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αteam〜アルファチーム〜NO.9
NO.9 俺たちと一緒に来ませんか
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「……どうやらこちらの話は聞く耳持た無いみたいですね…」
「全く……大人しく捕まっておけば良かったのに…」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、みんなで一緒に鬼ごっこしようよ!!あ、でも人間がいる…そうだ!!私の力で妖に戻してあげるね!!そうしたらみんなで鬼ごっこできるね!!」
そう言うとサダメはアαteamのメンバーを見渡すと手を合わせて真っ赤な瞳を閉じて…
「輪廻転生・生」
すると勾玉がカタカタと音を立て光が放った。眩しくなった光が消えるとそれぞれ違う姿に変わっていた。
マナカとマノアは妖狐に。
ユウトは烏天狗に。
シンは浦島太郎に。
カイは乙姫に。
タイヨウとタイセイ猫又に。
アロは九十九神に……
それぞれ姿は違うものの、瞳や髪の毛、声、様子、チームメンバーには変わりない仲間だった。
「何これ!?コス!?コスなの!?」
「マ、マナカ落ち着いて……ってうわ!?は、羽根…?」
「俺も狐じゃないか…!!ホノカが言ってたのは本当だったのか…」
「兄さんの羽衣と着物カッケー…白と青色の羨ましいな…」
「カイのも似合ってるよ……紫色可愛い…」
「セイ、お前…耳と尾っぽが…」
「に、兄ちゃんも一緒だよ…!!」
「ボクは実体化シましタヨ!?」
「みんなこれで大丈夫だね!!じゃあ鬼は……ユキトにお願いしようかな??」
するとユキトの姿はまるで変わり果てていた。
伸びた青色の2本の角。雪色の神着に首には同じ色の勾玉。後ろに背負われた大きな瓢箪。手には刀。目は赤色…紅い…赫い瞳で光はなく濁っている。そしてこちらを無表情で見つめている。アカツキは嫌な予感がしていた。もちろん他の仲間も一緒だ。だがアカツキ、クロテ、シロガネ、サクラの4人は1番それを感じていた。このままでは100年前のあの時と同じになってしまう。しかし躊躇する暇もなくサダメがどんどん話を進めていってしまう。
「ユキトが鬼で、他のみんなは人間ね!!ユキトの刀で切られたらそこで終わり!!あ、死んじゃうと面白くないからユキト、殺しちゃダメだよ?浅く斬るだけね?じゃあ行っくよ~よーいドン!!!」
全員が息を飲み、必死になって逃げた。するとユキトはありえないスピードで追いかけて来た。一番最初に狙われたのは……αteamNO.2マナカだった。
「!?ユ……ユキト!!目を覚ましてよ!!?なんであの子の言いなりになってんの!???」
「サダメノイウコトハゼッタイ……サカラウコトハユルサレナイ…」
今まで聞いたことの無いような低く冷たい、無機質な声でそう告げた。
マナカは泣きながら逃げたがすぐに追いつかれてしまった。その瞬間マナカの腕から鮮血がぽたぽたと流れ始めた。切られたのだ。驚きの速さで。マナカは叫んだ。紅い袴姿に血が落ちてさらに紅く染る。ユウトは驚いた顔をして駆け寄った。
「マナカ…!?大丈夫!?ねえ!?マナカ!!!?」
「痛い……助けて、ユウト…痛いよ…ユキトに斬られて…」
「……………………」
「ユキト君……?どうしちゃったの…なんでこんなことしてー」
話しかけた瞬間ユキトは刀を振り上げたがマナカを抱いたユウトは後ろから思いっきり引っ張られた。かと思ったら大きな龍の姿になったシロガネだった。引っ張ってくれなかったら今頃大量出血だっただろう。
シロガネの背中に乗ったままマナカの応急処置をするユウト。それを追いかけるユキト。ついさっきまで幼馴染みだったのに今では赤の他人のように感じる。だがすぐに標的を変えた。マノアだ。同じ妖狐だがヒーラーの役割があるマノアを先に駄目にしておいた方がいいのだろう。シロガネもそれはわかっていた五分五分の速さでシロガネは間一髪でマノアを背中に乗せることが出来た。
「あっぶね……シロガネ、助かった…」
「そんな事はいいからマナカちゃんの処置を!!」
「マノア……痛い…」
「解ったからちょっと待て…」
そう言って触れた瞬間すぐに傷が治ってしまった。今までは時間がかかったのに。妖の姿になって妖力が格段に上がったんだろう。シロガネはユウトを下ろし、狙われたマナカとマノアは背中に乗せたまま空を浮遊していた。
ユキトside
「……………………………………」
暗い…寒い…まるで100年前と同じ場所に居るみたいだ。だけど今は違う。サダメと戦っていたはずなのに、いつの間に気を失っていたのだろう……俺は…何してた?
