重くて甘い愛の証

蒼キるり

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後編

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 多少は濡れていたとはいえ、前戯も少ない中で行われたその行動に、ジェーンは引き攣るような痛みを覚える。
 びりびりと襲う痛みに必死で首を振って痛みを訴える。声も途切れ途切れにしか出ない様子を見たヴィルが微かに眉を潜めた。
 それから指の動きを止めると、ジェーンは激しく呼吸をしながらくたりと身体の力を抜いた。
 それを見たヴィルはジェーンの身体を抑えていた手を離し、ジェーンの秘部に伸ばした。ぴくりと恐怖のため震えるジェーンは無視して、もう一方の指を入れている場所よりも少し上の辺りを突く。
 そっと優しく周辺をなぞられ、ジェーンは困惑する。しかしじわじわと快感が生まれいくことに気づかざるを得なかった。
 そしてそれに気づいたヴィルは小さく笑い、入れたままだった指をそのままぐるりと掻き回した。
 今まで知らなかった新たな快感が生まれ、ジェーンは声を上げる。驚くほど敏感な部分にヴィルの指が触れると蜜が溢れるのを感じ、ジェーンは羞恥で顔を赤くした。

「ふっ……あ、あっ……や、めてぇ」

「そんな声で言っても無駄だよ。……ねえジェーン、僕もう我慢出来ないや。痛いかもしれないけど、我慢してね」

 切羽詰まった様な声で言われ、ジェーンは思わず抵抗を一瞬緩めてしまう。
 その隙にぐいっと脚を開かれヴィルの熱いソレが押し付けられる。ソレが狭い路を乱暴に開いていく。

「痛っ……い、やっ」

 今までに経験した事のない痛みに、ジェーンは身を捩る。
 それでもぐいぐいと押し入れてくるのを止めてくれないヴィルに思わず涙が頬を伝う。
 痛みにうまく思考ができなくなり、ジェーンは思わず幼児のようにヴィルに縋る。怖い事があると抱きついていた昔のように。

「ヴィ、ヴィル……やっ、ヤダよぉ……怖い事、しないでよ」

「ジェーン?名前……」

 ヴィルの驚いたような顔にジェーンは背に手を回して泣きつく。

「名前、読んでくれないから……もう僕の事なんか嫌いなのかと」

「……ヴィルの事、嫌いになるわけないもん……だって、私なんかもう貴族じゃないし。名前なんか呼べないって思って……」

「そんな事……!」

「それでも……私、ヴィルが好きだよぉ」

 泣いたせいで思考回路が正常じゃないのかもしれない。ジェーンの口から思わず本音が溢れる。

「ジェーン……ごめん、僕君にこんなことして……」

 緩く繋がったままだったそこを、ヴィルが抜こうとする。それをジェーンが首を振って止める。

「いや……だってヴィルの事好きだから……私を抱いて」

 そう言うと、ヴィルは優しくジェーンにキスをした。
 きっとこの森を出たら、身分差のせいでこんな風には言えないとジェーンはわかっていたから。
 だからせめて……最後と思って、ヴィルと一つになりたい、ジェーンはそう願ってヴィルの舌に自分の舌を絡めた。


 勿論、一度自分のものにしたジェーンをヴィルが手放すわけもなく、どうにかこうにかジェーンを自分のものにするのだが、それはまた、別のお話。
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