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16.なんとかなる
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由那がちょっと首を傾げてから言う。
「んー、庇護欲を誘うため!とか?」
「スライムで?」
「スライム言うなあ」
ぺしぺし、と控えめに腕を叩かれる。いやあれは今思い出してもスライムだから。
よく考えてみれば写真でも撮っておくべきだったな、この子に心の準備させるためにも。まあその頃はそんな余裕なかったわけだけど。
「でも勝谷は私のこと守ってくれてたじゃん?」
「……否定はしない」
「じゃあ成功だ!」
なーにが成功だよ、と言いたいような、言いたくないような。
「いやでも溶けないに越したことないだろ大変だし。ていうか失恋とかしたらどうすんだよ、一生ドキドキするたびに溶けるとか困るだろ。まあ俺たちがいくらでも面倒みるけど、でも本人が嫌がるかもしれないし、やっぱり根本的な解決っていうと」
「勝谷うるさあい」
「うるさいってなんだよ」
大切なことだろ、と言うと「そうだけどさあ」と由那が笑う。
「この子がどうにか考えることだって。私もそうだったし」
むにむに、と唇を動かす赤ん坊、由宇のことを見ながら由那が言う。
「きっと、溶けるくらいに好きな人を見つけられるって、それだけで幸せなことなんだからさ」
「んー、庇護欲を誘うため!とか?」
「スライムで?」
「スライム言うなあ」
ぺしぺし、と控えめに腕を叩かれる。いやあれは今思い出してもスライムだから。
よく考えてみれば写真でも撮っておくべきだったな、この子に心の準備させるためにも。まあその頃はそんな余裕なかったわけだけど。
「でも勝谷は私のこと守ってくれてたじゃん?」
「……否定はしない」
「じゃあ成功だ!」
なーにが成功だよ、と言いたいような、言いたくないような。
「いやでも溶けないに越したことないだろ大変だし。ていうか失恋とかしたらどうすんだよ、一生ドキドキするたびに溶けるとか困るだろ。まあ俺たちがいくらでも面倒みるけど、でも本人が嫌がるかもしれないし、やっぱり根本的な解決っていうと」
「勝谷うるさあい」
「うるさいってなんだよ」
大切なことだろ、と言うと「そうだけどさあ」と由那が笑う。
「この子がどうにか考えることだって。私もそうだったし」
むにむに、と唇を動かす赤ん坊、由宇のことを見ながら由那が言う。
「きっと、溶けるくらいに好きな人を見つけられるって、それだけで幸せなことなんだからさ」
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