60 / 85
第二章 迷宮都市ロベリア
060 突撃、迷宮20階層!
しおりを挟む
次の日、俺は"リゼルタの旋風"の4人との待ち合わせ場所、迷宮の入り口前に来ていた。
「よう、シーナ!」
「おはようシーナちゃん、今日もよろしくね♪」
PTのみんなは先に来ていたようで、ジグガンドさんとマイアさんがこちらに元気よく挨拶をしてきた。
残りの二人も近くに座っており、エレクさんは笑顔でこちらに軽く手を振っている。ラウニさんは相変わらずの無言だ。
「おはようございます。今日で最後になりますけど、頑張りますんでよろしくお願いします」
そう言って会釈をする俺に、ジグガンドさんが近寄ってきて肩をバンバン叩く。
「おう、よろしくな! 今日は最後だからちょっと特別な場所まで連れてって言ってやるから、楽しみにしておけよ」
「は、はぁ……特別、ですか?」
叩かれた肩の痛みに顔をしかめながらも、迷宮の特別な場所という単語に興味を惹かれた俺は、ジグガンドさんに聞き返した。
「そうよ~、私もアレを最初に見たときはすっごく感動したんだから! なんてったって……」
「お、おい、マイア! それは到着するまで秘密にするってことだったろ!」
ジグガンドさんからツッコミを入れられたマイアさんは、アハハと笑って誤魔化したあと俺に謝ってきた。
「ごめんごめん。シーナちゃん、到着するまで秘密なんだけど……でも、期待していいからね!」
「はい、それじゃあ後の楽しみにしておきますね」
そんなやり取りをしている俺たちに、エレクさんが自分の荷物を担ぎ直して話しかけてくる。
「おい、今日は移動に時間がかかるんだから早く行こうや! お前ら二人はいつも、そういう計画は立てるくせに、計画性ってもんが無いんだからよ~」
「わ、わかってるわよ! ほら、出発しましょう」
「おう」「はい」
エリクさんに急かされたマイアさんの号令で、俺たちリゼルタの旋風+1のPTは、今日も元気に塔の迷宮の中へと入って行くのだった。
塔の中に入って、いつもの10階層へと転移する魔法陣がある部屋へと続く階段を降りようとした俺を、エリクさんが引き留めた。
「シーナ君、今日はそっちじゃなくてコッチだよ」
俺に向かって、ひとつ隣の階段を指差すエリクさん。
「ああ、今日はコレをウチのクランから借りてきたからな!」
そう言って、ジグガンドさんが胸元から引っ張り出したネックレスには、いつもの黄色の宝石ではなく、緑色の宝石がぶら下がっていた。
「これでいつもの10階層じゃなくて、20階層までひとっ飛びよ! コレを借りるの苦労したんだぜ~」
「お~、20階層!」
「がはは、すげぇだろ!」
「でも、大丈夫なんですか? 上の階層に行けば行くほど敵は強くなると思うんですけど?」
緑色の宝石を見せびらかしてくるジグガンドさんに、そんなに先まで進んで大丈夫なのかと聞いてみると、代わりにマイアさんが俺の疑問に答えた。
「大丈夫よ、20階層から上に登るわけじゃなくて、私たちが用があるのは下の階層なのよ。20階層より下の階層で出てくるモンスターの相手なら慣れたものなんだから」
「ああ、10層毎に一気に敵の種類が変わっちまうから、慣れてないと危ないんだけどよ……今回は先には進まないから、いつものモンスターが相手だな」
ふむ、今日は19階付近の階層に用があるみたいだな。
いつもみたいに10階層からの移動だと、時間がかかり過ぎるってことなのだろう。
「よし、じゃあさっさと移動しようぜ」
「そうだな」
俺に迷宮の説明をしながらも、いつもと違う階段を下りていく。
そして、20階層へと続いているらしい魔法陣の上に全員揃ったところで、ジグガンドさんが転移魔法を起動させた。
「よ~し、いざ20階層!」
「「おー!」」
「あはは」
「……」
いつものようにテンションが高いジグガンドさんとマイアさんに、俺が合いの手を合わせる。
エレクさんはそれを見て笑い、ラウニさんは魔法陣の光に備えて目を閉じて黙っている。
そんな感じでいつもと同じように魔法陣が発動して、俺たちは20階層へと飛んだ。
転移先の部屋から外に出ると、十字路になっており、正面の通路をすこし進んだ場所に大きな石の扉がある。
そして左右には通路が続いており、左の通路の先からは、松明とは違う明るい光が差し込んでおり、右の通路の先は薄暗いいつもの青い松明の光に照らされている。