「やっと目覚めたか…遅かったな、ユキト。」
「え……?俺?」
目の前に現れたのは俺だった。でも今の俺じゃない、昔の俺だった。
今の人間の姿とは全く違う凛々しい姿だった。言葉遣いもだいぶ違う。
「全く……どれだけ目覚めるのが遅いのだ。我は待ちくたびれたぞ…お陰で大惨事だ。」
「俺は……どうなったんですか?」
「何故敬語……まぁ良い。お主は今、サダメに意識を乗っ取られとる。強い言霊でな。今我がお前とその意志が身体から離れぬよう繋いでおる。だいぶ時間はかかったがな。お主は何処まで覚えているのだ。まさか全部覚えていないとは言わないだろうな!?」
「ええっと……部屋に入ったまでは覚えて…」
するともう1人の俺は深く長いため息を着いた。俺があわあわしていると少しだけ渋い顔をして話始めた。
「だいぶ抜け落ちてるみたいだな…そろそろ不味かもしれぬ。いいか、今から言う事をよく聞け。拒否権は無いからな。お主の身体を今から我がしばらくの間動かす。お主はそれを黙って目を瞑って瞑想をしておれ。いいか、少しでも集中力を離してしまうとお主の意思はなくなってしまう。今は2つに分裂しているが我とお主は一心同体なんだからな。良いか?」
「は、はい…気をつけます。」
「…………それならば変わるぞ。」
もう1人の俺は身体が青く光り消えていった。少しだけ辺りが明るくなった気がした。目を瞑って居ると目裏から光が溢れた。みんなが移ってる。
酒呑童子side
「………………………………………………」
まぁまぁ…これまたやってくれたもんだ。身体がゆう事を聞かん。全くサダメは厄介だよ。昔の我は相当な願いをしてしまったようだな。さてどうしたものか…
「ユキト??どうしたの?鬼ごっこ中だよ??」
「どうしたものこうしたも無いわ……全く、気を保つので精一杯だわい…」
「…………どうして酒呑童子が出てきてるの…???!!!」
「おや、喋れるようになってたのか。はて、なんのことだか我にはさっぱりだ。」
周りは困惑した目をしとるな。さて、身体も自由に動くことができ始めた。ここからは少し本領発揮と行こうか……
「アカツキ、我を守れ。少し力を蓄える。我に傷1つ付けさせるなよ。」
「やっと起きたんだね…ハイハイ、酒呑童子様の仰せのままに…なんてね。」
「私達も加勢します。サクラちゃん、行きますよ。」
「あ、うん!!」
アカツキに守らせておけば安心だが……まぁ人間の彼奴等も心配だ。少しだけ保護を付けるかな…
「サクラ、言霊を人間らに頼む。クロテは蝶の護符を」
「わかったよユキト。」
「ええ、任せてください。」
さてさて……それでは飲むかな…飲むかな
酒呑童子は後ろに背負っていた瓢箪を下ろし蓋を開け、そのまま酒を呑み始めた。
なんで飲んだかと言うと、これは霊力を上げるための酒なのだ。酔えば酔うほど酒の度が強ければ強いほど力が強まっていく。そして瓢箪まるまる1本飲み干してしまった。
「ぷはぁ…………はぁ……酒は何時飲んでも変わらんな……」
「いい飲みっぷりで御座いまして~そろそろ守らなくてもいいかなぁ~?」
「アカツキ、一応お主の恩人なのだぞ?それは忘れておらぬだろうな?」
「覚えていますよ~……酒呑童子様は僕の大切な恩人なのですから。」
俺は確かな足取りで立った。全く、大切な仲間達をこんな事にしてしまったのは我の責任ではあるものの、これは酷すぎる。やっと本気が出せるわい。しばらくの間はユキトよ、よく見ておれ。これがお主、いや……我なのだからな。
「ユキトを返して!!私は酒呑童子じゃなくてユキトが欲しいの!!あなたはいらないの!!」
