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第一章 異世界召喚と旅立ち

005 エピソードZERO2

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 田仲君と約束をした火曜日から俺は田仲君に要望を聞き、少しずつ初心者を手伝うための装備やアイテムを準備し始める。

「とりあえずは武器と防具だろうな、田仲君は回復魔法が使える剣士になりたいって言ってたから…戦士を経由してからの白騎士を目指す感じかな?」

 ソード&ウィザードリィでは基本職と上級職があり、基本職に最初から剣と回復魔法が使えるジョブは存在しない。
 複数職業をある程度上げたあとであれば別なのだが……。

「とりえず見た目が格好いい装備がいいか、最初の頃はステータスが低いからあまりいい装備はできないんだけど……フルプレートなら騎士見習い(貴族)の装備で、軽装ならレッドリザード装備かな? 昔暇つぶしに強化をかけまくったのがあった気がしたけど……」

 むかし作った初期装備セットを持ち出してきてチェックする、なかなかいい感じに強化できている自信作だ。
 とはいえ、初期の装備なので大したことはないんだけど。

 武器は剣が良いと言っていたので、片手剣、両手剣、盾を持っていって好きなのを使わせよう。
 魔法の武器ではないが耐久力と切れ味を極限まで上げてある。
 魔法の武器は、メンテナンスをするのに、魔法使いがいないとできないので、ここは通常武器がベターだろう。

 回復アイテムはポーションと解毒薬だけでいいか……最初の場所には毒くらいしか状態異常にしてくる敵はいなかったはずだ。
 あとはバフ用の食事アイテムと、野営用のアイテムは……まだ必要ないかな。

 そんな感じで色々と準備をしていく。
 最初に渡す用の初心者七つ道具を選出してみたり、装備のカラーリングに凝ってみたりと、やり始めると結構楽しいもので熱中してしまった。



 あとは俺の準備だ。
 メインジョブを黒魔導士に変更した後、セカンドジョブに白魔導士、サポートジョブに斥候スカウトをセットしてからLV制限の腕輪を付けてLVを1まで下げる。
 いつものPLパワーレベリングだと、メインジョブを黒にはしないのだが、一緒に遊ぶことも念頭においてここは攻撃魔法を使える黒魔導士にしておく。

 LV制限の腕輪はLV差がある人とPTを組むための装備で、この腕輪を付けていればLV差によって発生する経験値の偏りが解消される。

 白魔導士が選択したジョブにあれば、LV1から回復魔法のヒールが使えるから、後ろから適当に回復してやれば苦戦することなく、ある程度のレベルまで上げられるだろう。

 自分用の装備やマジックポーションも準備したし、これでバッチリだ。



「よし、こんなもんだろ」

 大体の準備が出来たと思う。
 ゲームを始めてすぐに装備するには少し良すぎる装備だけど、どうせすぐにLVが上がってしまうのだ、多少は良いモノにしておかないとすぐに使えなくなってしまうし、このくらいは良いだろう。

 さてと、明日は土曜日だしそろそろ寝ようかね、夕方の約束だったから大丈夫だろうけど、寝過ごすのは避けたい。
 まったく、アラサーのおっさんがアラサーの後輩と遊ぶ為に頑張って準備してしまった。
 冷静に考えるとなかなかに気持ち悪いな、これまでの準備を思い返してみて苦笑する。

 ソード&ウィザードリィは、十年以上やっている愛着のあるゲームだ、それを共有できる友達が増えるのが思ったよりも自分は嬉しかったんだなあと、そんなことを考えながら眠りに着いた。

 翌日、約束の時間の少し前に携帯で「キャラメイクが終わったので、今からゲーム本編を始めます」という連絡があったので「ゆっくりイベントみてから来ていいから、のんびり待ってるよ」と返す。

 キャラメイクの後の、最初のオープニングイベントが終わるまでは15分ほど、しばらくしたらこの入り口の門から出てくるだろう。
 俺のキャラの見た目は先に教えてあるので、俺が見つからないということはないと思う。



 門の近くにある広場のベンチに座って、魔法のカバンの中身を見たり、プレイヤーの記録・設定を管理する本型の情報端末、通称「冒険の書」を読んだりして時間をつぶしていると、門の方から俺を呼ぶ声が聞こえてくる。

「センパーイ! 椎名センパーイ♪」

 ちょ、田仲! なに本名呼んでるんだよ! バカなのか!? あ、そういえばアイツはバカだった。

 慌てて声がする方を見ると、薄い水色の髪をサラサラと風になびかせながら、小さくてかわいいウサ耳の女の子がこっちに駆け寄ってくる。

 あれ?

「あ、椎名先輩、みつけた~♪」

 なんだ、この娘は?

「あれ~、どうしたんですか?」

 そう言って両手を後ろに組んで、体を倒しながら下からのぞき込んでくるうさ耳幼女。
 かわいい。

 しなを作って俺に媚びるようにこちらを見ているこの娘はどなたかな?
 迷子の女の子なのかな?

「わたし、私ですよ♪ 会社の後輩のティーですよ~、し・い・な・さん♡」

 はっ、あまりの出来事に意識が飛んでいた。
 というか、こいつ俺の名前はバッチリ言ってたくせに、自分の名前はしっかり伏せてやがる。

「えっと、本当にT君? とりあえず俺の名前を連呼するのはやめてくれないかな」

 俺は一応、田仲君の名前を伏せながら聞き返す。
 自分の名前を言われたからといって、相手の名前まで晒すほど俺は大人げなくはないのだ。

「あ、すいません。でも、なんて呼んだらいいですか? キャラの名前はなんて言うんです?」

 そう聞いてくる小さな女の子はうさ耳をピクピク動かしている。

「俺の名前はシーナ、シーナ=マコットだよ」
「……いや、それ本名じゃないですか」

「……」
「……」

 そうだった、俺の名前は本名をもじった、というか言い方をちょっと変えた程度の名前にしていたんだった。
 学生の頃の俺はバカなのか!?

「じゃ、じゃあ、発音をカタカナっぽくしてくれない? 普段呼ぶときはシーナって呼んでよ」
「はぁ、それでいいのならそうしますけど…それじゃあ、とりあえず二人きりになれる場所に移動しましょう」
「な、なんで二人きりになる必要があるのかな?」

 急に何をこいつは言い始めたんだ、二人きりになって何をするつもりだ?

「いえね、この娘かわいいでしょ、ほら」

 そういってその場でクルクルまわる田仲君。
 中身を想像しなければかなりグっとくる光景だ、中身を想像しなければ……だが。

「まぁ、そうだね、かわいらしくキャラメイクできたね。でも、男のキャラでやるって言ってなかった?」
「いやー、キャラメイクのときに、テンプレのキャラをひと通り見てたんですけど……この娘の種族に一目惚れしちゃいまして♪ 勢いでそのまま決めちゃいました」

 クルクルまわっていた田仲君はそのままピシっとポーズを決める。
 その姿はアイドルみたいだ。
 そういえば田仲君はアイドルのおっかけもやっていたな。

 でも、男のキャラでやったほうが女の子と知り合いになりやすいんじゃないか?
 女キャラで知り合えたとしても、女性プレイヤーからは、あまり良い印象は持たれないと思うんだけど……。

「それで~、ほら、これ、気になりませんか? これ!」

 そういって、短いスカートの裾をつかんで恥ずかしそうに上目遣いでこっちを見てくる。

「え~っと、スカート?」
「それもですけど、違いますよ! 中ですよ、ナ・カ!」

 こいつは……。

「さすがに他の人たちがいる場所だとねぇ…シーナさんも恥ずかしいでしょ? だから、二人きりになれる人目が無い場所に移動してから、この娘の体を研究をしましょう! 幼女の研究をしましょう!」

 ど直球でゲスい事を言い放ったクソ田仲は、あなたも好きねぇ~といった感じでこちらにしなだれかかってくる。
 いくらなんでもちょっと幼すぎやしないか……俺的にはもうちょっと育ってからの方が……って、そういう問題じゃないな。

「ほら、見てくださいよこの太もも! たまらんでしょ~? 課金ガチャでパンツも沢山ゲットしてきましたし、着替えさせちゃいましょうよ♪ センパイはどれがいいですかぁ~? やっぱりシマパンですかねぇ?」

 そう言って、バッグからパンツを次々に取り出すウサ耳幼女。
 シマシマパンツやらウサギやクマのキャラものパンツ……色とりどりのパンツが広場の石畳を埋め尽くしていく。

「ここ広場だよ!? そんなの見せなくていいから! ちょっ、パンツ出すの止めてって!」

 俺は慌てて、その大量のパンツを回収した後、田仲君に向き直り注意したのだが……そこにはパンツ丸出しのウサ耳幼女がいた。

 ニヤニヤしながら、スカートをたくし上げて中を覗いている。
 変態である。

「なっ……」

 あまりの状況に絶句する俺をしり目に、クソ田仲はなおも突き進む。

「いやぁ~今なら丁度人いないから、ちょっとくらい良いじゃないですか。本格的なやつは移動してからにしますから……ね?」

 そういってこちらにウインクする田仲君。
 ね? じゃねぇよ! 本格的なやつってなんだよ!

「ん? あ、あれ? このパンツ肌に張り付いてる。横にずらせない」

 タナカーーーーー!!!!

 その愚行を止めようとした矢先に、田仲君のキャラの頭の上に「禁止行為を検出しました」アイコンが飛び出てくる。



"ウゥウウウウウウウウーーーーーーーーーー!"
"ファンファンファンファンファンファンファンファン!!"

 うさ耳幼女のキャラの周りに、黄色と黒の縞々模様のテープが張り巡らされる。
 "KEEPOUT"と書かれたテープである。
 もうこの黄色と黒の結界に何者も関与することはできない。
 外からも、中からも。

 さっきまでのニヤケ面を真っ青に変えて、結界の中にいる田仲君が涙目でこちらに手を伸ばしてくる。

「し、椎名先輩……あ、痛っ!!」

 バチバチッっと電撃のエフェクトが走り田仲君の手が結界から弾かれる。
 実際にはゲーム中の攻撃に痛みはないのだが、こういう場面だとビックリして痛いと言ってしまうのだ。
 VRMMOあるあるである。

「先輩、僕どうしたら…、あぁ!」

 混乱の極みの田仲君に追い打ちをかけるように、頭上に現れた巨大な巨大な赤黒い剣「ジャッジメント・オブ・デス」それを見上げて田仲君は恐怖に打ち震える。
 あの剣に貫かれると確実な死が訪れる。
 デスペナルティーも含めた刑罰が運営から課されるのだ。

 まぁ、始めたばかりの田仲君にはデスペナルティーは関係ないのだが。

「た、たす、助けて、たすけてぇ!」

 俺に助けを求めて手を伸ばすが、KEEPOUTの結界にまたもや腕を弾かれる。

「痛いっ」

 また痛がっている。痛くはないはずなのだけれど

「う、うわぁあぁぁん!」

 何もすることができなくなって、とうとう泣き出した田仲君を断罪の剣が貫く。
 見た目はウサギ耳の幼女なので心が痛むが、中身はいい年したおっさんなのを思い出すと、呆れることしかできないなと思い直す。

「ひぃ、ひぃいぃえぇぇぇええええええ!!」

 ずどぉーん!

 なかなかに派手な赤いエフェクトの柱が発生して周囲を赤い光で照らす。
 地面には魔法陣の花が乱れ咲き、光の帯が立ち上り暴れ狂う。
 ゲームの中でも屈指の人気を誇るGM専用のエフェクトだ。
 こんな変なことに力を入れてあるもんだから、エフェクト見たさに無茶をするプレイヤーが昔は続出した。
 開発陣はルール違反を助長しているのではないだろうか?

 でも、何度見ても格好良いな、うん。

 エフェクトが消えた後には何も残っていない、田仲は死んだのだ。

 悪は滅びた。



「ふぅ、しばらくはGMから怒られてるだろうな、さすがに初犯で垢バンまでは行かないだろうけど、待ってる間どうしようかな」

 そう言ってさっきまで田仲君を待っていたベンチに近寄り座ろうとしたのだが、足が動かない。

「あれ、フリーズか?」

 そんな考えを吹き消すように、俺の足元に多重の光輪が広がり立ち上る光の粒子が爆発的に広がっていく。
 輪の周りを見たことがない文字の様なものが縁取り、くるくるとまわっている。文字もパタパタと切り替わり目まぐるしく変化していく。
 ゲーム中の転移魔法陣に似てるな~なんてのんきな事を考えていたら、目の前が真っ白に染まっていく。



「なんだろ、バグかな?」

 その言葉を最後に、俺はゲームの世界から消失した。
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