64 / 85
第二章 迷宮都市ロベリア
064 カイヤ、マック、ゴルテガ 「暁の三連星」
しおりを挟む
多数決を済ませた俺たちは、急いでオルガの大穴に向かう。
結局のところ俺に判断をゆだねた時点で、助けに行かないという選択肢はなくなるに決まっているのだ。
いくらこっちの世界が、人の生き死にが身近にある厳しい世界だと言っても、未だに俺の中身はバリバリの日本人なのだからしょうがない。
それを変える気も今のところ全くないしね。
「もうすぐ大穴よ、痕跡から見て多分オークだと思う。2~3匹、追われてるPTもまだ死人は出てないはずよ」
「「おう!」」「ハイ!」
流石はプロの斥候、マイアさんは走りながらも戦闘の痕跡を見逃さず、PTメンバーにその情報を知らせてくる。
「最初に私がナイフを投げて1匹引っ張るから、それをジグガンドが受け持って! 必要ならエレクがもう一匹引っ張る。引っ張ったヤツを順番にラウニさんが魔法で始末していくってことでどう?」
「わかったぜ!」
「了解!」
あの角を曲がれば、もうオルガの大穴が見えてくるはずだ。
マイアさんの作戦に合わせて、全員が戦闘態勢へと移っていく。
俺も走りながら、背負っていたリュックに紐で吊るしていた盾を、取り外して手に持っておく。
これは唯一の私物だ。戦士を目指す予定だった田仲君の為に用意していたのだが、ここにきて出番がきた。なんでも用意しておくものだな。
「居たわ!」
そこには、2匹のオークに追い詰められた3人の探索者がいた。
男二人と女一人の3人PT。
如何にも満身創痍といった感じの傷だらけの男が、手にもった盾と剣でなんとかオークの攻撃をいなして、残りの二人を背に守っている。
後ろの女は血だらけで意識が無いようだし、もう一人の男はその女を抱いたまま泣き崩れているようで、全く役に立っていない。
足手まとい二人を守りながら孤軍奮闘しているが、オークの攻撃を一発でも食らったら、あのPTは全滅確定だろう。
「いくわよ、みんな! ハァッ!」
「グァウッ」
こちらに背を向けて、手に持ったこん棒を振りかぶっていたオークの背中に、マイアさんが投げた短剣が突き刺さる。
「エイッ! ヤッ! タァッ!!」
"ドスッドスドスッ!"
続けて投げ放った3本の短剣も全て命中した。
背中に4本の短剣を生やしたオークは堪らず、追い詰めて攻撃を加えていた探索者PTから、こちらへとターゲットを切り替えたようだ。
その巨躯を揺らしながらドスドスと大きな足音を立て、マイアさん目掛けて走ってくる。
「グアァッ!」
こちらとの距離を詰めると、オークは手に持ったこん棒を振りかぶった。
「きたわよ、ジグガンド!」
「おうよ!」
"ガシィン!"
マイアさんとオークの間に、盾を構えて割り込んだジグガンドさんが、オークのこん棒の一撃を受け止める。
大柄なジグガンドさんより、さらに二回りは大きな体躯から繰り出される一撃を、いとも簡単に受け止めるジグガンドさん。
薄暗い洞窟の中が、飛び散る火花で明るく照らされる。大迫力だ!