「それは出来ぬ約束だな。我はしばらくの間我のままで居させてもらうからな。」
すると酒呑童子は刀を思いっきり床へトントンっと叩いた。すると青色の鬼火がサダメと酒呑童子の周りを覆い始めた。周りからは熱気よりかは、寒気を感じる。まるで氷みたいだ。周りは炎に覆われ全く見えない。2人だけの空間となっていた。
「やだよ……なんでユキトまで……なんで私は幸せになっちゃ行けないの!??」
「……お主は道を間違えすぎだ。その能力の使い道も、人生も、己の大切な物まで。」
「他の子見たにい幸せになりたいだけなのに!!ただ友達が欲しいだけなのに!!?」
「そうだ。誤ったまま進んでしまったお前が悪い……勿論願いを叶えさせてしまった妖、我も同じく悪いんだ。」
「じゃあなんで……なんでこんなことするの……??」
「罪を償わなければならぬ。それは我も同じだ。沢山の人間、妖を殺めてきた。だから……」
ユキト……起きろユキト!!!
「ぅん……俺……?」
そうだ。もうお前が出てきても問題ない。我と一緒になる時が来た。
「じゃあみんなの所に戻れる……?」
ああ、我は……我の意思は消えるがな。
「え……!?どうして!?」
そもそも我はお主が隠してきた闇側の心なのだ。今のお主は良心に満ち溢れておる。お主の方の意思が残るのは当然。我の意思は消える。そういう運命なのだ。だから頼む。もう目を覚ましてくれ。
「俺は……貴方も大切にするよ…忘れても大切にするよ。俺のこと忘れないでね。」
……それはどうだかな。忘れるかもしれぬ。
…………………………ありがとな……
………………………………………これで少しは休める…………
………………………………………………お主が間違った道を歩まなくていいように……
「罪を償わなければならぬ。それは我も同じだ。沢山の人間、妖を殺めてきた。だから。だから。罪を償う為の懺悔……俺の願いを叶えてくれる……?」
「…………え?」
「いいかな?俺の懺悔叶えてもらっても?」
「ユキトが願うなら……」
「じゃあ……」
「この世界を無くして全てを作り返す。俺達と一緒に、新しい世界を作ろう?」
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
あの事があってからもう100年過ぎた。
俺達は世界を作り直した。あの事が起きる前。つまり100年前いや、もっと前。俺が生まれた1700年ぐらい前かな。妖自体が生まれる前。
妖は生まれてしまったけど、人間との繋がりを持つ事はできた。今までは違う種族同士だったから分かり合えなかった。だけど繋がりを持つことが出来たから100年前の戦争は起きなかった。けど今は違う。陰陽師一族とだけ仲良くやっている。それは、妖が人間の世界を壊さないため。人間が妖の世界を壊さないため。
今は2020年の桜が舞い落ちる季節。別れと始まりの季節。そして……
俺たちが出会ったこの不思議な能力。
不思議なみんなと出会った季節だってことを俺達は忘れることは無いだろう……
HappyEND……
なんてそう簡単に訪れない。重々承知しているとも。でもまさか、
自殺死願者が産まれてくるなんてきっとここの誰もが思ってもみないだろう
あとがき
みなさま、どうでしたか?ユキト達は世界を作り直して平和な世界にしましたね。
これでめでたしめでたし……っと言う訳には行かないんですよね~((ゲス顔))
そうです!!
自殺死願者という主人公サイドがコロコロ変わる新しい話を書きます。
しかもしかもαteamのみんなで繰り広げてもらいます!!
