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遠野さんの独白2
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アテンダーって知ってますか? この前逮捕された議員の方が持っていたような肩書で、要は芸能人が安全に遊ぶために女の子を調達する役割ですね。
僕に近付いて来た彼は志賀と名乗っていましたが、実際のところ本名や素性は不明の人です。彼はメジャーレーベルの人脈から紹介されたアテンダーとのことでした。
いかにもうさん臭い人に見えたので何人かの知人に訊いてみたのですが、実績があるとのことだったのでまあ大丈夫だろうと大して考えも無く信じてしまいました。
当時ももちろん童貞だったんですけど、さすがに「そろそろV系バンドマンのヴォーカリストが童貞ってマズいだろ」と思ったのもあり、彼のアテンドを受けることにしました。もちろん、自分に女性経験が無かったことは黙っていました。
音楽については毎日練習してたから良かったんですが、そっちの方についてはまるで素人だった僕は、正直どうすればいいのか分かりませんでした。色々と動画やネットの情報を得て学んではみたものの、所詮は机上の空論というものです。
当日になってモデルの卵というとても綺麗な女性を当てがわれた僕の初体験は、文字通りの大失敗になりました。
まず、胸を揉む力が強すぎる。AVを見て勉強したせいで、いちいちやることが乱暴。すぐに女の子が激怒してしまいました。
なんて言うんですかね。喩えるなら、ライブでメンバーの一人だけが違う曲を演奏していて、本人だけが間違いに気付いていない状態というか……。まあ、悲惨でしたよ。
結局お客様扱いだった僕はベッドに正座をさせられて、志賀の用意した女性に延々と説教をされていました。彼女からすれば、僕のプレイからは悪意以外のものを感じられなかったんだと思います。
そこで僕は思いました。正直に自分が童貞だと言わない限り、この事態は収拾しないだろうと。
「実は、今日が初めてだったんだ」
そう伝えると、女性は豆鉄砲を喰らったハトのような顔になっていました。まあ、それなりに売れているV系バンドのメンバーが童貞なんて言われたら、多くの人は信じないでしょうからね。
最初は信じてもらえなかったので、根気よく説明を続けました。正直自分でも「何をやっているんだろう」という思いが出てきましたが、そうでもしないと彼女の怒りは収まりそうにありませんでした。僕は何度も何度も、自分が童貞であることを説明し続けました。
ようやく伝わったのか、それとも単に面倒くさくなったのかは知りませんが、彼女は僕を許してくれました。僕は彼女に謝罪しました。とりあえず童貞を捨てておこうなんていう動機であなたを呼んで済まなかったと。
恐らく、彼女は納得して去って行きました。最後まではいかなかったので、結局僕は童貞のままでした。でも、それでもいいと思いました。やはり自分の初めては大切な人に捧げるべきだと思ったので。
ですが、このアテンド騒動はそれで終わりではありませんでした。後日になって、僕は地獄を見ることになりました。
僕に近付いて来た彼は志賀と名乗っていましたが、実際のところ本名や素性は不明の人です。彼はメジャーレーベルの人脈から紹介されたアテンダーとのことでした。
いかにもうさん臭い人に見えたので何人かの知人に訊いてみたのですが、実績があるとのことだったのでまあ大丈夫だろうと大して考えも無く信じてしまいました。
当時ももちろん童貞だったんですけど、さすがに「そろそろV系バンドマンのヴォーカリストが童貞ってマズいだろ」と思ったのもあり、彼のアテンドを受けることにしました。もちろん、自分に女性経験が無かったことは黙っていました。
音楽については毎日練習してたから良かったんですが、そっちの方についてはまるで素人だった僕は、正直どうすればいいのか分かりませんでした。色々と動画やネットの情報を得て学んではみたものの、所詮は机上の空論というものです。
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まず、胸を揉む力が強すぎる。AVを見て勉強したせいで、いちいちやることが乱暴。すぐに女の子が激怒してしまいました。
なんて言うんですかね。喩えるなら、ライブでメンバーの一人だけが違う曲を演奏していて、本人だけが間違いに気付いていない状態というか……。まあ、悲惨でしたよ。
結局お客様扱いだった僕はベッドに正座をさせられて、志賀の用意した女性に延々と説教をされていました。彼女からすれば、僕のプレイからは悪意以外のものを感じられなかったんだと思います。
そこで僕は思いました。正直に自分が童貞だと言わない限り、この事態は収拾しないだろうと。
「実は、今日が初めてだったんだ」
そう伝えると、女性は豆鉄砲を喰らったハトのような顔になっていました。まあ、それなりに売れているV系バンドのメンバーが童貞なんて言われたら、多くの人は信じないでしょうからね。
最初は信じてもらえなかったので、根気よく説明を続けました。正直自分でも「何をやっているんだろう」という思いが出てきましたが、そうでもしないと彼女の怒りは収まりそうにありませんでした。僕は何度も何度も、自分が童貞であることを説明し続けました。
ようやく伝わったのか、それとも単に面倒くさくなったのかは知りませんが、彼女は僕を許してくれました。僕は彼女に謝罪しました。とりあえず童貞を捨てておこうなんていう動機であなたを呼んで済まなかったと。
恐らく、彼女は納得して去って行きました。最後まではいかなかったので、結局僕は童貞のままでした。でも、それでもいいと思いました。やはり自分の初めては大切な人に捧げるべきだと思ったので。
ですが、このアテンド騒動はそれで終わりではありませんでした。後日になって、僕は地獄を見ることになりました。
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