13 / 41
第一幕 黄昏のエイレンヌ
第12話 奴隷令嬢と急襲
しおりを挟む
ララはその日、家令の使いでミレーヌと共に食材の買い出しのためにエイレンヌの町中へとおもむいていた。
昼下がりの通りは人の往来も盛んで、市場は華やかな賑わいを見せている。
「町に出るのも久しぶりですわね」
「ずっと館にこもりっぱなしだったからねぇ」
二人はそこにある光景にどこか懐かしさを感じながら、しばしの自由を満喫していた。
「そういえばさ、ララ。あれから大丈夫かい?」
通りを散策しながら、ふとミレーヌが問う。
「何のことですの?」
「衝動、だっけ? 理性がなくなるくらい血が欲しくなるヤツ」
「ええ。女将さんが定期的に血をくださるおかげで、あれ以来もう衝動に襲われることはありませんわ」
「そうか。それは良かった」
「ええ。ですが……」
不意に足を止めたララは、
「ジョエルがこのことを知ったら……。わたくしが他者の血を飲んでいることを知ったら、やはり幻滅するのでしょうか? もしかしたら、婚約を解消されてしまうかもしれません……」
顔を曇らせ不安を吐露する。
「ララ……」
ミレーヌは少女の鎮痛の面持ちを見て自らの気持ちも沈んでゆくのを感じ、
「何言ってんだい!!」
その小さな背中をポンと叩き、
「アンタが見こんだ男だろ? アンタが信じないでどうすんだい!?」
力強い口調で鼓舞する。
「女将さん……」
「アンタが自分を見失わない限り、アタシはアンタの側にい続ける。ジョエルだってきっとそうさ」
ミレーヌはそう言って微笑んだ。
「……ええ、そうですわね」
ララは安心したように明るさを取り戻すと、
「女将さん、いつもありがとうございます……」
純心の笑みと共に感謝の意を伝える。
「な、何か照れるな……」
「フフフ、わたくしと女将さんの仲ではありませんか。照れる必要なんてありませんわ」
二人はお互いうなずき合うと固く手を結び、歩みを再開した。
食材を買い終え、もう少し町を散策しようと港の方へ向かった時だった。
「あら? 何か人だかりができてますわね?」
「ホントだね。それに何か深刻そうだよ」
桟橋付近にたむろする人々を目にした二人は、そちらに向かうことにした。
「何かあったのかい?」
近くの中年男性に声をかける。
「ああ、ミレーヌか。久しぶりだな。元気だったか?」
「まあね。それよりこれは何の騒ぎだい?」
「ああ。到着予定日から三日が過ぎてるのに、コリンヴェルトからの定期船が来ないんだよ」
「嵐とか座礁とか、何かのトラブルで遅れているのではないんですの?」
ララが会話に入って問う。
「いや、ここ一週間以上天気は良好だったし、コリンヴェルトまでの海路にはさほど危険な海域はないんだ。それに船員はベテランばかりで、これまでいろんなトラブルに巻き込まれても納期に遅れたことは一度も無かったんだよ」
「そう……なんですの……」
考えこむララ。
「おいおい、コリンヴェルトのワインが届かないんじゃ、俺はこれからどうやって生きてけばイイんだよ!?」
「アンタは飲み過ぎなんだよ。イイ機会だから禁酒しな」
「んな殺生なッ!?」
喧々囂々とした騒ぎはまだまだ収まりそうもなかった。
「まあ、ベテラン船員だから心配ないとは思うけど。ねえ、ララ?」
「え? ええ、そうですわね……」
ミレーヌの言葉にそう答えるララだったが、彼女の胸の奥には何かもやもやとした疑念が渦巻いているのだった。
――この不快感は一体何なんですの?
実に形容しがたいその感情は、胸に巣食ったまま拭えない。
と、その時だった――
どくん――
「ッ!?」
心臓が大きく跳ね上がると、ララの脳裏にひとつの光景が鮮明に浮かび上がる。
それは、かつて彼女の身に起きたあの悲劇――
居城は燃え盛り、家臣は殺され、女中は犯され、彼女自身にも危険が及んだ、あの忌まわしの光景だった。
「ララ!? ララ、どうしたんだい!?」
頭を抱えて膝を崩すララを、ミレーヌが咄嗟に支える。
「……戻りましょう、女将さん。領主に伝えなければなりません」
真剣な眼差しを向けて、ララはそう言うのだった。
それから二日後のことだった――
「おおい、定期船が来たぞー! コリンヴェルトからの定期船だー!!」
埠頭にいた船夫が遠くにあるその船影を発見すると、彼は大声で周囲に呼びかける。
「ようやくの到着か。ずいぶん待ちわびたぜ」
桟橋に横づけされたその船を男たちが出迎える。
いつもどおりの定期船。
しかし――
ザシュッ!!