ここが10階層と同じ構造なら、左の通路が先の階層へと続く道で、右の通路が下の階層へと続く道のはず……そして正面の扉の先には、ボスモンスター的な強敵待っている部屋があるそうだ。
正面の石の大きな扉を見つめる俺に、ジグガンドさんが話しかけてくる。
「おい、シーナ。間違ってもその扉は開けるんじゃねぇぞ! 俺たちじゃあまだそこのボスは倒せねぇからな。この緑の転移石もクランの管理してるもんを借りただけなんだからよ」
ジグガンドさんはそう言って、一度俺に緑の宝石を見せた後、そのネックレスを首にかけてから宝石の部分を服の中に収める。
「やっぱり、強いんですか? そのボスってやつ」
「あぁ、俺たちのPTも何度かボスの討伐隊には参加したことはあるんだが……クランリーダーのPTがいないと倒せる気がしないな」
ロベリアの迷宮は、10階層毎に転移石を魔核として体に宿したボスモンスターが、転移魔法陣の前にある部屋にいるのだそうだ。
そのモンスターはとても強力なモンスターで、倒す場合にはクラン総出で準備をして挑み、倒して手に入れた転移石はクランの持ち物として大事に管理するのが普通なのだそうだ。
倒したモンスターはしばらくすると復活するそうなのだが、10・20階層のボスモンスターはギルドにも管理されており、勝手に倒すと怒られるそうで罰金もあるのだそうだ。
「転移石はどこのクランも欲しがってるから、ボスの挑戦権はギルドに申請して順番待ちってやつね」
マイアさんが、ジグガンドさんの説明を引き継いで、説明してくれる。
どうやらここのボスモンスターは、生まれてから殺されるまで探索者ギルドに管理されているらしい。
安全やクラン同士のもめ事を回避するためなのだろうけど……なんだか世知辛いなぁ。
「よし、じゃあ目的地に移動しようか。先の階層は探索者として自分でここまで来れたときに見るんだな。今回は下の階層だ」
右の通路へと進むように促してくるエレクさん。
「そうですね、それは自力で来た時の楽しみに取っておきますよ」
「ふっ、そうだな……お前ならすぐにここまで来れるさ」
エレクさんに返事をした俺に、ラウニさんがニヤリと笑いかけてくる……評価してもらっているのは嬉しいのだが……フードの影から覗くその笑顔は、ちょっと不気味で怖かった。
いい人なのは間違いないんだけどねぇ。
「え、えぇ、それじゃあ行きましょうか」
とっくに先に進んでいたジグガンドさんとマイアさんの後を三人で追いかける。
階層の境目にはあまりモンスターは近寄らないとはいえ、ちょっと不用心じゃないのかな……いや、マイアさんは斥候だし、先に行って索敵してるのかもしれないな。
さてと、一体何を見せてくれるのだろうか? 楽しみだ。
「よう、シーナ!」
「おはようシーナちゃん、今日もよろしくね♪」
PTのみんなは先に来ていたようで、ジグガンドさんとマイアさんがこちらに元気よく挨拶をしてきた。
残りの二人も近くに座っており、エレクさんは笑顔でこちらに軽く手を振っている。ラウニさんは相変わらずの無言だ。
「おはようございます。今日で最後になりますけど、頑張りますんでよろしくお願いします」
そう言って会釈をする俺に、ジグガンドさんが近寄ってきて肩をバンバン叩く。
「おう、よろしくな! 今日は最後だからちょっと特別な場所まで連れてって言ってやるから、楽しみにしておけよ」
「は、はぁ……特別、ですか?」
叩かれた肩の痛みに顔をしかめながらも、迷宮の特別な場所という単語に興味を惹かれた俺は、ジグガンドさんに聞き返した。
「そうよ~、私もアレを最初に見たときはすっごく感動したんだから! なんてったって……」
「お、おい、マイア! それは到着するまで秘密にするってことだったろ!」
ジグガンドさんからツッコミを入れられたマイアさんは、アハハと笑って誤魔化したあと俺に謝ってきた。
「ごめんごめん。シーナちゃん、到着するまで秘密なんだけど……でも、期待していいからね!」
「はい、それじゃあ後の楽しみにしておきますね」
そんなやり取りをしている俺たちに、エレクさんが自分の荷物を担ぎ直して話しかけてくる。
「おい、今日は移動に時間がかかるんだから早く行こうや! お前ら二人はいつも、そういう計画は立てるくせに、計画性ってもんが無いんだからよ~」
「わ、わかってるわよ! ほら、出発しましょう」
「おう」「はい」
エリクさんに急かされたマイアさんの号令で、俺たちリゼルタの旋風+1のPTは、今日も元気に塔の迷宮の中へと入って行くのだった。
