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第二話

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……そーいえば、なんで私はここにいるんだろう。

「なんでって、死ぬからに決まってるじゃーん!」
「え⁉ 心の声聞こえてた⁉ てか死ぬって何⁉」
「今、ガンガン口に出てたぉー! 死ぬってそのまんまの意味。」

え……私死ぬからここに来たの⁉

「だって思い出の記憶ないでしょ?」
「言われてみれば……」

 今高校の制服を着ているのはわかるけど、どこの高校かも、何年生かも、友達の名前すら覚えていない。
 それに──……

「……私、自分の名前もわからない。」
「あったりまえー!だってこれから転生するために夢の国に行くんだもん!記憶なんてもってく必要なっしんぐ!」

……そうなんだ。
現実味の無いことばかり起きて混乱する頭に慣れてきて、段々『そうなんだ』と信じられるようになってきた。

 空は気付けば満点の星空。
雲の上にいるから月はいつもより明るくみえるし、星も力強い。

「もう夜だし、とりあえずこの辺で休もう。この距離なら明日の昼には着くよー!」

 だいぶ階段を上がってきたな。
眠いけど、不思議と疲れがない。
……あ、そっか、もうすぐ死ぬんだもんね。

「きゃまたん、今って何時くらいなの?」
「んとね、七時頃だお!」
「季節は?」
「ジャパンは秋。」

 秋の夜七時。
なんだか引っ掛かったけど、やっぱり思い出の記憶は、出てきてくれないみたいだ。
 もう思い出せないのかな。 

「ねぇ、夢の国にいったら何するの?」
「んー、まず何に転生するのかを決めて、一日だけ記憶をもって元の世界に帰れるんだけど、お別れを言っていいのは一人にだけって決まってるの。」

え、なにそのルール。悲しい……
でもまた一日だけ記憶を戻せるんだ。

「それで、また夢の国に帰ってきたら、その人に合った住居先に行くの! まぁ私は案内人だから、あなたが人間界以外の場所に住むことになったら、死ぬまで一緒だお!」

え⁉ 死ぬまで⁉ まぁ……きゃまたんならいいか……ってめんどくさいよ!

「さっ!寝るお!明日は早いよ!おやすみるくパフェ!」
「お、おやすみ……」
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