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本編

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 最近はアレク様に気がつくと抱きしめられたり、額にキスを落とされたり、「ずっと立ってるのは疲れるだろう?」とか言われ、膝に座らされたり、スキンシップが過剰な気がする。

 なのに、恥ずかしいけど幸せで中で私も彼のそばから離れたくないと思っている。

 精霊様…、どうすればいいの……。姿が見れるといいのに……。相談に乗って欲しいのに…。

「あれ? 以前精霊様の姿が見えてた……? 声も聞こえてた……? ならなんで今は見えなくなったのかしら……」

「親和性の問題じゃないかな……」

「親和性……?」

「なんていうのかな……。昔は、みんな精霊を信じて、感謝していたんだろう? 精霊の世界と、近かったというか…」

 アレク様はうまく言えないみたいで、途中で言い淀む。

「だから、昔は声が聞こえたんじゃないかな…」

「皆が精霊様を信じて感謝をしていけば、再び会えるかもって事ですね……?」

「現にここにいる者は、信じているだろう? 不可能を可能にしたのだから…」

「そうですね。みんなで顔合わせできるように頑張りましょう」

 にこやかに見つめるアレク様の頬に、唇で軽く触れた。

「隙ありです…」

 …と、赤くなった顔を隠すように俯く。

「リルが可愛くてつらい…!」

 普通ですよ! 何言っちゃってるんですか、もうっ! 予想外の言葉に私も取り乱した。

「俺らもいるんスけど……」

 呆れた様にいうセイルと、ひたすらにコクコクと同意するフィールにいたたまれなくなる。

「そんな事言うなら、外してもいいだろ。リルくらいなら俺だけで守れるし」

まぁアレク様だけでも大丈夫でしょうけど、ロイパパさん怖いんスよ。娘に何かあったら、どうしてくれる!って。だからわかるっスよね……」

 2人がいたことを忘れてた私は、思わず真っ赤になって顔を覆う。

「そうそう。二人きりになりたいなら、籍を入れないと駄目だと思うよ…」

 呆れた様に、とんでもないことを言い放つフィールに更に恥ずかしくなった。

 そんな私を他所に、彼らのじゃれあいに満ちたやり取りは続いた。



「そういえば、差し入れたフルーツは、食べられましたか? 体調が悪いのかと思って……」

「今ならそう見えた理由…。わかるだろ……?」

「もしかして照れて赤くなってただけ……、なの?」


「いいや……? 食べてないよ」

「せっかく冷やしたのに、残念です」

 かなり時間が経っていると思うので、はちみつに浸けたレ以外は無駄にしてしまっただろうか…。

「リルを泣かせたのは、勘違いさせた、俺の不手際だけど……、リルと思いあえて嬉しい……」

 そう言って心からの笑顔を見せてくれる、アレク様に私も嬉しくなった。
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