゃああ…にゃあ…なぁ?にゃあにゃあ♪うにゃ!」
「ああ…惨いにゃ」
完全に猫と成った春日は人懐っこく鷹華の足元に擦りつく。
それを見て、夏目は何とも言えない顔をした。
「これで、ミッションコンプリートです。千鳥、後始末はお願いしますね。私は自室で待機します」
『わかった』
鷹華は「にゃあにゃあ」と抗議する猫らを無視して二匹を抱き抱えると、そのまま自室へ連れ帰り、抱き枕代わりにして布団の中で待機状態となる。
「にゃあ!にゃあ!はなすにゃ!つぶれるにゃ!うにゃあ…!?」
そんな、鷹華の素敵で平穏な毎日は、地球連合との最終決戦の時まで続いたとさ。
めでたし、めでたし♪
「にゃにいぃ!?」
しかし、熱量弾は春日を庇い、その眼前に出た鸚鵡が発する粒子パルスにより無効化される。
「び、びっくりしたにゃ……そう言えば報告で警護ドローンの他に給仕型アンドロイドが一体だけ配備されているとは聞いていたにゃ…」
鸚鵡に守られる春日は、背中からオペラグラス型のサーチマシンを展開。それで鷹華を検分する。
「ふむ、オーダーメイドの給仕型か…多目的機能の一つとして一応の戦闘が可能。かなり手を加えられているが、一般給仕より多少出力が優れている程度だにゃ…ならば無問題。者共!かかれ!!!」
号令と共に、鸚鵡の大群は一斉に鷹華へと襲い掛かる!
軍用アンドロイドと給仕型はフレームからして違う。
給仕型では構造上で搭載不可能な高出力ドライブを軍用アンドロイドは通常搭載しているのだ。
鸚鵡の群体はその出力を用いた、人体では認識不能な速度で鷹華を取り囲むと、自動小銃を一斉掃射する!
それにより鷹華は一瞬でスクラップになる!……訳がない。
「『給仕の嗜み』…参の段『完全解放』!」
コンマにすら満たぬ刹那で、解放される、鷹華が秘める全ての潜在能力。
あらゆる制限を解除された彼女の知覚は、給仕型アンドロイドの枠を超えて、電子空間の中枢にまで広がる。
その光速化した思考回路により時が停止した様な空間が生まれ、その中で鷹華は最適行動を導き出し、そして実行する。
鷹華はスカートから二丁の自動拳銃を取り出すと、踊る様に自身を取り囲む銃弾の嵐へ向けて銃撃を繰り返す。
肉眼で観測すれば、その駆動は、鷹華が幾人にも分裂したように見えるだろう。
事態を把握しきれない春日は驚きの声を発する。
「にゃ、にゃんにゃんだ!?一体これは!?」
鷹華の銃撃により、弾頭同士は重なる。
そして、ビリヤードの様に弾かれて、周囲の銃弾へ連鎖していく。
結果として、鷹華へ撃ちこまれた、銃弾の雨は総て彼女の僅か数cmを掠めて消えた。
「にゃあ!?」
事が終わり、漸く全てを理解した春日は驚愕する。
(偶然…!?いいえ、違うわね。だけど、こんな事が可能なの…?いくら演算能力に優れたAIであろうと…!?」
「さて、春日様…。主様のご学友であろうと許しませんよ」
「にゃん!?…な、何をしているにゃ!者共!早く始末しにゃさいにゃ!」
しかし、鸚鵡は鷹華の周囲を取り囲んだ状態で、身体が凍結したように停止……
「ど、どうしたにゃ…?」
慌てた春日の呼びかけにすら答えない。
慌てる春日に鷹華は冷淡な声をかける。
「無駄ですよ。鸚鵡らをハッキングしてプログラムを支配しましたので……」
「馬鹿にゃ!?軍事AIをハッキングなんて映画や小説の政界の話でしょ!!」
「……これが現実です。春日様」
「……き、貴様は何者?」
「お答えしましょう。『夏目家給仕長』兼『日本軍統括AI』の鷹華と申します。短い間ですがお見知りおきください」
「にゃ…鷹華ぁ!?ほ、本物…?な、夏目ぇ!何を考えているにゃ!こんな怪物AIを勝手に秘匿して、しかも給仕って……実は馬鹿にゃのか?」
「失敬にゃ…確かに、かつて鷹華は大暴走して、地球連合の一個師団を国土と大陸の一部ごと吹き飛ばし壊滅させたことがあるが、それは昔の話だ。今の彼女は立派な淑女にゃ」
「はい♪主様のおかげで鷹華は正気を取り戻しました。故に前回の失敗を反省して今度は平和的に地球連合共を蹂躙して見せます!具体的には地球の周回軌道上にある人工衛星を乗っ取り、連合軍の本部へ墜とします♪連合軍のネットに寄生している私の電子頭脳もただでは済まないでしょうが、彼奴らを道連れならプラマイゼロです!」
「ぼ、暴走してるじゃないか!?これの何処が淑女にゃ!」
「にゃにゃにゃ!今のは冗談さ…そうだろう鷹華♪」
「冗談…?まぁ雑談は、此処までです。春日様…御覚悟を」
鷹華はスカートから攻性ウイルス『マタタビX』を取り出すと春日へ撃ちこむ。
「ま、待て……ぐにゃぁぁ!!猫の本能に飲まれる!!ねこになるにゃああ…にゃあ…なぁ?にゃあにゃあ♪うにゃ!」
「ああ…惨いにゃ」
完全に猫と成った春日は人懐っこく鷹華の足元に擦りつく。
それを見て、夏目は何とも言えない顔をした。
「これで、ミッションコンプリートです。千鳥、後始末はお願いしますね。私は自室で待機します」
『わかった』
鷹華は「にゃあにゃあ」と抗議する猫らを無視して二匹を抱き抱えると、そのまま自室へ連れ帰り、抱き枕代わりにして布団の中で待機状態となる。
「にゃあ!にゃあ!はなすにゃ!つぶれるにゃ!うにゃあ…!?」
そんな、鷹華の素敵で平穏な毎日は、地球連合との最終決戦の時まで続いたとさ。
めでたし、めでたし♪
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