「おい、そこのパーティー! もう一匹も引き受けたほうがいいか?」
ジグガンドさん達の戦闘から、少し離れた位置で槍を構えていたエレクさんが、向こうのPTに確認を取る。
「頼む、助けてくれ! こっちはギリギリなんだ!」
「わかった、そっちもこちらで引き受けよう」
そう言った直後、矢のように駆け出したエレクさんは、そのままの勢いを槍に乗せて突きを放つ。
「シッ!」
"ガキィン"
しかし、マイアさんの不意打ちとは違い、散々騒いで向こうの注意を引いた後の一撃は、振り向いたオークのこん棒によって打ち払われた。
「チィッ、コイツ結構やるなぁ しょうがない、格好悪いけど安全第一でやりますか」
そう言ったエレクさんは、オークの手足をチクチクと攻撃しながら、少しずつオークを引き連れてオルガの大穴から遠ざけていく。
ヒットアンドアウェイで一方的に攻撃してはいるが、オークの分厚い皮膚と筋肉に阻まれて、槍の攻撃はたいしてダメージを与えていないようだ。
しかし、とりあえずの時間稼ぎはバッチリできそうな感じだ。
俺はウチのPTの戦闘は問題ないと判断して、急いで死にそうな向こうのPTに近付いた。
「大丈夫ですか? そっちの女性はまだ生きてますか?」
「生きてるかだって……ふざけるな! カイヤ姉ちゃんは死なねぇ! こんなとこで死ぬわけがねぇんだ!」
近づいてそう声をかけると、意識のない女の子を抱き上げて泣いていた巨漢の男が、泣きながら怒鳴りつけてくる。
「止めろゴルテガ! その人たちは俺たちを助けに来てくれたんだぜ」
「で、でもマック兄ちゃん……そいつがふざけたことを言うから……」
「ふざけてるのはお前だ! カイヤ姉が怪我をしたのは俺たちの責任だろうが。危険を押して助けに来てくれた人に、そんな態度はねぇだろ」
「……うぅ」
どうやらこの3人は、兄弟でPTを組んでいるようだ。
そこで倒れているのが姉で大きいのが弟、叱りつけているのが兄弟の真ん中だと思われる。
「ちゃんと謝るんだ」
「ぐ……うぅう、でも」
「でもじゃねえ!」
「ご、ごむぇん兄ちゃん……」
「俺に謝ったってしょうがねぇだろ!」
なんとこの場で、弟への躾が始まってしまった。
こんなことに付き合ってたら、この子達のお姉ちゃんが死んでしまうな。
俺はそのやり取りを無視して、魔法の鞄からポーションの瓶を取り出した。
魔法の鞄のことは内緒だが、この程度の小瓶なら普通の鞄にも入るからな。怪しまれたりはしないだろう。
「ポーションを使いますから、ちょっと離れてください」
「え……ポーションって……」
俺は返事を待たずに、弟を叱りつけていた兄を押しのけて、小瓶の栓を抜いて中身を倒れている女の子に振りかけた。
ポーションを全身に振りかけられた女の子は、一瞬だけふわりと身体を光らせた後、さっきまでの苦しそうな表情を和らげた。
どうだろうか? 目立った外傷は治った様に見えるが……ポーションで怪我が治ったからと言って、血で汚れた身体がきれいになるわけではないので、ぱっと見では怪我が治っているのかどうなのかわからないな。
「どうですか? これで、ある程度は治ったと思うんですけど。確認してもらえますか?」
「すまない、こっちはもうポーションは使い切ってたんだ。助かったぜ」
俺にそう返事をしたマックは、倒れていた女の子の怪我の具合を調べ始めた。
弟は状況がよくわかっていないのか、いまだに意識が無い女の子と俺との間で、視線をさまよわせている。
「すごい……骨折まで一瞬で治ってる。あんたのポーション、すげぇ効果だな」
「えっ? そ、そうですか? き、気のせいじゃないですか? あはは……」
もしかして、俺の使ったポーションは、こっちの世界にある物と効果が違うのだろうか?
俺が今までにポーションを使った人たちは、「そんな高価なモノは使ったことがない」という人たちばかりだったのでバレなかったが、迷宮の探索者のように頻繁にポーションを使うような人には、違いがわかってしまったのかもしれない。
「どうだい? マック兄ちゃん」
「ああ、大丈夫だ。怪我は治ってるみたいだな」
良かった。彼女はなんとか一命を取り留めたらしい。
今のところPTメンバーには、俺は簡単な回復魔法が使えるとしか言ってないので、あまり派手な……それも蘇生魔法なんて大それたものは、出来れば使いたくない。
そんなやり取りをしていると、オークとの戦闘にも動きがあったようだ。
「風よ 切り刻め!」
ラウニさんの風魔法が、ジグガンドさんが受け持っていたオークに炸裂する。
発動するまでに時間はかかるのだが、発動してしまえば相変わらずの高威力だ。
オークに向かって射出された風の刃が、手足程度なら斬り飛ばしてしまう。胴体までは切り離せないようだが……それでもオークを殺すには十分すぎる威力だ。
やはり、ラウニさんの魔法は何度見てもエグイ。
後片付けが大変そうだ……。
結局のところ俺に判断をゆだねた時点で、助けに行かないという選択肢はなくなるに決まっているのだ。
いくらこっちの世界が、人の生き死にが身近にある厳しい世界だと言っても、未だに俺の中身はバリバリの日本人なのだからしょうがない。
それを変える気も今のところ全くないしね。
「もうすぐ大穴よ、痕跡から見て多分オークだと思う。2~3匹、追われてるPTもまだ死人は出てないはずよ」
「「おう!」」「ハイ!」
流石はプロの斥候、マイアさんは走りながらも戦闘の痕跡を見逃さず、PTメンバーにその情報を知らせてくる。
「最初に私がナイフを投げて1匹引っ張るから、それをジグガンドが受け持って! 必要ならエレクがもう一匹引っ張る。引っ張ったヤツを順番にラウニさんが魔法で始末していくってことでどう?」
「わかったぜ!」
「了解!」
あの角を曲がれば、もうオルガの大穴が見えてくるはずだ。
マイアさんの作戦に合わせて、全員が戦闘態勢へと移っていく。
俺も走りながら、背負っていたリュックに紐で吊るしていた盾を、取り外して手に持っておく。
これは唯一の私物だ。戦士を目指す予定だった田仲君の為に用意していたのだが、ここにきて出番がきた。なんでも用意しておくものだな。
「居たわ!」
そこには、2匹のオークに追い詰められた3人の探索者がいた。
男二人と女一人の3人PT。
如何にも満身創痍といった感じの傷だらけの男が、手にもった盾と剣でなんとかオークの攻撃をいなして、残りの二人を背に守っている。
後ろの女は血だらけで意識が無いようだし、もう一人の男はその女を抱いたまま泣き崩れているようで、全く役に立っていない。
足手まとい二人を守りながら孤軍奮闘しているが、オークの攻撃を一発でも食らったら、あのPTは全滅確定だろう。
「いくわよ、みんな! ハァッ!」
「グァウッ」
こちらに背を向けて、手に持ったこん棒を振りかぶっていたオークの背中に、マイアさんが投げた短剣が突き刺さる。
「エイッ! ヤッ! タァッ!!」
"ドスッドスドスッ!"