「ぐあぁぁぁぁぁッッッ!!!」
船内から現れたのは人夫ではなく武装した兵士であり、一番前にいた男はその兵士に剣を突き立てられ、その場に崩れ落ちた。
「ま、まさか……」
その光景を目の当たりにした町の人々は、突然現れた紫紺色に統一された武具をまとう兵士の姿を見て驚愕し、
「紫紺騎士団だ! ブリタニア人が来たぞー!!」
そう叫びながら一目散に逃げ惑った。
そして船の中から二十人ほどの兵士が上陸すると、
「さあ、エイレンヌのアルセイシア人。プレゼントを届けに来てやったぜ。死というプレゼントをな!!」
声高に叫び、町の方へと駆け出す。
しかし、その時だった――
ヒュンッ! ヒュンッ!
茂みの中から次々とクロスボウの矢が放たれ、彼らに襲いかかる。
「何だと!?」
定期船を強奪してそれを利用し、油断し切った住民を一気に斬り伏せる算段だった彼らは、あまりにも早すぎる反撃に戸惑いを隠せなかった。
「おい、あれを見てみろ!」
兵士のひとりが指差した先には、丸太で作られたバリケードが広範囲に渡って設置されており、その向こう側にはフォークや鍬などの農具を携えた町の人や、警護兵が待ち構えていた。
「まさか、俺たちの行動が読まれてたのか……?」
信じられないと、嘆息をもらう兵士たち。
「そのとおりですわ!」
その刹那、茂みの中からひとりの少女が飛び出し、獣のごとく俊敏さで一気に詰め寄ると、手にした剣で兵士を一閃する。
ズシュッ!!
「ぐわぁぁぁぁぁッッッ!!!」
少女の攻撃は兵士の硬い甲冑を砕き、内臓にまで達する。
「……誰だ、貴様は?」
断末魔の叫びを上げて倒れる仲間を見送り、兵士のひとりが問う。
「ブリテン野郎に名乗る名前はありませんわ」
さらりと長い金髪をなびかせ、少女は――ララは再び兵士に斬りかかる。
「しょせんひとりだ。囲め!」
兵士たちは一斉に取り囲むと一気に詰め寄る。
ビュンッ!!
刹那、ララは左手でもう一振りの剣を抜いて跳躍すると共に高速回転する。
「があぁぁぁぁぁッッッ!!!」
その旋風のごとく斬撃は周囲の兵士を薙ぎ倒し、ララは身をひるがえして軽やかに着地した。
「……どうやらただの小娘ではないようだな」
残りの兵士たちが隊列を組む。
兜に覆われているためその表情をうかがうことはできないが、完全に笑いも油断も消え失せているようにララは感じた。
まだ人数差が多く、死闘になる。
そう覚悟した、その時だった――
突如、館の方から大きな破壊音が響くと同時に、そこから煙が立ち上り始める。
町の人々はその光景を見てざわめき立つ。
「な、なぜ館がッ!?」
思いがけない事態に愕然とするララ。
「ククク……。船の偽装を見破ったまではさすがだったな。だがな、俺たちの目的は他にあるのだよ」
兵士の冷笑が響く。
――しまった!
ララはすぐにその場を駆け出した。
――こちらは陽動だったんですわ!!
館に向けて疾走しながら、ララは館の防備を手薄にしてしまったことを悔いるのだった。
昼下がりの通りは人の往来も盛んで、市場は華やかな賑わいを見せている。
「町に出るのも久しぶりですわね」
「ずっと館にこもりっぱなしだったからねぇ」
二人はそこにある光景にどこか懐かしさを感じながら、しばしの自由を満喫していた。
「そういえばさ、ララ。あれから大丈夫かい?」
通りを散策しながら、ふとミレーヌが問う。
「何のことですの?」
「衝動、だっけ? 理性がなくなるくらい血が欲しくなるヤツ」
「ええ。女将さんが定期的に血をくださるおかげで、あれ以来もう衝動に襲われることはありませんわ」
「そうか。それは良かった」
「ええ。ですが……」
不意に足を止めたララは、
「ジョエルがこのことを知ったら……。わたくしが他者の血を飲んでいることを知ったら、やはり幻滅するのでしょうか? もしかしたら、婚約を解消されてしまうかもしれません……」
顔を曇らせ不安を吐露する。
「ララ……」
ミレーヌは少女の鎮痛の面持ちを見て自らの気持ちも沈んでゆくのを感じ、
「何言ってんだい!!」
その小さな背中をポンと叩き、
「アンタが見こんだ男だろ? アンタが信じないでどうすんだい!?」
力強い口調で鼓舞する。
「女将さん……」
「アンタが自分を見失わない限り、アタシはアンタの側にい続ける。ジョエルだってきっとそうさ」
ミレーヌはそう言って微笑んだ。
「……ええ、そうですわね」
ララは安心したように明るさを取り戻すと、
「女将さん、いつもありがとうございます……」
純心の笑みと共に感謝の意を伝える。
「な、何か照れるな……」
「フフフ、わたくしと女将さんの仲ではありませんか。照れる必要なんてありませんわ」
二人はお互いうなずき合うと固く手を結び、歩みを再開した。
食材を買い終え、もう少し町を散策しようと港の方へ向かった時だった。
「あら? 何か人だかりができてますわね?」
「ホントだね。それに何か深刻そうだよ」
桟橋付近にたむろする人々を目にした二人は、そちらに向かうことにした。
「何かあったのかい?」
近くの中年男性に声をかける。
「ああ、ミレーヌか。久しぶりだな。元気だったか?」
「まあね。それよりこれは何の騒ぎだい?」
「ああ。到着予定日から三日が過ぎてるのに、コリンヴェルトからの定期船が来ないんだよ」
「嵐とか座礁とか、何かのトラブルで遅れているのではないんですの?」
ララが会話に入って問う。
「いや、ここ一週間以上天気は良好だったし、コリンヴェルトまでの海路にはさほど危険な海域はないんだ。それに船員はベテランばかりで、これまでいろんなトラブルに巻き込まれても納期に遅れたことは一度も無かったんだよ」
「そう……なんですの……」
考えこむララ。
「おいおい、コリンヴェルトのワインが届かないんじゃ、俺はこれからどうやって生きてけばイイんだよ!?」
「アンタは飲み過ぎなんだよ。イイ機会だから禁酒しな」
「んな殺生なッ!?」
喧々囂々とした騒ぎはまだまだ収まりそうもなかった。
「まあ、ベテラン船員だから心配ないとは思うけど。ねえ、ララ?」
「え? ええ、そうですわね……」
ミレーヌの言葉にそう答えるララだったが、彼女の胸の奥には何かもやもやとした疑念が渦巻いているのだった。
――この不快感は一体何なんですの?
実に形容しがたいその感情は、胸に巣食ったまま拭えない。
と、その時だった――
どくん――
「ッ!?」
心臓が大きく跳ね上がると、ララの脳裏にひとつの光景が鮮明に浮かび上がる。
それは、かつて彼女の身に起きたあの悲劇――
居城は燃え盛り、家臣は殺され、女中は犯され、彼女自身にも危険が及んだ、あの忌まわしの光景だった。
「ララ!? ララ、どうしたんだい!?」
頭を抱えて膝を崩すララを、ミレーヌが咄嗟に支える。
「……戻りましょう、女将さん。領主に伝えなければなりません」
真剣な眼差しを向けて、ララはそう言うのだった。
それから二日後のことだった――
「おおい、定期船が来たぞー! コリンヴェルトからの定期船だー!!」
埠頭にいた船夫が遠くにあるその船影を発見すると、彼は大声で周囲に呼びかける。
「ようやくの到着か。ずいぶん待ちわびたぜ」
桟橋に横づけされたその船を男たちが出迎える。
いつもどおりの定期船。
しかし――
ザシュッ!!
「ぐあぁぁぁぁぁッッッ!!!」
船内から現れたのは人夫ではなく武装した兵士であり、一番前にいた男はその兵士に剣を突き立てられ、その場に崩れ落ちた。
「ま、まさか……」
その光景を目の当たりにした町の人々は、突然現れた紫紺色に統一された武具をまとう兵士の姿を見て驚愕し、
「紫紺騎士団だ! ブリタニア人が来たぞー!!」
そう叫びながら一目散に逃げ惑った。
そして船の中から二十人ほどの兵士が上陸すると、
「さあ、エイレンヌのアルセイシア人。プレゼントを届けに来てやったぜ。死というプレゼントをな!!」
声高に叫び、町の方へと駆け出す。
しかし、その時だった――
ヒュンッ! ヒュンッ!
茂みの中から次々とクロスボウの矢が放たれ、彼らに襲いかかる。
「何だと!?」
定期船を強奪してそれを利用し、油断し切った住民を一気に斬り伏せる算段だった彼らは、あまりにも早すぎる反撃に戸惑いを隠せなかった。
「おい、あれを見てみろ!」
兵士のひとりが指差した先には、丸太で作られたバリケードが広範囲に渡って設置されており、その向こう側にはフォークや鍬などの農具を携えた町の人や、警護兵が待ち構えていた。
「まさか、俺たちの行動が読まれてたのか……?」
信じられないと、嘆息をもらう兵士たち。
「そのとおりですわ!」
その刹那、茂みの中からひとりの少女が飛び出し、獣のごとく俊敏さで一気に詰め寄ると、手にした剣で兵士を一閃する。
ズシュッ!!
「ぐわぁぁぁぁぁッッッ!!!」
少女の攻撃は兵士の硬い甲冑を砕き、内臓にまで達する。
「……誰だ、貴様は?」
断末魔の叫びを上げて倒れる仲間を見送り、兵士のひとりが問う。
「ブリテン野郎に名乗る名前はありませんわ」
さらりと長い金髪をなびかせ、少女は――ララは再び兵士に斬りかかる。
「しょせんひとりだ。囲め!」
兵士たちは一斉に取り囲むと一気に詰め寄る。
ビュンッ!!
刹那、ララは左手でもう一振りの剣を抜いて跳躍すると共に高速回転する。
「があぁぁぁぁぁッッッ!!!」
その旋風のごとく斬撃は周囲の兵士を薙ぎ倒し、ララは身をひるがえして軽やかに着地した。
「……どうやらただの小娘ではないようだな」
残りの兵士たちが隊列を組む。
兜に覆われているためその表情をうかがうことはできないが、完全に笑いも油断も消え失せているようにララは感じた。
まだ人数差が多く、死闘になる。
そう覚悟した、その時だった――
突如、館の方から大きな破壊音が響くと同時に、そこから煙が立ち上り始める。
町の人々はその光景を見てざわめき立つ。
「な、なぜ館がッ!?」
思いがけない事態に愕然とするララ。
「ククク……。船の偽装を見破ったまではさすがだったな。だがな、俺たちの目的は他にあるのだよ」
兵士の冷笑が響く。
――しまった!
ララはすぐにその場を駆け出した。
――こちらは陽動だったんですわ!!
館に向けて疾走しながら、ララは館の防備を手薄にしてしまったことを悔いるのだった。
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
元おっさんの幼馴染育成計画
みずがめ
恋愛
独身貴族のおっさんが逆行転生してしまった。結婚願望がなかったわけじゃない、むしろ強く思っていた。今度こそ人並みのささやかな夢を叶えるために彼女を作るのだ。
だけど結婚どころか彼女すらできたことのないような日陰ものの自分にそんなことができるのだろうか? 軟派なことをできる自信がない。ならば幼馴染の女の子を作ってそのままゴールインすればいい。という考えのもと始まる元おっさんの幼馴染育成計画。
※この作品は小説家になろうにも掲載しています。
※【挿絵あり】の話にはいただいたイラストを載せています。表紙はチャーコさんが依頼して、まるぶち銀河さんに描いていただきました。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
迷い人 ~異世界で成り上がる。大器晩成型とは知らずに無難な商人になっちゃった。~
飛燕 つばさ
ファンタジー
孤独な中年、坂本零。ある日、彼は目を覚ますと、まったく知らない異世界に立っていた。彼は現地の兵士たちに捕まり、不審人物とされて牢獄に投獄されてしまう。
彼は異世界から迷い込んだ『迷い人』と呼ばれる存在だと告げられる。その『迷い人』には、世界を救う勇者としての可能性も、世界を滅ぼす魔王としての可能性も秘められているそうだ。しかし、零は自分がそんな使命を担う存在だと受け入れることができなかった。
独房から零を救ったのは、昔この世界を救った勇者の末裔である老婆だった。老婆は零の力を探るが、彼は戦闘や魔法に関する特別な力を持っていなかった。零はそのことに絶望するが、自身の日本での知識を駆使し、『商人』として新たな一歩を踏み出す決意をする…。
この物語は、異世界に迷い込んだ日本のサラリーマンが主人公です。彼は潜在的に秘められた能力に気づかずに、無難な商人を選びます。次々に目覚める力でこの世界に起こる問題を解決していく姿を描いていきます。
※当作品は、過去に私が創作した作品『異世界で商人になっちゃった。』を一から徹底的に文章校正し、新たな作品として再構築したものです。文章表現だけでなく、ストーリー展開の修正や、新ストーリーの追加、新キャラクターの登場など、変更点が多くございます。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる