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長い修行
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ヒルデガルトの修行の効果は、覿面だった。
ウィルはただ、闘気を纏って屋台の食べ物をひたすら食べただけだ。露店の食べ物ということで高値で売られているものではあったが、白銀貨にして三十枚分を食べた。これは、軽く見積もってもウィルの泊まっている宿屋に、一年は泊まり続けられる計算である。
だがその効果は、誰でもないウィル自身が痛感していた。ただひたすらに食べ続けるだけで、これほど違うのか、と。
「……」
宿屋で起きて、姿見で確認した自分の体。
恐らく、継続して闘気を纏うことが一つの鍛錬のような形で、自分の体に反映されているのだろう。常時二倍の力を出すことができる状態にいるわけだから、それだけで体にかかる負担は大きいのだ。
そして、闘気を纏うことによって奪われるエネルギーを、そのまま食べ続けるという行為によって補充する――その繰り返しにより、体を作るのがあの修行の意味だったのだろう。
事実、ウィルの体は一回り大きくなっている。しかし筋骨隆々というわけではなく、細身ながらも筋肉が浮き出ていると言うべきか。
たったの一日で、こんなにも変わるものなのか。
「よし、行くか……!」
そして、今日は修行三日目。
また今日も、訳の分からない修行なのだろう。だが、間違いなく言えることはある。
三日前よりも、ウィルは格段に強くなった。
「今日も大迷宮には入らないよ」
「うす」
大迷宮の入り口――そこで待ち合わせをしていたヒルデガルトに、開口一番ウィルはそう告げられた。
それは、昨日も言われたことだ。そもそも大迷宮で戦うための修行なのに、大迷宮に入らないとはどういうことかと昨日は奇妙に思ったものだが、実際にその修行の効果が体に現れているのだから、もうウィルに否はない。
一体、どんな無茶なことを言い出すか――そう覚悟を決めて、ウィルはヒルデガルトを見据える。
「んな大したことをするわけじゃないよ。身構えんな」
「う、うす。大丈夫っす」
「ま、覚悟があんのはいい。でも、お前さんの期待にはちょいと添えられないかもしれないね。とりあえず、ついてきな」
「うす」
大迷宮の前から、街の方に戻る道を、ヒルデガルトの後ろをついて歩く。
歩きながら露店の店主が、「兄ちゃん! 今日は肉どうだい!」などと話しかけてきたが、愛想笑いだけ返しておいた。懐に昨日の残りの白銀貨は残っているけれど、今日の修行は違うのだ。
ヒルデガルトが、これから何をさせようとしているのか、さっぱり分からないが――。
「今日は基礎的な修行と、あとはお前さんに幾つか教えておくよ」
「うす」
「まず、あたしが最初に言ったことを覚えているか? 露店で物を買うハンターは三流だ」
「うす。覚えてます」
その言葉は、ウィルが荷物持ちとして大迷宮に共に潜る前に、ヒルデガルトから言われたことだ。
露店で売っているものは、大迷宮を踏破する上で必要なものだ。食料であったり水であったり予備の武器であったり、最初はウィルも「この露店で全部揃うんだなー」とか思っていたほどである。
だが、ヒルデガルトはそんなウィルの、甘い考えすらも一刀両断した。
「今日は、あたしが主に使っていた店を教えてやる。まず、食料を買うなら街の西にある『カズラ食品店』が質のいい保存食を売ってる。あそこの保存食を色々揃えておけば、少なくとも二ヶ月は大迷宮に潜れるよ」
「二ヶ月も!?」
「ああ。あそこの酸っぱい漬物は、長い探索には不可欠だ。でないと、病気で歯茎から血を出す羽目になる。あれを食ってりゃ、それが防げるってだけでも助かるもんさ」
「は、はぁ……そうなんすか」
「理屈は、あたしに聞くんじゃないよ。そういうモンだって思っとけ」
「うす」
歯茎から血を出す病――それは、少し聞いたことがある。
基本的には、船乗りの病気とされるものだ。長い期間を船の上で過ごすことで、栄養が偏ってしまうことが原因であるらしい。
だが確かに、長い期間大迷宮の探索を行うということは、保存食ばかりの日々になる。それは船乗りの生活と、大して変わらないものだろう。
「武器や防具についても、質のいいモンを揃える店はある。だが今日は、まず食料品からお前さんには教えてやるよ。実際に、その体に覚えさせてやる」
「ど、どういう……」
「着いたよ。ここだ」
ようやく辿り着いたのは、それほど大きくない店構えの建物だった。
看板には確かに、『カズラ食品店』とある。だがヒルデガルトが勧める店にしては、随分と小さい。それこそ、『S級ハンター御用達!』とか看板を出してもいいはずなのに。
むしろ、ただ歩いていただけでは気にもとめないほど、存在感のない店だった。
「あんまり、流行ってないんすか?」
「ここの店主はやる気がねぇのさ。店が儲かろうと儲かるまいとどうでもいいんだろうね」
「そう、なんすか……」
「まぁ、いつ来ても空いてるから助かるんだがね」
からんころん、と扉のベルを鳴らしながら開く。
やや薄暗い店内に、並べられているのは保存食の数々。そして瓶詰めの塩漬けや吊された干し肉など、いかにもハンターの食料を揃えています、といった内装だ。
その奥で、やる気なさげに新聞を読んでいる、店主であろう人物。
「いらっしゃい」
「一ヶ月分だ」
「あいよ。久しぶりに来たな、ヒルダ」
「ああ。ちょいと必要になってね」
よいしょ、と店主が立ち上がり、奥から木箱を持ってくる。
恐らく、それがヒルデガルトの言うところの『一ヶ月分』なのだろう。木箱の中には乾物や塩漬け、干し野菜に瓶詰め――様々な保存食が入っていた。
「白銀貨四枚だ」
「相変わらず、商売する気がねぇ価格だね」
「必要な奴は買ってくれるんだよ。俺は必要のねぇ奴に売らねぇ」
「まぁいいさ。小僧、払いな」
「う、うす!」
昨日、ヒルデガルトから渡された金――その中から白銀貨を四枚出して、支払う。
正直、昨日一日で白銀貨三十枚分の食事をしたウィルにしてみれば、かなりお得に思えた。多分、金銭感覚が麻痺しているのだろう。実際、一般家庭の一月の食費で白銀貨一枚といったところなのだ。
愛想のない店主は「毎度」とだけ言って、再び新聞を読み始める。
「それじゃ小僧、それを持ってついてきな」
「うす」
木箱を抱えて、店から出るヒルデガルトの後ろをついていく。
その木箱も、本来闘気を纏っていないウィルであれば、持ち上げるのに一苦労するものだっただろう。しかし、それを軽々と抱えることができる――その事実に、僅かに胸が躍るのが分かった。
間違いなく、自分が強くなっている、と。
木箱を抱え、人混みを抜け、次第に人の姿がなくなってくる。
そして、ヒルデガルトはようやく見つけた、とばかりに空き地へと入り。
「この辺でいいだろう」
「ここ、すか?」
特に、何があるわけでもない、ただの空き地だ。
住宅街からも商店街からも離れているそこは、恐らく子供たちの遊び場になっているのだろう。土には落書きがあったり、おもちゃの剣が転がっていたり、様々だ。
そこで、ウィルは木箱を下ろす。
そしてヒルデガルトは、丁度腰を下ろすには良さそうな石の上に座った。
「これから、お前さんには実際に大迷宮に入っているつもりで、修行をしてもらうよ」
「う、うす」
「その木箱の中には、水石も入ってる。お前さんの少ない魔力でも、まぁ全力を出せば一日分の水くらいは出せるはずだ」
「はぁ……」
「ってわけで」
ひょいっ、とヒルデガルトが放ってくるのは、魔術文様の刻まれた石だ。
水石は、魔力を流すことによって大気中の水分を飲める水に変換してくれる道具である。伝説に残るハンターの一人が開発したらしいが、この石を一つ持っておくだけで、重い水運びから解放されたという革新的なものだ。
もっとも、刻まれた魔力が失われるとただの石になってしまうため、魔力が失われる前に補充しなければならないという欠陥はあるが。
「一日、一万回だ」
「へ?」
「素振りだよ。簡単だろう?」
「……」
ウィルの背中にある、『無双の剣王』アレキサンダーの使っていた巨大な剣。
一ヶ月分、用意された保存食。水を生成することができる水石。そして街の僻地にある空き地。
やることは、一日一万回の素振り。
恐らくは、それを一ヶ月の間、続けるということ――。
ただ、後悔が一つ。
一ヶ月離れると分かっていれば、宿を解約しておいたのに。
ウィルはただ、闘気を纏って屋台の食べ物をひたすら食べただけだ。露店の食べ物ということで高値で売られているものではあったが、白銀貨にして三十枚分を食べた。これは、軽く見積もってもウィルの泊まっている宿屋に、一年は泊まり続けられる計算である。
だがその効果は、誰でもないウィル自身が痛感していた。ただひたすらに食べ続けるだけで、これほど違うのか、と。
「……」
宿屋で起きて、姿見で確認した自分の体。
恐らく、継続して闘気を纏うことが一つの鍛錬のような形で、自分の体に反映されているのだろう。常時二倍の力を出すことができる状態にいるわけだから、それだけで体にかかる負担は大きいのだ。
そして、闘気を纏うことによって奪われるエネルギーを、そのまま食べ続けるという行為によって補充する――その繰り返しにより、体を作るのがあの修行の意味だったのだろう。
事実、ウィルの体は一回り大きくなっている。しかし筋骨隆々というわけではなく、細身ながらも筋肉が浮き出ていると言うべきか。
たったの一日で、こんなにも変わるものなのか。
「よし、行くか……!」
そして、今日は修行三日目。
また今日も、訳の分からない修行なのだろう。だが、間違いなく言えることはある。
三日前よりも、ウィルは格段に強くなった。
「今日も大迷宮には入らないよ」
「うす」
大迷宮の入り口――そこで待ち合わせをしていたヒルデガルトに、開口一番ウィルはそう告げられた。
それは、昨日も言われたことだ。そもそも大迷宮で戦うための修行なのに、大迷宮に入らないとはどういうことかと昨日は奇妙に思ったものだが、実際にその修行の効果が体に現れているのだから、もうウィルに否はない。
一体、どんな無茶なことを言い出すか――そう覚悟を決めて、ウィルはヒルデガルトを見据える。
「んな大したことをするわけじゃないよ。身構えんな」
「う、うす。大丈夫っす」
「ま、覚悟があんのはいい。でも、お前さんの期待にはちょいと添えられないかもしれないね。とりあえず、ついてきな」
「うす」
大迷宮の前から、街の方に戻る道を、ヒルデガルトの後ろをついて歩く。
歩きながら露店の店主が、「兄ちゃん! 今日は肉どうだい!」などと話しかけてきたが、愛想笑いだけ返しておいた。懐に昨日の残りの白銀貨は残っているけれど、今日の修行は違うのだ。
ヒルデガルトが、これから何をさせようとしているのか、さっぱり分からないが――。
「今日は基礎的な修行と、あとはお前さんに幾つか教えておくよ」
「うす」
「まず、あたしが最初に言ったことを覚えているか? 露店で物を買うハンターは三流だ」
「うす。覚えてます」
その言葉は、ウィルが荷物持ちとして大迷宮に共に潜る前に、ヒルデガルトから言われたことだ。
露店で売っているものは、大迷宮を踏破する上で必要なものだ。食料であったり水であったり予備の武器であったり、最初はウィルも「この露店で全部揃うんだなー」とか思っていたほどである。
だが、ヒルデガルトはそんなウィルの、甘い考えすらも一刀両断した。
「今日は、あたしが主に使っていた店を教えてやる。まず、食料を買うなら街の西にある『カズラ食品店』が質のいい保存食を売ってる。あそこの保存食を色々揃えておけば、少なくとも二ヶ月は大迷宮に潜れるよ」
「二ヶ月も!?」
「ああ。あそこの酸っぱい漬物は、長い探索には不可欠だ。でないと、病気で歯茎から血を出す羽目になる。あれを食ってりゃ、それが防げるってだけでも助かるもんさ」
「は、はぁ……そうなんすか」
「理屈は、あたしに聞くんじゃないよ。そういうモンだって思っとけ」
「うす」
歯茎から血を出す病――それは、少し聞いたことがある。
基本的には、船乗りの病気とされるものだ。長い期間を船の上で過ごすことで、栄養が偏ってしまうことが原因であるらしい。
だが確かに、長い期間大迷宮の探索を行うということは、保存食ばかりの日々になる。それは船乗りの生活と、大して変わらないものだろう。
「武器や防具についても、質のいいモンを揃える店はある。だが今日は、まず食料品からお前さんには教えてやるよ。実際に、その体に覚えさせてやる」
