35 / 44
本編
32(アレク視点)
しおりを挟む
「それじゃあ、頂こう」
皆コーヒーをそのまま飲んだり、乳をいれたり、思い思いの飲み方をした。俺とロイさんがそのままのスッキリとした味を好むらしい。セイルが乳だけ入れて、マイルドな味わいを好んだ。リルとリリアさんとフィールは苦いらしく、乳と砂糖を入れるとやっと美味しく飲めるみたいだった。
黒い飲み物を楽しみながら、ハンバーガーというものを一口。酸味のあるソース2種とトマトの味が、肉の油をスッキリとさせてくれるし、野菜も入っていて美味しかった。お肉が柔らかくて美味しかった。
おかずとして単品で食べれると言われ、今晩もまた食べたいと俺だけじゃなくリルに言った。
リルは夜の献立を考えているのか、少し考え込んでいた。
リリアさんの楽しげな声が響く。
「お肉が柔らかくて美味しいわね。リフィちゃんがこれを作ってくれたなんて……」
「喜んでもらえて何よりです」
リルは照れた様子で微笑んでいた。微笑むリルが可愛くて、つい見惚れてしまった。そんな時にリルと目があい、赤い顔をみられまいとして、フイっと顔を背けた。
食事をとってから、みなと別れ業務をこなす。たまに微笑むリルの愛らしさに手が止まるのは気のせいだと思いたい。
ノックも無しに部屋に入る女性は、叔母のミリ。扉は開けっ放しかよ!
そんな事を考えていると、「アレク~! ずっとあいたかったよ~」と、頬にキスを落とされた。
昔からスキンシップ過剰なんだよな……。この人……。ついため息が出そうになる。
「いいから落ち着け」
ついそう言い放っていた。
食器がぶつかる様な大きな音がし顔を向けると、リルが口元をおさえる様に手をあて、立ち尽くしていた。後ろから来たセイルがの押すカートにぶつかったらしい。怪我はないだろうか。
立ちすくんでいたリルが走り去った。
「リル!」
「あらぁ、修羅場?」
「誰のせいだ!」
「どうでも良いけど、リル追いかけないの? 彼女アレク様を心配して来たんだよ…」
怒ったみたいにはいった。
「伝言ね。『調子が良くないように見えたから…、アレク様に出してあげて……』そう言ってたんだよ。追いかけて!」
「リル今にも泣きそうに見えたし、早く行くっス! アレク様」
そんな風に執務室から飛び出して、泣いているかも知れないリルを、見つけるために城中を駆けずり回った。
ここに捨てられたと言ってた時だって、泣いてなかったのに……。
3階の庭園につくと、木によりかかり、泣きつかれて眠るリルを見つけた。
辛い姿勢だろうと、俺の膝に頭を乗せ横にさせた。
リルの寝顔を見つめつつ、告白を決意する俺だった。
皆コーヒーをそのまま飲んだり、乳をいれたり、思い思いの飲み方をした。俺とロイさんがそのままのスッキリとした味を好むらしい。セイルが乳だけ入れて、マイルドな味わいを好んだ。リルとリリアさんとフィールは苦いらしく、乳と砂糖を入れるとやっと美味しく飲めるみたいだった。
黒い飲み物を楽しみながら、ハンバーガーというものを一口。酸味のあるソース2種とトマトの味が、肉の油をスッキリとさせてくれるし、野菜も入っていて美味しかった。お肉が柔らかくて美味しかった。
おかずとして単品で食べれると言われ、今晩もまた食べたいと俺だけじゃなくリルに言った。
リルは夜の献立を考えているのか、少し考え込んでいた。
リリアさんの楽しげな声が響く。
「お肉が柔らかくて美味しいわね。リフィちゃんがこれを作ってくれたなんて……」
「喜んでもらえて何よりです」
リルは照れた様子で微笑んでいた。微笑むリルが可愛くて、つい見惚れてしまった。そんな時にリルと目があい、赤い顔をみられまいとして、フイっと顔を背けた。
食事をとってから、みなと別れ業務をこなす。たまに微笑むリルの愛らしさに手が止まるのは気のせいだと思いたい。
ノックも無しに部屋に入る女性は、叔母のミリ。扉は開けっ放しかよ!
そんな事を考えていると、「アレク~! ずっとあいたかったよ~」と、頬にキスを落とされた。
昔からスキンシップ過剰なんだよな……。この人……。ついため息が出そうになる。
「いいから落ち着け」
ついそう言い放っていた。
食器がぶつかる様な大きな音がし顔を向けると、リルが口元をおさえる様に手をあて、立ち尽くしていた。後ろから来たセイルがの押すカートにぶつかったらしい。怪我はないだろうか。
立ちすくんでいたリルが走り去った。
「リル!」
「あらぁ、修羅場?」
「誰のせいだ!」
「どうでも良いけど、リル追いかけないの? 彼女アレク様を心配して来たんだよ…」
怒ったみたいにはいった。
「伝言ね。『調子が良くないように見えたから…、アレク様に出してあげて……』そう言ってたんだよ。追いかけて!」
「リル今にも泣きそうに見えたし、早く行くっス! アレク様」
そんな風に執務室から飛び出して、泣いているかも知れないリルを、見つけるために城中を駆けずり回った。
ここに捨てられたと言ってた時だって、泣いてなかったのに……。
3階の庭園につくと、木によりかかり、泣きつかれて眠るリルを見つけた。
辛い姿勢だろうと、俺の膝に頭を乗せ横にさせた。
リルの寝顔を見つめつつ、告白を決意する俺だった。
0
お気に入りに追加
345
あなたにおすすめの小説
少し先の未来が見える侯爵令嬢〜婚約破棄されたはずなのに、いつの間にか王太子様に溺愛されてしまいました。
ウマノホネ
恋愛
侯爵令嬢ユリア・ローレンツは、まさに婚約破棄されようとしていた。しかし、彼女はすでにわかっていた。自分がこれから婚約破棄を宣告されることを。
なぜなら、彼女は少し先の未来をみることができるから。
妹が仕掛けた冤罪により皆から嫌われ、婚約破棄されてしまったユリア。
しかし、全てを諦めて無気力になっていた彼女は、王国一の美青年レオンハルト王太子の命を助けることによって、運命が激変してしまう。
この話は、災難続きでちょっと人生を諦めていた彼女が、一つの出来事をきっかけで、クールだったはずの王太子にいつの間にか溺愛されてしまうというお話です。
*小説家になろう様からの転載です。
溺愛される妻が記憶喪失になるとこうなる
田尾風香
恋愛
***2022/6/21、書き換えました。
お茶会で紅茶を飲んだ途端に頭に痛みを感じて倒れて、次に目を覚ましたら、目の前にイケメンがいました。
「あの、どちら様でしょうか?」
「俺と君は小さい頃からずっと一緒で、幼い頃からの婚約者で、例え死んでも一緒にいようと誓い合って……!」
「旦那様、奥様に記憶がないのをいいことに、嘘を教えませんように」
溺愛される妻は、果たして記憶を取り戻すことができるのか。
ギャグを書いたことはありませんが、ギャグっぽいお話しです。会話が多め。R18ではありませんが、行為後の話がありますので、ご注意下さい。
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く
とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。
まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。
しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。
なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう!
そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。
しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。
すると彼に
「こんな遺書じゃダメだね」
「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」
と思いっきりダメ出しをされてしまった。
それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。
「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」
これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。
そんなお話。
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる