8 / 17
8
しおりを挟む
紅葉さんに警戒している、焔達を説得しながら、彼女が持ってきた蒸した鶏肉を目の前に出す。
紅葉さんも少し離れた所で様子を見ている。
「私が近くにいると食べづらいよね~」
そう言いながら、俺に鶏の胸肉を渡すと、かなり離れた場所にしゃがみんで、様子を窺ってるのが、彼女らしいというかなんというか。
『彼女の料理は俺も紫雫も食ってるけど、変なモノは入ってないよ。ここの野菜とか、人間のテリトリーで奴らが嫌がる事をしなければ俺達も、お前達もココに置いてくれるってさ』
キュウウ~と小さく唸ると、焔達はお腹を空かせていたみたいで、自分たちの前に置かれた皿に乗っている鶏肉に食いついた。
「美味いか? 良かった…。お前達が無事で…」
兄さん達は、なんとか生き抜けるだろうと思ってたけど、こいつ等は人間に化けてやり過ごすことも出来ない。
最後まで見届けたかったけど、彼らの生活を圧迫したくもない。別れを選んだのは苦渋の選択だったと今でも思う…。
彼らの食事が終わった頃…。
「もふもふ…。可愛い……。撫でたい…」
しょんぼりとした呟きが、遠くから聞こえてきた。
はぁ~…、ため息ひとつつくと狐の姿へと变化する。
「こいつらにはまだ警戒とかあるだろうし、酷なんで俺で勘弁してやって…?」
「暁くん、優しい! 紫雫くんも撫でていい? お疲れ様の気持ちも込めて!」
俺達が大人しく撫でられていると、おもむろに紅葉さんは立ち上がる。
「せっかく暁くん、綺麗な毛並みなんだし、ブラッシングもしたい! ブラシも持ってくる!」
そう言って、足早に裏口のドアへと消えていった。
『あの人…、あんまり怖くないだろ? 俺が警戒して噛みついても、怒らなかった。俺も紫雫も、妖だってわかってもあんな感じのままなんだ…』
キュウウ~……そう小さく鳴くと、帰ってきた紅葉さんに焔達が鼻を寄せる。
まだ警戒は完全には解けてないだろうけれど、恐怖心を抑えながらも少し歩み寄ろうとしてくれたのだろう。
「ありがとう。嬉しいよ。でも無理しないでね? ゆっくり仲良くなれたらそれで嬉しいから!」
そう言って笑う紅葉さんに、合流したばかりの狐達は小さく首を傾げた。
近い未来、皆で仲良く過ごせたら幸せだなと思う。
紅葉さんの撫でテクとブラッシングに、いつも通りにうっとりと骨抜きになる俺と紫雫を見て、自分達にもやってと焔達が行動しだすのに、そう時間はかからなかった。
紅葉さんも少し離れた所で様子を見ている。
「私が近くにいると食べづらいよね~」
そう言いながら、俺に鶏の胸肉を渡すと、かなり離れた場所にしゃがみんで、様子を窺ってるのが、彼女らしいというかなんというか。
『彼女の料理は俺も紫雫も食ってるけど、変なモノは入ってないよ。ここの野菜とか、人間のテリトリーで奴らが嫌がる事をしなければ俺達も、お前達もココに置いてくれるってさ』
キュウウ~と小さく唸ると、焔達はお腹を空かせていたみたいで、自分たちの前に置かれた皿に乗っている鶏肉に食いついた。
「美味いか? 良かった…。お前達が無事で…」
兄さん達は、なんとか生き抜けるだろうと思ってたけど、こいつ等は人間に化けてやり過ごすことも出来ない。
最後まで見届けたかったけど、彼らの生活を圧迫したくもない。別れを選んだのは苦渋の選択だったと今でも思う…。
彼らの食事が終わった頃…。
「もふもふ…。可愛い……。撫でたい…」
しょんぼりとした呟きが、遠くから聞こえてきた。
はぁ~…、ため息ひとつつくと狐の姿へと变化する。
「こいつらにはまだ警戒とかあるだろうし、酷なんで俺で勘弁してやって…?」
「暁くん、優しい! 紫雫くんも撫でていい? お疲れ様の気持ちも込めて!」
俺達が大人しく撫でられていると、おもむろに紅葉さんは立ち上がる。
「せっかく暁くん、綺麗な毛並みなんだし、ブラッシングもしたい! ブラシも持ってくる!」
そう言って、足早に裏口のドアへと消えていった。
『あの人…、あんまり怖くないだろ? 俺が警戒して噛みついても、怒らなかった。俺も紫雫も、妖だってわかってもあんな感じのままなんだ…』
キュウウ~……そう小さく鳴くと、帰ってきた紅葉さんに焔達が鼻を寄せる。
まだ警戒は完全には解けてないだろうけれど、恐怖心を抑えながらも少し歩み寄ろうとしてくれたのだろう。
「ありがとう。嬉しいよ。でも無理しないでね? ゆっくり仲良くなれたらそれで嬉しいから!」
そう言って笑う紅葉さんに、合流したばかりの狐達は小さく首を傾げた。
近い未来、皆で仲良く過ごせたら幸せだなと思う。
紅葉さんの撫でテクとブラッシングに、いつも通りにうっとりと骨抜きになる俺と紫雫を見て、自分達にもやってと焔達が行動しだすのに、そう時間はかからなかった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる