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代償と喪失
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「バケ、モノ……」
遠くからロキを眺めていて、思わず心の声が漏れた。
「神聖なる神にバケモノとは失礼ですね」
結界に食い込む剣を受けつつ、ロキはあたしに向かって顔をしかめる。結界は思いのほか固く、アルが諦めずに何度も全力で剣を振るも、ことごとくその一撃を跳ね返していく。
「クソが。アホみたいに固い結界を張りやがって」
「どうやら君は、転生者は自分だけと思っていたクチかな?」
「なんだと?」
「この世界には少なくとも転生者が3人はいる。1人目はお前、2人目はゾルムディア様。……そして、このわたくしこそが3人目の転生者です」
「なん、だと……」
アルの目が驚愕に見開かれる。でも、驚いていたのは彼だけじゃない。あたしもだ。
ちょ、ロキまで転生者だったの?
驚き過ぎて、開いた口が塞がらない。当初こそ転生者なんてアルフォンソぐらいしかいないのかなと思っていたけど、ゾル様はともかくとして、ロキまで転生者だったなんて。
ということは、彼も長い時間転生者であることを隠してこの世界に潜伏していたことになる。そんな人が、他にもいたなんて思いもしなかった。
でも、驚いていられるような状況じゃなかった。ロキが全身からヤバいオーラを放っている。
「それでは同じ転生仲間と分かったところで、わたくしの本当の力を見せてあげましょう」
一瞬だけ、床が抜けてフワっとしたような寒気が走った。
明滅――雷がすぐ近くへと落ちたような、血の気の退く感覚がした。
「ディヴァイン・サークル!」
ロキが叫ぶと、紫色をした衝撃波が同心円状に広がっていく。叫び声を上げる間もなく、あまりに強力な衝撃波はあたりを爆破でもしたかのように吹き飛ばす。
「きゃあああ!」
思わず悲鳴を上げる。
吹っ飛ばされながらも、あたしの体を青白い結界が守ってくれていた。これが無ければ確実に死んでいた。ディヴァイン・サークルと呼ばれた技は、辺りを一気に焼き尽くしていく。炎の輪が同心円状に広がっていくさまは、怖気のする光景だった。
焼け焦げた干ばつ地帯を転がると、一瞬で熱された地面が熱くて「あっつ」って飛び上がった。
「みんなは!?」
辺りを見回すと、あちこちに青白い光が点在している。きっとあれも結界で守られた仲間たちなのだろう。
あたし達のいたところ一帯がまっさらな土地へと変わっている。何もかもが吹き飛ばされ、隕石が落ちて巨大なクレーターでもこしらえたかのような景色だった。
「嘘でしょ……」
アルフォンソに匹敵するか、それを上回る破壊力。どうやらあたし達は、とんでもない相手に出会ってしまったみたい。
「やりやがったな」
結界に守られたアルが恨みがましい目でロキを睨んでいる。彼でさえ、自分を打ち負かせそうな相手に出会ったのは初めてなんだろう。
「なめるなあ!」
衝撃波を耐えきったアルは、ロキへと斬りかかる。ロキは地面から低く浮いていて、誰かがコントローラーで操作でもしているのかというほどスイスイとアルの斬撃をかわしていく。
当たれば一撃必殺の一太刀も、当たらなければダメージを与えられない。アルの顔色に焦りが滲んでいく。
「力んだ斬撃を延々と繰り返し、当たるまで無策に攻撃し続ける。実にエレガントではない」
ロキは真上から振り下ろされた斬撃をサイドステップで外すと、信じられないスピードで左ボディーを放つ。その一撃はアルの肝臓辺りにグサリと突き刺さった。車同士が衝突事故でも起こしたみたいな音がまっさらな地で響く。
「があっ……あ……っ!」
アルが膝をつく。地獄の苦しみが彼の全身へと広がっているのが分かった。
「おや、つまらない。あなたならもう少し楽しませてくれると思ったのですが」
ロキが動けなくなったアルの方へ歩いて行く。このままじゃアルが……。
どうしようかなんて考える前に、あたしはエクスプロージョンを無詠唱で放っていた。爆発する範囲を狭めた分、狭い範囲に魔法の威力が増幅される。
やったか。黒い煙が晴れていく。
――だけど、煙が晴れた先には変わらずロキが立っていた。
「目ざわりですね。先に始末しておきましょうか」
「あ、あ……」
ロキがあたしを見つめた時、あたしは動けなくなっていた。きっとあたしは死ぬんだ。それは空気でしかなかったけど、あたしにすべてを悟らせるのに十分だった。
――終わった、あたしの人生も。
――生まれ変わったらもっと幸せになれるのかな。また転生があるのなら、次はもっと平和な世界でスローライフでも送っていきたいよ。
槍のようにとがった氷の塊が、あたしの方目がけて飛んでくる。間に合わない。速度や距離、あたしのスピードやその他諸々を加味してよけるのは不可能という答えが出た。あとはこの長い一瞬の間に、氷の槍がこの胸を貫くのを待つだけ。
観念したあたしは目を閉じた。
さようなら、アル。さようなら、みんな。さようなら、ゾル様。みんなみんな、大好きだったよ。あたしが生きることを諦めた瞬間、何かが視界の端から飛んできた。
それは、あたしと氷の槍の前に立ちふさがり、あたしが受けるはずであった氷の刃をその身に受けた。
「えっ」
あたしも何が起こったのか、意味が分からなかった。だって、目の前の光景は絶対にありえないものだったから。
「メル……あきらめたら、ダメ、だよ……」
「……ミリア?」
あたしの代わりに氷で串刺しになったのはアルの恋人であり、あたしの親友であったミリアだった。
は?は?は?は?
一体何が起こっているの?
理解がまったく追い付かない。文字通りに、時が止まった。何もかもが静止した世界にあたし達はいた。
止まっていた時が動く。あたしの身代わりになったミリアが倒れ込んだ。あたしは正面から彼女の体を抱き止める。
氷の塊はミリアの腹部から胸部を完全に貫いていた。回復魔法だって何でも治せるわけではない。誰が見ても、もう助からないのは明白だった。
「嘘でしょ……? 嘘でしょ、ミリア。答えてよ!」
「ご、め……ん。今なら助けられるって走ったら、結果こうなっちゃった。やっぱり、わたしは戦士には向いてないな」
血を吐きながら無理くり笑うミリア。心配をかけまいと笑顔を作る彼女の姿が、あまりにも悲しく見えた。
「どうして……?」
どうして、裏切り者のあたしなんかを守ったの?
あなたはただ裏切り者が串刺しになるのを見てざまあと思っていれば良かった。それだけでアルと幸せに生きていけたはずなのに。
あたしの心理が伝わったのか、ミリアが虫の息で口を開く。
「どうして、で、しょうね……。わたしにも、わか……らない」
涙が溢れてくる。ミリアと過ごした日々が、走馬灯のように脳裏をよぎっていく。
「ただ、ね……。メル、あな、た……は、わたしにとって……本当、に、大……切な、存在だったの。理由、は……それ、だけ」
かすれた声で言うミリアの言葉は、いかにも彼女らしいものだった。理由なんてない。ただ、あなたが大事だから助けただけ――いかにも彼女らしい、聖女みたいな答えだった。
「おね、がいが、ある、の……」
「うん」
もはや涙は川のように流れている。どうせ止まらないから、流れっぱなしでその先を聞いた。
「アル、を……」
「うん」
「アル、を……おね、がい、ね……」
ミリアの両目尻から涙がこぼれ落ちる。彼女の残した最後の願い。それは他でもない裏切り者のあたしへと託された。
涙を拭うと、彼女の目は焦点を失った。あたしは黙ったまま、その目を閉じた。
ミリアが死んでしまった。昨日まであんなに元気だったのに。あんなに将来の夢を語り合ったのに。彼女の未来は断ち切られてしまった。
なんなの。
なんなの、これは。
こんなのってないよ。
ミリアは、本当にいい人だった。優しくて、かわいくて、誰にでも平等に接してくれて、どんなことが起こっても寛容だった。
彼女の笑顔が好きだった。彼女の声が好きだった。彼女といられる時間が、他のなによりも愛おしかった。
なのに、なのになのに、それが全部なくなったってこと?
意味が、分からないよ……。
悲しいとか、とっくに通り越して心が何も感じられなくなった。きっと精神の持つ防御反応なんだろう。あるいは、あたし自身がとっくに壊れているのか。ただ、あたしの両目から零れ落ちる涙はいつまでも止まらなかった。
遠くからロキを眺めていて、思わず心の声が漏れた。
「神聖なる神にバケモノとは失礼ですね」
結界に食い込む剣を受けつつ、ロキはあたしに向かって顔をしかめる。結界は思いのほか固く、アルが諦めずに何度も全力で剣を振るも、ことごとくその一撃を跳ね返していく。
「クソが。アホみたいに固い結界を張りやがって」
「どうやら君は、転生者は自分だけと思っていたクチかな?」
「なんだと?」
「この世界には少なくとも転生者が3人はいる。1人目はお前、2人目はゾルムディア様。……そして、このわたくしこそが3人目の転生者です」
「なん、だと……」
アルの目が驚愕に見開かれる。でも、驚いていたのは彼だけじゃない。あたしもだ。
ちょ、ロキまで転生者だったの?
驚き過ぎて、開いた口が塞がらない。当初こそ転生者なんてアルフォンソぐらいしかいないのかなと思っていたけど、ゾル様はともかくとして、ロキまで転生者だったなんて。
ということは、彼も長い時間転生者であることを隠してこの世界に潜伏していたことになる。そんな人が、他にもいたなんて思いもしなかった。
でも、驚いていられるような状況じゃなかった。ロキが全身からヤバいオーラを放っている。
「それでは同じ転生仲間と分かったところで、わたくしの本当の力を見せてあげましょう」
一瞬だけ、床が抜けてフワっとしたような寒気が走った。
明滅――雷がすぐ近くへと落ちたような、血の気の退く感覚がした。
「ディヴァイン・サークル!」
ロキが叫ぶと、紫色をした衝撃波が同心円状に広がっていく。叫び声を上げる間もなく、あまりに強力な衝撃波はあたりを爆破でもしたかのように吹き飛ばす。
「きゃあああ!」
思わず悲鳴を上げる。
吹っ飛ばされながらも、あたしの体を青白い結界が守ってくれていた。これが無ければ確実に死んでいた。ディヴァイン・サークルと呼ばれた技は、辺りを一気に焼き尽くしていく。炎の輪が同心円状に広がっていくさまは、怖気のする光景だった。
焼け焦げた干ばつ地帯を転がると、一瞬で熱された地面が熱くて「あっつ」って飛び上がった。
「みんなは!?」
辺りを見回すと、あちこちに青白い光が点在している。きっとあれも結界で守られた仲間たちなのだろう。
あたし達のいたところ一帯がまっさらな土地へと変わっている。何もかもが吹き飛ばされ、隕石が落ちて巨大なクレーターでもこしらえたかのような景色だった。
「嘘でしょ……」
アルフォンソに匹敵するか、それを上回る破壊力。どうやらあたし達は、とんでもない相手に出会ってしまったみたい。
「やりやがったな」
結界に守られたアルが恨みがましい目でロキを睨んでいる。彼でさえ、自分を打ち負かせそうな相手に出会ったのは初めてなんだろう。
「なめるなあ!」
衝撃波を耐えきったアルは、ロキへと斬りかかる。ロキは地面から低く浮いていて、誰かがコントローラーで操作でもしているのかというほどスイスイとアルの斬撃をかわしていく。
当たれば一撃必殺の一太刀も、当たらなければダメージを与えられない。アルの顔色に焦りが滲んでいく。
「力んだ斬撃を延々と繰り返し、当たるまで無策に攻撃し続ける。実にエレガントではない」
ロキは真上から振り下ろされた斬撃をサイドステップで外すと、信じられないスピードで左ボディーを放つ。その一撃はアルの肝臓辺りにグサリと突き刺さった。車同士が衝突事故でも起こしたみたいな音がまっさらな地で響く。
「があっ……あ……っ!」
アルが膝をつく。地獄の苦しみが彼の全身へと広がっているのが分かった。
「おや、つまらない。あなたならもう少し楽しませてくれると思ったのですが」
ロキが動けなくなったアルの方へ歩いて行く。このままじゃアルが……。
どうしようかなんて考える前に、あたしはエクスプロージョンを無詠唱で放っていた。爆発する範囲を狭めた分、狭い範囲に魔法の威力が増幅される。
やったか。黒い煙が晴れていく。
――だけど、煙が晴れた先には変わらずロキが立っていた。
「目ざわりですね。先に始末しておきましょうか」
「あ、あ……」
ロキがあたしを見つめた時、あたしは動けなくなっていた。きっとあたしは死ぬんだ。それは空気でしかなかったけど、あたしにすべてを悟らせるのに十分だった。
――終わった、あたしの人生も。
――生まれ変わったらもっと幸せになれるのかな。また転生があるのなら、次はもっと平和な世界でスローライフでも送っていきたいよ。
槍のようにとがった氷の塊が、あたしの方目がけて飛んでくる。間に合わない。速度や距離、あたしのスピードやその他諸々を加味してよけるのは不可能という答えが出た。あとはこの長い一瞬の間に、氷の槍がこの胸を貫くのを待つだけ。
観念したあたしは目を閉じた。
さようなら、アル。さようなら、みんな。さようなら、ゾル様。みんなみんな、大好きだったよ。あたしが生きることを諦めた瞬間、何かが視界の端から飛んできた。
それは、あたしと氷の槍の前に立ちふさがり、あたしが受けるはずであった氷の刃をその身に受けた。
「えっ」
あたしも何が起こったのか、意味が分からなかった。だって、目の前の光景は絶対にありえないものだったから。
「メル……あきらめたら、ダメ、だよ……」
「……ミリア?」
あたしの代わりに氷で串刺しになったのはアルの恋人であり、あたしの親友であったミリアだった。
は?は?は?は?
一体何が起こっているの?
理解がまったく追い付かない。文字通りに、時が止まった。何もかもが静止した世界にあたし達はいた。
止まっていた時が動く。あたしの身代わりになったミリアが倒れ込んだ。あたしは正面から彼女の体を抱き止める。
氷の塊はミリアの腹部から胸部を完全に貫いていた。回復魔法だって何でも治せるわけではない。誰が見ても、もう助からないのは明白だった。
「嘘でしょ……? 嘘でしょ、ミリア。答えてよ!」
「ご、め……ん。今なら助けられるって走ったら、結果こうなっちゃった。やっぱり、わたしは戦士には向いてないな」
血を吐きながら無理くり笑うミリア。心配をかけまいと笑顔を作る彼女の姿が、あまりにも悲しく見えた。
「どうして……?」
どうして、裏切り者のあたしなんかを守ったの?
あなたはただ裏切り者が串刺しになるのを見てざまあと思っていれば良かった。それだけでアルと幸せに生きていけたはずなのに。
あたしの心理が伝わったのか、ミリアが虫の息で口を開く。
「どうして、で、しょうね……。わたしにも、わか……らない」
涙が溢れてくる。ミリアと過ごした日々が、走馬灯のように脳裏をよぎっていく。
「ただ、ね……。メル、あな、た……は、わたしにとって……本当、に、大……切な、存在だったの。理由、は……それ、だけ」
かすれた声で言うミリアの言葉は、いかにも彼女らしいものだった。理由なんてない。ただ、あなたが大事だから助けただけ――いかにも彼女らしい、聖女みたいな答えだった。
「おね、がいが、ある、の……」
「うん」
もはや涙は川のように流れている。どうせ止まらないから、流れっぱなしでその先を聞いた。
「アル、を……」
「うん」
「アル、を……おね、がい、ね……」
ミリアの両目尻から涙がこぼれ落ちる。彼女の残した最後の願い。それは他でもない裏切り者のあたしへと託された。
涙を拭うと、彼女の目は焦点を失った。あたしは黙ったまま、その目を閉じた。
ミリアが死んでしまった。昨日まであんなに元気だったのに。あんなに将来の夢を語り合ったのに。彼女の未来は断ち切られてしまった。
なんなの。
なんなの、これは。
こんなのってないよ。
ミリアは、本当にいい人だった。優しくて、かわいくて、誰にでも平等に接してくれて、どんなことが起こっても寛容だった。
彼女の笑顔が好きだった。彼女の声が好きだった。彼女といられる時間が、他のなによりも愛おしかった。
なのに、なのになのに、それが全部なくなったってこと?
意味が、分からないよ……。
悲しいとか、とっくに通り越して心が何も感じられなくなった。きっと精神の持つ防御反応なんだろう。あるいは、あたし自身がとっくに壊れているのか。ただ、あたしの両目から零れ落ちる涙はいつまでも止まらなかった。
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