いやぁ~昔の人狼ゲームみたいな酷い終わり方にはしないのでしないので安心してくださいw(あれは飽きちゃったんです……w言い訳にも程があるよなw)
それではまた逢える日まで……
by α Mana
「全く……大人しく捕まっておけば良かったのに…」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん、みんなで一緒に鬼ごっこしようよ!!あ、でも人間がいる…そうだ!!私の力で妖に戻してあげるね!!そうしたらみんなで鬼ごっこできるね!!」
そう言うとサダメはアαteamのメンバーを見渡すと手を合わせて真っ赤な瞳を閉じて…
「輪廻転生・生」
すると勾玉がカタカタと音を立て光が放った。眩しくなった光が消えるとそれぞれ違う姿に変わっていた。
マナカとマノアは妖狐に。
ユウトは烏天狗に。
シンは浦島太郎に。
カイは乙姫に。
タイヨウとタイセイ猫又に。
アロは九十九神に……
それぞれ姿は違うものの、瞳や髪の毛、声、様子、チームメンバーには変わりない仲間だった。
「何これ!?コス!?コスなの!?」
「マ、マナカ落ち着いて……ってうわ!?は、羽根…?」
「俺も狐じゃないか…!!ホノカが言ってたのは本当だったのか…」
「兄さんの羽衣と着物カッケー…白と青色の羨ましいな…」
「カイのも似合ってるよ……紫色可愛い…」
「セイ、お前…耳と尾っぽが…」
「に、兄ちゃんも一緒だよ…!!」
「ボクは実体化シましタヨ!?」
「みんなこれで大丈夫だね!!じゃあ鬼は……ユキトにお願いしようかな??」
するとユキトの姿はまるで変わり果てていた。
伸びた青色の2本の角。雪色の神着に首には同じ色の勾玉。後ろに背負われた大きな瓢箪。手には刀。目は赤色…紅い…赫い瞳で光はなく濁っている。そしてこちらを無表情で見つめている。アカツキは嫌な予感がしていた。もちろん他の仲間も一緒だ。だがアカツキ、クロテ、シロガネ、サクラの4人は1番それを感じていた。このままでは100年前のあの時と同じになってしまう。しかし躊躇する暇もなくサダメがどんどん話を進めていってしまう。
「ユキトが鬼で、他のみんなは人間ね!!ユキトの刀で切られたらそこで終わり!!あ、死んじゃうと面白くないからユキト、殺しちゃダメだよ?浅く斬るだけね?じゃあ行っくよ~よーいドン!!!」
全員が息を飲み、必死になって逃げた。するとユキトはありえないスピードで追いかけて来た。一番最初に狙われたのは……αteamNO.2マナカだった。
「!?ユ……ユキト!!目を覚ましてよ!!?なんであの子の言いなりになってんの!???」
「サダメノイウコトハゼッタイ……サカラウコトハユルサレナイ…」
今まで聞いたことの無いような低く冷たい、無機質な声でそう告げた。
マナカは泣きながら逃げたがすぐに追いつかれてしまった。その瞬間マナカの腕から鮮血がぽたぽたと流れ始めた。切られたのだ。驚きの速さで。マナカは叫んだ。紅い袴姿に血が落ちてさらに紅く染る。ユウトは驚いた顔をして駆け寄った。
「マナカ…!?大丈夫!?ねえ!?マナカ!!!?」
「痛い……助けて、ユウト…痛いよ…ユキトに斬られて…」
「……………………」
「ユキト君……?どうしちゃったの…なんでこんなことしてー」
話しかけた瞬間ユキトは刀を振り上げたがマナカを抱いたユウトは後ろから思いっきり引っ張られた。かと思ったら大きな龍の姿になったシロガネだった。引っ張ってくれなかったら今頃大量出血だっただろう。
シロガネの背中に乗ったままマナカの応急処置をするユウト。それを追いかけるユキト。ついさっきまで幼馴染みだったのに今では赤の他人のように感じる。だがすぐに標的を変えた。マノアだ。同じ妖狐だがヒーラーの役割があるマノアを先に駄目にしておいた方がいいのだろう。シロガネもそれはわかっていた五分五分の速さでシロガネは間一髪でマノアを背中に乗せることが出来た。
「あっぶね……シロガネ、助かった…」
「そんな事はいいからマナカちゃんの処置を!!」
「マノア……痛い…」
「解ったからちょっと待て…」
そう言って触れた瞬間すぐに傷が治ってしまった。今までは時間がかかったのに。妖の姿になって妖力が格段に上がったんだろう。シロガネはユウトを下ろし、狙われたマナカとマノアは背中に乗せたまま空を浮遊していた。
ユキトside
「……………………………………」
暗い…寒い…まるで100年前と同じ場所に居るみたいだ。だけど今は違う。サダメと戦っていたはずなのに、いつの間に気を失っていたのだろう……俺は…何してた?