続けて投げ放った3本の短剣も全て命中した。
背中に4本の短剣を生やしたオークは堪らず、追い詰めて攻撃を加えていた探索者PTから、こちらへとターゲットを切り替えたようだ。
その巨躯を揺らしながらドスドスと大きな足音を立て、マイアさん目掛けて走ってくる。
「グアァッ!」
こちらとの距離を詰めると、オークは手に持ったこん棒を振りかぶった。
「きたわよ、ジグガンド!」
「おうよ!」
"ガシィン!"
マイアさんとオークの間に、盾を構えて割り込んだジグガンドさんが、オークのこん棒の一撃を受け止める。
大柄なジグガンドさんより、さらに二回りは大きな体躯から繰り出される一撃を、いとも簡単に受け止めるジグガンドさん。
薄暗い洞窟の中が、飛び散る火花で明るく照らされる。大迫力だ!
「おい、そこのパーティー! もう一匹も引き受けたほうがいいか?」
ジグガンドさん達の戦闘から、少し離れた位置で槍を構えていたエレクさんが、向こうのPTに確認を取る。
「頼む、助けてくれ! こっちはギリギリなんだ!」
「わかった、そっちもこちらで引き受けよう」
そう言った直後、矢のように駆け出したエレクさんは、そのままの勢いを槍に乗せて突きを放つ。
「シッ!」
"ガキィン"
しかし、マイアさんの不意打ちとは違い、散々騒いで向こうの注意を引いた後の一撃は、振り向いたオークのこん棒によって打ち払われた。
「チィッ、コイツ結構やるなぁ しょうがない、格好悪いけど安全第一でやりますか」
そう言ったエレクさんは、オークの手足をチクチクと攻撃しながら、少しずつオークを引き連れてオルガの大穴から遠ざけていく。
ヒットアンドアウェイで一方的に攻撃してはいるが、オークの分厚い皮膚と筋肉に阻まれて、槍の攻撃はたいしてダメージを与えていないようだ。
しかし、とりあえずの時間稼ぎはバッチリできそうな感じだ。
俺はウチのPTの戦闘は問題ないと判断して、急いで死にそうな向こうのPTに近付いた。
「大丈夫ですか? そっちの女性はまだ生きてますか?」
「生きてるかだって……ふざけるな! カイヤ姉ちゃんは死なねぇ! こんなとこで死ぬわけがねぇんだ!」
近づいてそう声をかけると、意識のない女の子を抱き上げて泣いていた巨漢の男が、泣きながら怒鳴りつけてくる。
「止めろゴルテガ! その人たちは俺たちを助けに来てくれたんだぜ」
「で、でもマック兄ちゃん……そいつがふざけたことを言うから……」
「ふざけてるのはお前だ! カイヤ姉が怪我をしたのは俺たちの責任だろうが。危険を押して助けに来てくれた人に、そんな態度はねぇだろ」
「……うぅ」
どうやらこの3人は、兄弟でPTを組んでいるようだ。
そこで倒れているのが姉で大きいのが弟、叱りつけているのが兄弟の真ん中だと思われる。
「ちゃんと謝るんだ」
「ぐ……うぅう、でも」
「でもじゃねえ!」
「ご、ごむぇん兄ちゃん……」
「俺に謝ったってしょうがねぇだろ!」
なんとこの場で、弟への躾が始まってしまった。
こんなことに付き合ってたら、この子達のお姉ちゃんが死んでしまうな。
俺はそのやり取りを無視して、魔法の鞄からポーションの瓶を取り出した。
魔法の鞄のことは内緒だが、この程度の小瓶なら普通の鞄にも入るからな。怪しまれたりはしないだろう。
「ポーションを使いますから、ちょっと離れてください」
「え……ポーションって……」
俺は返事を待たずに、弟を叱りつけていた兄を押しのけて、小瓶の栓を抜いて中身を倒れている女の子に振りかけた。
ポーションを全身に振りかけられた女の子は、一瞬だけふわりと身体を光らせた後、さっきまでの苦しそうな表情を和らげた。
どうだろうか? 目立った外傷は治った様に見えるが……ポーションで怪我が治ったからと言って、血で汚れた身体がきれいになるわけではないので、ぱっと見では怪我が治っているのかどうなのかわからないな。
「どうですか? これで、ある程度は治ったと思うんですけど。確認してもらえますか?」
「すまない、こっちはもうポーションは使い切ってたんだ。助かったぜ」
俺にそう返事をしたマックは、倒れていた女の子の怪我の具合を調べ始めた。
弟は状況がよくわかっていないのか、いまだに意識が無い女の子と俺との間で、視線をさまよわせている。
「すごい……骨折まで一瞬で治ってる。あんたのポーション、すげぇ効果だな」
