転生して魔女になったら壮大な物語が始まっちゃったよ?

*ドジャP*

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第十三話

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「及川智也は……いまこの世界にいるんですか?」
「え?……ええ。」

心臓が痛くなって、息苦しくなる。
全身の力が全て足の裏にあるような感覚になった。

「及川智也は……私の、父親です。」

私が小さく呟くと、みんなして口をあんぐり開けた。
──私もビックリだよ……

「会って……みたいです。お父さんに……」

カルアさんが戸惑っていると、おばあさんが口を開く。

「手がかりなしで人探しの魔法なんぞお前さんらにはつかえないじゃろ。……グレートウィッチにもの頼むんならサイコトリアを持ってきなさい。私達も探しているが、どうしても見つからんのじゃ。もし見つけられたら、グレートウィッチも私も、あんたの父親探しに協力してやろう。」
「おばあちゃん、そんなのすぐには無理よ、難しすぎる……」
「いいんじゃ、サイコトリアを見つけられないのならわしらの魔法に頼らず自分で父親を探すことじゃ。」

──なんかなんか、すっごい大変なこと言われてる?

「つまり、サイコトリアという花を見つけてきたら、おばあさんとカルアさんが魔法を使って探してくれる、見つけることが出来なかったら自力で探す……」
「そうじゃ、あんたの父親がどこにいるかは大体見当がついとるからな。そしてサイコトリアも、咲く場所が大体決まっておる。」

──咲く場所が決まっているのに見つけられないんだ……そっか、この世界に二つしかなくて、一つはもう持ってるんだから、見つかる確率は低いのか。

「で、それはどこなんですか?」
「ジャングルじゃ。絶対に草原なんかにゃ咲かん。ジャングルでしか咲かない。」
「わかりました。絶対に見つけてきます。」

私ときゃまたんはとりあえず、待ちの出口へと歩きだす。



「行っちゃいましたね。」
「新米グレートウィッチにはこのくらいの旅が必要じゃよ。」

おばあさんは優しく二人の背中を見送っていた。



私ときゃまたんは、とりあえず近くのジャングルを探しにいくことにした。

「この村に来るときに通ったわよね、ジャングル!」
「そうだね、じゃあまずそこから……って思ったけどさ、魔法で飛んでこなかったっけ……」
「あ…………じゃあ、また魔法であそこまで行っちゃお!」
「えー!」

──魔法使わない宣言はどこに消えたのやら。

きゃまたんはスティックをくるっと回して魔法をかける。





ガァーゴー……ガァーゴー……

「きゃまたん! 起きて!」
「んー……ここどこ…………あ! きのこの森ね!」
「魔法使っちゃうとどうしても寝ちゃうの?」

きゃまたんは魔法を使うと、私が目を覚ます頃、大きなイビキをかいている。

──起こすのも一苦労なんだよなぁ……

「寝ちゃうっていうか、魔法を使うと魔力がなくなっちゃうから、また寝て貯めるのよ!」
「あぁなるほど。」

見渡すとそこはどうやらピクニックもどきをした辺りらしかった。

「よし! じゃあ、探すか! サイコトリア!」
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