「やっと目覚めたか…遅かったな、ユキト。」
「え……?俺?」
目の前に現れたのは俺だった。でも今の俺じゃない、昔の俺だった。
今の人間の姿とは全く違う凛々しい姿だった。言葉遣いもだいぶ違う。
「全く……どれだけ目覚めるのが遅いのだ。我は待ちくたびれたぞ…お陰で大惨事だ。」
「俺は……どうなったんですか?」
「何故敬語……まぁ良い。お主は今、サダメに意識を乗っ取られとる。強い言霊でな。今我がお前とその意志が身体から離れぬよう繋いでおる。だいぶ時間はかかったがな。お主は何処まで覚えているのだ。まさか全部覚えていないとは言わないだろうな!?」
「ええっと……部屋に入ったまでは覚えて…」
するともう1人の俺は深く長いため息を着いた。俺があわあわしていると少しだけ渋い顔をして話始めた。
「だいぶ抜け落ちてるみたいだな…そろそろ不味かもしれぬ。いいか、今から言う事をよく聞け。拒否権は無いからな。お主の身体を今から我がしばらくの間動かす。お主はそれを黙って目を瞑って瞑想をしておれ。いいか、少しでも集中力を離してしまうとお主の意思はなくなってしまう。今は2つに分裂しているが我とお主は一心同体なんだからな。良いか?」
「は、はい…気をつけます。」
「…………それならば変わるぞ。」
もう1人の俺は身体が青く光り消えていった。少しだけ辺りが明るくなった気がした。目を瞑って居ると目裏から光が溢れた。みんなが移ってる。
酒呑童子side
「………………………………………………」
まぁまぁ…これまたやってくれたもんだ。身体がゆう事を聞かん。全くサダメは厄介だよ。昔の我は相当な願いをしてしまったようだな。さてどうしたものか…
「ユキト??どうしたの?鬼ごっこ中だよ??」
「どうしたものこうしたも無いわ……全く、気を保つので精一杯だわい…」
「…………どうして酒呑童子が出てきてるの…???!!!」
「おや、喋れるようになってたのか。はて、なんのことだか我にはさっぱりだ。」
周りは困惑した目をしとるな。さて、身体も自由に動くことができ始めた。ここからは少し本領発揮と行こうか……
「アカツキ、我を守れ。少し力を蓄える。我に傷1つ付けさせるなよ。」
「やっと起きたんだね…ハイハイ、酒呑童子様の仰せのままに…なんてね。」
「私達も加勢します。サクラちゃん、行きますよ。」
「あ、うん!!」
アカツキに守らせておけば安心だが……まぁ人間の彼奴等も心配だ。少しだけ保護を付けるかな…
「サクラ、言霊を人間らに頼む。クロテは蝶の護符を」
「わかったよユキト。」
「ええ、任せてください。」
さてさて……それでは飲むかな…飲むかな
酒呑童子は後ろに背負っていた瓢箪を下ろし蓋を開け、そのまま酒を呑み始めた。
なんで飲んだかと言うと、これは霊力を上げるための酒なのだ。酔えば酔うほど酒の度が強ければ強いほど力が強まっていく。そして瓢箪まるまる1本飲み干してしまった。
「ぷはぁ…………はぁ……酒は何時飲んでも変わらんな……」
「いい飲みっぷりで御座いまして~そろそろ守らなくてもいいかなぁ~?」
「アカツキ、一応お主の恩人なのだぞ?それは忘れておらぬだろうな?」
「覚えていますよ~……酒呑童子様は僕の大切な恩人なのですから。」
俺は確かな足取りで立った。全く、大切な仲間達をこんな事にしてしまったのは我の責任ではあるものの、これは酷すぎる。やっと本気が出せるわい。しばらくの間はユキトよ、よく見ておれ。これがお主、いや……我なのだからな。
「ユキトを返して!!私は酒呑童子じゃなくてユキトが欲しいの!!あなたはいらないの!!」
「それは出来ぬ約束だな。我はしばらくの間我のままで居させてもらうからな。」
すると酒呑童子は刀を思いっきり床へトントンっと叩いた。すると青色の鬼火がサダメと酒呑童子の周りを覆い始めた。周りからは熱気よりかは、寒気を感じる。まるで氷みたいだ。周りは炎に覆われ全く見えない。2人だけの空間となっていた。
「やだよ……なんでユキトまで……なんで私は幸せになっちゃ行けないの!??」
「……お主は道を間違えすぎだ。その能力の使い道も、人生も、己の大切な物まで。」
「他の子見たにい幸せになりたいだけなのに!!ただ友達が欲しいだけなのに!!?」
「そうだ。誤ったまま進んでしまったお前が悪い……勿論願いを叶えさせてしまった妖、我も同じく悪いんだ。」
「じゃあなんで……なんでこんなことするの……??」
「罪を償わなければならぬ。それは我も同じだ。沢山の人間、妖を殺めてきた。だから……」
ユキト……起きろユキト!!!
「ぅん……俺……?」
そうだ。もうお前が出てきても問題ない。我と一緒になる時が来た。
「じゃあみんなの所に戻れる……?」
ああ、我は……我の意思は消えるがな。
「え……!?どうして!?」
そもそも我はお主が隠してきた闇側の心なのだ。今のお主は良心に満ち溢れておる。お主の方の意思が残るのは当然。我の意思は消える。そういう運命なのだ。だから頼む。もう目を覚ましてくれ。
「俺は……貴方も大切にするよ…忘れても大切にするよ。俺のこと忘れないでね。」
……それはどうだかな。忘れるかもしれぬ。
…………………………ありがとな……
………………………………………これで少しは休める…………
………………………………………………お主が間違った道を歩まなくていいように……
「罪を償わなければならぬ。それは我も同じだ。沢山の人間、妖を殺めてきた。だから。だから。罪を償う為の懺悔……俺の願いを叶えてくれる……?」
「…………え?」
「いいかな?俺の懺悔叶えてもらっても?」
「ユキトが願うなら……」
「じゃあ……」
「この世界を無くして全てを作り返す。俺達と一緒に、新しい世界を作ろう?」
……………………………………………………………………………………………………………………………………………
あの事があってからもう100年過ぎた。
俺達は世界を作り直した。あの事が起きる前。つまり100年前いや、もっと前。俺が生まれた1700年ぐらい前かな。妖自体が生まれる前。
妖は生まれてしまったけど、人間との繋がりを持つ事はできた。今までは違う種族同士だったから分かり合えなかった。だけど繋がりを持つことが出来たから100年前の戦争は起きなかった。けど今は違う。陰陽師一族とだけ仲良くやっている。それは、妖が人間の世界を壊さないため。人間が妖の世界を壊さないため。
今は2020年の桜が舞い落ちる季節。別れと始まりの季節。そして……
俺たちが出会ったこの不思議な能力。
不思議なみんなと出会った季節だってことを俺達は忘れることは無いだろう……
HappyEND……
なんてそう簡単に訪れない。重々承知しているとも。でもまさか、
自殺死願者が産まれてくるなんてきっとここの誰もが思ってもみないだろう
あとがき
みなさま、どうでしたか?ユキト達は世界を作り直して平和な世界にしましたね。
これでめでたしめでたし……っと言う訳には行かないんですよね~((ゲス顔))
そうです!!
自殺死願者という主人公サイドがコロコロ変わる新しい話を書きます。
しかもしかもαteamのみんなで繰り広げてもらいます!!
いやぁ~昔の人狼ゲームみたいな酷い終わり方にはしないのでしないので安心してくださいw(あれは飽きちゃったんです……w言い訳にも程があるよなw)
それではまた逢える日まで……
by α Mana
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