「ど、どういう……」
「着いたよ。ここだ」
ようやく辿り着いたのは、それほど大きくない店構えの建物だった。
看板には確かに、『カズラ食品店』とある。だがヒルデガルトが勧める店にしては、随分と小さい。それこそ、『S級ハンター御用達!』とか看板を出してもいいはずなのに。
むしろ、ただ歩いていただけでは気にもとめないほど、存在感のない店だった。
「あんまり、流行ってないんすか?」
「ここの店主はやる気がねぇのさ。店が儲かろうと儲かるまいとどうでもいいんだろうね」
「そう、なんすか……」
「まぁ、いつ来ても空いてるから助かるんだがね」
からんころん、と扉のベルを鳴らしながら開く。
やや薄暗い店内に、並べられているのは保存食の数々。そして瓶詰めの塩漬けや吊された干し肉など、いかにもハンターの食料を揃えています、といった内装だ。
その奥で、やる気なさげに新聞を読んでいる、店主であろう人物。
「いらっしゃい」
「一ヶ月分だ」
「あいよ。久しぶりに来たな、ヒルダ」
「ああ。ちょいと必要になってね」
よいしょ、と店主が立ち上がり、奥から木箱を持ってくる。
恐らく、それがヒルデガルトの言うところの『一ヶ月分』なのだろう。木箱の中には乾物や塩漬け、干し野菜に瓶詰め――様々な保存食が入っていた。
「白銀貨四枚だ」
「相変わらず、商売する気がねぇ価格だね」
「必要な奴は買ってくれるんだよ。俺は必要のねぇ奴に売らねぇ」
「まぁいいさ。小僧、払いな」
「う、うす!」
昨日、ヒルデガルトから渡された金――その中から白銀貨を四枚出して、支払う。
正直、昨日一日で白銀貨三十枚分の食事をしたウィルにしてみれば、かなりお得に思えた。多分、金銭感覚が麻痺しているのだろう。実際、一般家庭の一月の食費で白銀貨一枚といったところなのだ。
愛想のない店主は「毎度」とだけ言って、再び新聞を読み始める。
「それじゃ小僧、それを持ってついてきな」
「うす」
木箱を抱えて、店から出るヒルデガルトの後ろをついていく。
その木箱も、本来闘気を纏っていないウィルであれば、持ち上げるのに一苦労するものだっただろう。しかし、それを軽々と抱えることができる――その事実に、僅かに胸が躍るのが分かった。
間違いなく、自分が強くなっている、と。
木箱を抱え、人混みを抜け、次第に人の姿がなくなってくる。
そして、ヒルデガルトはようやく見つけた、とばかりに空き地へと入り。
「この辺でいいだろう」
「ここ、すか?」
特に、何があるわけでもない、ただの空き地だ。
住宅街からも商店街からも離れているそこは、恐らく子供たちの遊び場になっているのだろう。土には落書きがあったり、おもちゃの剣が転がっていたり、様々だ。
そこで、ウィルは木箱を下ろす。
そしてヒルデガルトは、丁度腰を下ろすには良さそうな石の上に座った。
「これから、お前さんには実際に大迷宮に入っているつもりで、修行をしてもらうよ」
「う、うす」
「その木箱の中には、水石も入ってる。お前さんの少ない魔力でも、まぁ全力を出せば一日分の水くらいは出せるはずだ」
「はぁ……」
「ってわけで」
ひょいっ、とヒルデガルトが放ってくるのは、魔術文様の刻まれた石だ。
水石は、魔力を流すことによって大気中の水分を飲める水に変換してくれる道具である。伝説に残るハンターの一人が開発したらしいが、この石を一つ持っておくだけで、重い水運びから解放されたという革新的なものだ。
もっとも、刻まれた魔力が失われるとただの石になってしまうため、魔力が失われる前に補充しなければならないという欠陥はあるが。
「一日、一万回だ」
「へ?」
「素振りだよ。簡単だろう?」
「……」
ウィルの背中にある、『無双の剣王』アレキサンダーの使っていた巨大な剣。
一ヶ月分、用意された保存食。水を生成することができる水石。そして街の僻地にある空き地。
やることは、一日一万回の素振り。
恐らくは、それを一ヶ月の間、続けるということ――。
ただ、後悔が一つ。
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