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第二章 迷宮都市ロベリア
079 ミノタウロス討伐作戦4 間接的なNTR
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野営地の中心から戻ってきたガルフは、まだ食事に手を付けずに待っていたテトに迎え入れられた。
「あ、ガルフさん、お帰りなさい」
「遅くなった」
ガルフが手に持って戻ってきた器に視線を向けたテトは、少し驚いた風に話しかけてきた。
「あ、スープですか?」
「ああ」
ガルフは返事をしながら、テトの隣……最初に自分が座っていた場所に腰を下ろす。
隣に座っているテトは、自分が持ってきていたスープに、寂しそうに視線を落とした。
冷たくなってしまわないように両手で抱えるようにして持っていたのだが、テトのスープはすっかり冷めてしまっていた。
「まだ残ってるなんて、運が良かったですね……」
「炊事係がコルツだったからな、気をきかせてくれたんだろ」
そう言って、テトが持っていたスープを取り上げるガルフ。
「あ……」
「お前はこっちだ、そっちは俺が貰う」
ガルフは、今自分が持ってきたばかりの温かいスープと、テトのスープを取り換える。
「あ、ありがとう……ございます」
「ああ、礼ならコルツに後で言っておけ」
「はい……」
渡されたスープを受け取り、ぼーっとこちらを見つめているテトを無視して、ガルフは早々と取り置きしておいた黒パンをちぎって、スープにつけて食べ始める。
なるほど……確かにテトが言っていた通り、いつもの素材の味しかしないスープに比べると、天と地ほどの差がある。
塩味がしっかりと効いており、なにより具沢山だ。肉だって沢山入っている。
「美味いな……」
思わず漏れたガルムの独り言に、テトが反応する。
「そ、そうですか! 良かった~……みんなが美味しい美味しいって言ってたから、きっとおいしいはずだって思ったんですよね!」
「そ、そうか」
大きな声を出して、こちらににじり寄ってくるテトに、少し引き気味になりながら、ガルフはなんとか答える。
やはり、テトは自分の分をガルフの為に持ってきていた様だ。
まったく……何が彼女をここまでさせるのだろうか? ガルフには思い当たる節が無い。
この女の子のこの反応は、彼にはとても理解ができなかった。
「おい、こっちを見てばかりいないで、お前もそろそろ食べたらどうだ?」
テトに自分の分の食事をとるように促すガルフ。
これ以上横で自分が食べるところを見ていられると、食べにくくてしょうがない。
「そうですね、せっかくガルフさんが持ってきてくれたスープが、冷めちゃったら勿体ないですもんね!」
そう言って、渡されたスープに視線を戻したテトだったが、器の縁の部分に何かを見つけたようだ。
そこを見つめたまま、ピシリと凍り付いたように動きを止めてしまう。
どうしたのだろうかと、ガルフが様子を窺っていると、がばっと顔をあげたテトと目が合う。
「あ、あの……これって……」
一体どうしたというのか、テトは真っ赤な顔をしている。
「どうした、なにかあったか?」
ガルフが持ってくるときには気付かなかったが、虫でも入っていたのだろうか?
それなら悪いことをしてしまったかもしれない。
「こ、これ……このスープって、味見したりしました?」
そう問いただしてきたテトの顔は、真っ赤になっている。
どうやら器の縁に、味見した痕跡が残っていたらしい。
「ああ、そのスープはこっちとは別物だからな、一口だけ(コルツが)味見した」
「そ、そうなんですか……このスープを(ガルフさんが)味見したんですか……」
そう呟くと、じっとその痕跡が残っていた器の縁を見つめて、固まってしまったテト。
そんなことを気にするなんて、女子供は面倒くさいな……そんなことを考えながらも、もう取り換えて食べ始めてしまったのだからしょうがないと、ガルフは開き直って自分の分のスープとパンを食べるのを再開した。
しばらく器の縁を凝視していたテトだったが、大きく深呼吸をしたあと……がばっとスープの器を煽って、一気に飲み干してしまった。
すごいな……そんなに美味かったのか。
それなら自分も一口くらい味見させてもらっておくべきだったかもしれない。
そんなことを考えながらテトを見ていると、真っ赤だった顔をさらに赤くさせたテトが、こちらにお礼を言ってきた。
「お、おおおお、おおおい……おいしかったです! と、とととってもぉ!」
「お、おおおう。そ、そうか」
やたらと”お”が多いテトにつられて、ガルフもすこしどもってしまったが、美味しかったのなら良かった。
「美味かったんなら良かった」
「は、はいぃ!」
なんだか声が上ずっているテトは、さっきから視線をグルグルとさまよわせて、こちらと目を合わせようとしない。
貴族様の食事は、美味しすぎて奴隷には刺激が強すぎたのかもしれない。
そんなおかしな様子のテトが気にはなったのだが、別に毒を食べたわけではないのだからダイジョブだろうと、ガルフは自分の分の食事を続けた。
隣に座って、モジモジしているテトの横で、淡々と食事を済ませていくガルフ。
スープにつけながら硬い黒パンを食べていたのだが、テトはどこからか取り出した黒パンを、もしゃもしゃとスープ無しで咀嚼している。
ああ……スープだけ一気飲みなんかするから……アホな子だな。
そんな感想を持ちながら、自分の分の食事を続けていたのだが……テトは硬い黒パンを水気無しで食べているのに、とても幸せそうな顔だ。
「ふ、ふふ、ふひひ……」
時折、おかしな声が漏れてくる。
(こんなにうまそうに黒パンだけを食べるヤツは初めて見た、変わったヤツだ)
だが、水分なしでは食べづらかろう
「おい、水もなしにそんなもん食ってたら喉をつまらせるぞ」
そう言って水が入った水筒をテトに渡してやるのだが
「は? え? そ、そんな! ガルフさんの水を頂くなんて滅相もない、私は大丈夫ですから!」
何故か必死に水筒の受け取りを拒むテト。
それなら別に良いかと、ガルフも無理強いはしない。
そんな感じの変なやり取りをしながら、二人は食事を取っていく。
途中でテトから、ガルフの水筒に視線を感じたのだが、飲むかと聞いてみると、やはり必要ないとのことだった。
要らないのなら、そんなに物欲しそうな目で見ないで欲しいものだが……
それからしばらくは、迷宮の中だということを忘れるくらいに、和やかな空気が流れていく。
しかし、そんな平穏はけたたましく鳴り響いた、奴隷を集合させる為の鐘の音によってかき消された。
丁度全部食べ終えていたガルフは、ひとつため息をついたあと、ゆっくりと立ち上がる。
「何でしょうか? もう今日は何もないはずですけど……」
突然の集合命令に、テトは不安を顔に滲ませる。
「さあな、わからないが……どうにも、ろくなことじゃあなさそうだな」
ガルフは、そう答えながら荷物をまとめていく。
さっき騒いでいた貴族達が、何かおかしなことを始めたのかもしれない。
全く、こういうときに限って、嫌な予感というのは良く当たるのだ。
あんまり無茶なことを言われないことを願いながら、ガルフはテトを引き連れて、広場の中心を目指して歩き始めるのだった。
「あ、ガルフさん、お帰りなさい」
「遅くなった」
ガルフが手に持って戻ってきた器に視線を向けたテトは、少し驚いた風に話しかけてきた。
「あ、スープですか?」
「ああ」
ガルフは返事をしながら、テトの隣……最初に自分が座っていた場所に腰を下ろす。
隣に座っているテトは、自分が持ってきていたスープに、寂しそうに視線を落とした。
冷たくなってしまわないように両手で抱えるようにして持っていたのだが、テトのスープはすっかり冷めてしまっていた。
「まだ残ってるなんて、運が良かったですね……」
「炊事係がコルツだったからな、気をきかせてくれたんだろ」
そう言って、テトが持っていたスープを取り上げるガルフ。
「あ……」
「お前はこっちだ、そっちは俺が貰う」
ガルフは、今自分が持ってきたばかりの温かいスープと、テトのスープを取り換える。
「あ、ありがとう……ございます」
「ああ、礼ならコルツに後で言っておけ」
「はい……」
渡されたスープを受け取り、ぼーっとこちらを見つめているテトを無視して、ガルフは早々と取り置きしておいた黒パンをちぎって、スープにつけて食べ始める。
なるほど……確かにテトが言っていた通り、いつもの素材の味しかしないスープに比べると、天と地ほどの差がある。
塩味がしっかりと効いており、なにより具沢山だ。肉だって沢山入っている。
「美味いな……」
思わず漏れたガルムの独り言に、テトが反応する。
「そ、そうですか! 良かった~……みんなが美味しい美味しいって言ってたから、きっとおいしいはずだって思ったんですよね!」
「そ、そうか」
大きな声を出して、こちらににじり寄ってくるテトに、少し引き気味になりながら、ガルフはなんとか答える。
やはり、テトは自分の分をガルフの為に持ってきていた様だ。
まったく……何が彼女をここまでさせるのだろうか? ガルフには思い当たる節が無い。
この女の子のこの反応は、彼にはとても理解ができなかった。
「おい、こっちを見てばかりいないで、お前もそろそろ食べたらどうだ?」
テトに自分の分の食事をとるように促すガルフ。
これ以上横で自分が食べるところを見ていられると、食べにくくてしょうがない。
「そうですね、せっかくガルフさんが持ってきてくれたスープが、冷めちゃったら勿体ないですもんね!」
そう言って、渡されたスープに視線を戻したテトだったが、器の縁の部分に何かを見つけたようだ。
そこを見つめたまま、ピシリと凍り付いたように動きを止めてしまう。
どうしたのだろうかと、ガルフが様子を窺っていると、がばっと顔をあげたテトと目が合う。
「あ、あの……これって……」
一体どうしたというのか、テトは真っ赤な顔をしている。
「どうした、なにかあったか?」
ガルフが持ってくるときには気付かなかったが、虫でも入っていたのだろうか?
それなら悪いことをしてしまったかもしれない。
「こ、これ……このスープって、味見したりしました?」
そう問いただしてきたテトの顔は、真っ赤になっている。
どうやら器の縁に、味見した痕跡が残っていたらしい。
「ああ、そのスープはこっちとは別物だからな、一口だけ(コルツが)味見した」
「そ、そうなんですか……このスープを(ガルフさんが)味見したんですか……」
そう呟くと、じっとその痕跡が残っていた器の縁を見つめて、固まってしまったテト。
そんなことを気にするなんて、女子供は面倒くさいな……そんなことを考えながらも、もう取り換えて食べ始めてしまったのだからしょうがないと、ガルフは開き直って自分の分のスープとパンを食べるのを再開した。
しばらく器の縁を凝視していたテトだったが、大きく深呼吸をしたあと……がばっとスープの器を煽って、一気に飲み干してしまった。
すごいな……そんなに美味かったのか。
それなら自分も一口くらい味見させてもらっておくべきだったかもしれない。
そんなことを考えながらテトを見ていると、真っ赤だった顔をさらに赤くさせたテトが、こちらにお礼を言ってきた。
「お、おおおお、おおおい……おいしかったです! と、とととってもぉ!」
「お、おおおう。そ、そうか」
やたらと”お”が多いテトにつられて、ガルフもすこしどもってしまったが、美味しかったのなら良かった。
「美味かったんなら良かった」
「は、はいぃ!」
なんだか声が上ずっているテトは、さっきから視線をグルグルとさまよわせて、こちらと目を合わせようとしない。
貴族様の食事は、美味しすぎて奴隷には刺激が強すぎたのかもしれない。
そんなおかしな様子のテトが気にはなったのだが、別に毒を食べたわけではないのだからダイジョブだろうと、ガルフは自分の分の食事を続けた。
隣に座って、モジモジしているテトの横で、淡々と食事を済ませていくガルフ。
スープにつけながら硬い黒パンを食べていたのだが、テトはどこからか取り出した黒パンを、もしゃもしゃとスープ無しで咀嚼している。
ああ……スープだけ一気飲みなんかするから……アホな子だな。
そんな感想を持ちながら、自分の分の食事を続けていたのだが……テトは硬い黒パンを水気無しで食べているのに、とても幸せそうな顔だ。
「ふ、ふふ、ふひひ……」
時折、おかしな声が漏れてくる。
(こんなにうまそうに黒パンだけを食べるヤツは初めて見た、変わったヤツだ)
だが、水分なしでは食べづらかろう
「おい、水もなしにそんなもん食ってたら喉をつまらせるぞ」
そう言って水が入った水筒をテトに渡してやるのだが
「は? え? そ、そんな! ガルフさんの水を頂くなんて滅相もない、私は大丈夫ですから!」
何故か必死に水筒の受け取りを拒むテト。
それなら別に良いかと、ガルフも無理強いはしない。
そんな感じの変なやり取りをしながら、二人は食事を取っていく。
途中でテトから、ガルフの水筒に視線を感じたのだが、飲むかと聞いてみると、やはり必要ないとのことだった。
要らないのなら、そんなに物欲しそうな目で見ないで欲しいものだが……
それからしばらくは、迷宮の中だということを忘れるくらいに、和やかな空気が流れていく。
しかし、そんな平穏はけたたましく鳴り響いた、奴隷を集合させる為の鐘の音によってかき消された。
丁度全部食べ終えていたガルフは、ひとつため息をついたあと、ゆっくりと立ち上がる。
「何でしょうか? もう今日は何もないはずですけど……」
突然の集合命令に、テトは不安を顔に滲ませる。
「さあな、わからないが……どうにも、ろくなことじゃあなさそうだな」
ガルフは、そう答えながら荷物をまとめていく。
さっき騒いでいた貴族達が、何かおかしなことを始めたのかもしれない。
全く、こういうときに限って、嫌な予感というのは良く当たるのだ。
あんまり無茶なことを言われないことを願いながら、ガルフはテトを引き連れて、広場の中心を目指して歩き始めるのだった。
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