「えっ? そ、そうですか? き、気のせいじゃないですか? あはは……」
もしかして、俺の使ったポーションは、こっちの世界にある物と効果が違うのだろうか?
俺が今までにポーションを使った人たちは、「そんな高価なモノは使ったことがない」という人たちばかりだったのでバレなかったが、迷宮の探索者のように頻繁にポーションを使うような人には、違いがわかってしまったのかもしれない。
「どうだい? マック兄ちゃん」
「ああ、大丈夫だ。怪我は治ってるみたいだな」
良かった。彼女はなんとか一命を取り留めたらしい。
今のところPTメンバーには、俺は簡単な回復魔法が使えるとしか言ってないので、あまり派手な……それも蘇生魔法なんて大それたものは、出来れば使いたくない。
そんなやり取りをしていると、オークとの戦闘にも動きがあったようだ。
「風よ 切り刻め!」
ラウニさんの風魔法が、ジグガンドさんが受け持っていたオークに炸裂する。
発動するまでに時間はかかるのだが、発動してしまえば相変わらずの高威力だ。
オークに向かって射出された風の刃が、手足程度なら斬り飛ばしてしまう。胴体までは切り離せないようだが……それでもオークを殺すには十分すぎる威力だ。
やはり、ラウニさんの魔法は何度見てもエグイ。
後片付けが大変そうだ……。
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
妹に出ていけと言われたので守護霊を全員引き連れて出ていきます
兎屋亀吉
恋愛
ヨナーク伯爵家の令嬢アリシアは幼い頃に顔に大怪我を負ってから、霊を視認し使役する能力を身に着けていた。顔の傷によって政略結婚の駒としては使えなくなってしまったアリシアは当然のように冷遇されたが、アリシアを守る守護霊の力によって生活はどんどん豊かになっていった。しかしそんなある日、アリシアの父アビゲイルが亡くなる。次に伯爵家当主となったのはアリシアの妹ミーシャのところに婿入りしていたケインという男。ミーシャとケインはアリシアのことを邪魔に思っており、アリシアは着の身着のままの状態で伯爵家から放り出されてしまう。そこからヨナーク伯爵家の没落が始まった。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう
天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。
侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。
その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。
ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。
えっと、先日まで留学していたのに、どうやってその方を虐めるんですか?
水垣するめ
恋愛
公爵令嬢のローズ・ブライトはレイ・ブラウン王子と婚約していた。
婚約していた当初は仲が良かった。
しかし年月を重ねるに連れ、会う時間が少なくなり、パーティー会場でしか顔を合わさないようになった。
そして学園に上がると、レイはとある男爵令嬢に恋心を抱くようになった。
これまでレイのために厳しい王妃教育に耐えていたのに裏切られたローズはレイへの恋心も冷めた。
そして留学を決意する。
しかし帰ってきた瞬間、レイはローズに婚約破棄を叩きつけた。
「ローズ・ブライト! ナタリーを虐めた罪でお前との婚約を破棄する!」
えっと、先日まで留学していたのに、どうやってその方を虐めるんですか?
婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。
夢草 蝶
恋愛
侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。
そのため、当然婚約者もいない。
なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。
差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。
すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる