転生して魔女になったら壮大な物語が始まっちゃったよ?

*ドジャP*

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第十五話

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「まぁぁぁてぇぇぇ!」

──ヒィッ! きゃまたんが完全に男戻りしてる!

「あ、きゃまたん、あぶないっ!」
「ぎゃぁぁぁぁっ!」

危ないと思ったときにはもう遅くて、きゃまたんはつるに足を引っかけて転んだ。

「あいたたた……」
「大丈夫……?」
「大丈夫じゃないわよ! 青い鳥が!」
「逃げちゃったね……またあの鳥を探すしかない……………………って!きゃまたんみて!」

きゃまたんがしりもちをついたすぐ横に、立体感あるツヤツヤの花が咲いていた。それは間違いなく唇の形をしていた。

「えぇぇ? なんで?」
「そう言われてみればさっき鳥さんがくわえてたのって、たらこ草だったかも。唇よりもボテってしてたし。」

私達は顔を見合わせて笑って、それからゆっくりと歩きながらサイコトリアを持って帰った。





「ただいまぁぁぁ! もってきたお!」
「えぇぇぇぇ!」

二人はすごく驚いた顔で固まっている。

「まだ一日も経ってないよ」
「どうしようかね……ここまでとは……」

──ん? ここまで? 私たちが凄すぎてビックリしてるのかな


「はっはっはー! きゃまたんの手にかかればこんなもんよ!」
「それで……一緒に探してくれるんですよね?」

カルアさんは困ったようにおばあさんの方を向く。


「…………もう言ってしまおう……おまえさんは本当にグレートウィッチのようじゃからな」

──おまえさんは……?



「実はわしらは……グレートウィッチの部下じゃ…………このカルアもな」

──部下⁉

「グレートウィッチはここからずっと北の方の城に住んでる……んだけど目を覚まさないのじゃ……千歳の誕生日を迎えた日から……つまりおまえさんが生まれた日から」

──私が生まれた日から…………

「なんでそのことを教えてくれなかったんですか……」
「それはおまえさんみたいなやつがたくさんおるからじゃよ。グレーとウィッチに会いたいという輩が。……けれど会ったところでグレートウィッチは眠ってしまっている。」

……夕暮れ時の冷たい風がきゃまたんの髪をなびいて私の顔に触れる。

「で、でも……じゃあカルアさんが話してた前世の話はデタラメ?」
「いや、あれは本人から聞いたものだから正しいはずよ…………」
「そういえばきゃまたんたちもここに来るとき、グレートウィッチの『情報を知ってる人』がいる村に飛んだお」

きゃまたんも珍しく暗い顔で申し訳なさそうに呟く。

「本当に……グレートウィッチに会えないの……?」

──お父さんの居場所がわかると思ったのに!



「ただ……もしかしたら」

カルアさんが私の目をじっと見つめて言う。

「本当にもしかしたら……これは都市伝説みたいなものなんだけど……」






「コロナさんが、グレートウィッチにふさわしい魔法を身につければ、その力で目を覚ますことができるかもしれない」
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