塔の中に入って、いつもの10階層へと転移する魔法陣がある部屋へと続く階段を降りようとした俺を、エリクさんが引き留めた。
「シーナ君、今日はそっちじゃなくてコッチだよ」
俺に向かって、ひとつ隣の階段を指差すエリクさん。
「ああ、今日はコレをウチのクランから借りてきたからな!」
そう言って、ジグガンドさんが胸元から引っ張り出したネックレスには、いつもの黄色の宝石ではなく、緑色の宝石がぶら下がっていた。
「これでいつもの10階層じゃなくて、20階層までひとっ飛びよ! コレを借りるの苦労したんだぜ~」
「お~、20階層!」
「がはは、すげぇだろ!」
「でも、大丈夫なんですか? 上の階層に行けば行くほど敵は強くなると思うんですけど?」
緑色の宝石を見せびらかしてくるジグガンドさんに、そんなに先まで進んで大丈夫なのかと聞いてみると、代わりにマイアさんが俺の疑問に答えた。
「大丈夫よ、20階層から上に登るわけじゃなくて、私たちが用があるのは下の階層なのよ。20階層より下の階層で出てくるモンスターの相手なら慣れたものなんだから」
「ああ、10層毎に一気に敵の種類が変わっちまうから、慣れてないと危ないんだけどよ……今回は先には進まないから、いつものモンスターが相手だな」
ふむ、今日は19階付近の階層に用があるみたいだな。
いつもみたいに10階層からの移動だと、時間がかかり過ぎるってことなのだろう。
「よし、じゃあさっさと移動しようぜ」
「そうだな」
俺に迷宮の説明をしながらも、いつもと違う階段を下りていく。
そして、20階層へと続いているらしい魔法陣の上に全員揃ったところで、ジグガンドさんが転移魔法を起動させた。
「よ~し、いざ20階層!」
「「おー!」」
「あはは」
「……」
いつものようにテンションが高いジグガンドさんとマイアさんに、俺が合いの手を合わせる。
エレクさんはそれを見て笑い、ラウニさんは魔法陣の光に備えて目を閉じて黙っている。
そんな感じでいつもと同じように魔法陣が発動して、俺たちは20階層へと飛んだ。
転移先の部屋から外に出ると、十字路になっており、正面の通路をすこし進んだ場所に大きな石の扉がある。
そして左右には通路が続いており、左の通路の先からは、松明とは違う明るい光が差し込んでおり、右の通路の先は薄暗いいつもの青い松明の光に照らされている。
ここが10階層と同じ構造なら、左の通路が先の階層へと続く道で、右の通路が下の階層へと続く道のはず……そして正面の扉の先には、ボスモンスター的な強敵待っている部屋があるそうだ。
正面の石の大きな扉を見つめる俺に、ジグガンドさんが話しかけてくる。
「おい、シーナ。間違ってもその扉は開けるんじゃねぇぞ! 俺たちじゃあまだそこのボスは倒せねぇからな。この緑の転移石もクランの管理してるもんを借りただけなんだからよ」
ジグガンドさんはそう言って、一度俺に緑の宝石を見せた後、そのネックレスを首にかけてから宝石の部分を服の中に収める。
「やっぱり、強いんですか? そのボスってやつ」
「あぁ、俺たちのPTも何度かボスの討伐隊には参加したことはあるんだが……クランリーダーのPTがいないと倒せる気がしないな」
ロベリアの迷宮は、10階層毎に転移石を魔核として体に宿したボスモンスターが、転移魔法陣の前にある部屋にいるのだそうだ。
そのモンスターはとても強力なモンスターで、倒す場合にはクラン総出で準備をして挑み、倒して手に入れた転移石はクランの持ち物として大事に管理するのが普通なのだそうだ。
倒したモンスターはしばらくすると復活するそうなのだが、10・20階層のボスモンスターはギルドにも管理されており、勝手に倒すと怒られるそうで罰金もあるのだそうだ。
「転移石はどこのクランも欲しがってるから、ボスの挑戦権はギルドに申請して順番待ちってやつね」
マイアさんが、ジグガンドさんの説明を引き継いで、説明してくれる。
どうやらここのボスモンスターは、生まれてから殺されるまで探索者ギルドに管理されているらしい。
安全やクラン同士のもめ事を回避するためなのだろうけど……なんだか世知辛いなぁ。
「よし、じゃあ目的地に移動しようか。先の階層は探索者として自分でここまで来れたときに見るんだな。今回は下の階層だ」
右の通路へと進むように促してくるエレクさん。
「そうですね、それは自力で来た時の楽しみに取っておきますよ」
「ふっ、そうだな……お前ならすぐにここまで来れるさ」
エレクさんに返事をした俺に、ラウニさんがニヤリと笑いかけてくる……評価してもらっているのは嬉しいのだが……フードの影から覗くその笑顔は、ちょっと不気味で怖かった。
いい人なのは間違いないんだけどねぇ。
「え、えぇ、それじゃあ行きましょうか」
とっくに先に進んでいたジグガンドさんとマイアさんの後を三人で追いかける。
階層の境目にはあまりモンスターは近寄らないとはいえ、ちょっと不用心じゃないのかな……いや、マイアさんは斥候だし、先に行って索敵してるのかもしれないな。
さてと、一体何を見せてくれるのだろうか? 楽しみだ。
0
お気に入りに追加
64
あなたにおすすめの小説
もういらないと言われたので隣国で聖女やります。
ゆーぞー
ファンタジー
孤児院出身のアリスは5歳の時に天女様の加護があることがわかり、王都で聖女をしていた。
しかし国王が崩御したため、国外追放されてしまう。
しかし隣国で聖女をやることになり、アリスは幸せを掴んでいく。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
婚約破棄は結構ですけど
久保 倫
ファンタジー
「ロザリンド・メイア、お前との婚約を破棄する!」
私、ロザリンド・メイアは、クルス王太子に婚約破棄を宣告されました。
「商人の娘など、元々余の妃に相応しくないのだ!」
あーそうですね。
私だって王太子と婚約なんてしたくありませんわ。
本当は、お父様のように商売がしたいのです。
ですから婚約破棄は望むところですが、何故に婚約破棄できるのでしょう。
王太子から婚約破棄すれば、銀貨3万枚の支払いが発生します。
そんなお金、無いはずなのに。
妹に出ていけと言われたので守護霊を全員引き連れて出ていきます
兎屋亀吉
恋愛
ヨナーク伯爵家の令嬢アリシアは幼い頃に顔に大怪我を負ってから、霊を視認し使役する能力を身に着けていた。顔の傷によって政略結婚の駒としては使えなくなってしまったアリシアは当然のように冷遇されたが、アリシアを守る守護霊の力によって生活はどんどん豊かになっていった。しかしそんなある日、アリシアの父アビゲイルが亡くなる。次に伯爵家当主となったのはアリシアの妹ミーシャのところに婿入りしていたケインという男。ミーシャとケインはアリシアのことを邪魔に思っており、アリシアは着の身着のままの状態で伯爵家から放り出されてしまう。そこからヨナーク伯爵家の没落が始まった。
婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。
「婚約を破棄したい」と私に何度も言うのなら、皆にも知ってもらいましょう
天宮有
恋愛
「お前との婚約を破棄したい」それが伯爵令嬢ルナの婚約者モグルド王子の口癖だ。
侯爵令嬢ヒリスが好きなモグルドは、ルナを蔑み暴言を吐いていた。
その暴言によって、モグルドはルナとの婚約を破棄することとなる。
ヒリスを新しい婚約者にした後にモグルドはルナの力を知るも、全てが遅かった。
えっと、先日まで留学していたのに、どうやってその方を虐めるんですか?
水垣するめ
恋愛
公爵令嬢のローズ・ブライトはレイ・ブラウン王子と婚約していた。
婚約していた当初は仲が良かった。
しかし年月を重ねるに連れ、会う時間が少なくなり、パーティー会場でしか顔を合わさないようになった。
そして学園に上がると、レイはとある男爵令嬢に恋心を抱くようになった。
これまでレイのために厳しい王妃教育に耐えていたのに裏切られたローズはレイへの恋心も冷めた。
そして留学を決意する。
しかし帰ってきた瞬間、レイはローズに婚約破棄を叩きつけた。
「ローズ・ブライト! ナタリーを虐めた罪でお前との婚約を破棄する!」
えっと、先日まで留学していたのに、どうやってその方を虐めるんですか?
婚約者すらいない私に、離縁状が届いたのですが・・・・・・。
夢草 蝶
恋愛
侯爵家の末姫で、人付き合いが好きではないシェーラは、邸の敷地から出ることなく過ごしていた。
そのため、当然婚約者もいない。
なのにある日、何故かシェーラ宛に離縁状が届く。
差出人の名前に覚えのなかったシェーラは、間違いだろうとその離縁状を燃やしてしまう。
すると後日、見知らぬ男が怒りの形相で邸に押し掛けてきて──?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる