私を嫌いな貴方が大好き

「こんなのが俺の婚約者? ……冗談だろう」
 そう言って忌々しげに見下してきた初対面の男に、私は思わず。
「素敵……」
「は?」
 うっとりと吐息を漏らして見惚れたのだった。
◇◆◇
 自分を嫌う婚約者を慕う男爵令嬢。婚約者のことが分からなくて空回りする公爵令息。二人の不器用な恋模様を面白おかしく見物する友人が入り混じった、そんな御話。
◇◆◇
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