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私の能力なんですか?
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どこの誰だかわからない女神様にイルタニアに呼ばれてから3日がたった。
用意されていた部屋は王族と連なる王城の一角
寝室、私室、応接室と3部屋も宛がわれた。
おまけに私用のダイニングルームまで。
残念ながらワンルームに住んでいた私にとっては、使い分けがうまくできないでいる。
3日の間に城を案内され、専属のメイドを紹介され、必要なものを用意された。
残念ながら用意されていた洋服などはフリル沢山のドレスやワンピース。色もピンクやイエローのものばかり。
完全に女子高生を想定しているものばかりだ。メイドも話し相手にと下位貴族の令嬢や結婚前の箔付けにきている10代の少女ばかりで、気晴らしになる程度に話はするが、心を開いて打ち解けるには難しい相手だった。
聖女なら何かできるのかな?とモーゼさんを呼んで聞いてみたが、これといって癒しができるや、邪気を払うなどのチートスキルも一切なかった。
最初はそりゃあ、みんな勝手に連れてきて悪かった。居てくれるだけでいいなんて言ってくれるけどそんなのはせいぜい3ヶ月持つかどうかだわ。
何かできることを探さなくちゃと図書室に行ってみようと歩きだしたときにきづいちゃった。私、やっときづきました。
あれ?私ってイルタニアの本読めるの?私日本語で話しているし、みんなの言葉がわかる!!みんな日本語なの?
いやいや、そんなわけないわ。ということは
これか。私の能力。
言語能力だ
勉強しないでもわかるなんてすごい。
まず、誰かと話して確認したい。
その場にいたメイドの女の子に話しかけてみた。
「アーリンだったかしら?」
「はい。聖女様」
「あなたのことを教えてくれないかしら。できたらゆっくり話してくれると嬉しいわ」
「立話もなんだから座って話さない?」
「いえ、座るなんて滅相もございません」
「ごめんね。誰かに咎められたら私が話をするから、しっかり話したいから座って」
やや強引に椅子をすすめて、ついでに滅多に手に入らないらしいチョコレートをすすめてみたらあっという間に座った。
う、うん。だよね。若い子には私の言葉より美味しいおかしだよね。
わかってる。わかってるけど聖女の言葉よりチョコレートか。
「アーリンの家族は何人かしら?」
「はい。聖女様両親と兄がおります。兄は現在アリタニアに留学しております。」
「アリタニアは同じ言葉なの?」
「アリタニアですか?」
「そうそう。大陸が離れていて国も違うのでしょ?」
「もともと5つの大陸1つでしたが、女神様が争いを始めた人々を離すために大陸を分けられたときまでは同じ言葉を話ていたと聞いておりますが、現在は遠く離れて久しくなり言葉はわかれたといわれております」
「ということはこの世界には5つの言語があるのかしら?」
「いえ、今現在はさらに民族などでわかれてもっと多様な言語があります」
「アーリンは他の言葉も話せるの?」
「お恥ずかしながら私はアリタニアの言葉を少しでこざいます」
「話してみてくれないかしら?」
「それでは失礼して。自己紹介をさせていただきます。私はアーリン・サルーンでございます。歳は17。応急で聖女様のメイドとして働いております」
やった!!!それを聞いたとき私は思わず小さくガッツポーズしてしまった。
どこで切り替わったのかわからないが、全く問題なく日本語で聞こえた。
そして、よく口許をみていたら口の動きと言葉とのずれがあることがわかった。
ちょっとうまくない映画の吹替えのようだわ。
これは、私の能力だわ。思わず涙が出そうになったが、この歳の女の涙は易くないわ。こんなことでは流さない。それでも私は心のそこから安堵した。
よかった。他の言語が話せる私は役にたつことができる。
ただのお荷物年増乙女聖女ではなくなるわ!
用意されていた部屋は王族と連なる王城の一角
寝室、私室、応接室と3部屋も宛がわれた。
おまけに私用のダイニングルームまで。
残念ながらワンルームに住んでいた私にとっては、使い分けがうまくできないでいる。
3日の間に城を案内され、専属のメイドを紹介され、必要なものを用意された。
残念ながら用意されていた洋服などはフリル沢山のドレスやワンピース。色もピンクやイエローのものばかり。
完全に女子高生を想定しているものばかりだ。メイドも話し相手にと下位貴族の令嬢や結婚前の箔付けにきている10代の少女ばかりで、気晴らしになる程度に話はするが、心を開いて打ち解けるには難しい相手だった。
聖女なら何かできるのかな?とモーゼさんを呼んで聞いてみたが、これといって癒しができるや、邪気を払うなどのチートスキルも一切なかった。
最初はそりゃあ、みんな勝手に連れてきて悪かった。居てくれるだけでいいなんて言ってくれるけどそんなのはせいぜい3ヶ月持つかどうかだわ。
何かできることを探さなくちゃと図書室に行ってみようと歩きだしたときにきづいちゃった。私、やっときづきました。
あれ?私ってイルタニアの本読めるの?私日本語で話しているし、みんなの言葉がわかる!!みんな日本語なの?
いやいや、そんなわけないわ。ということは
これか。私の能力。
言語能力だ
勉強しないでもわかるなんてすごい。
まず、誰かと話して確認したい。
その場にいたメイドの女の子に話しかけてみた。
「アーリンだったかしら?」
「はい。聖女様」
「あなたのことを教えてくれないかしら。できたらゆっくり話してくれると嬉しいわ」
「立話もなんだから座って話さない?」
「いえ、座るなんて滅相もございません」
「ごめんね。誰かに咎められたら私が話をするから、しっかり話したいから座って」
やや強引に椅子をすすめて、ついでに滅多に手に入らないらしいチョコレートをすすめてみたらあっという間に座った。
う、うん。だよね。若い子には私の言葉より美味しいおかしだよね。
わかってる。わかってるけど聖女の言葉よりチョコレートか。
「アーリンの家族は何人かしら?」
「はい。聖女様両親と兄がおります。兄は現在アリタニアに留学しております。」
「アリタニアは同じ言葉なの?」
「アリタニアですか?」
「そうそう。大陸が離れていて国も違うのでしょ?」
「もともと5つの大陸1つでしたが、女神様が争いを始めた人々を離すために大陸を分けられたときまでは同じ言葉を話ていたと聞いておりますが、現在は遠く離れて久しくなり言葉はわかれたといわれております」
「ということはこの世界には5つの言語があるのかしら?」
「いえ、今現在はさらに民族などでわかれてもっと多様な言語があります」
「アーリンは他の言葉も話せるの?」
「お恥ずかしながら私はアリタニアの言葉を少しでこざいます」
「話してみてくれないかしら?」
「それでは失礼して。自己紹介をさせていただきます。私はアーリン・サルーンでございます。歳は17。応急で聖女様のメイドとして働いております」
やった!!!それを聞いたとき私は思わず小さくガッツポーズしてしまった。
どこで切り替わったのかわからないが、全く問題なく日本語で聞こえた。
そして、よく口許をみていたら口の動きと言葉とのずれがあることがわかった。
ちょっとうまくない映画の吹替えのようだわ。
これは、私の能力だわ。思わず涙が出そうになったが、この歳の女の涙は易くないわ。こんなことでは流さない。それでも私は心のそこから安堵した。
よかった。他の言語が話せる私は役にたつことができる。
ただのお荷物年増乙女聖女ではなくなるわ!
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